日本の学校が求めているグローバル人材って何?

久しぶりに会った中高生の子供の母親である友人が夏休みに日本の学校の帰国子女説明会(子供を日本の学校に編入させたい)にいってがっくりしたという話。

”学校側はね、表向きは外国に住んでいた子供たち大歓迎っていうのよ。グローバル人材を育てるとかいって。でもよく話をきくと、元々いた学校に戻るにしてもテストはされるし、(テストの結果が悪ければ戻れない)英語力以上に、日本の学校レベルの数学や日本語力がとわれます、っていうのよ、でもね、子供達は英語の環境になれて、英語で授業が問題なくこなせるようになるのに、最低でも2年はかかるのよ。子供によっては3年以上かかるかもしれない。しかも、中学、高校レベルって日本の学校だってそれなりに難しいのに、それを英語でいきなり始めるんだから。それで、一生懸命、現地の学校になじめるように、人間関係も気を使って親も子もこんなに大変な思いをしてやっているのに、これにまたプラスアルファで日本の学校レベルの勉強もキープしろっていうのよ。しかも、受け入れ時期はきまっているし、学校によっては、試験日まで決まっているんだから!どこに住んでいると思っているのかしら?”

日本の学校が求めるグローバル人材像は日本社会と外国社会を上手くつなげてくれる人、ということなのでしょう。だから、日本を、日本語を理解してくれていることは前提条件になるのだと思われます。しかし本来グローバル人材というのは、国籍をこえたところで、活躍できる人だと思うのですが。。。実際、日本人だろうが誰だろうが関係なく、OOさんだからこの仕事を頼むと、しかも、外国の現地校で若い時に精神的にももまれて帰ってきた子供達は将来それができる可能性が高いのです。ある意味、外国で日本以上に厳しい戦いをしてきている場合があるわけですから。本来、帰国子女で語学ができる日本人は沢山いるというのに、国際社会で日本人のマネージャーが少ないというのはせっかく養った、外国で生き抜く力、競争力のようなものをのばしきれていないということになっているのではないかと思いました。日本人の枠をこえて活躍できることが、結果的に日本にもたらすインパクトが大きいということは近年のスポーツ選手の活躍をみていてもわかると思います。

せっかく限られた時間に外国にいるのだから、中途半端に両方をおいかけるのではなくそこでないと学べないもの、そこで学んだものをみてほしいと外国に住む日本人の親子さんは思っているのではないでしょうかね。逆にいえば日本にいる間は、日本にいるからこそ学べることをするべきだとも思いますが。

そして学業だけではなく、人間関係も難しい年齢。帰ってきた時の学校側の柔軟性がない為に、企業が人を海外に派遣をする場合も、多くの家族は家族で赴任するかどうか、迷うといいます。しかも日本の企業には、転勤が決まった時に行かないという選択肢はほぼない、という現実を考えると、なかなか家族に優しい環境とはいえません。そして、最終的には、父親が一人、単身赴任をするということになり、これがいいのか、悪いのか。。。

企業の利益と労働者の利益の両立

”リッチになっていい生活をしたければ、起業しなければ不可能だ”、という事をアメリカ人が言うのをききます。

起業した人や、高給取りの経営者に大半の平均的労働者が搾取されてしまう、という危機感。これは企業にとってはまるでいいことではない、企業が成功する為には労働者に追加の教育やトレーニングをして平均的な従業員の満足度を、生活のレベルをあげる事が必要であり、企業の成功と労働者の成功を両立することが、グローバルな社会でさらに企業が競争力つけることに貢献するというハーバードビジネススクールの研究が発表されました。
教育、職場での訓練、輸送インフラを改善することで米国の将来的な競争力は増すと考えています。(ボストングローブ9月9日)

この研究結果はポーター教授、リブキン教授が2013-14年にハーバードビジネススクールの卒業生2000人にグローバル社会でのアメリカ企業の競争力、そして今後の見通しについてアンケート調査したものに基づいています。

回答した40%の人達が、CEO、マネジーングダイレクター、創業者であり、この3年間でアメリカ人の給料があがると思っているのは27%の人たちであり、41%は下がると思っていました。31%の人達はアメリカ企業がこの先もっと競争力がつくと思い、難しくなると思っているのは26%です。

“経営者は企業の見通しには楽観的ですが、従業員の賃金や、利益には悲観的です。しかしこれでは持続性がありません。従業員の生活が上手くいかないと、企業も繁栄しないのです“と、この論文を発表したリブキン教授はいいます。

先週発表になったFRBの消費者の財政に関する調査によると、この3年間で平均的なアメリカ人の家庭の給料は4%あがったといいますが、その増加分はほとんど、高所得者にまわっているそうです。一方、典型的な家族の所得は5%減っているのです。($49,000 から$46,700へ)

しかしこの論文の共同著者であるポーター教授によると、賃金をあげることはそんなに簡単ではないといいます、なぜなら外国で製品を作る事はアメリカで生産するよりは安く、アメリカの労働者の生産性はこの数十年であがっていても他の国ではもっとあがっているからだといいます。

そこで教育(小学校から高校まで)を強化することや、ジョブトレーニングは生産性をあげて賃金をあげることにつながると教授はいうのです。

また、政府の政策、税法と、政治が悪いことが、他の国よりも競争力がおとる理由になっているとも考えています。

日本では逆に、起業した方が大変、というイメージがあり、サラリーマンでいるほうが生活が安定すると、思っている人がまだまだ多いとは思いますが、日本的経営が崩れ、近年のブラック企業の出現により、日本もそんなのんきなことはいってられなくなってきたような気がしますね。会社の競争力は個人の競争力の上に成り立っていると考えると、教育の継続性を痛感します。昔、スイスで失業していた時に、失業者向けにうけたコースで “教育はずっと続けないといけませんよ ”といわれたのを思いだしました。