TEDxCambridge2015 Springに参加したイノベーティブな会社色々

TEDxはオーガナイザーが誰かによってかなり、雰囲気が違ったものになると思うのですが、ケンブリッジのTEDxではトークショーが始まる2時間前から、イノベーションラボと題して、イノベーティブな企業がブースを出して商品、サービスの紹介や飲食等のサンプル品の展示、販売を行います。イノベーションラボではフォーチュン500の会社だけでなくスタートアップのサービスや商品も紹介します。

今回は、フィリップスやi robot のような企業からテスラや3Dプリンター系の旬の企業、そして、MITのエンジニア達がはじめたメンズのシャツや靴下等のウエアを販売する、Ministry of supplyもありました。
男性は、シーズンごとに流行を追うというより、気に入った製品を長く使いたい、デザイン以上に機能も重視する、という傾向にありますよね。このブランドは最新のNASA等のテクノロジーを使って、デザインはシンプルで、飽きがこないけど、アイロンが必要ないシャツや、臭わない(?)靴下など、シンプルベーシック機能性の高いコレクションを展開をしています。

また、タコの足からインスピレーションをえた、ロボットアームを開発した、 Soft Roboticsもありました。
このロボットアームはとても柔らかく、動きにも柔軟性があるので、従来つかむのが難しいとされた球体のものや、柔らかいものでも、しっかりとつかむことができます。

そして、サステナブルビジネスとでもいいましょうか、以前、ブログでも紹介した、サステナブルな生活習慣を推奨するwe spireや、家庭内で誰でも野菜が作れるアクアポニックスのシステムを販売する Groveまで、ボストン発の元気な企業がブースをだしました。食関連のサステナブルビジネスは、ここのところ大変認知度があがり、これからまだ伸びてくる分野なのかな、という気がします。去年、紹介したチューリッヒのアクアポニックスの会社も今年ボストンのベンチャー企業から支援を受けましたし、世界的にも、農業の新しい形が模索されている感じがします。

MITのエンジニアの学生(当時)が立ち上げたGroveはその動機として現在の農業のあり方、食のあり方に疑問を呈したところから始まります。何千キロもかかるところからくる大量の化学肥料や農薬をつかった野菜や、水の問題等に疑問をなげかけ、もっとそれぞれが個々の家庭で食べるものを作ることができれば、ずっとサステナブルで、健康的なものが食べられるのに、ということが背景にあったそう。
私も自宅の小さなスペースで、ハーブや野菜を育ててきましたが、都会ではなかなか、スペース的に大きく色々作るのは難しいです。家具のような感覚で、食べ物が育てられるスペースを確保するとインテリアの一部のようになって素敵かも。

Grove

Grove

というわけで、ロボットアームやi robotの掃除機から、サステナブルなアプリまでイノベーティブなものが分野を問わず出揃った楽しいブースでした。

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病気に対する治療法がこれから変わっていくーTEDx Cambridge 2015 Spring よりー

TEDxケンブリッジspring が先週行われました。今回のトークは7人でオペラ歌手に、スポーツランナー、ナーサリースクールの運営者、ニューロナノテクノロジスト、ケミカルエンジニアと非常に広分野にわたり、理論よりも現実的に前線で問題解決にあたっている人たちが多かったように思います。ボストンでは世界の最先端の研究をしている人たちが多いせいか、研究者や教授クラスの方たちの話も多いのですが、分野が広かったためか、きいているほうも時間があっという間にすぎました。

その中で、今回自分の印象に残った話はマイクロバイオーム(細菌叢(さいきんそう))という人が本来もっているバクテリアを使って、新しいタイプの治療薬を作ろうとしている会社、ボストンにあるバイオ系のベンチャー企業、ベダンタ・バイオサイエンシズ(Vedanta Biosciences)の共同設立者で、同社のCOOでもあるBernat Olle氏の話でしょうか。

彼は、抗生物質を使うことなく、人が本来持っている最強の軍隊ー体内のバクテリアであるマイクロバイオームーを最大に生かし、病気を治療していくという方法で治療薬を作ろうとしています。
これにはアメリカでは抗生物質を使いすぎている、ということが背景にあるそうです。
抗生物質の良い点は、速攻性があるということだそうですが、強い薬を使うほどのその後のリバウンドもあります。
抗生物質は異物だけでなく、いい細菌も傷つけてしまうとデメリットもあります。
そこで、人が本来もっている免疫の力を使おうというわけですが、腸内細菌叢の分野では第一人者である慶應大学教授の本田賢也先生の研究を使い製品化をすすめているとのことで、ボストンで日本人研究者の研究が製品化されつつあるということに確実にグローバル化の波を感じますね。。。

日本でも近年、なんでも抗生物質をだすことに対して問題があるという認識が広がりつつあるのではないでしょうか。
今までの西洋の薬のあり方は、共存ではなく攻撃、破壊。いなくなるまでやっつける。
これはガンの治療や他の病気の治療のあり方にも大きく影響するのかなあ、と。抗がん剤で正常な細胞も傷つけるのではなく、環境と同じで自然に持っているものの力を最大限に引きださせる、サステナブルな考え方がこれからの医療の主流になってくれることを願いますね。

ted cambridge

ピッチコンペってこんな感じ。

ボストンエリアでは、しょっちゅういろんなところでピッチコンペティションをやっています。

スイス科学領事館が企画し、マスチャレンジ、ベンチャーラボが参加してハルトビジネススクールで行われたピッチコンぺをみてきました。
ベンチャーラボは毎年スイスのスタートアップ企業を20社ばかり選抜し、10日ほどかけてボストン、ニューヨークで研修を行います。ビジネススクールでコーチングをうけたり、ネットーワキングイベント、各種セミナーをうけ、アメリカのアントレプレナーシップ、ビジネスのやり方を学び、このイベントにも参加します。
ベンチャーラボのメンバーが参加するピッチコンぺはセッティングをかえて毎年行われるのですが、今回はハルトビジネススクールやマスチャレンジからの参加もあり、以前ブログでも紹介したPavlok もコンテストに参加していました。やはり、アメリカ勢はピッチがうまいですねー!

なんと今回は日本でもIPOを果たしているヒューマン・メタボローム・テクノロジーズも参加していました!こういうピッチフェスで日本の会社が(日本人が)参加しているのをみることはとても少ないので、嬉しい驚きです。ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは本社は山形にあり、慶応大学からスピンオフした世界に誇れるオンリーワンテクノロジーを売りにしているバイオベンチャーです。

さて今回は、メドテック、バイオテック、エンジニアリング、IT/ソフトウェアと分かれてまず一次コンペをして、各分野から選ばれた代表がファイナルに進み、ファイナルでは、事前に知らされなかったお題、

”なぜあなたが、このスタートアップを率いるべきなのだと思いますか?”

について5分考える時間が与えられ、その後、指名された人が1分間でピッチをします。
通常の1分間で自社について述べるピッチより、その場でテーマを与えられて話すピッチのほうがより、その人らしさがでてみている方は面白いですが、自分がもしそこにたっていると考えると。。。やっぱり相当自分に対する自信とやっていることに確信がないと無理かも。

自分の服をレンタルできるRedress

自分の服をレンタルできるRedress

こういうピッチフェストでいつも思うのですが、B to B のビジネスとB to Cのビジネスでは一般人と専門家のジャッジの理解度は全然違うだろうなということ。特に一次審査は専門性の高いものより、誰にでも受けのいいものが選ばれる傾向にあるので、製品やサービスの中身が濃くても伝わらないということが多々あります。すでにビジネスとして軌道にのっているものが、大衆うけするとも限りません。地に足がつきつつ、夢をみさせてくれるようなものが好まれるとでもいいましょうか。。。
まあもっとも難しいビジネスをいかに誰にでもわかるように簡単にいうかがピッチの意味でもありますが。

ファイナルでは、観衆とは別にシリアルアントレプレナーや専門家からなる特別なジャッジ3人が、勝者を選びましたが、今回はどちらもDDG というヘルスケアリサーチのマーケティング会社が選ばれました。賞はスイス行きの飛行機チケット。
メドテック、バイオテック関連のスタートアップが多いのもボストンならではという感じがしますね。

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働く母親のもとで育った娘はそうでない場合より、就職後の給料がいいという話

スタンダードアンドプアーズの500社のなかで女性のCEOの割合は4.6%だといいます。
ジェンダーギャップがなぜうまらないのか、そして女性がリーダーシップをとれる社会にしていくためには、何が必要かということをリサーチしたり、人々の認識を変えるための活動をするハーバードビジネススクールのジェンダーイニシアチブが行った25カ国で5万人を対象にした調査が発表されました。アメリカの場合、娘が14歳になるまでに母親が家庭の外で働いていた場合、その娘が成人後、得る収入は働いていない母親の娘達に比べ、23%高いという結果がでました。(25カ国の平均だとこれは6%)
また、アメリカの場合、働く母親をみて育った息子は家族と過ごす時間や子供の世話をする時間がそうではない家庭に育った人達の倍にもなるといいます。

これはなんとなく、わかりますよね。小さいころから家の手伝いをするということに慣れた子供達は大人になっても、働く母親の立場を理解してくれるというか、両親が仕事をすることも普通だし、家庭のことをみんなですることも普通であるという認識があるでしょう。
家庭と仕事を両立している親をみて育った場合、自分の母親が娘にとって一番のロールモデルになっているというのは実際しばしば耳にします。

ところで、キャリアや給料のジェンダーギャップの話をきいていつも思うのは、男性が作りあげた社会に女性がどう対応していかないければいけないかという話で、女性がなかなかキャリアが積めないのはネットワーキングにおいて男性よりも、劣っているとか、助け合いのコミュニティーができていないとかともいわれますが、そろそろ女性達も自分達が過ごしやすい仕組みというのを作っていくべきなのかなあとも思いますね。

女性が自分のキャリアや人生をよりよくしていくために自分のアドバイザリーボードを作るというサービスをWomen leadというスタートアップが行っています。2013年のマスチャレンジのファイナリストにも残ったこの会社、登録している女性同士が互いに誰かの、メンターになったり、逆になってもらったりしながら、自分の目指していることや目的に応じて彼らから、助言をもらったり、オンラインのトレーニングをうけたりします。
キャリア的にも、プライベートな面においてもいかに女性にリーダーシップをとってもらえるようにするかということに重点がおかれているサービスです。

医者とチャットができるアプリ、Firstline

医者に行くまでもないけど、ちょっと調子悪いなあとか、足が痛いのが続くとか急を要するわけではないけど、病院に行くべきかどうか迷うような状態って日常的に結構あって、大抵の場合、もう少し様子を見ようとそのままにしておくこともあると思います。
夏のキャンプに出さないといけない子供のための健康診断や花粉症のように原因のわかっている場合、わざわざアポをとって普段かかりつけの医者にいかなくても、アージェントケアのようなサービスや薬局が行うminute clinicに行けば、時間も節約できる、ということもあり、そのような分野はビジネス的にもかなり成功しているといいます。

しかし自分のことなら自己管理ですが、口のきけない子供の場合となると、ますます心配になります。
アメリカは医療費用が高いので病院にいったらいったで、請求書の額に驚いてさらに他の心配がでてくることもありますよね。

そんな時にちょっと電話で相談できたり、もし相談してやはり見てもらいたい場合医者が来ることも可能というサービスを提供するアプリがFirstLineです。

立ち上げたのはハーバードビジネススクールの卒業生ですが、先週ボストンとサンフランシスコでサービスが始まりました。ドクターのUBERと言われるこのアプリ、テキストメッセージ、テレビ電話でのやりとりや、家に来てもらうこともできます。

現状は20人程度のカリフォル二ア在住のドクターたちが契約をしており、朝8時から夜10時まで連絡ができますがこの夏からボストンのほうでもサービスが始まる予定。
サービスを本格的に始めるテスト期間のうちで一番聞かれたケースは子供が生まれたばかりの母親からの質問で乳児の授乳、栄養、寝る習慣に関わることでした。

確かに口のきけない乳児の場合、何が普通で何が普通でないのかはよくわからず、不安なことも多いと思います。そんな時に、最悪はきてくれるというドクターがいれば安心しますよね。

一般の病院でも検査の結果をメールで送ってくれ、電話で話しをするところもありますが、このサービスの場合はドクターが契約ドクターなので、毎回ログインするたびに違う医者にコンタクトをする可能性があるということです。

全ての会話は暗号化されるので会社はデータにアクセスすることはできません。家に来てもらう場合は最低199ドルからですが、これは現状保険がききませんが将来的には保険の対象にしたいということ。

問題は、毎回ログインして違う医者と話すということで将来的にどうやって情報を共有することになるのか、そして、家庭に訪問を希望する場合の患者は大抵の場合、複数の問題を抱えてる場合が多く、専門家に診てもらう必要があります。すると金銭的な負担も多くなり、かなり、富裕層に限られたサービスになるのではという指摘もあります。
それにしても、とりあえず早急に問題を解決したいという場合には解決策になることは確かなようです。

バトラーサービスに、ランドリーサービス、夕飯の調理。。。なんでもスマホにアプリがあれば解決できる時代の到来のようです。