日本で起業率が低い理由を考える - その2-

起業家は自分の信じる道を邁進することで、投資家を得るために苦労したり、周りの反対を押し切ったりと戦っている感が強いですが、ワシントンポスト6月22日に日本の起業率が低いのはそれだけではなくそれは妻が止める(日本の場合起業家はほとんど男性だから)、もしくは親が反対するというのが追加のバリアになっているという話がありました。

記事では起業率が低いのはその他にもロールモデルが少ないことやリスクを極度にさけることも原因に挙げています。
確かにアメリカ人にとってファンドレージングは小さい頃から日常的に行われています。自分の家の前でジュースを売ったり、路上で洗車をしたりすることでおこずかいをかせいだり、近所をまわってボランティア活動のための集金する子や自分の旅費を稼ぐ子達もいます。自分で稼ぐということが大事にされています。
以前、東京の住宅地の路上で外国人の子供がお店をひろげ自分のおもちゃを売っており、それをみた友人は子供にそんなことをさせるなんて、とびっくりしてみていましたが、ある意味、その子はここでやっていることをそのまま東京でやったというだけなんだと今にしてみると思います。環境が変わると評価も180度かわるということ。

またお金の流れのないところに口座が開けられない(法人口座)銀行もあります。お金の流れがあればすでにどこかに口座があるはずなのでものすごい矛盾を感じますが。ましてや借りようとすると、すでに成功していないといけないということでこれまた大きな矛盾です。日本ではお金がないと会社が作れないという言われる所以でしょう。アメリカでは豊かになるために起業するのに、日本では豊かな人が起業できるという。。。

成長市場であるBRICKには進出しないアメリカ人の起業家の方いわく、アメリカでも1960年代は、娘が起業家と結婚するなんていったら両親は大反対する時代だったといいます。彼の会社は、汚職率が高かったりや賄賂のようなものがはびこる国には進出したくないということをいっている中で、起業家的なメンタリティーを育てることは、正直であることや誠実さという要素を育てることほど難しくはないといいます。誠実さや、正直さのようなものがないと起業ができても社会が上手く回っていかない、そう考えると、日本では倫理観を大事にすることから起業率を上げるような環境が整えば、社会のためになる企業が増える、世の中がよくなる確率があがるということになります。

参考記事:
日本で起業率が低い理由を考える - その1-

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スタートアップカルチャーの専門家 ”Kulturenvy” 女性創業者へのインタビュー その2

Kulturenvyの創業者である、Corey McAveeneyさんのインタビューの続きです。

ースタートアップの定義はなんですか?
私はコーポレートのカルチャーとスタートアップのカルチャーとをわけて考えています。
スタートアップエコシステムが働いている所はどこでもスタートアップだと思っています。どうやって働いているか、どうやって他の人達と連携しているか、従業員の数とかではなく、その環境です。例えば一人の事業主のこともあるでしょうし、スタートアップ”だった” 会社も含まれます。もう、資金調達に奔走していなくて、従業員数が増えていたとしても団結力が強く、エネルギッシュで、インパクトが強く、動くのが早い、といったスタートアップの特性を備えていれば、大抵の場合、彼らはそれを認識していて、規模が大きくなってもその点を維持する為に努力します。

大企業では規模が大きく沢山の人が働いているので形式、政策、スタンダード、手順、規制、といったことが、重要ですが、スタートアップには、例えば休暇に関してのルールとかはほぼなくて、ポリシーなんてないのが普通かもしれません。

ースタートアップカルチャーのほうがコーポレートカルチャーよりも重要だと思いますか?
スタートアップカルチャーに関するデータを集めてそれを理解することは非常に重要です、なぜなら大企業におけるコーポレートカルチャーに関するデータは沢山あって組織がどうやって動くかは研究されています。そのデータはスタートアップにも有用な部分もあるのですが、全てが一致するわけでなく、逆にスタートアップのカルチャーのデータから一定のパターンが大きな組織のカルチャーに影響を与えたり、それが私たちがいる社会全体に影響を及ぼします。
透明性が私達の社会にはとても重要で、透明性があるということは、スタートアップカルチャーの重要な要素でもあります。透明性があれば、人々は沢山のことを学べますから。そしてそれが私たちの職場環境を変えるのに役立つと思っています。

ーカルチャーをどうやって数値化するのでしょうか?
先ほど、調査をする際は心理的なアプローチより、経済的なアプローチをとるといっていましたが、要素、数字や統計は重要なのですが、もちろん質に関しての質問もします。データベースから、パターンをみつけ、質に関するデータも考慮すると、どういった傾向にあるかがわかります。違った会社でも似たような状況におちいっているのです。

ー実際、スタートアップには問題点があるのでしょうか?
問題を抱えているところは沢山あります。例えば、規模が大きくなってきて、人を雇いたい時、早く見つけないといけない、でももし間違った人を雇ってしまうと、遅かれ早かれ、又別の人を見つけなければなりません、でもカルチャー的にみれば、人をかえなくて済むほうが簡単なのです。
小さい会社から大きい会社に変化していく中で、小さい規模のときに自分がいた会社とは違ってしまうこともあります。でも、会社が大きくなれば従業員もかわっていかないといけないわけです。

ー私は会社のカルチャーってそこにいる人たちが勝手に作るというイメージがあったのですが、カルチャーって誰かが指示して作っていくものなのですか?
大抵の場合、スタートアップ創業者の個性や、価値観、信条がカルチャーに反映しています。創業者が会社に居れば、常にメンバーを鼓舞していきます。創業者がカルチャーを作っていくのです。
しかしそれがない場合、カルチャーを作れるような影響力のある人を雇う場合もあります。その人がチームをつなげて、コミュニケーションをとり関係を作っていきます。それでもやはり、一番効果的なのは創業者が常にカルチャーを牽引していく事でしょうね。

ー状況分析したあと、改善提案をしますか?
現状の状況分析をしたら、それをリポートにしてアドバスとアクションプランをだし、どのように方向つけたらいいのかを創業者に伝えます。チームみんなで働く、ということをしてもらえるようにするのです。みんな、個人の貢献というレベルでは考えていますが、自分もチームのメンバーの一員、会社の一員ということを忘れ、チームに対する貢献とか会社を作っていくということに対して貢献するということを忘れています。

ー自分がしていることは新しい市場を作る事だと思いますか?それとも今すでにある需要を満たしていると思いますか?
スタートアップのカルチャーに注目している会社はほとんどいないので、これをビジネスにすることは実際とても難しいし、リスキーだとは思います。でも私が今扱ってっている情報は誰にとってもすごく価値があると思っています。私のまわりには、スタートアップカルチャーを分析して理解が進むようなプラットフォームが作られる事を楽しみに待っている人たちが沢山います。

スタートアップのカルチャーを整えることで、会社の労働環境を整え、業績を効果的にあげてもらうという取り組みをしているコーリーさん。私自身、カルチャーと経済性の関わりが始めはよくわからなかったのですが、今回お話を聞いた中で、彼女は結局、一企業のみの話ではなく、社会全体がより人にやさしい職場環境になり、それが生産性をあげる事につながることを願っていました。
確かに、大企業の中でも、デスクをスタートアップが集まるインキュベーターにおくところがあります。最新情報を取り入れるだけでなく、そのスピードや空気感もとりいれることにも意味があるのかもしれません。

コーリーさんは定期的に、様々な分野のスタートアップのCEOを3人集め、互いの、カルチャーに対して、どう対処をしているかを討論しあう、ミートアップを開催して、情報をシェアしたり、またボストンスタートアップスクールの講師も勤めています。
4月に出産予定ですが、すぐにでもまた復帰したいと、今から、来年の予定を考えるとわくわくしているようです。

彼女の周りをみても、高学歴で、キャリアがある人たちが、子供が生まれるとしばらく仕事を休む人が多いそうです。理由は、子供の面倒をだれが見るのか、という問題で、たとえ、保育所を見つけたとしても、病気や、けが、長時間労働、時間外労働をしなければならないときに、対処できる人がいない、又高学歴の人ほど子供のケアや教育に対してもレベルの高いものを望む、という傾向があり、結局、自分が面倒をみたほうがいい、という結論になるようです。しかし、コーリーさんのように、今していることが心から好きで、自分以外にその仕事をする人がいない、と思えるようなことをやっている人はその辺のバランスをなんとかとろうとして、長続きするような働き方を模索していきます。

最後に、1分間ほどで自分のしていることを説明してもらいました。これはピッチといわれるもので、手短かに自分がしていることを他人にわかってもらう為には有効な手段です。

コオロギの炒飯はいかがでしょう?

虫を食べるというのは、日本でも地域によっては、昔からある習慣ですが、最近はアメリカでもそういう商品開発を、よくきくようになりましたね。
国連によると、2050年までに世界の人口は90億人になり、みんなのおなかを満たす為の十分な原料が確保できなくなるとの報告があり、虫が解決策になると提案もされています。今年の、春に行われたボストンでの、ソーシャルエンタープレナーシップ賞を受賞した学生のグループも、発展途上国で虫を使って、食のビジネスをおこすというアイデアでした。

虫を使った食品を提供する、スタートアップの話です。

ボストングローブ 11月25日

ケンブリッジの3人の女性、D’Asaroさん、Wangさん 、Natowさんが立ち上げた Six Foodsは虫を扱うだけでなく、食べる。

人に昆虫を食べさせることは、気が重い仕事だが、
”人の受け取り方って、かわるものですよ。昔はロブスターは囚人が食べるものだったし、生の魚を食べるなんていや、とかみんな思っていたけど、いまではどっちもごちそうでしょ。”

Six Foodsは 主にスナックフードから始めるつもりである。“ミルワーム(ゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫)って, とても風味が豊かで軽食としてあっていると思う”
とD’Asaroさんはいう。

彼女はスタートアップコミュニティ用の集合住宅に住んでいる。そこで定期的に毎週みんなが集まる食卓に虫の料理を持っていくと反応がいい。
ある時、ミルワームのタコスをイベント用に用意して、共有の冷蔵庫に事前にいれておき、いざ、みんなにだそうと冷蔵庫をあけたら、すでにちょっとしか残っていなかったということがあった。

芋虫のサルサや、ミルワームのタコス、コオロギのジンジャーブレッド、コオロギの炒飯も作る。でも、虫を使って料理するのは簡単ではない。

“僕にとっては本当に難しいよ、だってエビとかロブスターみたいには反応しないんだから。”とSofra Bakery のシェフ、Geoff Lukaはいう。彼はSix Foodsのメンターとして、レシピを作るのと、ビジネスのアイデアについてサポートをしている。

特に ”産地直送” と、”持続可能性“ がキャッチフレーズになりつつある今の社会で、虫を食べるという議論で戦うことは難しい。
“1頭の牛に与えるえさと同じ分量で、虫からは12倍の肉を摂取できるんです。たとえ、1%の肉の需要を減らしたとしても、ものすごいインパクトになりますよ。”

以上が要訳になります。

ミルワームの写真をのせようと思ったのですが、ちょっと気分が悪くなってしまったので、どんなものか詳しく知りたい方はウェブで検索してみてください。(笑)

参考記事
コオロギバーのオーナーはテクノロジー会社のレシピを使う

インキュベーターが支援する新しいホール

ケンブリッジにある、世界で一番スタートアップが集まっているCIC (ケンブリッジ イノベーションセンター)は、MITやマイクロソフト、グーグルのそばにあるインキュベーターで、賃料月に350ドルから事務所を構えられます。そこにVenture Cafeという、起業家同士がお互いに集まったり、意見交換をしあったりできるカフェが入っています。ここでは毎週、木曜にはテーマに沿ったイベントがあり、起業家や投資家も参加して互いに交流し合います。

そのベンチャーカフェが、ウォーターフロントに新しく District Hall というホールを作りました。ここはイベントスペースで、マスチャレンジのようなインキュベータがピッチイベントをしたり、小さな会社がバイヤーの為の商談をするスペースがあったり、イベントスペースとしては約470人ほど収容できます。隣にはレストランも併設、イベントホールの中にはバーもあります。

ボストングローブ紙 11月 4日

ボストンの新しいDistrict Hall(ディストリクト ホール)はいろんな事に使える。イベントスペース、ミーティングスペース、レストラン、そして道場。

いえいえ、ミスターミヤギはきませんけど(*ベスト•キッドの師匠です)
11月23日にはデジタル空手道場が開かれる。ウェブとモバイル開発、コンピュータプログラミングとゲームデザインが学べる。

この一日セッションは27ヵ国でコンピュータークラブを運営している、ノンプロフィット団体のCoderDojoによって行われ、Polaris Partnersというベンチャーキャピタルによって支援されている。10歳〜14歳の子供は無料で参加できる。

今回の講師は、CoderDojo の創設者のJames Wheltonで2年前にアイルランドでコンピュータクラブを始めた。
Whelton氏は CoderDojoの運営するコンピュータクラブをサポートする為に、今年ハローワールド財団を設立して、Polarisは財団の初めてのコーポレートスポンサーになった。

Polaris managingのパートナーは、
”CoderDojoへの投資は、私達みんなの将来に対する投資です。私達の世代がスポーツやアートの世界でしてきたように、新しい世代の起業が技術力で繁栄することを創造してみてください。この、サポートはとても特別なことです。”

という、記事です。

ベンチャーカフェは、起業家同士や、投資家と結びつけたり、スタートアップが活性化するような仕組みを作ったりしています。
このホールができたことで、一般人となかなか交流しにくかった、スタートアップの世界と、一般消費者との距離が縮むような気がします。

日本でも10代の子供たちがプログラミングを習える機会がふえているようですね。色々な事が低年齢から始めないといけなくなっている、というかできるようになっている、ようです。なんでも自分の才能を早くから見極めることができる人ほど、又 好き、と得意な分野の組み合わせを見つけられる人ほど成功のチャンスが増えるのかな、という感じです。親も様々な意味でのサポートが要求されていますね。

女性起業家が投資家から資金調達をしやすくする為には何が必要か?

週末のボストングローブマガジンでは、マサチューセッツ州にある企業で、CEOが女性の100社の特集をしていました。

起業の世界では、女性の社会進出が日本より進んでいるアメリカでさえも、女性が率いる会社に、ベンチャーキャピタリストが投資する割合は7%しかないそうです。

女性はそもそも、ベンチャーキャピタリストにとって魅力的ではない産業分野で起業する傾向があるにしても、女性が資金調達しにくい理由として、他の要素もあるというリサーチです。

別冊 ボストングローブマガジン 11月3日

投資家としてはもちろん、ビジネスの市場規模とか需要とか、の点を確認するが、会社のリーダーをどのように評価するのか?
ある投資家は、この経営者と朝ご飯、昼ご飯、晩ご飯を一緒に食べたいか、で評価するといい、他の投資家は、朝一番に起きた時に思い浮かべる人かどうか、で判断するという。これは、ファイナンス的なアプローチというより、ソウルメートを見つけるアプローチに近い。その視点でみると、女性の起業家にとってはそれはフェアではない。

ハーバードビジネススクールとウオートンスクールとの共同研究で、わかったのは投資家の前でピッチ(プレゼンテーション)をした時に男性がした時のほうが、女性がした時よりも、40%も投資してもらえる確率が高いということだ。又、投資家は魅力的な男性のプレゼンが好きで、魅力的な女性のプレゼンは, 魅力的でない男女のプレゼンよりも、よくないと思っている。

ベンチャー投資家を批難しているわけではない。投資判断のプロセスは、システマティックで厳格なものであるが、社交的でもあり、とても感情的なものでもあるのだ、そこに偏見がはいりやすい。もちろん投資家もそのことに注意をはらうべきだが、女性の起業家としてもできることがある。

1 制服を着る

私は今までに何百というピッチをみてきたが、男性は着るものにあまりこだわらない。一方女性は(自分も含め)着るものにこだわる。結局男性は仕立てられたスーツをきるか、ボタンダウンのシャツを着て、スキニージーンズをはき、スニーカーをはく。男性は社会のルールにのっとっているので、人々は彼らの話す言葉に集中する。私は女性も、”制服”のようなものを、きるべきである、と提案する。女性の起業家が話す言葉に、集中してもらえるような、ファッションを作ったらどうか。

2  自信のある声で自己主張をはっきりする

クラウドファンディングやオンラインのビデオでのピッチが増えてくるに従い、人が興味をもってみてくれる時間が短くなっている。研究では男性はプレゼンの始めの数分がより自信をもって、プレゼンをしているという結果がある。ボディーランゲージも、自信があるようにみえ、声もパワフルだ。まるで、”私が世界の一番大きな問題を解決する道をみつけました”、といわんばかりだ。一方、女性は控えめで、全てのアイデアを主張しない、”私は問題の一部を解決できます”、というように。

話している時に、手をどこにおくか、何を強調して話すか、そして特にどうやってプレゼンを始めるかにもっと、気をつかうべきだ。

3  自分の仕事の一つであるように、ネットワーク作りをする

実際、ネットワークを作る事は仕事だ。研究結果では女性のほうが男性より、社会的にも職業的にもネットワークが狭い。
研究によると、アカデミックな女性達は同じようなキャリアのある男性に比べて、諮問会議や取締役会にはよばれにくい、これは彼女達が断っているから参加できないわけではなく、そもそも呼ばれないのだ。

自分が職業的に強いつながりがある人からの、紹介を介して投資家とのミーティングにいくこと、そのほうが時間をとってもらえたり、興味をもってもらいやすい。

4  スポーツ観戦をする

投資家が40代の既婚で子供が2人いる男性だとして、どうやって若い女性がその人達と知り合えるのか。
この提案は馬鹿げたことだと思われるかもしれないが、これは実用的な意見だ、スポーツについて話すことを学ぶべきだ。
スポーツについて話すことで社交的な空間を作る事ができ投資家は、あなたが物事をどのように考え、どのように意見を理論だてて話すかを確認することができるのだ。

着るものや、話し方に気をつかったり、スポーツを見たりすることは、ささいなことのように思えるが、私の研究では小さいことが、世界を違ったものにする事を示している。

以上が要約になります。

このリサーチをしたのは、MITのスローンスクール(ビジネススクール)の、起業学の教授である Fiona Murray教授(女性)です。

起業の世界はもともと男性の世界で、そこに女性が入るということは、いやでも自分が女性であることを意識せざるおえない、環境なんだなあ、と思います。実は、性の差を意識しているのはプレゼンしている女性側よりも、それをみている男性側のほうかもしれません。

この教授が指摘している点の一部は、日本の場合は必ずしも合わないのかもしれませんが、
そもそも日本の場合は、男性だろうが、女性だろうが起業をしやすくするという環境を作る事自体が問題なのかもしれません。