高校中退者を減らす為の起業プログラム

先日、BUILDボストンユースビジネスプランコンペティションが開かれました。
このプログラムは、高校生に起業家精神を教える事を通じて、高校を中退せずに卒業して、大学まで進んでもらうことを目的に始まったものです。

BUILDの調べでは、中退してしまう子供達の約54%が高校の一年目(日本の中学3年生)に学校をやめてしまうということです。(アメリカの高校は大抵4年制)
そのような子供たちは勉強にも問題がありますが、それだけでなく家庭環境等にも問題があります。そこでBUILDは高校4年間のプログラムを作り、その中で、ビジネスのやり方(ビジネスプランの作成、マーケティング、商品化、ファイナンス、販売、)を教え、同時に学業のサポートもしていきます。

今年で3年目になるこのコンペ、5つの高校1年生(9年生)チームがテレビ番組の”シャークタンク”のように、地元のビジネスリーダー達の前で、ピッチをしました。
通勤時に持ち運べる枕や、パーツを変えるだけで、カスタマイズできる眼鏡等のアイデアがでましたが、今年賞をもらったのはB-Tiesというネックレス、やヘアクリップになる蝶ネクタイを披露したチームで、1000ドルの賞金を得ました。ビジネスを始めるコストは通常数百ドル程度ですがこのプログラムでは資金を提供されます。まず、9年生でもとのアイデアをもう少し、発展させてビジネスプランを作り、10年生では商品を作り、11年生で販売し、12年生では大学準備に入る為事業を徐々に縮小します。

こういったピッチコンテストはどんどん低年齢化して、高校一年(日本の中学3年生)から参加できるようなプログラムも増えています。
”学ぶ”ということが机の上で、勉強していくだけでなく実際に自分の考えているものを、商品化、販売する経験を若い時にすることで次なる目標につながり、自分にも自信がつくし、やりたいこともはっきり見えてくるようです。

電話帳化するホームページ?

中小企業も今やホームページを作るのが当たり前、零細企業でも、ブランドを確立する為に、ウェブサイトを作るのがいいとききますが、実際にはアメリカでも2013年のグーグルとイプソスという調査会社による調査で3800以上の企業を調べたところ約55%の企業しか、ホームページを作っていないとのことがわかりました。
理由は大きくわけると2つ考えられ、一つは人手不足で、そこまで手が回らない場合、もう一つは、これ以上事業を拡大したくない場合です。

HTMLの言語がわからなくても、又、予算がなかったり、時間をかけないでも、簡単にホームページを作れるサイトは色々あります。例えば、
Wix.com
Google
Weebly.com
squarespace
Webnode
Jimdo

一方、一人や数名でしているビジネスの場合、口コミや人のネットワークで仕事が広がる場合が多く、それでなんとかなっている人達っていうのがほとんどだと思います。
事業を拡大したくないという場合、これ以上お客さんを増やしてしまうと、今までのようなサービスや、質を確保できなくなるということや、顧客の顔が見えないビジネスをしなくてはならないというのが、嫌だというのもあるでしょう。決まった顧客しか相手にしない店や、一日限定数しか生産しない店、紹介がないと、売ってもらうことができないこともあります。

それでもHPを作ることが簡単になったことでHPを持つ個人事業の人達はこれから益々ふえるでしょうが、HPは電話帳みたいになっていくのでしょうか。

カーシェアリングをするようにフライトシェアリングをするスタートアップ

アメリカは広大で、公共の交通機関が通っていない所も多いのでちょっと珍しい所にいこうとすると、飛行機、フェリー、バス、車といくつかのものを乗り継いでいかなければなりません。そういう理由もあってか、飛行免許をとるのも比較的簡単です。しかし実際、飛行機で移動することや飛行機を所有することは車より、コストがかかるわけでそれを誰かとシェアできれば、使いこなせる機会がより増える、ということでカープールのような感覚で、飛行機とパイロットをシェアする目的でできたスタートアップがあります。(Betaboston 4月7日)

ニューイングランド地方(米国北東部のコネティカット州,メイン州,マサチューセッツ州,ニューハンプシャー州,ロードアイランド州及びバーモント州の6州)をプライベートパイロットとして飛んでいる人は少なく見積もっても2万から3万人ほどいるそうで、実際には4、5万人いるのではないかと言われています。
そのうち20−25%のパイロットは遊覧飛行を楽しみ、残りはどこかまでいくという目的をもって飛んでいるようです。

そのパイロット達にとって、ネックになっているのは飛ぶ費用。大抵のパイロットは飛行機をレンタルしているのですが、もし燃料費や飛行機のレンタル料をシェアできればもっと気軽に飛べるようになるのに、という思いでできたスタートアップが  Airpoolerです。

実際Airpooler で登録する90%ほどの飛行機はシングルエンジン、パイロット一人で飛ばせる飛行機になります。もちろんそのような飛行機にはトイレはありませんし、体重だってちゃんと報告しないと、重量オーバーになるケースがあり、安全も担保できません。悪天候では影響を受け易いですし、誰もがそういう状況下で乗客になることになれているわけでもありません。保険の問題もあるので、まずフライトクラブのメンバーを対象にサービスを提供し始めました。

Airpoolerで登録しているパイロットはプライベートなパイロットで事業用の免許はとっていないので連邦航空局は決まった費用以外の支払いをされてはいけない、と定めています。(例えばパイロット一人に乗客一人ならかかった費用、ガソリン代や駐車代等の50%以上はもらえないというように。)たとえ、パイロットが飛行機を所有していても、メンテナンス代とかその他の雑費を請求することはできません。そういった事を考慮してもAirpoolerが、フライトをシェアするマーケットを作ることで得る手数料収入は10−15%になるようです。

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今後、利用対象を一般人にも広げるようですが、値段は安くても下手をしたら命をかけたアドベンチャーになってしまうので、パイロット同士でシェアするほうが、まだ信頼感があるかもしれません。
それにしても、たった6州のエリアで4、5万人もパイロットがいるって、さすが広大なアメリカ。。農場の肥料や農薬をまくことも飛行機を使ってやったりするだけあり、フライト免許をとるハードルは低いですね。
フライトクラブでは飛行機を数人のパイロットで共有するということは以前からあったようですが、知らない人をのせるほうも乗る方も結構勇気がいるかもしれません。このところ、世界中、天気の変化が激しくなっています。日本でも竜巻が起こるなど、以前だったらあり得ないような天気の激しさをみるわけですが、普段バスのような旅客機にしか乗っていない人が、小型のプロペラ機にのることはバイクにのるような感じでしょうか。もっと空気や風の抵抗を感じたりして、旅客機のような安定感はないです。(それが、乗り物好きには楽しいのですが。。。)こういうのにわくわく感を感じてしまうのは自分のようなフライトオタクだけなのかなあ。

ハーバード大学の資産運用

ハーバード大学は寄付金が多く、リッチな大学としても有名ですが、この豊富な寄付金を運用しているハーバードマネージメントカンパニーという会社があります。この会社の目的はハーバード大学が行う教育と研究を金銭的に長期サポートすることにあります。このファンドのプライベートエクイティマネージャーが変わるというニュースがありました。米国内最大の大学基金のマネージャーになるリチャード•ハル氏(46歳)はテキサスペンションファンドで140億ドルのプライベートエクイティの運営をしていた人です。(ボストングローブ3月17日)未公開株をポートフォーリオにこれからも重点的にいれていこうという方向で、これからはグローバルな未公開株も取入れていきたいとのことです。

ハーバードの寄付ファンドは去年の6月の時点で総資産327億ドルですが、そのうち50億ドルはプライベートエクイティやファンドにあてられているそうです。
大学の資産運用というと、2009年の駒澤大学の巨額損失事件以降ますます日本では手堅く、ロスを少なくするというイメージがありますが、アメリカでもハーバードの積極運営は、他の大学の資産運用にも影響を与えてきています。

大学の資産を考えた時に、資金運用という面もありますが、資金調達という側面もあります。
アメリカの私立大学は寄付集めのための、イベントも多いですが、ハーバードの場合は卒業生の寄付金が特にすごいですね、高額寄付受付のホットラインがあり、”私の所にかかってくる電話は全て、10億ドル以上の寄付の話です”といっていた人がいましたね。。。小さな国の国家予算なみです。そして、資金を提供する側も、喜んで高額を払ってくれます。それは、自分が母校に対して愛着や自信があるということがひとつと、高額を出す人にはやはり、投資という考え方があるようです。結果を出してくれることを望んで学生や研究、もしくは施設に投資をするのです。
特に、卒業生や団体から寄付をもらう場合、卒業生が、あの大学に通ってよかった、又、自分の子供も是非入れたいと思える環境作り、というのはとても重要になってくるようです。

都市開発にも影響を与えるインキュベーターのあり方

スタートアップを中心に様々な分野の企業や団体にオフィススペースを貸してケンブリッジのエコシステムを作っているCIC(ケンブリッジイノベーションセンター)が新しく隣の市であるボストンにCIC ボストンを4月にオープンするということを発表しました。CICは1999年に、MITのあるケンブリッジ市にオープンして以来、主に大学から派生した企業に場所を提供しつつ、起業家同士を横でつなげる役目もして、発展しています。現在は700社以上が入居しておりそのうち500社程度がスタートアップですがフェイスブックやアマゾンのような大企業もひきつけています。今度できるボストン市のオフィススペースには300企業、1200人ほど入居できるスペースがあるそうです。

CICケンブリッジがあるケンドールスクエアから新しくできるCICボストンまでは、3kmもない程度の距離なのですが、1999年にCICができてから、ボストン市内にかけて色々な種類の小規模なインキュベーターもうまれています。ケンブリッジ市というのは、ハーバードとMITの施設が大半を占めるのではないかというくらい、学校関連施設で埋め尽くされているエリアですが、チャールズリバーを渡り、隣の市ボストンのほうにいくと金融街、弁護士事務所、投資家のエリアになります。近年、ボストンエリアにもPayPal やIsobar のようなデジタル系の会社が進出し始めました。
イメージ的には新宿から原宿までの間に1000以上のスタートアップがあるという感じになるでしょうか。ちなみにケンブリッジ市のサイズは18.47㎢、大体新宿区と同じサイズ(18.23㎢)になります。ケンブリッジ市の 人口107881人(2008年)に対して、新宿区はその約3倍(312418人)、そう考えると、相当な数のスタートアップがあることがわかります。

うまれたばかりの会社にとっては賃料が安いだけでは価値がなく、その他の付加価値、例えばキッチンだったり、会議室だったり、WiFi、オフィス家具が無償で提供されることは、余計な出費を控える効果があります。ちなみにケンブリッジのオフィスのほうでは月に1人、350ドル〜かかり、長期契約ではなく、30日前に告知すれば、退出できます。賃料を低くおさえる為に、なるべく大規模な展開をしようとしているCICですが、大規模にすることで、周辺地域への波及効果も高く、周辺エリアの経済を活性化させたり、さらに他の企業をよびよせることになります。

ボストン市は、この起業家を育てるエコシステムがケンブリッジ市にもたらしたような効果をボストン市にももたらす事を望んでいます。今年新しく市長になったウォルシュ氏はこの動きが雇用をもたらし、町のイノベーション経済を成長させると思っています。CICボストンの進出でボストンエリアのテクノロジー産業の進出はますます増えることになりそうです。

参考記事:
スタートアップを支援する様々なオフィススペース