不景気を乗り越えアメリカの消費者行動は変わった?

アメリカの郊外にある大きなショピングモールはアメリカの消費社会を象徴しているようにみえるのですが、だんだんなれてくると、その大きなものがそれほど大きくないようにみえてきます。それはたぶん、単に箱が大きい(廊下とか、スペースの使い方に余裕がある)ということもあるのですが、どのモールも大体同じブランドが入っていて、同じようなものを売っているのがわかってくるからなのでしょう。それでも、平日ガラガラ、もしくは老人の散歩ルートになっているようなショッピングモールが、週末やクリスマスなどのセール、イベント時期には人でいっぱいになります。

結果的には2014年のアメリカ経済はよかったといえそうです。2007年に入ったリセッションからずいぶん消費者も戻り、物を買うようになったといいますが、以前の消費行動とは変わったということが コンシューマーリポート によって発表されました。
車の購入に関しては調査をしたうちの46%の人が去年、新車もしくは中古車を購入した、又は今年中に購入すると答えています。実際に走っている車の古さというのは平均すると、2007年は9.9年だったのに11.4年になったということで、多くの人達が車を買い換えても1台を長くのるのか、そもそも、古い車でも十分走れるので、昔だったら廃車にしたものでも、使う年数が伸びたともいえそうです。

不動産市場も徐々に戻ってきています。12%の人々が去年家を購入した、もしくは 購入するといっています。

それからアメリカ人のお金の使い方が現実的、倹約的になっているという例がいくつかあります。
41%の人が美容院に以前よりも頻繁にいかなくなった、43%が大きな旅行を控え近場、もしくは家で休暇をすごすと答えています。

又、回答者の半分ほどがこの数年食費にかける費用があがったと答えています。これは48%の人が昼に外食せずに弁当、ランチバックを持参するようになった、ということにも反映されているようですね。
実際、BENTOの文字をよく見ます。アメリカではBENTOで通じることも多くなってきましたが、BENTOもとうとうインターナショナルな日本語の仲間いりしつつあるのでしょうか。

経済状況が少しよくなることで家族を持とうと検討する人達が増加又、消費財についても家族みんなで使えるものを買おうという傾向にあるそう。
しかし、いろんなところで倹約したとしてもアメリカ人が諦めないものは、テレビ、サテライト、Netflixやプレミアムのケーブルなどに代表されるホームエンターテイメント商品ということで、38%の人たちがそれらを固辞すると答えています。

ということは、家で楽しめる物は景気に関係なく、売れるということでしょうか。iPadや、携帯とかは実際、お金がかかる部分だと思われるのですが、携帯関連のアプリとかそういったものも、景気にあまり関係なさそうですけどね。
不景気を乗り越えて、大量生産、大量消費の使いすて社会から、経験型、身近なところで生活を楽しむ、というほうに消費行動が変わった事はこれからの商品企画にも影響を与えると思われます。

5つ星ホテルよりも高いエアビーアンドビー?

Airbnbエアビアンドビーの話は、夏にこのブログでも、でましたが、イメージ的には旅行者が比較的安く、住むように滞在できるという感じがあったのですが、ドイツのGoEuro.comというサイトが世界150都市、4万以上の宿泊施設を調べたことによると、エアビーアンドビーの短期滞在する場合、ボストンが世界で一番高いとの調査結果がでました。

1晩平均274ドル、ボストンの5つ星のホテルを予約するよりも22ドル!高いそうです。ちなみにニューヨークの5つ星のホテルの部屋は平均669ドル(一番高いのはサンモリッツの687ドル、次点はマイアミの680ドル)ということなので、ボストンが高い町というより、アパートを含めた宿泊施設が少ないということでしょうか。インターンシップや出張等で数ヶ月単位で滞在する場合ホテルよりも、キッチンも自由に使え、町にちゃんと住んでいる感じがするエアービアンドビーのようなもののほうが生活を楽しめるというのはあるかもしれませんね。
ちなみにAirbnbでとまると高い都市の順序は、ボストン(274ドル)、カンクーン(メキシコ、247ドル)、ニューヨーク(231ドル)、ドバイ(226ドル)マカオ(213ドル)と続くのですが、アメリカの中では、ボストン、ニューヨーク、マイアミ、サンフランシスコ、ワシントンDC、シカゴの順となります。

正直なんで、ボストン??という気もしたのですが、このデータ、計算の仕方にも理由がありそうです。ピーク時と閑散期の両方の数字を考慮するということなのですが、10月初旬をエアービーアンドビーは旅行の閑散期とみなしていますが、ボストンは学生の率が高いので新学期が始まったばかりの10月は家賃の高いボストン周辺で、大学院生達が、宿泊施設を探しているなど一般旅行客と違った人の動きがありそうです。

Airbnb(エアビーアンドビー)は、2009年からボストンでサービスが始まりましたが、2013年の7月から2014年の6月までの調査によると5100万ドルの経済効果があったそう。ボストンではホテルの70%が町の中心地に集中しているといいますが、エアビーアンドビーのおかげで恩恵を受けているのは、ボストン市中心部よりも少し外れている地域のようです。ボストンはアメリカの歴史を学ぶ上で大変重要な役割を果たしており、子供達がアメリカ史で学ぶボストン近郊にあるレキシントンやコンコードといったエリアも観光地域です。

ボストンでエアービアンドビーで部屋を貸した場合、典型的なパターンは一年に68晩貸して8020ドルの年収を得ているとのこと。結構いい副収入になりますよね、本当に。
ちなみにGoEuro.comが同時に行った1から4星までのホテルランキングだと、ホテル自体の値段は14位ということで、ボストンにくるなら、エアービーアンドビーではなく、1〜4星のホテルに泊まった方がいいかも。。。

関連記事:
自分の部屋を旅行者に貸すことで収入を得る、Airbnb(エアビーアンドビー)の話

日本人妻の草の根外交

先日、日本の在外公館に勤めておられる日本人の方と、こんな話になりました。

彼女は、現在の職について数年たちますが、仕事で日本語を流暢に話せる外国人の男性達に多く会いびっくりするのだけど、話をよくきくと、その陰には大抵日本人妻の存在があるといいます。外国で日本語の普及に大きく貢献しているのはいわゆる『日本人妻外交官』なのではないでしょうか、という話でした。

統計的には日本人男性と外国人女性の国際結婚のほうが、その逆よりも圧倒的に多いのですが、地域性のせいか自分の周りをみると、日本人女性と結婚している外国人男性のほうが、多いようです。そして、子供が学童期になれば日本語の補習校にいかせ、これは男女を問わずですが互いの文化を理解するために日本語を子供と一緒に習っている人達も多くいます。

日本にいて日本語が、もしくは日本文化がわかるから日本人と結婚することになったのか、相手の国もしくは、第三国で知り合って、縁のあった人がたまたま日本人だったのかで、温度差もあるのでしょうが、相手をもっと理解する為に互いの文化や言語を知ろうという気持ちが世界を繋げていくのではないかなと感じます。

これがまさに草の根外交なんでしょうね。日本に住んだこともないのに、とても流暢に日本語を話すアメリカ人にも会いましたが、その隣にもやはり日本人妻の姿がありました。

慢性疾患治療を改善するために医者と患者をつなぐアプリ

アメリカの医療費は高く、病気になって人の人生を左右するのは保険会社だったりするわけで病気になるのを未然に防いだり、更に悪化するのを、どうしたらいいのか、という考え方がこれからはますます重要になってくると思いますが、それには生活習慣を変えるということが、大変有効です。

MIT メディアラボの元所長でシリアルアントレプレナーでもあるフランク・モス氏が会長として共同創設者に名を連ねているTwine Health というスタートアップは慢性疾患治療を改善することをミッションとしています。病気を防ぐ、もしくは症状が悪化するのを防ぐために患者と医者をつなぐアプリをこのスタートアップが作りました。

このアプリでは患者それぞれにあわせたヘルスプランを作成できます。例えば、朝には薬を飲む、野菜をもっと食べるとか、運動をするといったチェックリストを作り、それにそって、患者側は行動をしていき、医者のほうはその進捗状況をチェックするということになります。まず、最初の目標は3分の1のアメリカ人がもっているとされる慢性疾患、高血圧です。Beta Boston によると、このアプリこれまでに、全米6病院、159人の患者さんを対象に実験的に使われているそうです。実際、患者さんが薬を飲み忘れていたりすれば、医者の方からリマインダーを送ることもでき、状況に応じて始めのプランを変更したりもありえるそう。3ヶ月以内に90%の患者が目標に設定した血圧になるようにすることが目標だということ。
3月に行なわれたトライアルでは、血圧の改善だけでなく、治療費が3分の1程度までに減少、将来的には他の慢性疾患にも対処していきたいということです。なんだか医者の負担も増えそうな感じがするのですが、アプリを使いこなせない患者、スマートフォンを持っていない患者、英語では対応できない患者もいて浸透するにはなかなか時間がかかりそうです。

フランク・モス氏は今まで数々のスタートアップを成功に導いてきましたが、特にこのビジネスには情熱を注いでいるよう。テクノロジーだけではアメリカが直面している医療問題や慢性疾患の問題には対処することはできませんが、組み合わせの一つにはなりそうです。

ハーバードアートミュージアム

ハーバード大学はいくつも博物館、美術コレクションを所蔵しているのですが、新しい ハーバードアートミュージアム が11月16日にオープンします。

中に入ると、真ん中は吹き抜けになって、ガラス部分も多いモダンなつくりです。photo 2 (2)
この美術館、3億5000万ドル以上かけて、改修、増築工事が行なわれ、4階建ての建物にはピカソ、ミロ、といったヨーロッパアートから江戸時代の日本美術、韓国、中国の陶器、仏教美術、アメリカの作家の油絵等3つのコレクションが一つの美術館に所蔵されています。地下はこぶりな映画館のようになっており、映像関係の作品もこれから上映されることもあるでしょう。それでも、所蔵している作品の半分も展示されていないというところがまたすごいです。
それにしても、ボストンでみる日本の美術品って、状態がよくて驚きます。(ちゃんとガラス張りで光が当たらないところとかにはいっているわけではないので、手をいれているんでしょうかね、以前にボストン美術館で行なわれた鎧の展示も状態がよくてびっくりしました。外国にでても大事にされているようで、うれしいですけど。)photo 1 (5)

作品を修理する場所もガラス張りで、今後仕事をしているところを近くでみることができるように、塗料や仕事道具も外からみえるようになっていますし、かなりオープンな感じですね。大学でこれほどの規模のコレクションが集まるというのはさすがハーバードという感じです。

これからの時期、ボストンでは寒くてなかなか外で楽しめることも減るので、こういった一日過ごせる美術館は貴重な冬の楽しみになりそうです。あー、カフェが隣接していれば、完璧なんですがね。。。