難民受け入れにみるドイツ人の哲学

今年は年初から次々と問題続きの1年ですね。ISの問題、ギリシャ問題が一息ついたと思ったら、中国の株下落、ヨーロッパの難民問題。。。
以前、このブログで”ヨーロッパにおける難民増加の現実” というのを書いた時には、オーストリアで70人以上の難民が犠牲になったバスがみつかる直前のことでしたが、それから2週間もたたないうちに、ドイツは大量の難民の受け入れを表明しました。

ドイツのメルケル首相の最大の功績は、難民の受け入れを早急に決断したということだと思います。すばやい決断ができたのも、優先順位がはっきりしているのだからではないでしょうか。各メディアの論調ではもちろん経済的に余裕があるといった視点や、ドイツは労働力を必要とするといった(特にシリアからの人達は学歴や一定以上のスキルを持った人達が多い)、数字に重きをおいた理論を展開している記事をよく見ますが、私はそれ以上にドイツが過去の歴史を振り返った時の反省から”人道主義”の重要性が彼女を決断させたのではないかと思います。

そして、この感覚は彼女だけでなく、ドイツ人の中での共通の認識なのではないかと感じたのは、ミュンヘンに住むこんな人の話を聞いた時です。
”多くの人は難民の受け入れに決して否定的ではないよ、特に僕たちは歴史的にも背負っているもの(ナチス)があるから。でも難民の中にはコソボやアルバニアといった昔は確かに紛争地域だったエリアの人達で今はそれほど困っていなくても、とりあえずドイツに来たいとか、難民制度を悪用する人達が数パーセントいるのは事実。だからといって本当に困っている人たちを助けることは問題にはならないし、問題にするべきではない。”

非常に多くの難民をうけいれることで、最右翼層からのテロを含む、嫌がらせというのが外国人に対して増えるというリスクはあります。スキルのある難民をうまく経済に取り込むことができれば、経済的には潤ってもドイツ人との仕事の奪いあいから、治安が悪化する地域も多くなるかもしれません。又たとえシリアからの難民を一時的に受け入れたとしても根本的な解決にはならないとも言われます。

それでも、今現状目の前にいる困っている人達に手を差し伸べるという選択をしたドイツ。選択が正しいか、否かという話以前に、メルケル首相の信念、哲学、そしてリーダーシップを強烈に感じます。

さて、日本は移民にも厳しいですが、難民の受け入れも非常に厳しい国です。
国際協力という点で考えた時、他国の争いに軍事という形で支援する以上に、日本に一番ふさわしい国際貢献の形というのは実はこういった形を含めた人道支援なのではないかと思うのですが。

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ヨーロッパにおける難民増加の現実

ヨーロッパにおける難民増加の現実

新聞をみていると当たり前ですが、自国とその周辺国、そして日本の場合はアメリカの情勢というのが大抵とりあげられやすいトピックだと思いますが、現実にその国や地域にいってみるとまた違ったものがみえてきます。

シリアの情勢悪化に伴い、ヨーロッパでの難民問題は拡大する一方で、特に夏にかけては人も移動しやすいのか、地中海を渡ってくる難民船のことや、マケドニアでの国境封鎖、といったニュースは欧州の新聞を連日騒がせています。
もともとヨーロッパでは旧ユーゴの解体やコソボアルバニアの紛争といったことから難民受け入れということはある程度経験済みですが、今回のようにシリアやアフリカのエリトリアからの難民の増加となると、宗教、言語の問題もからみ、なかなか国民感情的には受け入れにくということはあるでしょう。

エリトリア

エリトリア

エリトリアはアフリカの国ですが、最近特にヨーロッパにくる難民が増えているといいます。

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それにしても、地図でみても相当離れていますよね、例えばシリアからオーストリアまでは直線距離でも2500km程度はあります。イリトリアからは4000kmはあるでしょう。

オーストリアで難民の受け入れに関して従事している友人は、経済的にうまくいっていない国からくる経済難民はオーストリアの場合受け入れないけど、シリアのようなケースは基本受け入れるといいます。彼女は、ドイツ語、フランス語、英語、アラビア語に堪能であるため、いろいろなケースをみるそうですが、シリアだけでなく、アフリカからの難民数は増える一方で、人道的な支援の重要性が増しています。衣食住の問題だけでなく、メンタルなサポートが必要な人も多く、そういったメンタルサポートをボランティアでやる心理療法士は、”無給だとしても大変意味のある仕事をしている”といいます。

増える難民の中でもシリアからくる人たちはまだ、教育レベルが高い人達が多いそうです。家族の場合は大抵は父親がまず一人できて、移民として認定されたのちに、家族を呼ぶケースが多いですが、ひどい場合は10代の若者が数千キロの距離を歩いてやってくることもあり、そういった場合はまず問題なく移民認定が非常にスムースに行われるそうです。

日本のメディアでの欧州における移民問題というと、受け入れ国で馴染めなかったり、生活がうまく行かないことから犯罪者になったり、それによりもっと移民に対して厳しい目がむけられるといった報道が多いように思いますが、実際は難民の場合も多くあり国連機関だけでなく、ヨーロッパ各国が様々な援助が行っています。
日本の場合、移民受け入れというテーマだけでも大変なのに、もし隣国からの難民が増加なんていうことにでもなれば、相当混乱しそうですよね。自国の安定はもちろんですが、いかに周囲の国と共に平和で繁栄していけるか、ということの重要性を感じます。

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