カーシェアリングをするようにフライトシェアリングをするスタートアップ

アメリカは広大で、公共の交通機関が通っていない所も多いのでちょっと珍しい所にいこうとすると、飛行機、フェリー、バス、車といくつかのものを乗り継いでいかなければなりません。そういう理由もあってか、飛行免許をとるのも比較的簡単です。しかし実際、飛行機で移動することや飛行機を所有することは車より、コストがかかるわけでそれを誰かとシェアできれば、使いこなせる機会がより増える、ということでカープールのような感覚で、飛行機とパイロットをシェアする目的でできたスタートアップがあります。(Betaboston 4月7日)

ニューイングランド地方(米国北東部のコネティカット州,メイン州,マサチューセッツ州,ニューハンプシャー州,ロードアイランド州及びバーモント州の6州)をプライベートパイロットとして飛んでいる人は少なく見積もっても2万から3万人ほどいるそうで、実際には4、5万人いるのではないかと言われています。
そのうち20−25%のパイロットは遊覧飛行を楽しみ、残りはどこかまでいくという目的をもって飛んでいるようです。

そのパイロット達にとって、ネックになっているのは飛ぶ費用。大抵のパイロットは飛行機をレンタルしているのですが、もし燃料費や飛行機のレンタル料をシェアできればもっと気軽に飛べるようになるのに、という思いでできたスタートアップが  Airpoolerです。

実際Airpooler で登録する90%ほどの飛行機はシングルエンジン、パイロット一人で飛ばせる飛行機になります。もちろんそのような飛行機にはトイレはありませんし、体重だってちゃんと報告しないと、重量オーバーになるケースがあり、安全も担保できません。悪天候では影響を受け易いですし、誰もがそういう状況下で乗客になることになれているわけでもありません。保険の問題もあるので、まずフライトクラブのメンバーを対象にサービスを提供し始めました。

Airpoolerで登録しているパイロットはプライベートなパイロットで事業用の免許はとっていないので連邦航空局は決まった費用以外の支払いをされてはいけない、と定めています。(例えばパイロット一人に乗客一人ならかかった費用、ガソリン代や駐車代等の50%以上はもらえないというように。)たとえ、パイロットが飛行機を所有していても、メンテナンス代とかその他の雑費を請求することはできません。そういった事を考慮してもAirpoolerが、フライトをシェアするマーケットを作ることで得る手数料収入は10−15%になるようです。

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今後、利用対象を一般人にも広げるようですが、値段は安くても下手をしたら命をかけたアドベンチャーになってしまうので、パイロット同士でシェアするほうが、まだ信頼感があるかもしれません。
それにしても、たった6州のエリアで4、5万人もパイロットがいるって、さすが広大なアメリカ。。農場の肥料や農薬をまくことも飛行機を使ってやったりするだけあり、フライト免許をとるハードルは低いですね。
フライトクラブでは飛行機を数人のパイロットで共有するということは以前からあったようですが、知らない人をのせるほうも乗る方も結構勇気がいるかもしれません。このところ、世界中、天気の変化が激しくなっています。日本でも竜巻が起こるなど、以前だったらあり得ないような天気の激しさをみるわけですが、普段バスのような旅客機にしか乗っていない人が、小型のプロペラ機にのることはバイクにのるような感じでしょうか。もっと空気や風の抵抗を感じたりして、旅客機のような安定感はないです。(それが、乗り物好きには楽しいのですが。。。)こういうのにわくわく感を感じてしまうのは自分のようなフライトオタクだけなのかなあ。

人気のマーケットプレイスは作るのが難しいという話

メディアの世界では、近年沢山の情報が流通するメディアプラットフォームを作ったものが勝ち組になるといわれていますが、物品、サービスの世界ではマーケットプレイスをつくることがはやっているという話が3月16日のボストングローブにありました。

供給側と需要側を上手く結びつける市場で近年うまくいっている会社の中にはeBay, Uber, Etsyがあります。
2010年にマスチャレンジで、5万ドルの賞金をもらって現在までに、65万ドルの資金を調達した、レンタビリティーズというシザーリフトからダンスフロアまでなんでもレンタルするオンラインのマーケットプレイス会社が昨年の秋に、会社を清算するという決断をしたということがのっていました。

彼らに成功するマーケットプレイスを作る為に何が難しかったのかきいてみると、“何もかも”というこたえがかえってきます。

投資家からみると、マーケットプレイスを作るのは時間がかかるし、需要サイドと供給サイドが一緒に成長するように気をつけないといけないのが非常に難しいと分析しています。
それでも、マーケットプレイスを作る傾向はますます加速しているようです。

最近での成功例はこの1月にIPOしたベービーシッターやペットシッター、老人ケアを必要とする人、その仕事を提供できる人の為のマーケットプレイス Care.com です。去年は8200万ドルの収益がありました。
この他に、プライベートのコーチとアマチュアスポーツプレイヤーを結びつけるサイトCoachUp  
この会社は1000万ドルを調達しましたが、彼らにとって難しいことはコーチをみつけることではなく、プライベートコーチとは何か、ということと、スポーツをする子供達や親たちにプライベートコーチをつける利点を認知してもらうことなのだそうです。日本でも以前、逆上がりができない子供や学校の体育のテストのために、プライベートコーチをつけて練習した、という話をきいたことがありますが、程度の差はあれ、スポーツコーチの需要はあるようですね。(目的はそれぞれ違うようですが。。。)

今週スタートするのはSoonSpoon (高級)レストランの予約キャンセル分をラストミニッツで提供するサイトです。

またマーケットプレイスの中にはチャリティーに寄付するものもあります。
Canaryでは不要になった家具、電化製品、家財を売ると、60%は売り主が、12%はCanaryのパートナーのノンプロフィットにいきます。

マーケットプレイスを作る難しさは、認知度をあげて、ある程度流通量が増えるまで、資金が必要であり、労働集約的なビジネスであるという点だそうです。
しかし、一度マーケットプレイスで、沢山の取引がいい値段でされるようになると、競争相手がいなくなります。それがE’bayの価値が750億ドルになった理由だとの分析があります。

スマホを使ってますます便利になる配車、送迎サービス

サンフランシスコに本社がある、Uber(ウーバー)というスマホで配車できるハイヤーサービスがあります。東京ではタクシーがたくさん走っているので、道で車を捕まえたければすぐ捕まりますが、アメリカで少し郊外にいってしまえば、タクシーは普通には走っていません。そんな中、スマートフォンのアプリを使ってハイヤーを呼べば、今自分のいる位置から何分以内に車がきてくれるかわかり、運転手の評価も確認、金額も事前にわかり、支払いもカードから自動で引き落とせるので、チップを計算することもなく、目的地についたら、おりればいいだけ。乗った後にドライバーを評価するので、ドライバーも親切です。アメリカでは便利なサービスだけあり、2011年にボストンでスタートして以来、着実に広がっています。

ところがこのサービスでは、運転手は既存のタクシー業界が義務づける規制の外で、マサチューセッツ州のリムジン商業許可を得た運転手が運転していますが、犯罪歴等の確認ということも含めタクシー業界の規制の範疇ではありません。その事に対して、運転手に十分な訓練をさせるといった、タクシー業界が義務化しているルールをみたさなければ安全は担保できないという批判がでています。(ボストングローブ3月1日)
昨年に、リムジン許可を受けている運転手による暴行事件があり、その後運転手の監督、規制をもっと厳しくしようという運動が起こっていることがその背景にはあります。
一方、Uber側では性犯罪者はドライバーになれない事も含め身元調査、アルコールやドラッグを摂取したら運転禁止する規制も、もうけており、業界の中では一番厳しい規制があると自負しています。一方、訴訟等も含め(運転手が起こした殺傷事件で訴えられたり、運転手に対する支払いのことでもめている)問題も抱えているという現状もあります。

Uber ファウンダーの驚異の失敗歴という記事を読むと、この起業家はUberをたちあげるまでに壮絶な経験をしているのですが、今のところ、ボストンのタクシー業界の逆風をうけながらも、市長の支持もうけ、ボストン内でのマーケットを確実に増やしつつあります。東京でも去年の秋からサービスが開始されたようですが、タクシーの台数規制の方向にある中、ハイヤー市場のパイを広げるのか、それともタクシーの市場でのパイを奪いあう事になるのか。

個人的にUberを何度か使っているのですが、確かに普通の流しのタクシーを使うより、車は綺麗だし、運転手も丁寧な気がします。というか、評価とかも事前にわかるということは他の人が信頼して乗れたんだから大丈夫、みたいな安心感はあります。日本の場合、都会には今の所、タクシーは十分すぎるほどあるし、アメリカでの違いほど、タクシーとハイヤーの差がないような気がするので、サービスで勝負するなら、Uberでは英語が通じます、とかいうなら、差別化できそうですが。。。

スタートアップコンペティション、マスチャレンジがロンドンに進出

今年で5年目に入るスタートアップの為の教育支援及び、コンペティションである、マスチャレンジは去年あたりから、海外進出が目立ってきました。イスラエル、メキシコ、コロンビアに進出して今年、ロンドンに進出するとの発表が正式にありました。マスチャレンジは、オフィススペースを無料で提供し、起業支援、及び、すでにあるスタートアップのビジネスを加速させる為に、メンターサービスや、資金をどうやって調達するかなどの情報や、知識、人的ネットワーク等を提供する4ヶ月間のプログラムになります。4ヶ月後にはピッチコンペティションを行い、昨年は総額100万ドルが賞金として提供されました。
先週、5周年を記念したイベントが開催されましたが、マサチューセッツ州知事も出席するほど注目度がますますあがっています。

ロンドン進出に関しては、ロンドン市長及び内閣府も支援をしています。又、ロイヤルバンク オブ スコットランドもファウンディングパートナーとして参加することになっています。

今年は賞金が50万ドル増えて総額150万ドルのコンペティションになる予定です。

このマスチャレンジ、着実に成長をしています。イノベーションを起こす為の取り組みに関して、世界各国が積極的に動き出しているのがわかりますね。

今年の申し込み受付が始まっています。 参加ご希望の方は こちら

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サステナブル(環境に優しく持続可能)な生活を目指しているスタートアップ-practically green(WeSpire)-

二人の子供の母親でもあるスーザン•ハントさんが立ち上げた、practically green(WeSpire)という会社があります。
この会社は人々がよりサステナブル(環境にやさしく、持続可能であること)な生活をする為に、生活習慣をかえるプログラムを作っています。人の意識や行動、生活習慣をゲーム感覚で変えていくプログラムを4年前にゼロから立ち上げたこの会社、今では20人近くのスタッフを抱えるほどにもなりました。サステナブルな生活をご自身も率先して行いながら、社会を変えていく仕組みを作っている彼女に話をききました。

***practically greenは2014年4月10日より、Wespire http://www.wespire.com/ に社名変更しました

ーどういう教育をうけてきましたか?
ウェズレイアン大学をでてからコンサルティング会社に勤務し、ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスにいってMBAをとり、今の会社を立ち上げるまでの15年間、インターラクティブメディアの分野に従事していました。その間にボストン建築大学でサステナブルデザインの修士号もとりました。

ーこの会社のアイデアはどこからきたのでしょう?
ボストン建築大学の卒業課題が今の会社practically green を設立したもとになっています。ボストンドットコム(ボストングローブ)にいた時、2人の子供が生まれ、子供の病気を通じて自分の生活をもっとサステナブルなものにしたいと思ったのです。息子は6つの食品アレルギーをもっているので、食べ物や、環境に気を使いそして、もっとサステイナブルな生活について学びたいと思い、大学院に通い建物のサステナブルデザインについて勉強しました。建物をどうやってより環境にやさしく、建てられるのか、このプログラムを見た時、すばらしい、と思いました。人に対してこういうプログラムがあってもいいのではないかと。アレルギーの子供の為に、食べ物にラベル付けを始め、これはどこからきたとか、何が含まれているとかを調べ始めました。実際にこうすることで、子供にだけでなく、私や夫に結果的にはとてもいいことになったのです。生活習慣、例えば、どうして家では靴をぬいだほうがいいのかとか、なぜ手を洗うべきなのか、は文化的要素もあるでしょうから変えることは難しいことです。そこで、人がもっと楽しんで、習慣を変えるプログラムをテクノロジーの力で作ろうと思いました。

ーこのプログラムは法人用ですよね?個人向けもありますか?
会社で契約していても、個人がもっとサステナブルでいられるようにサポートします。個人が会社で行う行動は家でも行うものです。会社で行える行動は金銭的にはミニマムの節約になります。どうやってゴミを減らすかということを考えた時、日本のビジネスで有名な概念、“カイゼン” という考え方とそう違いがないんですよ。アメリカにおいてこのプログラムに参加した従業員達はみんなもっと幸福を感じ、仕事の効率もあがるということがわかりました。

個人レベルではこういう活動をしたくても、どうしていいかわからないとか、困っている人たちがいるのを知っていましたが、実は実際に会社を起こすまで、法人からの反応がこんなにいいということは知りませんでした。会社はもっと従業員にサステナブルでいてほしいと思っているのです。当初は個人向けのプログラムからスタートしたのですが、ある法人からの依頼がきっかけで2年前から法人向けのカスタムメイドのプログラムも作っています。

ー具体的にはどうやってこのビジネスを始めたのでしょうか?
紙1枚に、簡単なビジネスコンセプトを書いてそれを5人のこういったビジネスをわかりそうなCEO達にみせました。すると、みんなこんなビジネスはまだないし、非常にいいという反応だったので、大好きだったボストンドットコムでの仕事をやめて、友達のオフィスの片隅にスペースをかりて、起業しました。1年は我慢しようとスタッフを集め、ダイニングテーブルみたいな所で集まり、金銭的負担が最小限になるようにしました。始めたのは私1人かもしれないけど、非常にいい人的ネットワークがあり、オフィスも借りれて、始めの1年間に4人を雇う事ができ、サービスのプロトタイプができました。

ーご主人も一緒に参画していますか?
主人は製造業関連の会社のCEOをしています。私は今までに何百ものビジネスアイデアがあり、まず彼に相談するとそのうち99%に関しては、馬鹿げているとか(笑)いわれるんですが、今回は本当にいいよ、それ、といってくれて。評価、判断をしてくれるのはとても大事な彼の役割です。夫は全くこのビジネスには関与していませんが、投資は自分と夫で一定額をすると決め、両親も他のサポートをしてくれました。

ー大企業と違い、スタートアップで人が働く動機は何だと思いますか?
起業家というのは悪名高く、非常に面白い人達(!)が多く、一緒に働くのが難しいといわれています。(笑)
今までに沢山の人を採用してきて、スタートアップも経験してきて今までの決断が全て正しかったわけではないと思いますが、自分がどういう人と働くといいのかということはわかっています。もう一方で、この会社はいろんな人を魅了するんですよ。スタートアップに興味がある人だけとか、テクノロジーに興味がある人だけでなく、この問題に興味がある人達がいるのです。環境、資源、そういったことに対してとても人が敏感になっているのです。ここで働く人達はみんな情熱がありますよ。

ービジョンはなんですか?
サステナブルな生活やサステナブルな選択が普通になること。例えば建物は消費するよりも多くのエネルギーを創造できるようになること、ゴミを減らす事、健康であること等。
このプログラムによるテクノロジーは私たちがよりよい生活を、又ビジネスをできるようにしました。私達はこの分野(マーケット)を創造していると思っています。

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さすがにものすごくクリアーで、決断も早く、有言実行を貫いている方です。一つ一つの言葉にパワー、これは多分自信のような気がしますが、そんなものを感じられました。
子供たちをかかえての起業は、ものすごいパワーが必要だと思います。少なくとも、顧客以前に家族みんなが応援してくれる環境でないと、それこそ、サステナブルな生活はできないといえそうです。家族を抱える女性は家族の悩みを解決したり、家族の欲求をみたすようなビジネスをするといいかもしれません。

自分が子供の頃、学校には ”資源は大切に” とか、”手は清潔に” とか、かかれたシールが手洗い所や、水を扱うようなところに貼ってあったり、使わない電気を消したりすることで、資源は有限である、ということを日々の生活から学んでいた気がします。この会社の成長をみると、資源が豊富にあり、大量消費国であるアメリカ人も生活習慣を変えるべきであるという動きが本格的に受け入れられつつあるのかという感じがしますね。

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