留学生動向からわかる、インドと中国の経済状況

ウォールストリートジャーナルインド版に、インドと中国からアメリカにくる留学生数の伸びについての記事があり、それによると去年は外国からの留学生数は記録的に高い数字だったのですが、アメリカにくる外国人の中では中国人学生が一番多く前年に比べて17%増加、2位のインドは、前年に比べ6%の増加でした。

インドと中国の留学生数動向Source: Institute of International Education

ウォールストリートジャーナルインド版より
インドと中国の留学生数動向 Source: Institute of International Education

2009年まではインドからくる学生数のほうが中国からよりも若干多かったのですが、2009年を境に中国からの学生が激増しています。中国人の学生は学部生として、ビジネス関連を専攻をするのに対して、インド人の学生はサイエンスや数学といったより科学技術的な分野を大学院で学びその割合は中国人の倍にも上ります。

中国人のほうが、学部生が多いのは経済的な理由だともいいます。
所得が増え、グローバル化が進んでおり、4年間で25万ドルを払える可処分所得が相当額ある富裕層が中国にはかなりいるとのことでアメリカの大学側からも学生の確保に動いているというのはよくききます。

一方、インド人の場合、アメリカの学部4年間を支払うことができる富裕層が少ないこと、もし国際的な学位をとりたいなら将来的に高給につながる大学院を選択するそう。
インド人学生の伸びが悪いのは、卒業してもアメリカでの就職の可能性が低いということもあるようです。雇用の状況がよくなれば学生数が増えるのかもしれません。

昨年度、アメリカで勉強する中国人の学生は80億ドル、インド人は33億ドルほど支払っているそうで、苦しい大学経営に貢献していますね。。。
アジア人を増やしたくないといっても、選択肢の多い一流大学は別として、学生数を獲得したい中堅以下の大学にとっては全額を奨学金なしで払ってくれるアジア人は歓迎というのが本音かもしれません。

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ボストンで学ぶ外国人学生の増加と問題点

アジア系アメリカ人に訴えられたハーバード大学

カリフォル二アに比べボストンにはアジア人が少なく、ヨーロッパ系の人が多いということをききますが、それでもヨーロッパに比べればずっとアジア人も多いです。
そして、アジア人の学生はよく勉強ができます。親が移民でやってきて、2世として生まれ育ったアジア人も親のプレッシャーをうけてか、それとも本来本当にできがいいのか、一生懸命やらされているからできるのか、はたからみているとよくわからないこともあるのですが、とにかく、成績はいい子達が多いですね。

現実問題として、優秀なアジア人の高校生はたくさんいるので、アジア人の中での大学進学競争は非常にレベルが高いことになってしまっています。
そんな中、アジア系アメリカ人の学生達(この中にはハーバードに入れなかった学生含む)が、簡単にいってしまえばハーバードがダイバーシティを重視し、かなり成績がいいアジア人の学生より、他のヒスパニック系やアフリカ系の学生を入学させるのは不当だ、といってマサチューセッツ州連邦地方裁判所に訴えました。

個人的には、どんな学生をとるかは特にハーバードのような私立大学では学校側の自由ではないの?なんて思ってしまったのですが、もしどこの大学も純粋に成績のいい学生からとっていたら、一流校では半分はアジア人になってしまうのではないでしょうかね。。。
(そしてアメリカでは正式に公用語ではない英語に加え中国語も公式に使われる言葉になったりして。。。)

白人女性が、自分の住んでいるエリアにある小学校で(そこにはいくつか小学校がある)”学生の半分以上がアジア人というところがあるけれど、そういうところには私は自分の子供はいれたくないわ”、という発言をするのをきいたことがあるのですが、その場にいた誰もそれに反論しなかったのでみんなはっきり言わなくても、白人の中にはそういう空気はあるでしょう。
なぜいやなのかといえば、色々理由はあるとは思いますが、その一つの理由として、アジア人はものすごく子供をプッシュして、なんでも一番になるまでやらせる、子供の自主性というものをあまり尊重しない、でもそうすると、成績争いになって、成績至上主義、そしてそれでもたりないということで、スポーツ、音楽もとことんやらせ、なんでもできるスーパーマンのような子達がいっぱいいる中での競争になり、子供らしくいられない自分の子供はかわいそうである、ということ。
教育熱心なアジア人は公立学校のいいエリアに集まり、そこにすんでる人達の中ではかえって住むエリアをかえたほうが、子供がいい大学に入りやすい、ということにもなってしまっているようです。

昔は秀でているものが一つあればよかったのに、最近は子供でも秀でているものを組み合わせなければいけなくなってしまいました。明らかに、20年前とは違うねと、MITやアイビーリーグの卒業生達はいいます。

マサチューセッツ州の学生ローンの実態

学士号取得者の学生ローンの額は年々あがっているのですが、学生ローンに関するプロジェクト(project on student debt)は学生ローンを借りて学士号をとった人の割合と、その平均額について調べました。非営利の教育機関、公立大学を調べたところ、2013年に卒業した69%にローンがありローンの平均は28400ドルということなのですが実際は州によって、また大学によっても差が大きいようです。

ちなみに一番高いのがニューハンプシャー州の32795ドルですが、高いほうから10番目までの中に4つのニューイングランド地方の州がはいっています。東の方がお金がかかる?
マサチューセッツ州の実態はどうなの?というと、マサチューセッツには大学の数が100以上ありますが、営利大学、また認可のない高等教育機関をいれるとパトリック州知事によると300ほどの教育機関があるそうです。 (マサチューセッツ州の大きさは中部地方くらいの大きさです)この統計ではマサチューセッツからは53校がデータを供給したとのことですが66%がローンを組んでおり、その金額は全米平均より高い、28565ドルということです。

マサチューセッツの学校のうち7校は一人4万ドルを越えています。大抵は小規模、中レベルの学校なのですが、専門性の高い学校としてボストン建築大学は5万ドルをこえて、75%の学生が負債を抱えています。
一方、ハーバードのような学校の場合は26%が12560ドルの負債というわけで、かなり低い割合ですが、これはハーバードのような一流大学は低所得者層には手厚いサポートがあること、またそもそも裕福な家の人達も多いです。又小規模ながら一流のウィリアムズカレッジやアマーストカレッジといったリベラルアーツ大学も、比較的ローンが低いですね。

一流大学に関しては大学側も資金的に余裕がありますし、学生の側にも色々なオプションがあるのでそれほど深刻でない場合が多いですが、問題は中レベルの小さなカレッジですね。
この州は比較的治安がいいエリアが多いせいか、生活費や物価もアメリカの他の地域に比べると高いということもお金がかかる1つの要因かもしれません。

そして、この数字は学生の報告ではなく、大学側からの報告であり、数字には大学院の学生は入っていませんが、全米の1兆ドルといわれる学生ローンの負債を見たときにほぼ 40% が大学院の学生によるものだと試算されていいます。2012年までに大学院生のローン平均は57000ドルになったとのこと。

実際、4年制の大学を卒業するのに、寮費等も含めると1500万~2000万ほどかかるとして、さらに、MBAやロースクールにいって又、1000万から場合によっては2000万かかると、学卒の借金をかえさないうちに、(又は、返しおわったらすぐに)大学院の借金を背負うということになる確率があるということですか。 そして、給料があがることを想定して大学院を卒業しても実際給料があがらない、ということが多くある、というリポートがあります。そうこうしているうちに、今度は住宅ローン?厳しいですね。。。

そう考えると益々、大学選びは慎重になると思いますが、この分野ならいい給料がもらえそうだ、という以上に、自分の強みがどこにあってどの分野なら自分の能力を最大限生かせそうか、ということをもっと考えて職種、職業を選んでいく必要があるように思うのですが。
同じ職業についたとしても、その中での収入差といものもこれからもっと広がっていくような感じがします。

参考記事
自分の才能や強みは何かを見極める為の適性テスト

自分の才能や強みは何かを見極める為の適性テスト ーその2ー

トランスジェンダーを受け入れる女子大

マサチューセッツ州にはセブンシスターズと呼ばれる女子大のうち3校が(ウェルズリーカレッジ、スミスカレッジ、マウント・ホリヨークカレッジ)あるのですが、それらが、”女子” の定義を見直し始めています。
ボストン市内にある女子大シモンズカレッジは学部生として、トランスジェンダーの学生の受け入れを正式に認めました。(ボストングローブ11月7日)

シモンズカレッジによると、現在の性は別だとしても、本来女性として生まれた人達、男性として生まれたけれど、現在は女性として認識している人達を受け入れるということでその際、政府が発行する(戸籍謄本みたいなものでしょうか)証明書は必要ないといっています。

先日もアップルのティム・クック氏がカミングアウトしたばかりです。男性として生まれても、(女性として生まれても)女性でも男性でもないという(もしくは、両方)人もいて結局、昔は女性と男性の役割もはっきりきまっていたということや宗教上の理由から、女に生まれたら女に決まっている(男性の場合も)ということに反論ができなかったのですが、今は色んな生き方が社会的にも認められるようになったという世間の流れがあるのでしょう。ティム・クック氏が今になってカミングアウトしたのも、そんなことは社会的、職業的に成功する上では何の障害にもならないということを証明したともいえると思います。
一方、アメリカにはいくつかの男子大学もあるのですが、それらはトランスジェンダーの学生の受け入れに関しては何も言及をしていないようです。

それにしても、本人が女子だと主張しても見た目が完全に男性の場合、更衣室とか、寮部屋とか慣れるまでは混乱するかもしれませんね。。。そうでなくても、大学の性犯罪の問題も深刻なものになっていますし。
シモンズカレッジの場合は4年制大学に関しては基本、女子校ですが、大学院になると、男性も受け入れています。これからますます女子大の意義というのもとわれてくるのかもしれません。

EFの新しいビルはランドマークになるか?

先週、ここ数年工事をしていたEducation First(EF)の1億2500万ドルかけた新しいビルが出来上がりオープニングセレモニーが行われました。EFはもともとスウェーデンの高校生に夏のイギリスでの語学留学サービスを提供する事から始まったそうですが、今では、世界52カ国以上、500カ所で様々な言語で語学研修を運営しています。EFの創業者であるスウェーデン人のバーティル・ハルト氏も本社のあるスイス、ルツェルンからボストンまでやってきました。彼が1965年にビジネスを始めた時はまだ学生で、ビジネスを始めた為に大学を中退しています。彼自身、ディスレクシアで(学習障害の一種、識字障害、読み書きに困難をきたす)言語を習うのに苦労し、文化を知る事が言語を習う近道になるということを経験したことがこのビジネスを始めた動機だったようです。
その後、EFは着実に大きくなりました。彼はアーサーD.リトルを2003年から、ハルトビジネススクールとして育て始め、現在世界に5つのキャンパスを抱えるまでにもなり、クリントングローバルイニシアティブとともに、社会起業家を育てるハルトプライズも運営しています。

ボストンはアメリカの西海岸よりも、ヨーロッパの影響を強く受けていると思いますが、建物に限れば、イギリススタイルが色濃く、飛行機から見た時、”レンガ色”がとりわけ目をひきます。そのなかで、ヨーロッパモダンなものは目立つのですが、このEFの建物も、このエリアでは新しいランドマークになるでしょう。