”起業家”の定義とは?

Worthless, Impossible and Stupid(意味がなく、あり得なくて、馬鹿げている)というこの夏に出版された本の著者、ダニエル アイゼンバーグ氏のケンブリッジイノベーションセンターで開かれたサイン会をかねたトークショーにいってきました。
アイゼンバーグ教授は、バブソンカレッジのバブソン・アントレプレナーシップ・エコシステム・プロジェクトのディレクターをしています。

彼はイスラエル人ですが、ハーバード大学で心理学の博士号をとった後、イスラエルで、起業について学び、イスラエルのハイテク関連のスタートアップを始め日本やその他、多数の国にまたがる仕事をしてきました。

この本では、世界中の起業家の事例が沢山でてくるので、読み物として、おもしろいです。私は起業するとは自分の人生を探求していくことなのかな、という気がすごくしましたね。この本にでてくるどの起業家も、まっすぐ平坦な道をいっているわけではなく、どの人も困難にぶつかったり、ぎりぎりのところを歩いていたりします。読んでいるほうは、なんて激しい人生だろう、と思いますがきっと、当人達はやりたいことを追求しているだけなんだろうとも思います。

まず、彼は起業家精神とは 他の人が認識できない、もしくは見逃している需要と供給のギャップを見いだし、そこから ”驚異的な価値” を創造し、それに見合うリターンを受け取るということ、を前提にしています。だから、個人事業や中小企業のオーナーは必ずしもそれにあてはまらない(場合が多い)ということを主張しています。スケールを大きくして、金銭的なリターンをあげられなければ、起業家とはいえないそうです。(このあたりの点は、トークショーにきていた、人の中でも意見が分かれました。)自分の商品、サービスに金銭的な価値がついて始めて、価値を創造しているといえる、と彼は主張します。

本の前半では、起業家の3つの神話のうそ、について書いてあります。
• 起業家はイノベーターでなければならない。

• 起業家は専門家でなければならない

• 起業家は若くなければならない。

これらに対して、そうではない事例をあげて、反論しています。

大抵どの起業家も、みんなに反対された事業を起こしています。というのも、みんながいいといったものには手をださないからです。みんなに馬鹿げてる、とかあり得ないといわれても、自分を信じて、周りをまきこんでなんとか、やってしまうから、普通の神経の人は起業家にはなれない、というわけです。

そして、もちろん、失敗もたくさんあります。ハーバードビジネススクールのビジネスプランの賞をとったビジネスでさえ、上手くいかないこともある例をあげています。

今回のトークショーでは、30人近くの人がいたでしょうか、著者が一方的に話すというより、観客のだす、質問に答えるという形をとったので関係性が一気に縮まって面白かったです。若者の起業に対しては非常に懐疑的でしたね、特に、若者の起業がすばらしい事だらけ的なメディアの報道には、辟易されていました。が、それに対して真っ向から挑んでいる若者もいたりして、非常にエキサイティングでした。

あと、彼が見なしているレベルの”起業”というのは、自分のしていることを100%以上愛せないと、とてもできることではないな、と思いました。まさに自分自身の人生を120%生き抜くというか。。。どこか、大衆に対する共感力が高い、成功する芸術家的な香り、それと同時に、緻密さのようなものも感じました。アイデアやビジョンはとてつもなく、大きく夢見ていると感じられても、階段を丁寧に少しずつ、一歩ずつ確認して上っていくような。。。

又、どの話にも共通していると気ずいたのは、リーダーシップを発揮して、チームを作る力です。
リーダーシップは起業家でなくても、どの分野の世界でも発揮できるものですが、逆に起業家はリーダーでなければいけないようですね。リーダーシップをとるには、才能も必要なんじゃないかなあ、と思って調べてみると、実際、”最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと”という本で、リーダーには才能が必要だとのべられています。どんな、才能が必要かは、是非本を参照してみてください。

又日本人として、実業家、社会起業家の杤迫 篤昌(とちさこ あつまさ)氏の例が選ばれていて、銀行口座をもたない出稼ぎ移民の送金を手助けをする金融機関を立ち上げたことを紹介していました。彼は、三菱東京UFJ銀行(もと東京銀行)のバンカーで27年勤めてから起業された方です。日本人だけど、南米の人達の役に立つような起業をされました。普及させたいとの思いから、”支援”という形でなく、あえて、ビジネスという形をとった例です。

海外勤務が長くて、これから早期退職でもして、第二の人生を始めようか、と思われている方の起業の参考に、なるかもしれません。

本によると、起業する年齢の平均は男性40歳、女性41歳、そしてそのうち23%は55〜64歳のベイビーブーマーなんだそうです。そして、彼もトークショーの中で色々な条件の整う40代以降の起業をすすめていました。

結局、自分の好きなビジネスを追求して、あとから振り返ってみたら起業家になっていた、ということなのかもしれませんね。今までにない新たな市場を創造したい、と思っている方は、読んでみて損はないと思います。

スケールアップに成功する起業家になれるか否か、テストはこちら


Worthless, Impossible and Stupid: How Contrarian Entrepreneurs Create and Capture Extraordinary Value

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中