ハーバード大学の資産運用

ハーバード大学は寄付金が多く、リッチな大学としても有名ですが、この豊富な寄付金を運用しているハーバードマネージメントカンパニーという会社があります。この会社の目的はハーバード大学が行う教育と研究を金銭的に長期サポートすることにあります。このファンドのプライベートエクイティマネージャーが変わるというニュースがありました。米国内最大の大学基金のマネージャーになるリチャード•ハル氏(46歳)はテキサスペンションファンドで140億ドルのプライベートエクイティの運営をしていた人です。(ボストングローブ3月17日)未公開株をポートフォーリオにこれからも重点的にいれていこうという方向で、これからはグローバルな未公開株も取入れていきたいとのことです。

ハーバードの寄付ファンドは去年の6月の時点で総資産327億ドルですが、そのうち50億ドルはプライベートエクイティやファンドにあてられているそうです。
大学の資産運用というと、2009年の駒澤大学の巨額損失事件以降ますます日本では手堅く、ロスを少なくするというイメージがありますが、アメリカでもハーバードの積極運営は、他の大学の資産運用にも影響を与えてきています。

大学の資産を考えた時に、資金運用という面もありますが、資金調達という側面もあります。
アメリカの私立大学は寄付集めのための、イベントも多いですが、ハーバードの場合は卒業生の寄付金が特にすごいですね、高額寄付受付のホットラインがあり、”私の所にかかってくる電話は全て、10億ドル以上の寄付の話です”といっていた人がいましたね。。。小さな国の国家予算なみです。そして、資金を提供する側も、喜んで高額を払ってくれます。それは、自分が母校に対して愛着や自信があるということがひとつと、高額を出す人にはやはり、投資という考え方があるようです。結果を出してくれることを望んで学生や研究、もしくは施設に投資をするのです。
特に、卒業生や団体から寄付をもらう場合、卒業生が、あの大学に通ってよかった、又、自分の子供も是非入れたいと思える環境作り、というのはとても重要になってくるようです。

人気のマーケットプレイスは作るのが難しいという話

メディアの世界では、近年沢山の情報が流通するメディアプラットフォームを作ったものが勝ち組になるといわれていますが、物品、サービスの世界ではマーケットプレイスをつくることがはやっているという話が3月16日のボストングローブにありました。

供給側と需要側を上手く結びつける市場で近年うまくいっている会社の中にはeBay, Uber, Etsyがあります。
2010年にマスチャレンジで、5万ドルの賞金をもらって現在までに、65万ドルの資金を調達した、レンタビリティーズというシザーリフトからダンスフロアまでなんでもレンタルするオンラインのマーケットプレイス会社が昨年の秋に、会社を清算するという決断をしたということがのっていました。

彼らに成功するマーケットプレイスを作る為に何が難しかったのかきいてみると、“何もかも”というこたえがかえってきます。

投資家からみると、マーケットプレイスを作るのは時間がかかるし、需要サイドと供給サイドが一緒に成長するように気をつけないといけないのが非常に難しいと分析しています。
それでも、マーケットプレイスを作る傾向はますます加速しているようです。

最近での成功例はこの1月にIPOしたベービーシッターやペットシッター、老人ケアを必要とする人、その仕事を提供できる人の為のマーケットプレイス Care.com です。去年は8200万ドルの収益がありました。
この他に、プライベートのコーチとアマチュアスポーツプレイヤーを結びつけるサイトCoachUp  
この会社は1000万ドルを調達しましたが、彼らにとって難しいことはコーチをみつけることではなく、プライベートコーチとは何か、ということと、スポーツをする子供達や親たちにプライベートコーチをつける利点を認知してもらうことなのだそうです。日本でも以前、逆上がりができない子供や学校の体育のテストのために、プライベートコーチをつけて練習した、という話をきいたことがありますが、程度の差はあれ、スポーツコーチの需要はあるようですね。(目的はそれぞれ違うようですが。。。)

今週スタートするのはSoonSpoon (高級)レストランの予約キャンセル分をラストミニッツで提供するサイトです。

またマーケットプレイスの中にはチャリティーに寄付するものもあります。
Canaryでは不要になった家具、電化製品、家財を売ると、60%は売り主が、12%はCanaryのパートナーのノンプロフィットにいきます。

マーケットプレイスを作る難しさは、認知度をあげて、ある程度流通量が増えるまで、資金が必要であり、労働集約的なビジネスであるという点だそうです。
しかし、一度マーケットプレイスで、沢山の取引がいい値段でされるようになると、競争相手がいなくなります。それがE’bayの価値が750億ドルになった理由だとの分析があります。

都市開発にも影響を与えるインキュベーターのあり方

スタートアップを中心に様々な分野の企業や団体にオフィススペースを貸してケンブリッジのエコシステムを作っているCIC(ケンブリッジイノベーションセンター)が新しく隣の市であるボストンにCIC ボストンを4月にオープンするということを発表しました。CICは1999年に、MITのあるケンブリッジ市にオープンして以来、主に大学から派生した企業に場所を提供しつつ、起業家同士を横でつなげる役目もして、発展しています。現在は700社以上が入居しておりそのうち500社程度がスタートアップですがフェイスブックやアマゾンのような大企業もひきつけています。今度できるボストン市のオフィススペースには300企業、1200人ほど入居できるスペースがあるそうです。

CICケンブリッジがあるケンドールスクエアから新しくできるCICボストンまでは、3kmもない程度の距離なのですが、1999年にCICができてから、ボストン市内にかけて色々な種類の小規模なインキュベーターもうまれています。ケンブリッジ市というのは、ハーバードとMITの施設が大半を占めるのではないかというくらい、学校関連施設で埋め尽くされているエリアですが、チャールズリバーを渡り、隣の市ボストンのほうにいくと金融街、弁護士事務所、投資家のエリアになります。近年、ボストンエリアにもPayPal やIsobar のようなデジタル系の会社が進出し始めました。
イメージ的には新宿から原宿までの間に1000以上のスタートアップがあるという感じになるでしょうか。ちなみにケンブリッジ市のサイズは18.47㎢、大体新宿区と同じサイズ(18.23㎢)になります。ケンブリッジ市の 人口107881人(2008年)に対して、新宿区はその約3倍(312418人)、そう考えると、相当な数のスタートアップがあることがわかります。

うまれたばかりの会社にとっては賃料が安いだけでは価値がなく、その他の付加価値、例えばキッチンだったり、会議室だったり、WiFi、オフィス家具が無償で提供されることは、余計な出費を控える効果があります。ちなみにケンブリッジのオフィスのほうでは月に1人、350ドル〜かかり、長期契約ではなく、30日前に告知すれば、退出できます。賃料を低くおさえる為に、なるべく大規模な展開をしようとしているCICですが、大規模にすることで、周辺地域への波及効果も高く、周辺エリアの経済を活性化させたり、さらに他の企業をよびよせることになります。

ボストン市は、この起業家を育てるエコシステムがケンブリッジ市にもたらしたような効果をボストン市にももたらす事を望んでいます。今年新しく市長になったウォルシュ氏はこの動きが雇用をもたらし、町のイノベーション経済を成長させると思っています。CICボストンの進出でボストンエリアのテクノロジー産業の進出はますます増えることになりそうです。

参考記事:
スタートアップを支援する様々なオフィススペース

大学でセールススキルを教育する?

経済学部や、経営学部、MBAのコースをとってもセールススキルというものは学べませんが、セールススキルの重要さについて書いてある記事が2月19日のボストンドットコムにありました。

スタートアップインスティチュートのディレクターとセールスインストラクターは、セールスというのは会社にとって血液のようなもので、とても重要なのに、どうしてビジネススクールでも教えないのか疑問に思っています。彼らの分析によると、まず、セールスパーソンというものに対しての悪いイメージがあるといいます。ハリウッド映画の影響もあり、男性優位の世界で、アグレッシブ、例えば週末のパーティーで保険を売るようなことを含めて、セールパーソンの地位が低い、ということもありそうです。

ところが、人々が情報を消費する仕方がかわったので、マーケティングやセールスの仕方も進化しました。誰もが自分が欲しいものの情報を得られるようになったので、口がうまいだけで、誠実ではないセールスパーソンは上手く売れなくなりました。優れたセールスパーソンは、ニーズをみつけて個々の問題を解決し、商品やサービスが消費される時には付加価値を与えます。

しかし、優れたセールスパーソンになる為にはセールスの知識と経験が必要だという現実があります。
大学は現代のセールスというものを理解していないようです。教授達は、セールスということをアカデミックなことではなく職業訓練と見下して、ビジネスのカリキュラムにいれないかもしれません。でもどんな理由であろうと、”セールス”というものを教える必要があります。

セールスを学ぶということは、心理学やコミュニケーションスキル、レトリック、ビジネスを理解し、人の感情や、タイムマネージメント、効率、問題解決策等を含みます。芸術家のように、すばらしいセールスパーソンは上記のスキルをマスターした後に、自分独自のスタイルを作りあげるのです。

ファイナンスの世界にいても、弁護士でも、次のステップにあがる為にはセールススキルが必要なのです。

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確かに、自分を振り返っても経済学部や経営学部ではセールスの授業というのはありませんでしたね、売り上げがあがらなければ、ビジネスそのものが成り立たないのに。

大学をでて、一番始めに就職した会社で法人の営業をしました。毎日、毎日、飛び込み営業で、一応、下調べをして相手が買う理由があるから、セールスにいく場合もありましたが、半分(以上?)がとりあえず顔をだして、とりあえず自分を知ってもらうという、自分を売るための営業活動だったような気がします。個人的な関係を築きながら、相手のニーズを掘り起こすような感じだったでしょうか。毎日、毎日、数ヶ月間そんなことをやっていたある日、自分が通っていたお客さんのところで、他の会社から買ったから、と一言いわれ、” よろしかったら、理由をきかせていただけますか?”と聞くと ”コネだよ、上司からの紹介” といわれ、やっぱり世の中そんなものなんだなあ、と会社にかえってそう報告したら、当時の上司にものすごく怒られた記憶があります。

その後、ヨーロッパにわたり、日本でやっていたような、ご用聞きのような、アポなし飛び込み法人営業というのは、ほぼあり得ないということがわかります。

結局自分はいいセールスにはなれなかったのですが、そもそも無口だった自分が、あの頃の飛び込み営業の御陰で、物怖じしなくなりましたし、初対面の人とも会話をなんとかつなげることもできるようになり、いい経験をさせていただきました。何かを上手く売れる人は、大抵他のものも売れると思います、自分自身も含めて。そして、それはどんな分野で働く人にも、役に立つ能力でしょう。

それにしても、自分でセールスをしてみないとスキルはつかない、という事を考えると、大学でセールスを具体的に教えるっていうのはどういう授業になるでしょうか?行動心理学とか、コミュニケーションの授業は別として、実技となると、一定期間に自分で決めたマーケットで、自分の選んだ商品を目標額を決めて売り上げてくるとか? 今時、ネットでも簡単に物品が販売できることを考えると色んな授業の可能性がありそうです。

移民をサポートする団体が行うファンドレージングファッションショー

アジアアメリカ市民協会(Asian American Civic Association)という団体があります。この団体は1967年に設立されて、もともとはアジアからアメリカにくる低所得者層の移民をサポートする団体として発足しました。

この団体は、一般の英語のクラスや職業訓練のクラスを提供していますが、その他にNext STEPSというプログラムを提供しています。これは18歳以上であれば年齢制限がなく言語能力が十分でなくても、これからアメリカで長く生活するつもりで、大学に行ったり、就職したい人たちに語学教育を提供したり、職業訓練を実施し、自立をサポートしていくプログラムです。特徴なのは誰でも申し込める(観光ビザや学生ビザではだめですが)こと、そして、ここでの教育をおえ、大学にいったり、就職したりしても2年間は彼らをフォローして上手く生活しているかとか、問題はないかケアをしてくれます。また公的機関をふくめ、多種のファンドが資金を提供しているので、英語のクラスもほぼ無料で受けられます。
次世代の移民を育てるために、公共機関や、移民としてアメリカに入ってきて、成功した人々が次の世代を支えているのです。
この団体に来る人たちも、もともとは中国系が多かったそうなのですが、最近は世界中からくる移民のサポートするようになり、たまたま私があった人たちはモロッコやコロンビア、中国、東欧と、国際色が豊かな学生達でしたが、(一部の方々は30歳以上?と思われる人もいました)それを、日本人の方がまとめていました。

ニーマンマーカス

ニーマンマーカス

その団体がファンドレージングの為に、高級デパートのニーマンマーカスのフロアを借りて、ファッションショーを開催しました。
ファンドレージングというのはアメリカ人がもっとも得意とすることの一つだと思いますが、今回もやっぱり上手いなあ、と思いましたね。デパートの会場を一部屋借り切るとかではなく、普段は人が通るようなスペースに普通にイスをならべて、簡単なランウェーを作り、(まあ、アメリカのデパートはスペースが十分あるからできるというのもありますし、日本だと消防法の問題がありますが)そこを、ビックスポンサーの代表者や、移民で成功している財政界の人達がモデルになってニーマンマーカスで売っているこの春夏のコレクションをきて歩いていくのです。観客は250人から300人ほどいたでしょうか?ブランドのファッションショーのような、キラビやかさはあまりないにしても、リアルクローズのよさ、身近な人がちょっと変身する様をみて、なんとなく、自分も頑張ればできる?的な空気もあり、おばさま、おじさま方の購買意欲をそそる感じがしましたね。一方、上記のプログラムで来ていた学生にとってみれば、モデルをやっている人たちは成功した移民、ああなるように頑張ろうという感じになるのでしょうか。見る方も参加する方も、楽しめるイベントになったようです。

近年、移民受け入れに関しては難しい立場に立たされている国が多いですが、すでに高い能力を携えている人を移民として受け入れるだけでなく、移民としてやってきた人を育て、ともに自分の国を作っていこうという受け入れ側のスタンスもないと、難しいように思います。

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