貧困の心理学ー貧困は経済活動にどのような影響を与えるのか

先月、チューリッヒ大学の同窓会が貧困における行動経済学を研究しているMITのヨハネス•ハウスホーファー氏を招いたイベントを行いました。
彼はケニアで発展途上国における行動経済学のリサーチを行っています。

ヨハネス•ハウスホーファー氏はチューヒッリ大学のエルンスト•フェール氏とともに貧困の心理学に関して様々な共同研究を発表しています。
研究では貧困がストレス、不安、否定的な感情をもたらし、そして、それが人々の経済活動に影響をもたらすということがわかりました。

日雇い労働者は日々の生活のための賃金を得るために、少しのリスクどころか、非常にリスクを回避するような行動をとります。
彼らにとっては将来的に高い所得を得る為に、今を過ごすのではなく、今現在の所得がどうなのかが重要です。経済的に、長期的影響を及ぼすことになる、教育や健康のような投資には興味をもたず、長期的な視野にかけています。よって、適切な手段がないと貧困から抜け出すのは非常に難しいということになります。

精神的な恐怖や不安を取り除く為に、現金を無条件に支給するというのが一つの解決策になるのではないかということで、ヨハネス•ハウスホーファー氏はケニアで返済の必要のない決まった額を毎月渡すという実験をして、一年後に調べてみると、人々は幸福でストレスが低かった、ということがわかりました。

もう一つの方法は、貧困の結果である精神状態の改善に取り組むということです。貧しい人々はうつの傾向があり精神的な治療が必要なことが多いそうで、このような治療は個人の対処能力を高め、貧困から抜け出すことを可能にする、ということもわかったそうです。

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現在世界中で15億人ほどの人が一日1ドル以下で生活しているということです。アフリカではヨーロッパよりも平均寿命が21歳短く、人口の3分の1は読み書きできないということで、経済的な貧困が寿命を短くし、教育程度の低い子供達を育てる結果になっているそうです。
最近増えている都市の貧困対策に支給される生活保護も金銭的な意味だけでなく、精神的な意味で効果があるということがいえそうです。心の健康が、生活を支えるといえるでしょう。ただ、都会の貧困は、アフリカの一日1ドルで生活している人達の貧困状態とは質も違うし、対処するべき問題も違うとは思いますが。

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