起業したい人は大学に行く必要があるのか?

起業するのに大学に行く必要があるのか、そもそもなぜ大学に行く必要があるのか、という問題です。

ボストングローブ 10月10日

MITで行われたイベントでPayPal(オンライン決算システム)の共同創始者Peter Thiel 氏は、起業家にとって大学にいくことはお金の無駄であり、学校をやめてさっさとビジネスを始めたほうがいい、と発言した。

億万長者のPeter Thiel 氏は自分の資産を使って、聡明な若者達に10万ドルを出資し、大学をやめてサンフランシスコにある彼の機関で、革新的なアイデアのために働いてもらう。

Thiel フェローシップは定期的にトップスクールにスカウトにきている。2011年以来、62人のフェローが選ばれその3分の1はニューイングランド地方の人達だ。そこには、MIT, ハーバード、ダートマス大学、そして高校を卒業していない学生も含まれる。Thiel の代理人は1000人の学生がMITと国中から集まるMITのハックイベントにきていた。

Thiel フェローシップ の共同創始者のJonathan Cain 氏は ”一番いい学びは教室に座っている事ではなく、何かをすることで学ぶ事だ”
と、イベントの最初にスピーチした。

のちの、ボストングローブ紙とのインタビューで彼は、“私がいいたいのは、世界を変えるために伝統的な道を通らなくても、いいということです、しなくてはいけないのは、何かを起こす事です。”

Thiel フェローシップ はハックMITのスポンサーでもある。このイベントはMITの学生のグループで組織されて大学が、運営しているわけではない。
MITの広報はThielのプログラムがはいっているということも、グローブ紙がコンタクトするまでしらなかった。

MITの有名なアントレプレナーシップセンターの、スタートアップの世界ではグルでもあるBill Aulet教授はThiel氏のスピーチにあっけにとられた。
”彼らは、これらの教育機関を利用しているのに、そんなものは必要ないというのか。”

Aulet教授は ”Thiel氏はスタンフォードで哲学と法律の学位をもっているのに、他の人には教育が必要ないというのでしょうか。”といい、
MITの事務長のMartin Schmidt氏は、学生は学校にいならがらにして起業家として成功することもできる、とシンプルにコメントした。

”教育と起業は相反関係にあるというわけではありませんよ。MITで教育をうけた起業家が長期的に成功しているのは、現実の世界の機会や問題にもとずいた厳格な教育をうけているからです。”

Thiel氏はシリコンバレーの中だけの有名人ではない、フェイスブックの初めての外部投資家であり、50万ドルの投資を株を売る事で、10億ドルにした。
政治的にも活動をしている。
学歴もあり、母校スタンフォードでスタートアップの授業をしていても、 Thiel 氏は大学の学位の価値に疑問をもっており、“エジュケーションバブル” で学生や親の負債の負担がふえることを懸念している。

”職業訓練をうけても、今時、すごくいい給料がはいるよ、配管工の平均給料って、医者の平均給料と同じくらいだ”
去年 “60 Minutes’’のインタビューで彼は言っている、”みんな、もっとどうして、大学にいくのかについて考えたほうがいいと思う”

フェイスブックもアップルも、マイクロソフトの創始者もみんな大学を卒業していない。

彼は、年間20歳以下の学生20人までをフェローにしている。MIT, ハーバード、そしてダートマスとキャンパスを巡り、ネットワークを使って学生とのミーティングをしている。

フェローシップは学生のグループにビジネスのアイデアの実現の為に2年間で10万ドルを渡す。その間、起業家や、投資家、専門家とともにアイデアを磨いていく。2011年に始まって以来、1ダース以上のスタートアップが事業を興し、その中にはパーキングスペースを探すアプリや、薬を飲み忘れないようにするアプリも含まれる。

ハックMITを手伝っているMITの大学生は、”フェローシップは学生にとっては一つのオプションです、別に彼らのメッセージを支持しているわけではありません。”という。

実際、ハックMITは野心的で意欲のある若者をとらえるのとを引き換えに、30時間プログラムのコードを書き続けるためのコストを負担してくれる50以上のスポンサーマネー、グーグル、ツィッター、ベンチャーキャピタルをひきつけている。

これはThielとMITの初めてのもめ事ではない。2011年の時点でフェローになった学生は二人いた。MIT の入学管理責任者の Matt McGann氏はその二人にお祝いのメッセージを送っている。”2年後に戻ってきても、こなくても、上手くいくといいですね。”

以上が要約です。

大学を批判している割にはわざわざトップ大学から学生をリクルートするというのは、どうなのかな、とは思いますが、個人的には大学行くのと、行かないで、起業するの、どっちもありかな。もし、自分がこれだ、って思うものがはっきりしなければ保険の意味でも大学にいったほうがいいと思います。特に社会を生きる上でまだ人の基準というのが、学位とか資格なのかな、とも思うのですよね、彼だってスタンフォードをでて社会的な信用を得て、もしくは人脈を得て、ビジネスを成功させた、という点があるように思います。でも逆に、有名大学をでたからといってみんな成功するわけでもないので、それだけではたりない。

起業して上手くいかなくてまたMBAを取り直す人もいれば、とりあえず事業を始めてしまって上手くいってしまう人もいる、MBAにいったからといって、起業するわけでもなく、就職活動して、それでも思ったようなポジションをつかめない人もいますし。
ようするに、”起業”という観点からみるならば、大学やMBAというのは実は、始めから起業する力のある人のためのものではなくて、反対に、そこにいけば、誰でもある程度、最低限起業に必要な知識を得る事ができる、ということなのでしょうか。

先日スイスの連邦工科大学の学長が、大学に行きたいという人が増えているが、大学側は受け入れる人数の枠を増やすつもりはない、といっていました。理由は職業訓練制度が機能しているので、みんながそれぞれ自分に見合った職業をみつけるべきである、と。また、大学をでなくても、その道の勉強を続けていく中で、金銭的にもあまりかわらないか、もしくは職業訓練を受けた人のほうが上回る場合もあり得るからだと考えられます。

それにしても、選択肢があるっていうのはいいですよね、自分がやりたいことが明確な場合は。

人気もあるが、費用もかかるギャップイヤー

そもそも、日本でギャップイヤーというものをとろうという人は少ないと思うのですが、高校卒業してすぐ、大学に行かないとか、大学卒業後、半年から1年外国でインターンシップをするとか、世界を旅して回るとかいった、ギャップイヤーというのはヨーロッパ社会では以前からよくききます。軍隊のある国では、高校を卒業すると半年とか一年とか、国によってはもっと長く軍隊に行く人もいますよね。
日本でギャップイヤーがなかなか広がらないのは、日本人はなんでもシステム化するのが好きだからでしょうか。みんな一緒のほうが学校にも会社にも都合がいい?社会の流れ、システムからはずれてしまうと、会社も学校も対応するマニュアルがない、とか、評価する基準がないからなのでしょうか。

アメリカでも人気がでているけど、費用もかかるギャップイヤー、というリポートです。

ボストングローブ紙 10月5日

私の息子は大学に入って1ヶ月がたった。他の大抵のクラスメートのように新しいルームメイトやクラス、自分のものを洗濯することに、慣れようとしている。
でも友達全てがキャンパスライフに夢中なわけでもなく、南アメリカへボランティア活動にいっている友人もいれば、イスラエルに行く準備をしている友達もいる。彼らは、高校と大学の間にギャップイヤーをとっているのだ。どれくらいの学生がギャップイヤーをとっているかという統計はないが、ギャップイヤープログラムを提供している企業は、増えている。

全米ギャップイヤーフェアーは2006年に7つの高校で始まり、10社と数百人が訪れた。

長年ギャップイヤーコンサルタントとして働いているHolly Bull氏は、イギリスでは普通である、このギャップイヤーを、プリンスウィリアムとプリンスハリーが取った時からみんなが興味を持ち始めたという。

イギリスでのギャップイヤーはアメリカのものに比べて、ちゃんとしたプログラムと言うより、”ビーチにねそべって、酔っぱらっている” というイメージである、とアメリカンギャップ協会のディレクターはいう。

でも、明らかに安い。そして、それは大事なポイントだ、なぜならアメリカのギャップイヤーのプログラムは、営利だろうが非営利だろうが、3ヶ月間で1万ドルほどかかる。年間を通したら、学費を一年分払うくらいの値段になる。

Steve Warner 氏は大学に行く前にギャップイヤーをとりたいといった息子のElliotとこんな約束をした。それは、もし、Elliotが宿泊代、ダイビングの費用やその他雑費を自分で稼ぐなら、プログラム費用を出すというものだ。

”このプログラムの為に半年分の学費を使っています、4500ドルかかるベリーズでの6週間の珊瑚礁の保全プログラム、14850ドルの11週間のオーストラリアでのアウトドアリーダシッププログラムに、フライト代が5000ドル。。。”

更に、このギャップイヤーの間に Elliotは働くかわりに部屋と食事がただになる、オーガニック農場で働くつもりだ。

だれだって、いつだってギャップイヤーはとれるが大抵のプログラムは高校を卒業して大学に行く間にとるティーンエージャーを対象にしている。

これを、将来への投資と思っている親もいる。

Sally Cantwellさんの息子は、大学に行く前に、ギャップイヤーをとりたいといったので、技能を習得するならという、ことで、ニュージーランドで10週間のコースをとりスキーのインストラクターになり、そして冬の間、ユタ州で働いた。
彼女はイギリス人でギャップイヤーに理解があるが、あまり、しっかりとプログラムされたものは好ましくなく、息子が自分で計画するべきことだと思っていた。

一方、大抵のアメリカ人は、どこで どうやって 何をするのかを具体的に知りたいという傾向にある。

以上が要約です。

このギャップイヤー、もし、農家とか人手が足りない時期に手伝ってくれる、若者がきてくれれば助かりますよね。厳しい農業の現実をみて、将来何かを考えてくれるかもしれない。
また、上記のように、何かのスキルを習得する為になら親も費用をだすといって、1年間日本語を習いに日本にきていた知人もいました。
軍隊にいってた、友人達はこの間に、ベットメーキングとか規律とか、身の回りのことを自分でする、ということを習ったといっていましたね。
ベットメーキングもただすればいいのではなく、上官のチェックが入り、何度もやり直しさせられたと。
やっぱり、目的のある、ギャップイヤーというのはありだと思います。もちろん、半年間ビーチで過ごし、生涯の伴侶を見つける人もいるかもしれませんから。

MOOCs(大規模公開オンライン講座)の edX が一年を迎えて

edXというのは去年ハーバード大学とMITが一緒に始めた、MOOCs(大規模公開オンライン講座)の一つです。
MOOCs によって教育の国際競争が、本格化してきました。ブランドがない大学、差別化できない大学、にとってはますます厳しくなってきますね。大学にとってはオンラインで無料コースを提供するっていうのは一番いい、広告でしょうか。なんだか、気のせいか航空業会のアライアンスのような匂いがしてきましたが。

10月3日Harvard Gazette

“教育の黄金時代の幕開けです。人生でこんなに、教育というものが刺激的だったことはありません。”と、edXのプレジデントの Anant Agarwal氏はいう。

Anant Agarwal氏は1988年から、MITの電気工学とコンピューターサイエンスの教授でハーバード教育大学院が主催したフォーラムで、オンライン教育で、人々の学びに対しての考え方がどうかわったか、という力強いメッセージを伝えた。

ハーバード大学とMITの間のノンプロフィットのパートナーシップが 提供するedXの講座が去年の秋に始まって以来、今ではedXは世界29カ国の大学と連携して、140万人の人が参加するものになった。HarvardXだけで、50万人以上のユーザーがいる。Agarwal氏は10億人の参加を目指している。

ハーバード教育大学院の 学部長James Ryan氏は ”10億人なんて、大げさな、と思うかもしれませんが、世界中の誰もが教育にアクセスできて、成功して、満たされた人生を過ごす為の知識と技能を確実に得られればいいな、と思っています。
テクノロジーは世界を変えました。健康管理、コミュニケーション、輸送も、何もかもすっかりかわってしまったけど、教育はかわりません。”

edXに参加する学生が劇的にふえることで、大量のデータが生み出される。 Agarwal 氏はedXのユーザエクスペリエンスを改善するだけでなく、プラットホーム・ユーザ・インタフェースの一部としての、最善の学習方法や教授法に基ずいてedXを改善することが可能になったという。

学生は、小さなグループを作ったほうが学びやすい傾向にあるので、場所を提供して、周辺にいる同じ講座をとっている学生に知らせるという方法もあるし、コースのどの部分が問題なのかを調べるために、フォーラムのようなものを作り、そこでどんなことが質問されているのかを調べ、ビデオチューターをつけるという事も考えられる。宿題をするためにチューターが必要な場合はチューターサービスやチャット、テキストメッセージのボタンを提供できるかもしれない。

学生が参加する事で得られたedXの大きなデータは, タイムリーな意味がある結果として、教育を研究している研究者が利用できるようになった。
edXデータを処理しているHo氏は、今までのデータからオンラインだけでなく、実際のキャンパスでの教え方も改善されるだろうと思っている。

”まだ一年しかたってませんからね、これからですよ。”

Agarwal氏は業界に競争相手がいることはいい事だと思っている。”市場にいろんな参加者がいるからいろんなやり方をして、違ったビジネスモデルがあり、利潤を追求するものも、しないものもあります。教育にとって本当にいいことだと思いますよ。”

以上が要約です。

現在世界の人口が約71億人として、そのうち10億人がedXで学んだとしたら、、、すごいことです。学位をとるかどうかは別として、英語を学ぶためというより、興味のある事を英語で学べるというのはとても魅力的だと思います。特に忙しい方にはとても合っているのではないでしょうか。

MOOCsに関しての参考記事
MOOCsは役に立つのか?

もし、あなたが40歳を超えていて、これから英語を使ってビジネスや起業に関わることを学ぼうと思っているのなら(その3)オンラインコース

小児科医が考えるメディアとのつきあい方

小児科で ”子供の寝室にテレビをおかないでください、もちろん両親の部屋にもです”、といわれたことがありましたが、今時テレビじゃなくて、ラップトップとかiPadのことじゃないの?と思った覚えがあります。タブレットのいいところでもあり、悪いところでもあるのが、持ち運びができること。それらのものと、一緒に成長している、今の子供たち、子供の問題以前に 親のほうのコントロールが問われるところです。教育現場にも浸透しているIT機器、使用加減というのはどの程度が適切ラインなのでしょうか。

米国小児学会が指針を発表しました。

USA Today 10月28日

テレビやスマートフォン、コンピュータやタブレット、そしてあらゆるソーシャルメディアが、アメリカの子供やティーンエージャーに大きな影響をもたらしているのに、たくさんの家庭では子供のメディア使用について規制をしていない。しかし、子供たちの健全な育成のためにもその方針を変えるべきだ、と国で一番大きな小児科医団体が忠告している。

10月28日付けで米国小児学会は、親がメディア使用計画を作り、その中でメディア使用は量の観点からだけでなく、質やメディアの使用場所、食事中やベッドタイムでのルールをきめること、そして、寝室にメディア機器をおかないように奨励する方針を発表した。この団体は全てのエンターテイメントスクリーンの使用一日2時間未満にすること、2歳未満にはスクリーンメディアの使用を推奨しない提言をしている。

ノンプロフィット団体のコモンセンスメディア による最近の調査によると、8歳以下の子供達72%がなんらかのモバイル機器(ゲームをしたり、ビデオを見たり、アプリを使ったり)を使った事があり、そのうち、17%がほぼ毎日使っている。

ニューメキシコ大学の小児科Strasburger教授は ”沢山の親が子供のメディア使用について無知であり、どうやって適切にコントロールしていくのがいいのかわかっていないというのが心配です。子供達は学校にいる時間より、他の活動時間よりメディアと長く過ごします。メディアが学校や親よりも子供達に何かを教えることの主体になりつつあることについてもっと議論されるべきです。両親や小児科医、学校、研究機関、エンターテイメントや広告産業、政府と、ともにこの問題についてもっと取り組むべきです。連邦政府は今ほどインターネットや携帯電話が普及する前の1982年以来、子供とメディアについてのレポートをかいていません。”

調査結果によると、
• 平均的な8歳から10歳の子供達は、一日8時間はあらゆる種類のメディアとともに過ごす。
  それ以上の年の子供達は11時間以上にもなる。

• テレビを子供の部屋におけば、子供はテレビをもっと見る。71%の子供達は(ティーンエージャーを含め)テレビを寝室にもっている
  50%は部屋にビデオゲームがある。

• 84%のティーンエージャーとほとんどの子供達が常にオンラインにいる。12歳から17歳の75%が携帯電話をもち88%はテキストメッセージを
  使っ ている。

メディアの過度の使用は肥満、睡眠不足、学校での問題、素行問題を引き起こす関連性が指摘されてきた。
しかし、重要なポジティブな面もある。メディアは学術的なものや、人種や民族に対する寛容性であったり、対人関係に関して教えるのにも役立つ。

Strasburger教授は “メディアはいいものでもあり、悪いものでもあります。非常にいいものもあるので、年齢にあったものを探す事と、ティーンエージャーが不適切なものにアクセスするのを制限することです。それにしても、親は子供達がメディアの津波に直面していることを認識すべきです。”

コモンセンスメディアのJim Steyer氏は、新しいデジタル機器は、持ち運びができ、子供たちのメディア使用をコントロールをするのを更にむずかしくしているという。

米国小児学会がうちだした方針の中で、他に推奨していることは、

親には:
• 子供達が選ばれた健康的なメディアをみるということを学べるように、メディアの効果的な使い方をモデル化しましょう。
 子供達と一緒にテレビや映画、ビデオをみることで子供達のメディア教育に積極的に関わって、重要な家族の価値について話し合いましょう
• 子供達がどのメディアを使い、アクセスしているか、どのウエブサイトやソーシャルメディアを使っているのかも含めて, 監視してください

小児科医に対して:
•  子供の健康診断の時、子供がどのくらいメディアを使っているか、また寝室にデレビやインターネットが接続されているかどうか聞いてみてください
•  肥満や喫煙、攻撃性が高かったり、学校での問題がある子供の詳細なメディアの使用履歴を調べてみてください。

以上要約です。

確かに、バギーにのってiPadしている子供、レストランの子供いすの上でiPadしている子供をみかけます。一昔前はこれがDSだったのですが。。。今では大人のほうが収拾がつかなくなっているのかなあという気がしますが。
それにしても一日2時間の使用って、学校で使うだけで、へたしたらそれくらいいってしまいそうです。家に帰ってきて、更に調べものをしたら、時間切れ。。。

”世界トイレの日” にむけて考える、社会起業のあり方

社会起業家を目指している話を最近、自分のまわりでもよく耳にするようになりました。
偶然図書館でみつけたRotarian というロータリー財団が出している雑誌に、成功した社会起業の話がのっていたので紹介します。

40歳になるまでに16のビジネスオーナーになった Jack Sim氏はトイレについては人は話をしないということに気ずきます。2001年に世界トイレ機関をつくり、今年国連は11月19日を ”世界トイレの日” とする事に決め、正式な国連オブザーバーになりました。

Sim氏はミスター•トイレとしても知られており、以下はこの6月のポルトガルのリスボンでの世界水サミットでのインタービューの記事です。

The Rotarian11月号

以下 Rは雑誌Rotarian
R:  トイレのタブーを打ち破るのにユーモアを使っていますが、どうやってこのアプローチを思いついたのでしょう?

SIM: 一度人を笑わせれば、みんな あなたの話をきくようになります。
もう一人うまくやった人がいますよ、タイのミスター•コンドームです。彼も笑いからコンドームを普及させました、私もトイレで同じ事をしたのです。
誰だってトイレについて、怖い話があるでしょう、旅行での話かもしれないし、子供の話かもしれないけど。自然にすれば、みんな話すようになりますよ。

R:  ローターリーの人達は、人々が公衆衛生について話すようにする為に何ができると思いますか?

SIM: 100年以上も前、ロータリーの最初のプロジェクトの一つは公共のトイレを作ることでした。ロータリーのメンバーはこのことを知っているべきですよ。ロータリーの人々が水や公衆衛生のことをしようとすると、少なくとも85%の人が水に焦点をあてます。しかし、人々がもしそのまま汚水を川に排出していたら、水は綺麗ではありません。正しい公衆衛生の知識がないことで病気になれば、貧しい人たちの生活の質を改善することはできません。薮の中で、トイレをしなければならない状況は、女性にとっては危険でもあります。

R:  公衆衛生を、人々の行動を変える事で、そしてトイレを使ってもらうという角度からアプローチしていますね、私たちも考え方を変えないといけませんか?

SIM: この活動を初めてすぐの頃、中国の貧しい地区の学校にトイレを作るために訪れました。校長や子供達はとても喜び、私達も満足して帰りました。
一年後、またその学校を訪ねたら、校長先生がオフィスをトイレの中に移動して、子供達は相変わらず外で、トイレをしていました。そこで、校長先生にどうしてこんなことをしているのですか、とたずねると、トイレがすごくきれいで、自分のオフィスよりずっといいからだといいます。
このプロフェクトは完全に失敗でした。あなたがしたくて、何かを人に与えるというのは適切ではなく、彼らが欲しいのでなければなりません。寄付した、たくさんのトイレは人々がどうやって維持するか、掃除するかがわからない為に結局、倉庫や台所、になったりしていました。どうして、家にトイレが必要なのかわからないのです、だって何百年も外で用をすませてきたのですから。

R:  どうかえたら いいのでしょうか?

SIM: トイレを魅力あるものにするのです、トイレを携帯電話のようにステータスシンボルにするのです。スラムにいる子供達でさえ、トイレはなくても携帯電話をもっています。

市場原理を取り入れることが一番、 持続可能なやり方だと思いますよ。ただ トイレを設置して使ってくれるといいな、と思っているのではなく、トイレを作る工場を作り、現地の女性がトイレを売れるように訓練して、売った金額に見合った収入を得られるようにすれば、収入、起業家精神、そして正しい公衆衛生の知識も伝達できます。その後はあなたの投資が、なくても事業は拡大するでしょう。

R:  どういうモデルですか?

SIM: サニショップ工場(世界トイレ機関が作ったソーシャルフランチャイズモデル)を始めるにあたって2000ドルかかり、そしてセールスレディーを訓練します。このシステムで誰もが利益を得る事ができ、資金を提供した人もその場所にもどって確認する必要もありません。事実、5、6年後に戻った時、その地方のどの家にもトイレがあるのに驚くでしょう。

R:  世界トイレの日を祝うにあたってアドバイスはありますか?

SIM: プレスカンファレンスをひらいてもいいし、ツイートしてもいいし、フェイスブックにのせてもいいし、音楽作ってもいいし、、、コストはかかりません。公衆衛生の重要性を知ってもらい、トイレのことをだれもが話せるようにするのです。私達は人生で3年分はトイレで過ごすのですから。

以上が要約です。

ロータリーという特殊な雑誌からの記事ですが、それでも社会起業家を目指している方には共通する問題があるように思います。
日本でも貧しいエリアに学校を建てようというプロジェクトで、建物は建てたけど、あとでいったら子供が誰も学校にきてないとか、間違った使われ方をしていたとかの話をききます。結局、自分たちのエゴで寄付をしてはあまり意味がないということでしょうか。

資本があれば、、、という話は聞きますが、それ以上に続けられる仕組みを作る重要性、というのはどんな形の経営でも同じなんですね。