大学のお金を運営するファンドマネージャーに支払う報酬はどのくらい?

ハーバード大学のファンドは300億ドル以上ありますが、この巨大なファンドの運営をしているのはハーバード大学の完全持株子会社として1974年に設立されたハーバード マネージメントカンパニーです。8月28日のボストングローブによると、1969年度の卒業生達が、この会社のファンドマネージャー達に対する報酬が高すぎるというクレームを学長あてに書いたとの記事がありました。

世界で一番大きな大学ファンドを管理するマネージャーのうち報酬の高い順に5人の報酬額を合わせると、2009年には2520万ドル(1ドル104円で換算すると26億円程度,
一人あたり、5〜6億円程度)だったのに、2013年には2880万ドルになりました。その間2011年には財政危機の影響をうけて1800万ドルになっています。
これに対し、ハーバードの同窓生達はファンドマネージャーに支払いすぎだといっています。サンフランシスコにあるCharles A. Skorina & Co.という投資運営会社によると実際、2008年からの5年間でみるとパフォーマンスは年率1.7%にしかなっていず、(しかし、2009年からの5年間だと、11〜12%になるとのこと)アイビーリーグのうちで一番パフォーマンスが悪いです。ちなみにコロンビア大学はアイビーリーグの中では一番運用率がよく6.8%だそうです。

金額という絶対数でみれば、高いと思いますが、割合でみると、どうなんでしょうか。最も、通常の銀行のように純粋に利益を追求する機関と違って大学のお金を預かるということで、寄付をした方からすれば、ファンドマネージャのためにそんなに使うのなら、学生の為に使ってほしいと願うのは当然ともいえますが。。。

どの5年間をとるかでもリターン率がずいぶん違うようですが、それでも去年のリターンは11.3%で(イエール大は12.5%)マサチューセッツのペンションファンドは12.7%、という数字をみると、日本の大学の状況とはずいぶん違うようです。

2010年の文部科学省の資料、によると、私立大学でもっとも組入れられている商品は預貯金(82.0%)であり、次いで国内公共債(66.2%)、以下元本リスクのない仕組債(51.1%)、国内民間債(39.6%)、元本リスクのある仕組債(25.9%)、公社債投資信託(18.7%)と続きます。ちなみに、例えば東京三菱UFJ銀行に大口定期で1年預けても0.025%しかつきません。日本の大学の金融資産ベースの運用利回りは1〜4%と、いうことを考えると、10%という数字は大きな数字に見えます。
日本の大学では自家運用が中心という特徴がありますが、ハーバードマネージメントカンパニーは外部のマネージメント会社、ヘッジファンドにも一部委託して運用を行うことで、逆にコストを減らしているとの事です。

ファンドを増やすためには、寄付金を増やすか、リターン率をあげるか、支出を減らすしかありません。この中で、”増やす” ということに関しては、アメリカから学べることが多そうです。

ハーバードは一度に得る寄付金の額も非常に多い事で有名ですが、去年1億2500万ドル寄付金を提供した(2009年にも1億2500万ドルを寄付)スイスの起業家Hansjorg Wyss氏の言葉を思い出しました。
彼いわく ”寄付や投資をする所をいつも探しているんだけどね、合理的にやれば、結局、財産はいつも増えてしまうんだよ”

参考記事:
ハーバード大学の資産運用

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