核のゴミを減らす新しい方法

東京都知事選がおわりました。沢山の都民の方は難しくなりつつある、領土問題や、災害に備えた都市作り、またオリンピック、そして原発か反原発かという点も含め、色んなことを考えたこの1ヶ月ほどだったのではないでしょうか。
その中で原発に反対する人達の大きな理由の一つに、核のゴミをどうするのか、という問題があります。福島の事故のあと、ヨーロッパでは原子力に頼るのをやめる、ときめた国々がいくつもあります。しかし、新しい、原子炉を作らなくても、今までのゴミがなくなるわけではありません。

核のゴミを減らすような仕組みを考えたTransatomic Power という会社があります。
この会社のCEOはE Incというキンドルやヌーク、ソニー等の液晶画面を作ったRuss Wilcox氏なのですが、彼は実は東日本大震災の時に日本にいたそうで、あの原発事故がこのTransatomic Powerという会社を作るにいたって、大きな影響を与えたようです。

彼はハーバードで勉強したのち E Inkを立ち上げ、2009年に会社を4億5千万ドルで売ってしまいました。そして、MITで原子力技術を学んだ2人とともに、Transatomic Powerをたちあげました。

原子炉からでる核のゴミは高い放射性物質による環境への影響が数万年以上続くと言われていますが、今すでにある核のゴミを使って、ゴミそのものを減らし、さらに高放射能も数百年ほどにするリアクターをTransatomic Powerという会社は作ります。
ちなみにこのリアクターでは今アメリカにある核のゴミからアメリカが必要とする100年以上の電気を作れるとの事。
従来の原子炉では約3−5%のエネルギーしかとれないのに対して、この会社のリアクター場合、残りの96%のエネルギーを使って電気を作る事ができるそうで、それによって核のゴミ自体を大幅に減らして、更に高い放射能を300年程度にすることができるそうです。この溶融塩原子炉は実は1950年代、60年代70年代にも実験されたとのことですが、この新しいバージョンでは原子炉をよりコンパクトにして、他のデザインより安いコストで電気を発生させられるそうです。

ゴミをへらすといっても、数百年、、、。この技術が全ての問題を解決するとは思えませんが、新しいエネルギーもしくはよりクリーンなものを作るまでの間にゴミを減らすために使用していくという可能性はありそうです。

個人的にはこれからはますます、サステナビリティということを考えていかなければいけないと思っていますし、結局人は自然に生かされているという事を感じます。
そして、福島の事故を通じて私達はますます世界はつながっているということを、実感したのではないでしょうか。
例えば、中国は現状14の原子炉があり、27が建設中で51が計画中で120が提案中、ということは、もし全部できれば212にもなるそうです!しかもほとんどが東海岸部に集中しています。(日本側)そしてそれらは何らかの形で、日本に影響を及ぼすものだと考えられます。
事故を通じて、色んな意味で影響を受けたのは日本以上に世界のような気がしてきました。

お問い合わせ

このエントリーをはてなブックマークに追加

アメックス、ペイパルPayPalに続く新しい決済方法は何になる?

最近どうやって支払いをしたでしょうか?ウェブサイトでクレジットカードの番号をタイプしたか、店でカードを出してサインをしたか、暗証番号をうったか、至って簡単に見えるこの処理ですが、この作業一つでもっと他の情報も処理できないのか?2月9日のボストングローブには新しい決済方法に関しての記事がありました。

ここのところ、決済方法を変えようという流れが沢山生まれています。
昨年は6つのボストンのローカルのスタートアップが支払い技術を開発する為に、5500万ドルの資金を調達しました。

ホームバンキングができるようになるのに15年かかり、オンラインペイメントには5年かかったそうですが、今日だれもがスマホをもつ時代になり、ずっとはやく新しい、支払い方法が確立しそうだと、決済関連の製品を作る会社に投資をしているベンチャーキャピタルはいいます。商業取引の手数料に関するビジネスをするのは大きな機会を生みます。例えば数兆円単位の取引総額があると1%の手数料だとしても相当の金額になるわけです。

そんな中、ボストンで注目のスタートアップを紹介します。
ArgoPay
地元の起業家でありArgoPayを作ったIgor Ostrovsky氏はカード発行人の信用リスク方針を作成しているCapitalOneで、かつて働いた統計学者ですが、ボストンの近郊に3つのワインショップを経営しています。クレジットカード決済は通常は取引の度に、2.5から3%の手数料を支払いますが、スマホに入っているArgoPayシステムで支払うことは現金と同じで取引手数料はかかりません。そうすることで、店が顧客にそのアプリを使ってもらうようにするのです。ただし、店がマーケティング用のプログラムを契約した場合は手数料を払う事になります。このサービスは今月から数店舗で実験的に始まります。ユーザーの預金口座から直接引き落とすので実験段階では100ドルの使用制限がつきますが、順次信用枠を広げていく予定だそうです。

Loop
これは特別の装置でカードの磁気のデータを読み取らせて情報を携帯にいれて、沢山のクレジットカード、ショッピングカードを持ち歩かなくても、携帯で支払ったりポイントを使えたり、ためたりできるシステムです。

Plastiq
学費や家賃、税金のような高額な費用をクレジットカードで払えないことに驚いたハーバードの学生が立ち上げ, 2%の手数料を販売側が払うのではなく、支払い側が払うシステム。

Leaf
グーグルやアンドロイドのオペレーションシステムを使ったタブレットコンピュータで小さな会社や商店でもクレジットカードが使えるようにしたもの。サービスは月額50ドルでタブレット代は250ドル。同社はソフトウェアを開発していて、セールスの分析、会計まで取り扱うソフトウェアを開発予定。

アメックス、ペイパルPayPalに続くのはどの会社か、競争が激化しています。スマホの普及で、お財布という機能だけでなく、支払いのスタイルも今までとは違うものになってきています。

1950年にダイナースクラブのクレジットカードが生まれてからすっかり私達の生活にカードが定着しましたが、スマホが普及して、決済方法もあらたな局面を迎えつつあります。

お問い合わせ

一日弁護士を派遣してくれる弁護士派遣会社

中小企業や、会社を立ち上げたばかりのスタートアップはいい製品、サービスを作る事、そして販売に関しては投資をまずしますが、法的に自社を守るということまでなかなか手がまわりません。顧問弁護士を契約するほどでもない、もしくは予算もない場合、どうしたらいいのか?
その質問に答える会社の紹介がありました。(1月20日付けボストングローブ)

Daily General Counselは一日社内弁護士を派遣してくれるスタートアップで、一日8時間1500ドルのフラットレートでその時間内にできうる仕事をなんでも請け負ってくれるそうです。
一日で、契約書を整えたり、パートナーシップの同意書作成やセールスの契約書を整える、法律を遵守した人事方針を確実にしたりしてくれます。

1500ドル、は安い金額ではないが、一時間あたり200ドル以下ですむというのは、長期にわたり弁護士を雇わなくていいことを考えればかなりお得な金額だといえるようです。

この会社のオーナー曰く、”どのスタートアップもガレージやキッチンから情熱とともに始まりますが、彼らは自分自身で何がわからないのか、気ずいていません。どれだけの権利を放棄しているかということがわかっていないのです” とのこと。

確かに、問題が起きてから初めて弁護士に相談するというのが、よくあるパターンでしょうね。”わからないことが、わからない” 状態なのですから業界毎の、法的業務チェックリストみたいのがあると便利そうです。

クラウドファンディングで資金を集める靴のスタートアップ

ボストンでスタートアップといえば、ほとんどテック関係なのですが、ここ数年のうちに、靴のスタートアップが5社ほど誕生しているという記事が1月28日のボストングローブにありました。実はマサチューセッツ州はコンバースやニューバランスというスポーツ、カジュアルシューズの本拠地であり、19世紀から20世紀にかけて、製造業がアジアにいってしまうまでは靴産業がボストン近郊ではにぎわっていました。ボストンマラソンに、レッドソックス、バスケットチームのセルティクス、レガッタと、スポーツの話題には事欠かない、この州。そこで最近、若者たちが新しいタイプの靴ビジネスを始めています。

山登りにいく人達がはく、防水のちゃんとしたアウトドアスタイルの靴だけど、普段もカジュアルにはける格好のいいものはないものか、という発想のもとに24歳の青年達が2010年に立ち上げた Forsake は始まりました。
靴業界は事業を立ち上げるのに通常お金がとてもかかるのですが、最近たちあげられている靴会社はコンバースやニューバランスのように、売れ筋の靴は作らず、ニッチなマーケティングで、エンボス加工されたボートシューズや、防水加工されたスニーカー、ランニングシューズと同じくらい快適なブーツ等、様々な種類のくつを提供します。

Forsakeは50人の投資家の前でピッチをして、会社をおこすために7人がサポートしてくれましたが、クラウドファンディングだともう少し簡単で2012年に38日間で11万6千ドル(1100万円相当)を1000人から集めたということです。投資家は特にテック産業をサポートしたいので、普通に投資家から資金調達をするのは難しいのですがクラウドファンディングをすることで消費者とも直につながることができるし、彼ら自身が自分の商品の消費者なので顧客のことがよくわかっているとの分析があります。

靴業界は何十万足も売らないと利益がでないビジネスのようです。どこの業界も似たようなものでしょうが、大きい会社のほうが、沢山生産して安くうり、利益をあげることができますが、小さい会社は利益をあげるのが難しいようですね。Forsakeも、デザインをアメリカで行い、生産は海外でしているそうです。

iSlide のように自分で色、文字や柄を選んでプリントすることができるスリッパサンダルもあります。
スリッパ市場の成長はここ数年2桁台だそうでランニング、やバスケットボール用のシューズほど大きな規模に成長するとは思えないようですが、無視するにはもったいない、iSlideという会社を起こしたキットレッジ氏はいいます。カスタムメイドのスリッパの価格は50ドルほどです。
Boston Boot Co. もやはり、キックスタータで25万ドル(2500万円相当)を集めています。
以前はこんなものがほしいと思ったら消費者は会社に連絡をして特別に作ってもらったものですが、これからは自分で作るということができるということらしいです。
最近、ビッグブランドでも靴に限らず自分用にカスタマイズできるブランドがふえています。名前をいれたり、色の組み合わせを変えたり、ニューヨークのコンバースでも自分用の靴を店で作ったりできますし。

それにしても、クラウドファンディングのパワーってすごいですね。ネットの世界は短期間にわっと、人の流れが集中するので、ネットの世界で影響力のある人達は、資金集めが意外と簡単なのかもしれません。又クラウドファンディングは直接消費者とつながる事ができるので、マーケティングのリサーチも同時にできる利点があるようです。

Forsake
iSlide
Cape Cod Shoe Supply Co
Boston Boot Co.
Category 5

買収による人材確保

大抵の産業では、会社を立ち上げても上手くいかなければ、従業員を解雇して、倒産と申告するわけですが、テック系の会社の場合、そういう清算のしかたではない ”人材確保のための買収”(acqui-hired)という形があります。 それに関しての記事が1月26日のボストングローブにあります。

沢山のスタートアップは50万ドル〜100万ドル(5000万円〜1億円相当)資金調達できても、その後資金繰りに困る事が多いのが現実です。
しかし、事業が上手く行かない会社でもモバイルアプリを作れるエンジニアや、オンラインのサービスやウェブのソフトウエアなどを作れる人材を多く抱えている場合、会社を売却することで起業家にとっては、いい形で会社をクローズでき、従業員も職を失わずにすみ、投資家もお金を取り戻す事ができます。”人材確保のための買収” という形(起業家側からみれば、売却)は、売却側のみんなにとっていいように作用する形のようです。Twitter, Zynga, Dropbox 等の会社も沢山の買収による人材確保を行ってきています。

通常の買収と人材確保の為の買収の違いは、伝統的な買収では製品、売り上げ、顧客ベースの組み合わせを取得するのに対して、人材確保の為の買収では従業員が主な対象になります。そして、会社を売却できた起業家は沢山の金額を手にし、また買収された会社側にも数年いることを要求できるケースが多いようです。

一方、それはボストン界隈の地域にとってはいいことともいえず、このような取引の場合、西海岸の会社のほうが、高い金額をだすので、人材も西海岸に移ってしまうことが多々あるとの事。

現状は人材市場の需要と供給のバランスがひどく悪い状態で、これが続く限り、これからも人材の買収という形は増えていきそうです。

ただし、買収側にとってみれば、これはコストパフォーマンスがいいとは思えない取引でケンブリッジの投資会社のAtlas Ventureによると、このトレンドは長期的には続かないだろうと予測してます。

要するにビジネスとしての仕組みが上手く作れなくても、いい商品が作れる場合こういう、クロージングの仕方が成り立つということですね。
実際、スタートアップを立ち上げて、ある程度の会社規模にまでもっていくのは相当なパワーがいることで、自分の立ち上げた事業が、お金の為なのか、それとも自分の理念や哲学の為なのか、社会を変えるためなのか、ということでそのクロージングの仕方が自分にとって成功といえるのか、失敗なのか違いがでてきそうです。