未来の社員証は経営の突破口になるのか、それとも職場が監視下におかれるのか?

子供の頃のアメリカのイメージは、カリフォルニアの青い空、海、そして自由の国!
だったのですが、現在のアメリカは国家安全保障の名の下に、どんどん自由を奪われている気がします。そこらじゅうにカメラがあり、ビザはますますややこしくなり、書類は増え、世界のどこにいっても、追いかけてくる...政府だけでなく、企業までこの流れに乗り始めたのでしょうか。

”ソシオメトリー” という考え方(心理学用語集によると、集団内の心理学的構造を数学的に研究する方法のこと)は経営の突破口になるのか、それとも職場の”ビックブラザー”(スターリンがモデルとなっていると言われる、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場する架空の人物)になるのでしょうか?

未来の社員証?の話です。

ボストングローブ紙 11月3日

経営の突破口になるのか、それとも職場の”ビックブラザー” になるのか?

あなたの社員証が出社時間だけでなく、いつけんかをして、今日一日どの部署を訪れたか、どのくらい おしゃべりをしてどの程度 人の話に耳を傾けていたか追跡できるというのは、空想の中の話ではなさそうだ。

ボストンのスタートアップである、Sociometric Solutions(ソシオメトリック ソルーションズ)が開発した、首から下げられる”ソーシャルセンサーバッチ”(会社のIDカードのサイズ)を実際、いくつかの企業が採用している。センサーとワイヤレスのコミュニケーターがすでに小さく、価格もそれほど高くないので, ”まもなく、どの社員証にもセンサーがつく” という、CEOのBen Waber の発言には驚かない。

最近のモデルでは、いつ いすに座っているかとか、いつ歩き回っているか、オフィスのどこにいるかも把握できる。例えば、開発チームは、顧客サービス課の人とは話をしないこともわかる。

カメラがついているわけではない。ソーシャルセンサーバッチには、赤外線のセンサーがついていて、いつあなたが他の人と集まっているかを感知する。会話の内容は録音されないが、あなたがどれだけ 聞くよりも、話をしているか、どれくらい、人の話に割り込んでいるか、を認識し、あなたの声の調子も感知する。

これは、NSA (国家安全保障局)型のマネージメントと、よばれるかもしれない。

しかし、ウェブ上や携帯電話で 会社はすでに、文章、イメージ、レイアウト、を使ってあなたをテストしているのだ、あなたにはこの商品を テレビで売った方がいいのか、アマゾンで売った方がいいのか、それともアンケート調査をした方がいいのか。

それによって、ページをデザインし直すことも可能だ。
だが、オフィスや、実店舗になるとこのような実験は難しい。

例えば、このソーシャルセンサーバッチをつけると、小売業では顧客の為にもっと時間を使う為 に、会社はどうしたら社員が管理的な業務を他の時間にできるかという事を、調べられる。

去年はCubistという抗生物質を製造販売している会社でマーケティング業務に携わる30人の社員に1ヶ月ソーシャルセンサーバッチをつけてもらった。実験により、ランチの時間、社員は会社の外に食べにいくか、オフィス内で食べるかで、あまりお互い、関わりをもっていなかった。だが、会社側は、昼時間にもっと他の部署の人と会話をしてもらいたいと、 思っていた。そこで、カフェテリアを改装して、家具も変え、新しい食べ物の販売機もおいて、状況がかわった。

ソシオメトリックはまた、従業員が扱うEメールの量に関するデータ、誰が誰にメールを出す事が多いのか、というデータも集める。 研究によると、一番成功している人は、一番情報の流れが多かった。

難しいのは、幹部も含め、会社の全ての人にこのバッチを配ることで、コミュニケーションが効果的になるということを理解してもらうことだ。もちろん、だれもがこのビックブラザーバッチが好きとは限らない。

人材コンサルティング会社OrgSpeedの創設者のAlexandra LaMaster氏は
”従業員と雇い主に信頼関係があれば、あなたが部門間でもっと会話が必要だとか、仕事の結果を出す為にやっていることだと、理解があるでしょう。でも、信頼がないと、監視されているだけだと感じます。ある種のカルチャーがある、適切な職場では効果的に使えそうですね。” という。

個人的なデータ、例えば Aさんは今日の午後2時に何をしていたか、という データは提示しない。データは個人の特定はされずにまとめて集計される。

小売店で二人の店員がおしゃべりしている間に、またされないですむという為にはソシオメトリックは大きなビジネスになりうる。

しかし、どっちにしても、ソーシャルセンサーバッチは現場で働いている従業員よりも、上司にうけがいいだろう。

以上が意訳になります。

ようするに、どこの会社にも受け入れられやすいものではないけど、一部の業界では上手く使えばいろんな効率があがるということでしょう。Sociometric Solutions社の意図には反するかもしれませんが、プロジェクト各とか、何かの問題の解決の為とか、目的を限定すると、効果的に使えるかもしれません。

意外と、オフィスシステムを販売するビジネスとか、建築事務所等、事務所の中の人のフローを把握する必要のある、業界にも、役立つかもしれませんね。

全社員に普及となると…そうですね、事務所の中にいる間とかだけなら仕方ないにしても、社内恋愛は難しくなるかもしれません。(笑)

バイオテク(生物工学)関連のスタートアップは2億6600万ドルを獲得

バイオテク産業は投資額が大きく、なかなか黒字になりにくいので、長期的な投資が必要といわれていますが、それでもボストンがバイオテク世界でのハブになれるということは、ボストンの投資家の層が厚いということがいえそうです。

ボストングローブ紙 10月18日

バイオテク関連のスタートアップは2億6600万ドルを獲得

株式市場の上昇といくつかの株式会社のデビューが成功して、投資家は今年の第3四半期の間に、ボストン地域で2億5000万ドル以上をバイオテク関連のスタートアップに注ぎこんだ。

トンプソン・ロイターからのデータによると、前四半期はここ10年で最低レベルだったが、今期はボストン地域のバイオテク関連株のIPOが非常に成功し2億6600万ドルの投資の波がきた。

投資家の製薬会社への興味を惹き付けた エナンタ ファーマシューティカルズ社 ブルーバードバイオ社、.アジオス・ファーマシューティカルズを含む、マサチューセッツ州でのIPOに続いて、9月下旬には ファンデーション・メディシン社は1株 18ドルで発行され、1億600万ドル集め、木曜日には、1株34.88ドルで引けた。

ライフサイエンスとソフトウエアのスタートアップに投資するケンブリッジにあるアトラスベンチャーのJeff Fagnan氏は ”今、バイオテクは急成長しており、関心をひきつけています.” という。プライスウオーターハウスクーパーズのマネーツリーレポートによると、アトラスベンチャーはここのところ最も活発な地元のベンチャーで、四半期の間およそ25のスタートアップに投資している。そしてその大半はボストンにある。

ニューイングランド地方での第三四半期のベンチャーの投資額は7%上がり8億7000万ドルになり、全米規模では11%アップして77億ドルになっている。

全国的に、ソフトウェア スタートアップへの投資額は35億6000万ドルに達しているが、それは10年前の急成長しているインターネットブームの頃のレベルには至らない。それでも ボストンで、ソフトウエア関連では、期間の間取引の最大多数を占めた。
ボストンエリアのソフトウェア企業では、ただ一つ、ウェルズリーの、携帯支払い会社Paydiant社だけが前述のマネーツリーリポートが発表する地域の10の大きな取引としてリストされており、投資額は2050万ドルだった。

ソフトウェア スタートアップへの投資額が落ちている理由は、資本集約的なバイオテクノロジーや医療機器の会社に比べて、少ない資本でスタートできる点である。投資会社アトラス社のFagnan氏は 沢山の会社は数百万ドルでスタートできるから、これから投資の平均値はさがっていくだろうとみている。

以上が要約になります。
ソフトウエア関連産業はコストがあまりかからず、また場所も問わないで起業できるので安く、早く世界に浸透しやすいメリットがあります。そのソフトウエアの特有性をうまく使った、バイオ関連産業が発達してくると、収益が早くあがる仕組みができるかもしれません。