大空を鳥になって飛んでみたい人のためのシュミレータ−Birdly-

鳥になったらどんな気持ちだろう?鳥のように空を飛んでみたい、という思いでハンググライダーをやる方たちは多いと思うのですが、それにはちょっと勇気が必要です。そこでもっと、気軽に鳥気分を味わうことができる、ゲーム感覚のシュミレーターをスイスの美術学校の先生達が作りました。エンジニアが作ったのではなくてデザイナーである先生たちが作った作品なんですよね〜。

Birdly (バードリー)という、そのシュミレーターは、フライトシュミレータのようですが、自分が鳥になったように、飛ぶ感覚を味わえます。
birdly

写真のような機械の上にのり、専用のゴーグルをすると、あっという間に空の上。スタート地点がビルの屋上で、そこから舞い降りる感じです。今回はニューヨークの上を飛びました。画像には自分が見ている景色と同じものが写っているので、周りにいる人も機械を操作している人がどんな景色をみているのかわかります。左右を見れば、自分の羽もみえますよ!前には扇風機もついているので、本当に飛ぶってこんな感じなんだ〜!って感動。3分間のトライアル時間でしたが、パタパタ腕をしていると、30秒しか経っていないように思えました。

都会の上を飛ぶシュミレーションでしたが、ビルとビルの間の谷間を飛んでいるうちに、コントロールが上手くいかなくて、ビルに衝突したり、地面に激突したり。。。スリルも満点です。結構頭が空っぽになってメディテーションにもいい、なんて声も聞こえました。

このシュミレーター機械は、アメリカを現在移動中ですが、今後はゲーム、エンターテイメントの分野で売り出せるといいなという話でした。

12月5日までケンブリッジのle laboratoire にて体験できます。

現代社会を騒がせる様々な脅威について その2

今月始めに起こったブラジルの鉱山ダムの決壊事故で、有毒物質を含む水が、とうとう大西洋まで達したとのニュースがありました。事故そのものでなくなった方々もいますが大きな環境への影響はこれからどんどん広がるとみられています。この事故でメキシコ湾原油流出事故を思いだしましたが、人の記憶は薄れても、環境へのインパクトは時間がたつにつれて逆に大きくなりますし、その経済的影響もかなりなもの(実は正確には試算できるのかよくわかりませんが)になると考えられます。

そんな中、バーモント州(マサチューセッツ州の北側)にある去年運転を停止したバーモントヤンキー原発の廃炉に関する記事 が11月26日のボストングローブの一面にありました。
放射性廃棄物の処理、そしてその貯蔵を巡ってはこの広いアメリカでさえ、なかなか話がすすんでいません。全米では22の施設が核の廃棄物を貯蔵する場所を巡り、最終地がきまらず、とりあえず保管している状態になっているうえ、4年後までにはマサチューセッツ州にあるピルグリム原発も廃炉になることがきまっています。最終保管場所がきまらないと、廃炉にしてもその場所は結局他の用途には使えず、また安全を巡っての住民の不安も残ります。特にヤンキー原発は小学校のすぐそばにあり稼働していなくても、事故や不祥事が起こった場合の影響というのは近隣を含め、数百キロメートル単位で考えられるわけです。そしてお金をうまなくなった原発なのに、処理には莫大な費用がかかるということでそのセキュリティーを考えると、この43年たつ原子炉は全米の安全ではない原発ワースト3に入ってしまいました。2075年に完全廃炉を決めていますが、それまでに12億ドル以上の費用がかかるといわれる一方、原発会社のほうは6億ドルしか予算をとっていないということ。稼働していたのが43年、廃炉にするのに60年(しかも事故を事前におこしているわけでもないのに!)、しかももしこれで事故でも起こしたら、環境、人、経済的な影響を試算すればどう考えても割りに合わない気が。。。

現実的にはアメリカだけでも22、そしてこれから廃炉になる原発は更に増えると同時に核のゴミは減りません。アメリカはシェールガスの普及で天然ガスの値段がさがりガスを使った発電が電力価格を下げ、原発を廃炉に追い込んでいます。結局人は、安全上の理由では運営をやめられなくても、経済上の理由では運営を止められるんですね。まあ原発をやめたとしても残るゴミ問題をどう処理するのかは残りますが、廃炉にするのに数十年かかるのであれば、その間に新しいテクノロジーは進歩するでしょうし、リニュアルエネルギーの分野に関しても相当の進歩がみられるのではないでしょうか。どっちに進むとしても減らない核のゴミに関して、一つの解決策を示している会社”トランスアトミックパワー”の話は以下でどうぞ。

関連記事:
核のゴミを減らす新しい方法

アクセラレータとインキュベーションの違い ーボストンの場合ー

インキュベーションとアクセラレータ、実際スタートアップがお世話になるであろう確率が高い2つの用語に関してそしてボストンの場合の特徴に関して考えてみたいと思います。

アクセラレーターは大抵90日から4ヶ月程度の間集中的に行われるプログラムを運用します。そして、大抵、シードマネーのようなものが提供され、それに引き換え、3〜8%程度の会社の株式を要求されます。アクセラレータープログラムは大きな資本を調達できるようにし、会社の規模と価値を大きくすることが目的とされます。そのためメンターによる指導、ネットワーキング、どうやって資金調達をしていくか、ということに関して様々なアプローチから学ぶ機会があります。テックスターズやYコンビネータなどが有名ですが、プログラムに参加できる確率は1%程度だといわれれています。

一方、ボストンにある一番有名なアクセラレーターはマスチャレンジになると思いますが、マスチャレンジは、非営利団体です。プログラムに参加してる企業との資本関係はありません。参加社は株式を譲渡する必要もなく、そのかわりといってはなんですが、シードマネーももらえません。しかし、4ヶ月後のファイナルコンペでは、総額2億円近くの賞金が20社近くに分配されることになります。今年プログラムに参加したのは128社そのうち賞金をもらったのは16社,
ということは賞金がもらえる確率12.5%ですね。しかしプログラムに入れる確率が8−10%。結局、賞金をもらうまでの確率はテックスターズ等とあまりかわらないかもしれませんが、プログラムに入るだけでは、基本的にコストがかからない(アプリケーション費用とか宿泊費や食費はかかりますが。。。)ですし、その上ネットワーキングが広がることで、人材獲得や販売チャンネル、資金調達に関するノウハウ等を一気に学べます。場合によっては参加している他社と合併するかもしれません。ベンチャーキャピタルが運営するような少数先鋭のプログラムと違い、成功者をたくさん作り、社会還元を重視したプログラムといえると思います。

インキュベーション施設というと色々なパターンがあるのですが、一般的にはスペースを借りる際に安くスペースを借りることができるかわりに、持ち株の数パーセントを譲渡する、といったことが行われる事が多いようです。(株式譲渡をうけないところもあります)
インキュベータはメンターによって指導される期間が1年以上と長く(メンターがつかない場合もある)会社が成功するという以外に明確なゴールは得にない場合が多いようです。場合によってはアクセラレータプログラムに合格することが目的になっていることもあるそう。資金が大学の補助金であったり、公共(国や地方団体)の資金が補助に出ている場合、家賃が安くなっています。

このブログでもしばしば取り上げるCICですが、世界で一番スタートアップが集積していると言われているCICでは入居社へのメンター制度はなく資本関係もないことから、CICは自社をインキュベータとはみなしていません。しかし、スターアップが集まるコミュニティーを作ることで、そこにベンチャーキャピタルが集まり、大企業が集まり、メンターその他、スタートアップを支援するような人、企業が集まりコミュニティー全体がインキュベータの役割をしています。

さて、マスチャレンジとCICの2つの施設に共通していることは、1日中(もしくは数日にわたる)学校のような受動的なプログラムがあって決まった教育をされていたり、メンターがついて誰かがノウハウをきちっと教えてくれるものではないということです。どちらの施設も、場の提供及び、ネットワーキング、ピッチイベントのような目的をもったイベントを行いますが、何が自分達の問題点で何が自分達に必要もしくは、不必要かということは自身で探っていかなくてはなりません。そしてそれを、閉鎖的な環境ではなく、オープンにそして互いに助け合いながらすることで、エコシステムという大きな相乗効果を出そうとしています。

アメリカンドリームも、エコシステムとして上手く機能すると、格差社会が解消できるような気がします。

国も応援する、2015マスチャレンジ賞

さて、今年のマスチャレンジアワードは、政治色が若干強いものになりました。
マサチューセッツ州のベイカー知事に、ボストンのウォルシュ市長、来年はイスラエル、メキシコでマスチャレンジがオープンするので、各国の代表者、特にメキシコは国をあげてイノベーションエコノミーを後押ししています。どこの国でもイノベーションを牽引する産業はウェルカムという感じでしょうか。

2010年に始まったマスチャンレジのアクセラレータプログラムで現在までに835のスタートアップが6500以上雇用を生み出し、11億ドル(8億円ほど)資金調達をしました。今年は2250社の申し込みが世界60カ国からありました。他のアクセラレータープログラムやインキュベーターとちがってマスチャレンジはノンプロフィットです。スタートアップの株式を要求したり、他の金銭的な支払いというのが生じないところもスタートアップにとってはとてもいい環境でありますし、他の利害関係者にとって、ニュートラルな立場でいられます。

今年で6年目になりますが、増え続けるのは参加社だけではなくこのアクセラレータープログラムの授賞式をみる人たちで、今年は1700人、しかも席もキャンセル待ちでした。ファイナリストとしては26社が選ばれ、壇上でピッチをするわけですが、ここに残った26社はどれもこれから成功する確率が大変高いと言われています。そういった意味でも、投資家にとっても非常におもしろいこの賞(ショー?)であります。その中で16社がこの日総額1.3億円程度の資金を手にしたわけですが、まあ少ないという人もいますがあくまでも、返す必要のないお金をこれだけもらえるというのはいいですよね。。

賞が発表される前に円板型のピアノで演奏するブロキット・パーソンズ氏

賞が発表される前に円板型のピアノで演奏するブロキット・パーソンズ氏

ショー的要素が強い受賞式ですが、毎年世界をかえる豊富なアイデアの数々には圧倒されます。
ファンタジーフットボール(ソーシャルゲーム)のDraft King は2015年にすでに10億ドルを集めていますし、おなじみの電気ショックで悪習慣を直す、Pavlok 虫をチップスにした SIX FOODS  と様々な分野から選ばれていましたが、その中でも若干バイオ関連がやはり多かったかな?との感じもうけました。

電気ショックで悪習慣を治すパブロック、腕時計タイプ。

電気ショックで悪習慣を治すパブロック、腕時計タイプ。


個人的に面白いと思ったのは骨をくっつけるノリを開発したLaunchPad Medical骨を接着するのは非常に難しいということで、長く続く痛みを抱える患者をみていた医師が患者の負担を減らすために始めた会社です。これを使用することで、数分で骨がつき、痛みからも早く解放されるというものですが、バイオ関連の専門家の目からみても非常に有望な会社のようです。

ネスプレッソのようなカプセルからでてくるトルティーヤマシーンを作るFlatev

故郷の味、子供の頃から慣れ親しんだ味というのは、外国生活が長くなると恋しくなるものです。

メキシコからスイスにやってきたカルロスは、大学生の頃、朝、昼、晩と毎日食べていたおいしく安価なトルティーヤがなかなか手に入らず、困っていました。自分で作ったりもしてみましたが、時間も手間もかかるし、もっと簡単に手にはいらないものかと考えていました。そしてルームメートで機械のエンジニアである、ヨーナスとともに、1分ほどでできたてのトルティーヤができあがるという機械を作ります。

先日、この機械を作っている会社 Flatev を訪ねる機会があり試食をさせてもらいました。
コーヒーのNespressoのように、カプセルの中に必要な材料がミックスされてあり、(コーンミールはオーガニック)カプセルを機械にセットし、ボタンをおすだけで、1分ほどでできたてほかほかのトルティーヤが引き出しからでてきます。こんな簡単にできちゃうの?!という感じです。

このカプセルの中に材料が入っています。

このカプセルの中に材料が入っています。

これなら朝の忙しい時にも最適です。もちろんホームパーティーや、オフィスの休憩室においたりすればランチの時間にもみんなで使えていいですよね。

1分程度でほかほかのトルティーヤのできあがり!

1分程度でほかほかのトルティーヤのできあがり!

味はプレーンとシナモン。まずは、できたてのプレーンを何もつけずに、いただきます。
コーンの味がしっかりして、そのままでも十分いける!2枚目はシナモンのトルティーヤにヌテラをぬってバナナや木苺をのせます。うーん!これもおやつのようですが 朝ごはんにもいけそうですね。昼はプレーンにたっぷり野菜を挟んで、夜は肉や、チーズを挟んだりと、いろんなバリエーションが楽しめますよね。

この製品、グルテンアレルギーの人やベジタリアン、ビーガンの人でも問題なく食べられるということで、特にメキシコ人に向けたものというより、もっと大きい市場を対象にしています。

Flatevはマスチャレンジでも2013年のファイナリストに残り、現在はまだプロトタイプでこれから量産を目指していますがすでにいろんなところからの引き合いもきているそうです。

**興味がある方はご連絡ください。