あらためて、マスチャレンジCEOにきくその立ち上げ 、ビジョン、そして特徴-その1-

マスチャレンジがどんどん成長しています。

現在マスチャレンジは世界で一番大きいスタートアップフレンドリーなアクセラレータプログラムと言われています。毎年の参加者や、スポンサーは増え続け、海外での展開も積極的にしています。2009年に立ち上げてからまるまる7年がたちました。

断片的にしかきいていたなかったマスチャンレンジの話ですが、今回CEOのJohn Harthorne にがっつりと立ち上げ当時の話、 NPOにした経緯、またそのビジョン、そして特徴 に関して話をききました。

CEOのJohn はマスチャレンジを始める前、MITのスローンを卒業し、Bain&companyというコンサルティング会社のコンサルタントをしていました。時はちょうど、リーマンショク、毎日すごい勢いでダウジョーンズが下がっていくのを目のあたりにしながら、このシステムはもう機能しないということに気ずきます。人の“欲”が根本的な問題であり、新しい価値を創造し、限られた人だけが成功するのではなく、みんなが成功するしくみが必要でした。

社会の雇用の将来的な受け皿をつくるのは、新規事業やスタートアップです。だから社会はスタートアップをそしてそれがうまれるようなしくみを大事にしなければならないのに、VCは短期的な収益をもとめて、長期的な利益をみようとはしない、社会全体の利益と言う考え方はしません。スタートアップフレンドリーなアクセラレーターやインキュベーションがないということからNPOでみんながwin-winになるような仕組みを作ろうと、マスチャレンジを作りました。

そして、コンサルティングをやめて独立しようと決意。彼の場合、子供二人に家のローンがあり正直不安もありましたが、幸運にも家族の反対はなく、独立することができました。(アメリカでも独立するときに反対するのは家族、特に母親だといいます。日本では奥さんともいいますよね。)アメリカでさえ、MITをでてコンサルで高給を稼いでいたら起業するということは場合によってはとてもリスキーにみえます。

時は経済が一番底をつけた時、誰もが起こったことの責任をみな誰かのせいにしていましたが解決策を出す人はほとんどいませんでした。そこでじゃあ、自分でやろうと覚悟をきめ、始めの資金提供を、ボストン市の市長からとりつけます。$100,000市がだすことがきまってから、Deshpande財団,やマイクロソフトも資金提供をしてくれることになりました。ノンプロフィットの資金調達はいつも最初のファンディングをとりつけるのが一番大変です。そこを乗り越えるにあたって公共部門からの資金提供をうけられることはのちのちのファンドレージングに弾みをつけました。

現在マスチャレンジでは多くの人たちがメンターとして働いてくれています。実 はお金をだしたり、メンターとして指導してくれる人たちにも非常にメリットがあります。例えば、優秀であるMITのエンジニアやプロダクトデザインをする若い人たちは知識があっても、実際それがどう機能するのかは、よくわかっていません。しかしそれほど知名度のない学校をでても、現場で長くプロダクトデザインにかかわってきたエンジニアにはデザインが格好よくても機能しないこと、それからコスト的に高くつくこと、効率が悪いなど、現実がよくわかっているのです。よってそういった人たちがメンターになって若いスタートアップの抱えている問題を解決したり、メンターにとっては他のスポサー会社やメンターたちと仲間になることで新たな人のつながりができ他のビジネスに発展することもあるそう。現在ではマスチャレンジのメンターは1000人にものぼります。

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サイバーセキュリティー最前線

”紙幣”に将来はあるのでしょうか?

今回のフューチャーオブザマネーのイベントはフィンテックにおけるサイバーセキュリテイに関する話でした。モデレーターはMITのスローンスクールで情報工学の教授を務めるStuart Madnick氏、パネルにはイスラエル人でスイスにあるサイバーセキュリテイ会社の創設者兼CEOであるShira Kaplanさん、フィンテックの分野で世界一影響力があるといわれるSpiros Margaris氏、もとFBIのサイバーセキュリテイの専門官であったLeo Taddeo氏、サイバーセキュリテイ会社KudelskiよりJohn Van Blaricum氏とかなりハイレベルな顔ぶれ。フィンテックでもこのレベルになると知り合いかと思いきや、お互いあまり知らなかったということで、パネル同士にとっても有意義なトークだった様子。前日に行われたウォールストリートでのイベントもかなり盛況だったようです。

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モデレータのMadnick 教授は少なくとも1979年からすでにサイバーセキュリテイの研究に従事していたということで、この分野はそれほど新しいともいえないんですね。

実際サイバーハッカーを捕まえるのは本当に難しいといいます。実は企業でのサイバーアタックの58%は企業内からくるもので、わざわざこれは危険なメールである可能性があります、あけないでくださいというアラームがでていても、必ず開けてしまう人がいるとのこと。ダメだと言われたらますます開けたくなるという心理が働くそうで、やはり教育の重要性が問われます。

イスラエルはこの分野が非常に発達しているといいますが、それはそれだけ攻撃をうけているからでなんとこの分野に400以上スタートアップがあるそうです。

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最悪のシナリオ、朝おきて銀行の口座にログインしたら残高が0だった、これ個人レベルでも相当いやなシナリオですが、銀行レベルとかだと本当に怖いです。こういうことがあり得るかどうかということをFBIが検証したところ、これは本当にあり得る話だということでした。なのでこれを回避することを考えるより以上に、こうなっても困らないようにするにはどうしたらいいか、というアプローチが必要だそうです。それは第三者機関のようなところにバックアップをしてもらうとか、ニュートラルなプラットフォームを作るとか。それより、怖いのは、クリティカルインフラがやられてしまうことだという意見もでました。他人の携帯をのっとることで、簡単に生活を破壊できてしまうということが怖いことだと。

現在の生活において銀行の数字だけをみてその現物(紙幣)をみることは(特に会社の口座のように数字が大きい場合)まずないです。こういう数字上での”お金”はある、という信用の元に現在の金融システムは成り立っています。紙幣というものを政府としては、将来的になくしたいという方向で考えているでしょうが、そうなるとますます人は数字に支配されてしまうのでしょうか。ローテクの世界が平和にみえてきました。

関連記事:

https://multicultiblog.com/2015/11/21/%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AB%E3%82%82%E5%BA%83%E3%81%8C%E3%82%8Bai%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

 

 

マスチャレンジ2016-とうとう日本人が登場!

さて今年もマスチャレンジのファイナルアワードの季節になりました。賞金が1.6億円相当にあがり、スポンサー企業や国ベースのサポーター団体も着実に増えている中、マサチューセッツ州知事が挨拶にでてきたりして政治色も増しています。そのせいか、今年は背広にネクタイ姿の人が多くてちょっとびっくりです。これはケンブリッジあたりのスタートアップが集まるところではちょっと見慣れない現象。。。

今回で4度目のファイナルアワードに参加したのですが、待望の日本人の参加者です!(実はプログラムに参加する前のファイナルセレクションまで残ったチームがもう1組いたのですが、ファイナルには残れなかったのですよね、、、残念!)

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Skylight Games という音楽で言語を習うプログラムを作っているDanさん、まさこさんご夫婦です。  https://www.lyriko.com/en/

 

Danさん曰く、学校の勉強がすごく苦手だったということでゲームのように、楽しく言語が学べないかということで作ったのがこれ!

幼稚園や小学校の低学年の頃ってたくさん歌を歌ってあんまり意味がよくわからなくても、耳から覚えそうやって語彙が増えていった気がします。大きくなってから初めて歌の意味がわかったりして、、、実際大人になっても、歌から英語を学ぶっていうことがありますよね。でも特に子供のうちは耳からはいるインパクトが強いので、効果が大きいかも。

音楽は独自で作っているのではなく、アーティストの方にお金を払っているそうです。でもそれほど売れていないアーティストの人達にとっては安くてもこうやって違った形で、自分の曲が人の役に立ちながら広まっていくことは嬉しいことだと思いますね。まさにwin-winのビジネス。

頑張ってください!

若年化するインターンシップ −海外でどうやってインターン先をみつけるか−

以前からインターンの方達と接することが多くその応募履歴書を見る機会が結構あるのですが、最近このインターン経験をする人が(もしくは親がさせる場合)高校生〜高校生卒業レベルにまで及んできています。本来インターンというと職業経験を積むという意味合いで一般的には大学生が対象という感じだったと思うのですが、大学レベルだと学校によっては、半年程度、カリキュラムに組み込まれ単位として必要な場合もありますよね。こうなってくると、これは教育というより、本当に仕事、というレベルになります。またある程度の給料が出るレベルになるとその応募者もバリエーションにとんだものになってきます。大学卒業レベルくらいを想定していたインターンの応募に20代後半とか、卒業してからインターンをはしごしている人など、インターンというよりもすでにちゃんとした職業?って感じになっている履歴書もしばしばみかけます。実際、大学院生の場合、大きな責任が伴わないだけで普通の仕事とほとんどかわらないです。

日本の企業のインターンだと話を聞いている限りある程度仕事をする、というより職場見学に近い感じがしますが、これだと、興味のある業種にいってバイトをしてもあまり変わらない気も。会社側からみれば学生を選別するチャンスにもなっていいのかもしれませんが学生のためになっているのかは疑問もあります。

若年化している高校生のインターンの場合、大きく分けると2パターンあって、学校がカリキュラムの一部として職業訓練させる場合、それから個人的にする場合があります。
前者の場合は将来的な生活を見据えて仕事をすることが多いので、結構真剣ですよね、みんな。
もう一つのパターンとして親が知り合いを通じて頼む場合ですが、その場合もさらに2パターンあって、本人にやる気があって親が子供に頼まれてやってくる場合、もう一つは本人に興味があまりなく親が引っ張り込む場合。
高校生に何ができるの?と思いますが、実はこのくらいの年齢でバイトではなくインターンをしたい、と思う学生は意欲があって目的意識がかなりはっきりしている場合が多いです。特に、バイトができる年齢になってもあえてお金をもらわないで、仕事場に入り、何かをしたいと思う学生はかなりやる気があります。なのでちょっとやるべき事と要領を教えると、わからないことはきいてくるし、自分からどんどん工夫していく子達も多いです。一方、本人はよくわからないけど、親が是非とすすめてきた時は困ったことになる場合があります。宿題をだしてもやってこない学生のような感じでしょうか。。。それは賢いかどうか、より以上に”やる気”によって大きな差がでてきます。

最近海外で働きたい、という声をしばしば聞きますが、インターンチャンスをどうつかむか、という視点から考えると、通常、こういうインターンの職探しをするとき多分大抵の方はウェブサイトを頼り、公式にインターンを公募しているか、ないかということを確認して応募できるか、というのを調べるところから始まります。で、大抵の場合、”ない”ということがわかり、次、という行為の繰り返しになるのかと思うのですが、少なくとも海外でインターン職を探す場合を考えると実際本当にないかというと、そうでない場合が実は結構あったりします。それは公式には”ない”だけで、いい人がいたらとる、という考え方。またあえて無理に公式にしていないだけで、ケースに応じてとる場合。

公開されているインターンのポジションは競争率が高いです。だから自分の目的がはっきりしていてどうしてもそこで働きたいと思うなら、道は他にもあるということはしっておいたほうがいいように思います。よく”足を使う”という表現がありますが、この場合でいうならば、知り合いのつてを探したり、ネットワーキングのイベントにいったり、自分の働いてみたい業界の人たちが集まる店やイベントに参加してみる、そうやってインターン場所をみつける人は結構多いです。自分には起こらないよ、そんなこと、と思うかもしれませんが、縁というのは不思議なものです。(私は海外で国際結婚をした人たちに馴れ初めをきくとたまたま飛行機や電車で隣に座った人と結婚した、という話を結構ききます。)縁というのは自分で動いてつかみにいく、そんなものかもしれません。そういうふうにインターン先を見つけた人はまず非常にレベルの高い学生が多く場合によっては、そのまま就職しないかと声をかけられる人もいます。

結局、何をしたいか、ということが明確かどうか、が一番大事かも。

参考記事:
https://multicultiblog.com/2016/05/20/%E5%B0%B1%E8%81%B7%E3%81%AB%E5%BC%B7%E3%81%84%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E3%82%92%E5%8F%8A%E3%81%BC%E3%81%99%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E7%B5%8C%E9%A8%93/

テクノロジーが進歩するほど際立つ人間性 TedxCambridge 2016秋

恒例の秋のTedx、今回もボストンのオペラハウスで行われました。前回のドローンが大変好評で今回もやってきました。

今回は、舞台にビデオインスタレーションのアーティストがドローンのとる映像を舞台に映し出していました。わかりますかね?ビデオ上に額縁が写っているのですが、その中の映像がドローンがとっているものです。

今回聴衆2000人を超えたということで、北アメリカでは最大規模のこの祭典(?)ディレクターでもありコンダクターであるDmitiriさんの本領が発揮されたという感じでしたが、講演者、それを支えるアーティスト、ボランティア達そして何より彼自身が輝いた会になりました。

特に今季のTEDxはエンターテイメント性が非常に高くなっていましたね。

最新テクノロジーを使いながらオペラハウスというクラシカルな雰囲気の中、トークは人間性というものにフォーカスをあてたものとなり、最近のイベントの中では個人的には一番いいショーだったと思います。

車の自動運転開発が進む中、人の心理や倫理性のようなものをどのように安全を確保するためにテクノロジーに組みこむのかという話や、これだけテクノロジーが発達して、機械化が進んでもなぜ仕事は減らないのだろうか、という話。正しい手洗い(30秒間洗う)、と顔を触らないことがバイキンが体にはいるのを防ぐということを舞台上で公開実験したり、と面白いトピックが続きました。

中でも私的に一番インパクトが大きかった話はTricia Wangさんの話。ビックデータは大きなリソースで、価値的には大きいのにその使い方を間違えると、全く意味をなさないということを証明した話。彼女はNOKIAにいる時に、リサーチのために中国にいき低所得者層の中で携帯、スマホがどのように使われるかをリサーチし、(スラム街に実際に住んだり、ネットカフェで寝泊まりして、スマホのポテンシャルが相当大きいことを早い時期につかんでいた)中国市場の動向を予測。NOKIAは大量のデータをもっていたにも関わらず、彼女のリサーチのケース数が少なかったということから彼女の意見を却下、その後のノキアの売り上げがどうなったかは周知の事実です。データの数以上に、実際の声や経験からくるインサイトというのがどれだけ大事かというのがわかります。データをもっていてもそこに正しい質問をすること、それが鍵になるという話でした。

そして最後はエモーショナルな話。人が羨む全てのものを手に入れたジャーナリストのJanet Wuが、幸せの絶頂期に全て失い”幸せ”の意味を再定義しなおした話でした。

そしてトークのあとはミュージックとTEDxらしく(Technology, Entertainment, Design)締めくくられテクノロジーが進歩すればするほど、人間性、人の心が際立つというのが感じられたTEDxでした。