増える大人のADHD(注意欠如多動性障害)

去年の3月に大人のADHD(注意欠如多動性障害)の、自己チェックに関する記事がボストングローブにあり、そこではアメリカの場合800万人が大人のADHDであると予想されていましたが、ADHDかもしれないと思っている40%以上は人は実際はそうではないとの話がありました。その自己診断のチェックのポイント、例えば、自分は忘れっぽい(約束や人が言ったことを忘れてしまう)とか時間の管理ができない(遅刻が多い等)、気がちりやすい、かたずけられない等の項目は、ドキッ、自分も当てはまる、と思う人達が結構いると思います。ただADHDの場合、遺伝的要素が強く大人の場合、すでに子供の頃になんらかの症状があったというのがほとんどだということですが、20年前には一般的に病気としても認知されていなかったので、この記事をみたある医者がこの程度が病気だったらアメリカ人の20%は病気だ、と憤っていました。

ところが実際、小児科医がボストンドットコムにかいている 記事によると、ここ数年幼い子供をもつ母親のADHDが増えているそうです。薬局のデータによると、2008年から2012年まで大人のADHDに処方した薬が53%も増えたそうで、その大半85%が26歳〜34歳の女性だというのです。ADHDは遺伝性要素が強いので、自分の子供がADHDと認定されればもしかして、自分も、と思った親が受診してそう診断される例も増えます。

でもこの小児科医は実はそれだけでなく環境による部分も大きいのではないか、といっています。というのも増加のほとんどが26歳〜34歳の女性であり、その年代がちょうど子供が生まれたり家族、生活環境がかわる時であるということ。この忙しい現代社会において、男性の労働拘束時間も非常に長くなり、家庭のことは女性にまかっせきりという家庭も多い、ストレスが多く、睡眠もしっかりとれず、自分の為の時間が少しもとれない若い両親は精神的に参ってしまっているという実情をあげています。本来薬を飲むほどでもなかったのに、ストレスで症状が悪化してしまう例が増えているということでしょう。

その小児科医はこの状況を薬を処方して解決するということは責任は母親にある、ということでかたずけてしまうことになるのではないかと疑問を抱いています。次の世代を育てていく母親の負担を減らせるように社会が柔軟な育児休暇を認めたり、もっとサポートできることはあるんではなかろうか、又、この状況は製薬会社が得をするだけだとも。。。

***

実際、そういう厳しい現状があるだけに、日本では子供が生まれると離職したり時短や、契約社員になったりということがふえることになるのですが、夫婦がフルに働き、家族、近隣等のコミュニティーのサポートが受けられないで、母親に対する負担が増大するとどこかにひずみがくることになり、それが日本では少子化ということの原因の一つにもつながっているのではないでしょうか。少子化や女性の就業率を増やすということを考えた時、ライフスタイル、社会構造を含め色々な要素を考える必要がでてくるわけでこれが正解というのはだしにくそうです。

サステナブル(環境に優しく持続可能)な生活を目指しているスタートアップ-practically green(WeSpire)-

二人の子供の母親でもあるスーザン•ハントさんが立ち上げた、practically green(WeSpire)という会社があります。
この会社は人々がよりサステナブル(環境にやさしく、持続可能であること)な生活をする為に、生活習慣をかえるプログラムを作っています。人の意識や行動、生活習慣をゲーム感覚で変えていくプログラムを4年前にゼロから立ち上げたこの会社、今では20人近くのスタッフを抱えるほどにもなりました。サステナブルな生活をご自身も率先して行いながら、社会を変えていく仕組みを作っている彼女に話をききました。

***practically greenは2014年4月10日より、Wespire http://www.wespire.com/ に社名変更しました

ーどういう教育をうけてきましたか?
ウェズレイアン大学をでてからコンサルティング会社に勤務し、ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスにいってMBAをとり、今の会社を立ち上げるまでの15年間、インターラクティブメディアの分野に従事していました。その間にボストン建築大学でサステナブルデザインの修士号もとりました。

ーこの会社のアイデアはどこからきたのでしょう?
ボストン建築大学の卒業課題が今の会社practically green を設立したもとになっています。ボストンドットコム(ボストングローブ)にいた時、2人の子供が生まれ、子供の病気を通じて自分の生活をもっとサステナブルなものにしたいと思ったのです。息子は6つの食品アレルギーをもっているので、食べ物や、環境に気を使いそして、もっとサステイナブルな生活について学びたいと思い、大学院に通い建物のサステナブルデザインについて勉強しました。建物をどうやってより環境にやさしく、建てられるのか、このプログラムを見た時、すばらしい、と思いました。人に対してこういうプログラムがあってもいいのではないかと。アレルギーの子供の為に、食べ物にラベル付けを始め、これはどこからきたとか、何が含まれているとかを調べ始めました。実際にこうすることで、子供にだけでなく、私や夫に結果的にはとてもいいことになったのです。生活習慣、例えば、どうして家では靴をぬいだほうがいいのかとか、なぜ手を洗うべきなのか、は文化的要素もあるでしょうから変えることは難しいことです。そこで、人がもっと楽しんで、習慣を変えるプログラムをテクノロジーの力で作ろうと思いました。

ーこのプログラムは法人用ですよね?個人向けもありますか?
会社で契約していても、個人がもっとサステナブルでいられるようにサポートします。個人が会社で行う行動は家でも行うものです。会社で行える行動は金銭的にはミニマムの節約になります。どうやってゴミを減らすかということを考えた時、日本のビジネスで有名な概念、“カイゼン” という考え方とそう違いがないんですよ。アメリカにおいてこのプログラムに参加した従業員達はみんなもっと幸福を感じ、仕事の効率もあがるということがわかりました。

個人レベルではこういう活動をしたくても、どうしていいかわからないとか、困っている人たちがいるのを知っていましたが、実は実際に会社を起こすまで、法人からの反応がこんなにいいということは知りませんでした。会社はもっと従業員にサステナブルでいてほしいと思っているのです。当初は個人向けのプログラムからスタートしたのですが、ある法人からの依頼がきっかけで2年前から法人向けのカスタムメイドのプログラムも作っています。

ー具体的にはどうやってこのビジネスを始めたのでしょうか?
紙1枚に、簡単なビジネスコンセプトを書いてそれを5人のこういったビジネスをわかりそうなCEO達にみせました。すると、みんなこんなビジネスはまだないし、非常にいいという反応だったので、大好きだったボストンドットコムでの仕事をやめて、友達のオフィスの片隅にスペースをかりて、起業しました。1年は我慢しようとスタッフを集め、ダイニングテーブルみたいな所で集まり、金銭的負担が最小限になるようにしました。始めたのは私1人かもしれないけど、非常にいい人的ネットワークがあり、オフィスも借りれて、始めの1年間に4人を雇う事ができ、サービスのプロトタイプができました。

ーご主人も一緒に参画していますか?
主人は製造業関連の会社のCEOをしています。私は今までに何百ものビジネスアイデアがあり、まず彼に相談するとそのうち99%に関しては、馬鹿げているとか(笑)いわれるんですが、今回は本当にいいよ、それ、といってくれて。評価、判断をしてくれるのはとても大事な彼の役割です。夫は全くこのビジネスには関与していませんが、投資は自分と夫で一定額をすると決め、両親も他のサポートをしてくれました。

ー大企業と違い、スタートアップで人が働く動機は何だと思いますか?
起業家というのは悪名高く、非常に面白い人達(!)が多く、一緒に働くのが難しいといわれています。(笑)
今までに沢山の人を採用してきて、スタートアップも経験してきて今までの決断が全て正しかったわけではないと思いますが、自分がどういう人と働くといいのかということはわかっています。もう一方で、この会社はいろんな人を魅了するんですよ。スタートアップに興味がある人だけとか、テクノロジーに興味がある人だけでなく、この問題に興味がある人達がいるのです。環境、資源、そういったことに対してとても人が敏感になっているのです。ここで働く人達はみんな情熱がありますよ。

ービジョンはなんですか?
サステナブルな生活やサステナブルな選択が普通になること。例えば建物は消費するよりも多くのエネルギーを創造できるようになること、ゴミを減らす事、健康であること等。
このプログラムによるテクノロジーは私たちがよりよい生活を、又ビジネスをできるようにしました。私達はこの分野(マーケット)を創造していると思っています。

***

さすがにものすごくクリアーで、決断も早く、有言実行を貫いている方です。一つ一つの言葉にパワー、これは多分自信のような気がしますが、そんなものを感じられました。
子供たちをかかえての起業は、ものすごいパワーが必要だと思います。少なくとも、顧客以前に家族みんなが応援してくれる環境でないと、それこそ、サステナブルな生活はできないといえそうです。家族を抱える女性は家族の悩みを解決したり、家族の欲求をみたすようなビジネスをするといいかもしれません。

自分が子供の頃、学校には ”資源は大切に” とか、”手は清潔に” とか、かかれたシールが手洗い所や、水を扱うようなところに貼ってあったり、使わない電気を消したりすることで、資源は有限である、ということを日々の生活から学んでいた気がします。この会社の成長をみると、資源が豊富にあり、大量消費国であるアメリカ人も生活習慣を変えるべきであるという動きが本格的に受け入れられつつあるのかという感じがしますね。

このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

夫より妻のほうが高い教育を受けている夫婦が多い、というデータ

アメリカにおいて、今までは妻よりも夫のほうが高い教育をうけている夫婦のほうが多いというのが普通だったのですがPew Research Center(ワシントンD.Cにある米世論調査機関)によると、この50年で妻の教育レベルのほうがよくなっている夫婦が増えたという発表がありました。(2月12日 ピューリサーチセンターFactankより)

2012年の調査によると結婚している女性の中で、20.7%の人が自分より高い教育を受けていない配偶者と一緒になったといっています。
夫の方がよりよい教育をうけている夫婦の割合が1990年までは順調のびていたのに、1990年の22.4%をピークに2012年には19.9%にまで減少しています。

その理由の一部としては若い女性が過去20年において、高等教育を受ける率において男性を凌いだので、最近の新婚カップルの間では妻のほうが高学歴だという傾向は普通なようです。2012年に、新婚の女性の27%は、自分より教育水準が低い配偶者と結婚しましたが、男性側では15%だけが、自分より教育レベルの低い配偶者と一緒になっています。
又、夫婦のどちらかが大学もしくは院を卒業した新婚夫婦の中で39%の女性が大学の学位を持っていない男性と結婚しましたが、26%の男性が学位をもたない女性と結婚しています。

もう一つのトレンドは似たような教育レベルでの婚姻が変化しているということ。大卒の学位をもった人達が増え、互いに結婚する傾向にありますが、同等な教育レベルをうけた夫婦は1960年には80%だったのに対し、2012年には60%になっています。

同レベルの教育をうけた夫婦が減っている主な理由は、高卒や高卒以下同士の婚姻が今は少ない、(1960年では74%だったのに、2012年では24%)そして、高卒や高卒以下の教育しか受けていない人は結婚しにくいということがあるようです。そういう人達の婚姻率が1960年には72%だったのに、2012年には46%に減っています。

一方、大卒同士の夫婦の割合が2012年には22%にまでのびています。

自分より教育レベルの低い人と結婚することが経済的に ”格下げ” になるのでしょうか?そうとも言えず、実際には大抵の場合 “格上げ” されるようです。実際、夫よりも稼いでいるのは39%で、58%の夫が妻よりも稼いでいるのだということです。

夫と妻、どちらの学歴が上?

夫と妻、どちらの学歴が上?

夫婦の学歴

夫婦の学歴

このエントリーをはてなブックマークに追加

増加する食物アレルギー

アメリカにきて驚いたのは、非常に沢山の人がアレルギーだったり、食事制限があるということ。もっとも大人の場合は、自ら、肉や乳製品を食べないとか、小麦粉が入った物を食べないとか、制限をしている人達もいますが、子供の場合、命に関わることもあるので学校でも激しい制限がなされています。得にマサチューセッツ州では、ナッツの持ち込みを禁止したり、クッカー類を持参してはいけないとか、手をよく洗ったりすることで、ランチルームに極力アレルギー物質をもちこまないですむように対処をしています。
それでもそれはあくまでも、対処療法。根本的になぜこれほどまでにアレルギーがあるのか、先日タフツメディカルスクールの先生と話したところ、野菜や果物についた農薬や遺伝子組み換えの作物の影響が大きいのではないか、とのことをいっていました。が、それでも簡単に状況が変わらないのは、”お金” がからんでいるからでその先生も明らかに食品基準の厳しいEU諸国のほうが野菜や果物はおいしいといっていましたし、自分もそんな気がしますね。(まあ、味の判断は個人差が大きいようにも思いますが。)

アレルギーのない親達は、アレルギーを持つ親が子供に対して神経質になり過ぎだと思っていますが、実際、アレルギー反応はほんのちょっとのことでもでたりします。
2月11日のボストングローブに全米保健医療統計センターの調べがのっていますが、1998年に3.5%だった食物アレルギーが2012年には5.2%に増えています。しかし、おじいちゃん、おばあちゃん世代からみるとこれはあまり理解されていないようで、何十年も自分たちが、食べ続けてきて大丈夫だったものがなぜいまになってたべられないの?と首をかしげます。
実際、2010年に小児科の専門誌で発表されたことによると、アレルギーテストに頼りすぎて、本当は食べられるものも食べなくなってしまっているということを指摘しています。そしてこの、行き過ぎた親の保護は人間関係にまで影響を及ぼしているようです。アレルギーのある子供の親は敏感になるし、ない親子まで、様々な制限をうけいれる学校生活になっている状態で双方の親とも困ったことになっているとのこと。

実際、本当にシリアスなアレルギーの人は5%、これを多いととるか、少ないととるか。もっと多くの人がアレルギーであると感じるのは、食事制限を自らしている人たちが、子供達にもそれを強要しているケースが多いからだといえるようです。ただ問題はアレルギー自体が確実に増えているということで、その根本原因に対処しなければ、問題はさらに複雑化しそうです。

増加するアレルギー

増加するアレルギー

関連記事
複雑になってきたサンクスギビングの食卓とそこに確実に進出している豆腐の存在について

このエントリーをはてなブックマークに追加

意外に大きい欧と米の差

日本からの視点でよく”欧米”という表現をし、アメリカとヨーロッパをひとくくりにみる見方があります。海外生活が長い方々からすれば、まだまだ、と言われそうですが、それでも欧米通算約10年住んで、様々な人と関わって思うのは(ちなみにイギリスはここではヨーロッパのカテゴリーにはいれません)欧と米は結構違うのではないか、ということです。もちろん、もともとヨーロッパから来た人達が多く居ついているわけで、考え方が似ている点も多々あるのでしょうが、歴史の中で、アメリカは様々な移民を迎えいれて独自に発達してきたので、当然、独自の文化があります。今回はあえて欧と米、違うと思う点を考えてみました。

両者の特徴をざっくりとキーワードとしてあげてみると(あくまでも対比の中での特徴です)

ヨーロッパ       アメリカ 

個人主義        集団の中の個
自己責任(自立)    面倒見がいい(依存)
自己主張        周りを配慮して自己主張
本質          表面的
学校は勉強重視     学校は社会性も重視
成熟          若さ
保守的         開放的

当然細かいシチュエーションをあげていけばきりなく反論する余地はあるでしょうが、流れとしては、ヨーロッパの人は個人を大事にするので、自己主張も激しいですし精神的にも早く自立する傾向があり他人にあまり、干渉しない。表面のことより、本質を大事にし、学校は勉強をするという位置ずけであり、社会性を育むような教育に関してはあまり、熱心ではないです。

一方アメリカでは、個人の能力の高さも問われますが、その力を集団の中で生かしていくチームワーク能力も問われます。よって、学校でも社会でも、社会性を重要視した活動や、様々な人種や背景の人が混じりあう人間関係がなるべく円滑にまわるように、開放的な環境作りに努力しますが、一方、学校等は面倒見がいいので、精神的に自立するのが遅くなる、又、みんなと上手くやろうとすることで人間関係は深い付き合いというより、広く浅い表面的なつきあいになりがち、という感じでしょうか。

日本人が思っているほど両者は似ていないと感じますが、ただし、両者の日本(人)に対する態度が似ている、ということはあるかもしれません。
又、欧米といった時、正確には英米といっているのではないかと思われるような発言もみうけられます。

そう考えると、日本はアメリカに近い感じさえします。日本は戦後、ずいぶんアメリカの影響をうけたということでしょうか。