ドイツの会社が注目するマサチューセッツ州の製造業

去年から、マサチューセッツ州での製造業への回帰に関する新聞記事が時々目についています。アジアに製造業の拠点が移ってから、スキルのある労働者の育成ができず、製造業が戻ってきても(きたくても)労働者がいないというギャップを埋める為に、ドイツの会社ジーメンスが工業学校のような職業訓練をする学校にソフトウエアを購入するために6億6千万ドルを寄付したという話がありました。(ボストングローブ4月16日)

製造業の労働者といっても、簡単な組み立てをするわけではなく、精密機械であったり、飛行機であったりと、主にハイテク関連の産業の工場で働く労働者にも高いITスキルが求められています。ところがこのような、職業訓練学校は、最近では、予算もたりなくソフトウエア等を購入することができません。
マサチューセッツ州の製造業は他のセクターを引き離し州のGDPの13%にもなっています。ところが、若者は製造業はもう将来がないと思ってしまっており、教育もハイテクコンピューターを使って、製造することに関わる人達の為の教育に投資していません。

しかし、それを違う目でみているのがドイツのジーメンスです。90年代からジーメンスは世界中の学校にソフトウエアを提供することをしてきました。製品のライフサイクルマネージメントのテクノロジーを、ダイソンの掃除機やNASAの火星探査機、その他何千もの会社が製品をデザインして製造するのに使っています。2年前から、ジーメンスはマサチューセッツ州の製造業に投資を始めています。このエリアの教育に注目し、ソフトウエアだけでなく、コンピューターラボや、先生達にも教育をします。

製造業では次の10年で高齢化によって10万人ほどのポジションがあくといわれており、平均年収も7万5千ドルほどの仕事になりますが、明らかにスキルのある人材を確保できていないのが現状です。問題は、企業はこの州は研究開発が得意で知的労働のエリアであり、製造業はあまり得意ではないし、コストが高いと思っていることです。
しかし、この問題は雇用を作りだすということだけでなく、イノベイティブでいるということにとって重要な問題です。例えば、アジア、得に韓国のように製品を作る過程において、デザインをよく学んできている国は、今では電化製品のデザインではリーダー的存在になっています。

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ドイツは職業訓練制を取入れている国だけあっていわゆる、工業専門学校の位置付けがアメリカや日本とは違います。戦後、日本はアメリカの教育システムに倣ったわけで、大学にいくことが一番いい、という流れができてしまっていますが、”もの作り国家” というのであれば、もの作りの”教育”の部分を本来大事にするべきのような気がしますね。

それにしても、その州の産業を担う分野の教育機関に外資が入ってくるというのは、(しかも高校レベルで)かなり大胆な感じがします。アメリカのこういう柔軟性がアメリカ経済を前進させることを担っている一因でもあるのではないでしょうか。産業と教育をつなげていく事が、失業率を下げる可能性があることにアメリカ人も気ずき始めたようです。

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