55歳からの起業

年齢があがるに従って、転職したくても、もしくは、解雇されて他の仕事をみつけたくても見つけられないという人が増えてきます。
1月8日のブルーンバーグの記事には、特に55歳をすぎると、転職市場も非常に厳しくなり、その頃解雇されてしまうと、なかなか次の仕事をみつけられず、起業する人が増えているという記事がありました。
Kauffman Foundation’s researchによると、1996年の統計では55歳〜64歳の間にビジネスを始めた人は14.3%だったのに対して、2012年には23.4%に増えています。理由の一つとしては、寿命がのびて、人が活躍できる期間がのびたというのもありますし、老後の蓄えを心配するというのもその理由だそうです。ベビームーマーたちは学歴も高いし、自信や意欲もあり、健康状態もいい人達が多い。

2011年の11月に発表されたサンフランシスコのEncore.orgの調査によると、44歳から70歳までのアメリカ人のうち1/4の人が、自分の会社、(プロフィットでもノンプロフィットでも)を持つ事に興味をもっているそうです。
リタイヤした人たちが多く住むフロリダで、最近労働省が提供したアントレプレナーシッププログラムには500人ほどの人が参加しましたが平均年齢は51歳でした。
50歳以上の人達は教育水準が高いですが、近年の解雇でもう自分は既存の会社の中では仕事を見つけられないと、感じています。
フロリダのアトランティック大学のリサーチパークにはテクノロジー系のビジネスインキュベータが入っており、そのうち30%ほどの会社が50歳以上の人達で運営されているそうです。

市場で自分にあった仕事が見つからないことを悪いこと、ととるのか、自分が独立するいいチャンスとみるのか、失業率が高い経済状況をビジネスを始めるには悪い時期とみなすのか、それともいい人材が市場にあふれていて雇用するにはいい時期、ととるのか、人は同じ立場にいてもどう状況をとらえるかでそれを、チャンスともピンチ、ともみなす事ができます。ただし、その状況をいいようにとらえられる為には、気持ちの上でも準備が必要。
人生は、不公平なものですが、万人に公平なのは、時間。歳は誰でもとります。大企業に勤めていようが、中小零細企業に勤めていようが、労働市場における”自分の商品価値”、というものを意識しなければならない社会になった、というのを感じますね。会社のせい、社会のせい、国のせいではなく、新しいことを始めるのなら、仕方なくではなく、喜んでしたいものです。

理系女子を育てる取り組み

オバマ大統領も、子供の教育、とりわけ、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング分野(STEM分野)を重視していて、それを教える先生達を養成することも重要だとしています。国全体でこれらの分野にかかわる人材が不足しているというのです。

changetheequation によると8年生(中学2年生)の数学を教える教員のうち31%しか、また、サイエンスでは48%しかそれぞれの科目を専門として勉強をしてきていません。小学校では2012年のデータによると1週間で2.6時間しか、サイエンスの授業時間はなく、1994年の2.9%よりも減ってしまっています。この問題を解消する為に、イノベーションを起こすための教育をする、という目標をオバマ政権は掲げています。

一方、2008年のマサチューセッツ州のSAT試験(大学進学適性試験)データからのレポートによると、22.5%の高校生がSTEM分野に関して大学で習おうとしているとのこと。
そういう状況の中で、理系女子を育てる為に頑張っている、サイエンスクラブ フォー ガールズというNPO 団体がボストンにはあります。STEM分野に関しては、得に女子に対するサポートが少なく、そこに特化した団体です。

これは、12年生まで(高校卒業まで)の女子を対象に、支援する団体であり、理系の女子をサポートしようとティーンエージャーの娘達をもつ母親が1994年にたちあげたグループでしたが、どんどん支援の輪が広がって 現在では小学生から科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学に興味のある女子達を育てるために様々なプログラムでサポートしています。

この団体、現在では1000人以上もの卒業生をだしており、支援もどんどん広がっています。小学校では、サイエンスって何?という事から始まり、高学年ではクラブのようになっていて、それぞれのクラブ、例えば、航空工学、なら企業からメンターがきて、そのメンターのもとに、色々勉強したり、作品を作ったりして、高校2、3年では企業によっては、夏休みにインターンシップをさせてくれるところや、大学のワークショップにも参加できるようなプログラムもあります。

スポンサーがすごいですね、IBM、マイクロソフトやノバルティス等のビッグカンパニー15社の他に、様々なイベントを通じファンドレージングで資金調達やボランティアを募集しています。
その道の専門家が、メンターとなってサポートしてくれるので、実際の企業での話もきけるでしょうし、将来の職業も具体的に想像できそうでアメリカではこういった、企業が直接教育に関わるようなプログラムが多いですね。スポンサーといってもお金を出す以上に、人をだしてくれれば、学校のクラブとは違って、もっと実践的なものになります。実際、このプログラムをとった高校3年生に去年会ったのですが、自分の興味のある分野のスペシャリストから指導をうけられて、わくわくするし、夏のインターンシップもすごい楽しかった、と興奮気味に話してくれました。ロケットサイエンティストになりたい彼女、彼女のやっている事は、私には技術的にはさっぱり、わかりませんが、楽しそうな顔!それを見るだけでも、こちらも幸せな気持ちになりました。

日本でも、定年退職した方々や、早期退職した方々が、こういった学校ではカバーしきれない分野を企業とつなげて支援をしてくださるといいのに、と思いますが、どうでしょう?

子供への金融教育の必要性

アメリカでは16歳から車の免許がとれ(18歳で軍隊、21歳でお酒、なんか不思議な順番です)その頃から、18歳にかけては車を買うとか、その為の保険を払ったり、大学への学費の事を考えたり、バイトや、もしくは就職してまとまった金額を手に入れたりして、お金との付き合いが本格的に始まってきます。

1月5日のボストングローブには、全米26大学でシカゴのNGO、MoneyThink によって提供されている金融リテラシーのコースをバブソンカレッジの学生が昨年9月から所得の低い若者に対して行っているという記事がありました。

収入を得ること、それを管理する事、ジョッブインタビューのレッスンやクレジットカードの責任もった使い方、その他のファイナンシャルスキルを教えます。
基本は、当たり前のことですが、入った金額以上のものは使えない、ということです。(どこかの国にも耳の痛い話のようですが)

教えをうける、子供達だけではなく、教える方の学生にとってもとてもいい経験で勉強になるとのこと、実際、人に教えるまで車を所有した時に年間どのくらいのコストがかかるのかしらなかったという大学生もいます。教える大学生も、自らお金に関する、問題に直面して、それをなんらかの形で克服した人が望まれます、例えば、貯金をしてバイクを買ったとかでもいいのですが。

実際に講義をしてみると、ばかばかしいことや、好きでもない映画にお金を払っていないで、お金をもっとためておけばよかった、という意見もきかれます。

授業がおわる毎に生徒達は10ドルのおこずかいをもらえますが(!)それでも半分以上の子供達は、最初の授業にでたきりで、戻ってきません。ということは残った子供たちはお金以上の魅力があるからその授業をとっているといえそうです。

日本では、子供におこずかいをあげたら、おこずかい帳を作り、自分で管理していくというのが、子供にとっての最初の金融教育なのかな、という感じですが、中には、子供の時から、普通に商売をしている子もいるでしょうし、まとまった金額を渡されて、運用させてもらえる機会のある若者もいたり、学費を自分で稼いでいる人達もいます。

個人的に感じるのは、お金との関わり方というのが、親のお金に対する態度というものにとても影響されるということです。親がどういう風にお金を稼いでいるのか、もしくは使っているか、節約しているか、で子供のお金に対する価値観が決まるような気がします。
“ヤバイ経済学” という本によると、子育てで大切なのは親が子供に何をするかではなく、親自身がどうあるか、ということ。
子供の金融教育を考える時、まず親から、ということかもしれません。


ヤバい経済学 [増補改訂版]

MOOCs(大規模公開オンライン講座)受講後の転職・就職成功率

MOOCsは特に海外から、勉強するにはとても便利なツールだと思われるのですが、それで実際、仕事を探すとなると、難しい、ということが判明したそうです。(12月16日、2013 The Chronicle of Higher Education)メジャーなところでいえば、Coursera, edX, and Udacityは、どこも優秀な成績をとった学生と、雇用主をつなげようと模索しています。実験的に、edXはMOOCsで勉強した優秀なコンピュータサイエンス専攻の学生868人と、グーグルや、アマゾン、SAPのようなテクノロジー会社とマッチングさせようとしました。ほとんどの学生は米国外からの学生で、そのうち多数がすでにプロフェッショナルとして働いている人達です。しかし、868人のうち、インタビューにいきついたのはたった3人、採用は誰もされませんでした。この実験が失敗に終わった為、edXでは職業紹介プログラムの中止、現在、edXは収益を生み出す他の方法を探しています。

MOOCsは役に立つのか?という記事でも、以前紹介しているのですが、実際には企業は何を勉強したかより、何ができるか、に重きをおくということ、上記の例では、候補者がほとんど外国人であるということや、人事担当者がまだ従来の教育システムでの修了証書を重視する、というのも大きい点らしいです。なんといっても、2012年にスタートしたばかりです。

それより、MOOCsは英語が学びたい日本人にとってはとても有効なツールだと思います。就職につながる資格、という意味ではまだ難しいにしても、無料のコースで自分の興味のある分野を時間をかけて、繰り返しみれば、確実に英語のリスニング力はアップしますし、クイズがでたり、事前に、資料を読んだりすることで、読解力もつきます。”話す力” という意味では、英語以前に日本語で何がいいたいのか、完結にまとめる力をつけてからでしょうか。日本語で自分の意見を完結にまとめられなかったら、外国語ではますます無理です。もし、話す機会を作りたいようならば、参加型のオンラインコースをとると、発言する機会も増えます。

スタートアップがベンチャーキャピタリストを探すのは恋人を探すようなもの

ボストンには沢山のスタートアップがありますが、特にソーシャルメディア系の場合、ボストンで資金調達をするのは難しいようで、例えば、Facebook, Evernote,やDropboxのようにボストンで立ち上げても、資金調達できずカリフォルニアに移動する会社が多いです。モバイル系のスタートアップのCo Everywhereの資金調達に関しての話が1月5日 ボストングローブにありました。

Co Everywhereは資金を集める為に地元のベンチャーの200もの会合に参加しましたが、誰も”NO”ともいわないかわりに、”Yes“とも言ってくれない、“次に会う時は会社の役員も一緒に。”と、いわれるのですが、大抵その後上手くいかなくなってしまうそうです。実際、200もの投資家に会う前にあきらめてしまう会社が多いのですが、彼らは違いました。もともとは2012年にBlock Avenueという名前でスタートし、アメリカの情報とレビュー(レストランから学校まであらゆる範囲の)を集めることをゴールとしていました。ところが当初、資金提供してくれていたエンジェル達は、いったい人々がどのくらいそのサイトを見るのか懐疑的でした。そこで、彼らは方向転換します。アメリカの街角で聞かれる、会話やおすすめの店や写真(フェイスブックやツイッター、インスタグラムからの情報)を見せるアプリを作ることにしました。

ウェレズリーにあるベンチャーキャピタルの会社は毎年1000ほどの投資機会があってもそのうち投資するのは3〜4のスタートアップ、ほとんどの場合、 ”断る理由を探している” そうです。結局、そのマッチングはデートをして、互いに気に入る人を見つけるようなもので、会う人が見つかるまでデート続けるか、あきらめるか。。。結局、Co Everywhereは去年の秋に、600万ドルの融資をうけることができ、今後2年間に、数百万のスマホにアプリをいれてもらえるように頑張ることになりました。

実際、100以上のピッチを投資家の前でしなければならないことは起業家にとっては現実であるようですが、それでもいままでにいくつもの企業を立ち上げてきたボストンLEDライトカンパニーのTom Pincince氏は “起業家はビジョンを信じ、それが現実になると他の人たちが納得するまで働きかけることができる人です、そうでなかったら、沢山のイノベーションは起こらなかったでしょう。”

この、アメリカ人の ”ノーといわない、文化” 、私には非常に意外でした。私も、アメリカにきてから、本当にアメリカ人って ”ノー” といわない、とびっくりしているのですが、これはボストン人だから?それとも西海岸の人達は違うのでしょうか?
地元の人いわく、”我々はノーといわずに済むように、会話を続けることを学ぶんだ” ってまるで、日本人のよう?っていうか、今時、日本でも結構ちゃんとノーといえる、状況が増えてるように思うのですが。。。特に、イエス、ノーがはっきりしているヨーロッパからくると、ノーといわないからいいのかと思っていると、そんな事は全然なかった、という失敗が私にもあります。最近は、すぐに ”Yes” と言ってもらえない時はいい兆候ではない、と判断するようになりましたが。

とにかく、”Yes”といってもらえるまで、探し続ける、普通の神経なら、自分が間違っているのではないか、と思いますよね。自分を100%以上信じていないと無理です。
さあ、投資家をみつけるのと、生涯の伴侶を見つけるのと、どちらが難しいのでしょう?
ちなみに “独身アラフォー女性は果たして10年後に結婚できているのか?” という記事にある平成22年の国勢調査のデータによると、過去10年の統計からは、独身アラフォー女性が10年後に結婚している確率は1%未満らしいです。。。うーん、なんか悩ましいですね。

参考記事:ベンチャーキャピタリストとピッチイベント