インドのシリコンバレー、バンガロール

バンガロールは、インドのシリコンバレーと呼ばれITビジネスの中心地です。
バンガロール空港はガラス張りのとてもモダンな空港なので、 町も近代的な建物が結構建っているかと思うと、いやいや、それはまだほんの一部の話で、そういうエリアとそうではないエリアが混在しているというのが今の状態です。

近代的な建物

今回バンガロールに訪ねたある事務所の所長は大学の博士課程をとるのにインドに数年滞在していたことがあり、その後食料のフェアトレード関連のビジネスをたちあげました。現在は、大学、研究機関も含め、スタートアップ等の対インド投資の手伝いをしています。 事務所は、バンガロールのそれほど近代化されていないエリアにあったせいか、事務所の近所を歩いていたら、赤ちゃんと、子供をつれた女性に腕をつかまれ、“1ルピーをください!”といわれ、追いかけられ、さすがにびびりました。内心、“1ルピーでいいの?”だって、2円にもなりませんよ。。。所長いわく、そういった女性達は組織化されているので、お金を渡してはいけないと。まさしく、映画『スラムドック&ミリオネア』の世界そのままの話をされていました。(ボストンでも路上でお金を集めている人達はよくいますが、彼らには通りすがりの人達がよくお金を渡しているのとは対照的です)

バンガロール滞在はほんの数日でしたが、町の中を歩いたり、車で移動していると普段の生活が少し覗けました。 ゴミの集積所らしきところが町のいたる所にあるのですが、ゴミ袋に全てのゴミが入っているわけではないので、そのままそこに犬や牛がたむろして、動物が渋滞の原因になっていたりします。それでも、人々は動物にやさしいのか、(宗教上の理由か)せかすこともなく、妙な共存がうまれていましたね。都会でもそういう衛生状態なので、世界のエネルギー問題や公害なんて話をしたところで、全くピンとこないだろうなあ、というのは感じました。

車の前を牛が通過中

車の前を牛が通過中

確かに、昔はプラスチック製品やスプレーのようなものはなく、ゴミをそのまますててもある意味、自然のコンポストになっていたのかもしれませんが、都会でもその状態なので、サステナビリティとか、省エネとか言う話以前の問題だということを所長もいっておられました。
これだけ、人がいて、市場が大きいと、ビジネスチャンスも多いし、新規事業も大変だけど、やりがいがありそうに思ったのですが、所長いわく、“中国人とインド人との大きな違いは、中国人は上昇志向が強いが、インド人は今いる自分の地位からどうやってもっと向上しようとか、よりいい職業につきたいとか、どうやったら自分の生活の質がよくなるか、なんてことは考えてない人が多いことなんじゃないかなあ。でも、みんな自分のいる今の地位や肩書きにこだわったり、タイトルはすごく大事。なんだかんだいってすごい階級社会だから。”

町から1時間も走ると、扉のないような建物に住んでいたり、屋台のような商店を多くみかけましたが、それでも電線は通っています、あと20年くらいたつと景色もずいぶん変わるのでしょうか。

アートをエンターテイメントにすることで誰でもアーティストになれる -ピノッツパレット-

アメリカ人ってほんとすごいなあ、と思うのはなんでもエンターテイメントにしてしまうところです。アートが芸術作品でなく、エンターテイメントだったら。。。誰もが自分の中の芸術家の部分を発見して、楽しんでほしい、という考えで、アートコースを提供しているのがピノッツパレット というアトリエ(フランチャイズ)です。2009年にテキサスで始まったこのアトリエ、出張サービスもしており、誕生会や、記念日その他イベントに出張サービスもしてくれます。

アメリカ人はホームパーティーやこの時期BBQをよくしますが、ちょっといつもと違う演出をしたかった友人はこの出張サービスを、ビジネスのネットワーキングのイベントに使いました。ピノッツパレットがイーゼルから絵の具、筆、パレット、キャンバス、エプロンと必要な道具を全て持参してくれます。会の主催者が事前に会のテーマに合わせて選んだ絵のモチーフをどうやって描いていくのか、インストラクターがみんなに、ステップごとに教えてくれます。基本的に全員が同じモチーフを、同じような色で同じように描いていくのですが、それぞれ出来上がりが結構違います。この経験は例えば、材料が全部入っている、カップケーキのキットを自分が混ぜて焼いて、残りのデコレーションを各自でやるみたいな感覚といったらいいでしょうか。。。

正直、見本の絵もこれって上手いって言えるの??というものもあったりして、上手、下手とか、絵の描き方を習う、という感覚で参加すると、ちょっと戸惑うかもしれません。上手、下手より、面白い作品か、面白くない作品か、というふうに見たほうがいいかも。。。ボストンは特に、アカデミックで、手仕事より、頭を使う仕事に携わる人達のほうが多いので、普段、アカデミックな仕事をしている人や、数字を追いかけている人達の、全く違う一面をみることができるという意味では、面白いです。筆で線をまっすぐ描く事はなかなかできなかったり、そうかと思うと真剣に口も聞かず、作品を仕上げる人、結局、ぐちゃぐちゃになって、最後はインストラクターに描いてもらう人と、様々で、人間性もみえて面白いですが、でもこの会にたまたま上司と一緒に参加して上司が延々と絵と格闘しているのをみた部下の人は、“うん、楽しかったけど、上司と一緒に参加するもんじゃないね。” と、気を使ってかえって疲れた様子でした。

ピノッツパレット
ピノッツパレット

中高生の為の語学短期留学のポイント

夏休みになり、中高生の子供達が語学留学する話をききます。とくに近年、まわりをみても語学留学が低年齢化しているのを感じます。中高生の留学を、大きく分けると

• 夏休みに2、3週間の語学留学
• 一人で学校の寮に住む(数年単位)
• 親とともに、数年単位で留学する(転勤というわけでなく、みんなで引っ越し、もしくは母子の移住)

というパターンが少なくとも自分のまわりにみるパターンです。

今回はこのうちの一番目、夏休みにする2、3週間の短期の語学留学について考えてみたいと思います。

若い時に語学にふれるメリットはなんといっても、その言語の音になれることと、発音ではないでしょうか。
耳を作るのは若い時 のほうが圧倒的に有利。アメリカに何十年すんでも、母国語のアクセントが強い人はいっぱいいます。2、3週間で英語の音がちゃんと聞き取れるようになるかはそれまでにどれくらい聞き取りができるか、ということも大きいかとは思いますが、正しい音を知ったり、教科書にない表現を知ることはできるでしょう。短期コースを機に、意識して発音するようになるかもしれません。

言葉は一つの単語を 、知っているだけで、理解できる世界ががらっとかわったりします。2、3週間で外国語がマスターできるようになるわけではないですが、短期間でも外国語で生活をした時に、あーもうちょっとわかるといいな、とかあー通じる、うれしい!という気持ちは更に勉強しようというモチベーションにつながります。

初めて、語学コースに参加する時には、まわりがいっていることがあまりわからないかもしれません。でも 、日本語を話す人達とだけかたまってしまうと、せっかくのチャンスをいかせません。短期間でも、自分を環境に適応させることができるか、というのも一つのポイントだと思います。短期間だからなおさら、日本人とだけ一緒にいようと思えばいられてしまう、メンタルな部分をオープンにするというのは語学を文法的に理解できるかということだけでなく文化として理解できるか、ということにもつながるように思います。

中高生くらいの 時の2、3週間 の経験は場合によっては大人の時の半年間くらいの経験に匹敵すると思います。
せっかくの時間、リッチなものになるといいですね。

退職してからの新しい働き方-給料をもらって旅行にいく-

夏休みが始まり、すっかり休暇シーズンになりました。観光地は家族ずれや夏期休暇を楽しむ人達でにぎわっていますが、団塊の世代が定年退職するようになってからこの観光旅行シーズンが5月〜10月までにのびたといいいます。(ボストングロープ7月20日)

南フランスのビーチ

南フランスのビーチ

2013年に行われたメリルリンチの調査では70%の退職を控えた人達は退職後も働き続けたいと思っていますが、大抵の人々は時間的にフレキシブルなものを望む傾向だそうで、(パートタイムか決まった時期だけ働いてそのあと、まとまった休みがある)その結果、旅行業界やサービス業(ホスピタリティの分野)に人が集まりやすいと分析しています。

一方旅行業界は通常、6、7、8月の夏期休暇が忙しくその時期、大学生がバイトとして入ってくれるものの、旅行シーズンが5月から10月までのびてしまうと人手不足になる時期もでてきました。ナショナルパークやレジャー関係の分野は季節ビジネスで決まった時期に人材が必要です。いっぽう団塊の世代の人も、体が健康である限り、仕事もしたいし、旅行もしたい、そこで旅行をしながら給料を得られる、という理由で、旅行業界でパートタイムで働くという働き方が増えているそうです。給料は時給13から17ドルといいますが、実際には、レストランやアクティビティ等の割引があったりして得する部分も多いので、人によってはお得に感じる事も多いようです。

確かにこれくらいの年齢の方々は、海外旅行慣れしている方たちと、全く慣れていない人達が両極端にいそうです。団塊世代の旅行慣れしている人達が、同じ世代の人達を世話するという感じになるのでしょうか。

参考記事:
見直される旅行代理店

貧困の心理学ー貧困は経済活動にどのような影響を与えるのか

先月、チューリッヒ大学の同窓会が貧困における行動経済学を研究しているMITのヨハネス•ハウスホーファー氏を招いたイベントを行いました。
彼はケニアで発展途上国における行動経済学のリサーチを行っています。

ヨハネス•ハウスホーファー氏はチューヒッリ大学のエルンスト•フェール氏とともに貧困の心理学に関して様々な共同研究を発表しています。
研究では貧困がストレス、不安、否定的な感情をもたらし、そして、それが人々の経済活動に影響をもたらすということがわかりました。

日雇い労働者は日々の生活のための賃金を得るために、少しのリスクどころか、非常にリスクを回避するような行動をとります。
彼らにとっては将来的に高い所得を得る為に、今を過ごすのではなく、今現在の所得がどうなのかが重要です。経済的に、長期的影響を及ぼすことになる、教育や健康のような投資には興味をもたず、長期的な視野にかけています。よって、適切な手段がないと貧困から抜け出すのは非常に難しいということになります。

精神的な恐怖や不安を取り除く為に、現金を無条件に支給するというのが一つの解決策になるのではないかということで、ヨハネス•ハウスホーファー氏はケニアで返済の必要のない決まった額を毎月渡すという実験をして、一年後に調べてみると、人々は幸福でストレスが低かった、ということがわかりました。

もう一つの方法は、貧困の結果である精神状態の改善に取り組むということです。貧しい人々はうつの傾向があり精神的な治療が必要なことが多いそうで、このような治療は個人の対処能力を高め、貧困から抜け出すことを可能にする、ということもわかったそうです。

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現在世界中で15億人ほどの人が一日1ドル以下で生活しているということです。アフリカではヨーロッパよりも平均寿命が21歳短く、人口の3分の1は読み書きできないということで、経済的な貧困が寿命を短くし、教育程度の低い子供達を育てる結果になっているそうです。
最近増えている都市の貧困対策に支給される生活保護も金銭的な意味だけでなく、精神的な意味で効果があるということがいえそうです。心の健康が、生活を支えるといえるでしょう。ただ、都会の貧困は、アフリカの一日1ドルで生活している人達の貧困状態とは質も違うし、対処するべき問題も違うとは思いますが。