ティーンエージャーの蝶ネクタイビジネス

昨日はテック関連のIPO、今日はティーンエージャーの裁縫ビジネスの話と幅広く、同じレベルでとりあげてくれるのがアメリカの新聞の面白い点だと思います。1月3日のボストングローブで若者の間で蝶ネクタイが復活している話です。

父親はMITの教授である16歳と17歳の少年達は、若い起業家がハイテク技術をつかったアプリ開発をしているというのに、自分たちの手と母親のミシンを使って19世紀の正装である蝶ネクタイを作っています。実際、プロムに使うのにうけているようです。
彼らのスローガンは、”ほどよく時代遅れ” であることであり、”いけてる紳士は蝶ネクタイをする” と思っています。実際、ポップスターからスポーツ選手までパーティーシーンで蝶ネクタイが復活しています。メンフィスでも蝶ネクタイを作る11歳の子供がテレビ番組でも紹介されました。

通常、布か寄付された昔のネクタイでつくるのですが、綺麗でない物のほうがよりいいとのこと、一つ作るのに20分かかり、もし自分に時給を払うなら今は一時間3ドル30セント、それでもバングラディシュの平均賃金の26倍とのこと。

彼らは自分たちが普通ではないことを自覚しています。
もちろん、21世紀のビジネスモデルとしては厳しく、現状は手作りサイトEtsy でも販売中、 これからネクタイとヘアバンド、それからデパートへの進出も目指しています。
このサイト、jackandjacksons.comの、蝶ネクタイの結び方のビデオをみると、今時の子が作ったサイトだなあと、感心してしまうのですよね。(注:このビデオ出てこない場合もあります)できてる物が決して上品とか、高級っていうのではないのですが、ほとんど母親目線。僕たちがんばって〜と応援したくなってしまいます。(笑)プロムの為に、一生懸命手作りって、実は今も昔も変わらないんだなあ、と Pretty in Pink を思い出してしまう、あ、すいません、誰も知らない?

えーっと、実際、ボストンで初めて、呼ばれたレセプションのドレスコードが、女性がロングドレスで男性がタキシードに蝶ネクタイでびっくりしたのを思い出しますが、ある意味、ヨーロッパよりずっとフォーマルなボストン。アメリカの高校はプロムがあるので、ティーンエージャー達はおしゃれをしなければいけない(できる?)機会があります。

一方、ビジネスシーンではますますネクタイを見かけなくなり、カジュアル一辺倒。どこかでフォーマルに装うことで人はバランスをとるのでしょうか。男性のほうが凝り性の方が多いので、はまると意外といけるのかもしれませんね。

2014年はソフトウエア、ウェブ関連のIPOが目白押し

2013年はバイオテックの一年でボストンのバイオテック関連の企業10社がIPOをしました。
今年はソフトウエア、ウェブ関連のIPOが続きそうです。少なくとも、ボストンエリアの12のソフトウエア、ウェブ関連の会社がIPO予定です。
その中には、ホームグッズ販売の Wayfair LLC、ペットケアと在宅介護のCare.com Inc、アーバンストリートウエアをうるeコマースのKarmaloop Inc.等があります。

また、ボストンの会社以外でもクラウドサービスのDropbox、オンラインの不動産会社 Redfin、モバイルのソフトウエア会社 Good Technology,、モバイル決済のSquare、中国のeコマースアリババグループと、大きなIPOが控えています。

スタートアップへの評価と投資家の関心が急上昇していますがこれはまるで1999年のアメリカのITバブルを思い起こさせる状況のようです。

遺伝子検査の現実

去年、アンジェリーナ • ジョリーが乳がんのリスクをおさえる為に、乳房切除手術をしましたが、その決断をさせた、遺伝子検査。世界中の女性がこの報道にはぎょっ、としたと思いますが、こういった遺伝子検査、12月30日のボストングローブにはライフサイエンスの科学者の中でも、適正な使用方法に関して一致した見解を示せていない、という話がありました。ヒトゲノムが解析されて10年たっても、まだ、遺伝子検査は主流になっていません。テスト費用は依然として高価で、保険の対象外だということ、テストのことをよく知らない人もいれば、テストをして、もし不治の病をみつけてしまったらいやだから、知りたくないという人達もいます。

その中で限定的な使い方、例えば、ダウン症診断や、ガン治療の為の遺伝子診断といったものは広まりつつありますが、ヒトゲノムの全解析には$5,000 から$10,000かかります。遺伝子の変異の意味がまだよくわからないことや、診断はできても、治療ができないということもあること、一部の専門家にいわせると、検査はまだ高額な金額をだすのに値する物ではないといいます。現状では検査を絶対した方がいいという根拠がない。

このように、大多数の人にとって、現時点であまり意味のないゲノム検査ですが、今年からボストン子供病院でうまれる乳児480人のうち半分に対して遺伝子解析を、残りの半分は通常通りの乳児検診を行う予定だそうです。これは5年計画の研究になり、遺伝子がどのように乳幼児期の段階における治療とその結果に影響するのかを調べるそうです。これは子供によっては、一部の抗生物質を使用することで難聴をひきおこしたりする可能性があるので、薬を安全に処方するためにも、調査は役に立つ可能性があるといいます。しかし、このようにはっきりとわかるケースはまだ少なく、まだ、不明瞭なことが多いのが現実だそうです。

一方、Editas Medicine というケンブリッジのスタートアップは不完全なDNAを修繕する技術を開発しています。遺伝性の難病であるハンチントン病や鎌状赤血球症等、今まで治療法がほとんどないものにも新たな可能性が開けているようです。

約250の病気を検査すると言われているサンディエゴの23andMeという会社が行う99ドルの唾液検査は11月FDAによって販売禁止にされてしまいました。米国臨床遺伝学会は個人に完全なゲノム配列検査を推奨はしていません。ただし、家族に病歴があり、遺伝リスクの高い患者は考慮すべきで、以下のものは、遺伝子解析で明らかになる病気で、なんらかの処置ができるものだということです。
乳がん、卵巣がん、細膜芽細胞腫、内分泌腫瘍、心臓病

昔、”ガタカ”という映画があって、遺伝子によって職業が決まってしまう話なのですが、その遺伝子に対抗して、どうしても宇宙にいきたい主人公が、なんとかして、他の人と入れ替わり、思いを成し遂げる話です。結局、人は意思があれば、いろんな困難を乗り越えられるという運命以上の予感を感じさせてくれる話でした。

遺伝子解析は、病気の治療という観点もありますが、その他に、性格や、資質、体格等様々な情報がわかります。生まれた時に検査をすれば、この子は能力的にスポーツ選手になれるとか、なれないとかいうことが、わかってしまう。。。今の時代、昔と違って、絶対に家業をつがなければいけない人や、決まった職業に就かなければならない人は、少数派であり、大多数の人には職業選択の自由があります。それによって余計に何をしたらいいのかわからない人は将来的に、職業適正調査として遺伝子テストをうけたり、会社によってそういうものを採用する所が現れたりということがありえるかもしれません。もしくはそういったものを規制する法律が整備されたり。。
それでも、人には可能性があるということ、それが夢でもある、という部分は壊したくないですね。

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学校の成績があがっても論理的思考能力、問題解決能力が向上するとは限らない

2013年の12月11日に発表されたMIT Newsによると、MITの神経科学者がハーバード大学と、ブラウン大学の協力によって、ボストンにいる8年生(中学2年生)1400人を対象に調べたところ、一般的な学力をはかる、(一般知識の深さ・広さ、語彙力、言語・数字利用の理由付け能力)テストの点数が上がっても、流動的知性(それまでの知識に関係ない、新しい課題に対する論理的思考能力と問題解決能力)はあがらないということを発表しました。

最初の疑問は、社会、経済的に恵まれていない地域の子供達が大学に行くのを効果的に支援している学校は、子供達の成績を上げることで、流動的知性も向上させているのか、ということでした。
調査によってわかったのは、学校教育は一般的な学力をあげるためにデザインされており、成績をあげることは流動的知性をあげることにはならないということでした。そして、一生懸命勉強して、いい学生でいたとしても、流動的知性はただでは手に入らないという事実です。

流動的知性が学生のアカデミックなパフォーマンスを予測することを多くの調査結果が示していますが、そのような技術はあまりはっきりと教えられません。もちろん、知識を増やしていくことはとても重要ですが、研究者は、この調査結果によって教育政策担当者が流動的知性も強化することを考慮してくれるといいと、望んでいます。

いくつかの研究では、記憶力や集中力を高めたり、実行機能、帰納的推論(観察や実験から推論すること)に焦点をあてた教育的プログラムが流動的知性をあげるということを発見していますが、これに関してはまだどのプログラムが常に効果的なのかがははっきりしません。

この研究対象の学生は現在10年生(高校1年生)になっており、これからの学校での成績それから、どんな結果に発展するのか追跡調査をする予定だそうですが、又新たに、高校3年生を対象に、全米標準テストと流動的知性が大学入学と卒業 にどんな影響を及ぼすのかを調べていく予定だそうです。

アメリカの学校は日本よりは、考える教育、答えのない問題を議論する、ということがなされているように思うのですが、それでもこれまで以上に流動的知性を強化するということを研究者が薦めているというのは、それが将来的に職業、収入に与える影響が大きいと推測されるからでしょう。

普通の学力テストの結果でも学生の将来的な学術的な達成度、大人になった時の仕事、とその収入について予測できるようですが、私達は経験上、学生の時の成績が良かった人が必ずしも将来大成功をおさめるわけでもないということを知っています。では、逆に学生の時、全く勉強しなかった人がみんな、大成功をおさめているかといえば、これまたそういうわけではなく、知識をつけるということは、大きな失敗をしない為に、結局自分を守る事につながるのかな、と思います。

読者が選ぶ2013年のボストン健康関連の話題トップ10

2013年は ”健康” の年といえるほど、健康関連の話題が新聞をにぎわせた1年でした。
ボストングローブの読者が選んだ健康関連の話題トップ10について発表です。

第10位  アンジェリーナ・ジョリーの乳房切除手術
遺伝子診断で、母親と同じ乳がんのリスクを持ったアンジェリーナ・ジョリーが、発症する前に、乳房切除手術を受けました。

第9位  ベスイスラエル病院がボストンマラソン爆弾犯人容疑者を治療

第8位  マサチューセッツ州の100機関で医療用のマリファナ使用の申請
2014年からの医療用のマリファナ使用の合法化に伴い、11月の申請期限までに100の薬局が申請してます。
初年度は35機関が認められる予定で、各州最高5機関までの予定。

第7位  米国医師会は、肥満を病気と分類
肥満が病気と認定されることで、肥満を予防する為に、胃を小さくする手術やカウンセリングにも保険が適用されることが期待されます。

第6位  新しい高血圧への薬物投与のガイドラインは、論争を引き起こす
60歳以上で高血圧の人への薬物治療について、10年前に出された指針では140/90mmHgでしたが、12月にだされたガイドラインはレベルが150/90mmHgに達するまで、医者が薬物を処方しないよう勧めています。

第5位  オバマケアに関する 州と連邦政府の保険交換が発表

第4位  アメリカ食品医薬品局が硬化油(トランス脂肪酸)を禁止しようとしている
11月、食品医薬品局が人工的に製造された脂肪を禁止しようと提案、電子レジで作れるポップコーンや、パイ皮、ビスケット生地のようなものでトランス脂肪酸を含むものはスーパーマーケットから消えるかもしれません。

第3位  ボストンマラソンのゴールラインで傷を負った人を救った病院
ボストンマラソンの爆破事件で、多数の人が傷を負った時、多数の病院も混乱に見舞われましたが、ボストンの主要な6つの外傷センターでは(特に重傷患者を扱う)危機に対応する体制が確立され、全米規模で彼らが学んだことを共有するようになっています。

第2位  ボストンマラソン爆破事件の被害者の治療と回復

第1位 不具合発生のHealthcare.gov(オバマケア)サイト
36の州で何千ものアメリカ人がサイトにアクセスしようとしたので、サイトに不具合が生じた話です。

やはり、今年の関心はオバマケアとボストンマラソン爆破事件でした。
ボストンに健康オタクが多いのは、健康がどれだけ、価値のあることなのかを知っている人たちが多くいるからなのでしょう。
ボストンマラソン爆破事件では沢山の悲劇がありましたが、ボストンは更に強くなったと感じます。暴力で人を傷つけることはできても、人としての尊厳は傷つけられないということを、ボストン人は再確認したように思います。