今年のブログを振り返って その2

...先日の『今年のブログを振り返って その1』からの続きです。

ー理系女子を育てる取り組みー
サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング分野(STEM分野)において、民間で成功している取り組み例をとりあげました。このNPOサイエンスクラブ フォー ガールズを立ち上げたのも、理系の母親達です。そして理系女子(お母さん?)代表のような原山先生による、ーあなたは理系女子?イノベーションを起こすための超『理系女子』論ーも紹介しました。母は強し!

ー増加するアメリカの大学中退者ー
一流の大学に行けないならいかないほうがいい、という意見もききますが、大学のレベルが高いほど、卒業する率が高いという現実を考えると、やはり、何が自分にあっているのかということを真剣に考えて大学選びをしたほうがいいということになります。

ー様々な差別をどうのりこえる?ー
日本で生活していると、それほど差別ということを感じませんが、外国にいると色々な ”差”というか” 違い” を感じます。これは自分がこれからも外国で住み続ける上で、重要だと、思っているポイントです。

それから『40歳以上の英語でビジネス勉強法 のシリーズ』である、
ーもし、あなたが40歳を超えていて、これから英語を使ってビジネスや起業に関わることを学ぼうと思っているのなら...ー
このシリーズはブログを始めてすぐにかいたエントリーでしたが、いまだにアクセスが多いです。勉強はいくつになっても始められるものですよね。

さて1年を振り返りましたが、全体としてはやはり教育、大学関連の話にアクセスが多かったのかなあ、という感じでした。教育はとても大きいテーマです。
来年もまた、色々な話がお伝えできるといいな、と思っています、よろしくお願いします。

学生ローン問題ー自分に借金があることを自覚していない大学生達ー

アメリカの高校の最終学年にいる生徒は年があけると大学進学の為にそろそろ願書を出す季節なのですが、年内にアーリーアクションやアーリーディシジョンといって、通常の願書提出よりも早く出せる仕組みがあります。どうしてもここがいいという志望校がはっきりしている場合、それで願書を出す子供達も多いのですが、早くに願書を出した子達がそろそろ合格通知を受け取り始めました。来年の秋に入学する学校が今の時期にもうわかることになります。学生達からしてみれば、クリスマスプレゼントをもらうようなものですが、早いですね本当に。卒業する6月まであと半年、気持ち的に余裕をもって高校生活をすごせるということになります。

ところが、いざ大学生活が始まっても、ワシントンポスト12月14日によると大学一年生のほとんどが自分がどのくらいの借金を背負っているのか正確に把握していないといいます。連邦学生ローンを借りている大学1年生の28%が連邦ローンを借りているという自覚がなく、さらに14%は自分たちが何らかの借金を背負っているということさえわかっていないとのこと。2011年〜12年に行われた高等教育学生助成金調査によると、51%の学生は負債を過少評価し、25%は過大評価しているといいます。

18歳ですでに借金の心配をしなければいけないというのはなかなか大変なことですよね。。。
実際、親が学費を支払う場合、借金がどれくらいなのかということをシリアスに考えない学生達もいるでしょうし、それに大学を卒業した後にどれくらいの年収が得られるのかといったことまで考えていない場合も多いでしょう。もっとも、高給だと思っていた職業がそうでもなかったということもあるでしょうが。。。
日本では大学から、一人暮らしをする学生も増えます。逆に、アメリカのように寮生活をしないことで、経済観念もつくのかもしれませんね。

関連記事:
子供への金融教育の必要性

TEDx Palais des Nations-人の為に尽くす人達の話-

ジュネーブにあるパレ・デ・ナシオン(国連欧州本部や様々な国際機関が入っている)とボストンを含めた世界22都市を結ぶライブストリームのTEDxが行われました。パレ・デ・ナシオンには、国連難民高等弁務官事務所、国際労働機関、世界保健機構、赤十字国際委員会といった主に人権に関わる機関が多くはいっていますが、今回の背景にあるテーマはインパクト。人道的見地から人の為に働く、科学者、起業家、人権活動家達にフォーカスをあてました。
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そのうちの2人の話を紹介します。

国際障害同盟(IDA)の会長であり、世界盲人連合(WBU)の前プレジデントであったマリアンヌ・ダイアモンドさん。
子供の頃から、本が好き、数学が得意だった彼女ですが、目の見えない彼女は目がみえなくても読める点字本や、オーディオブックのような教材を探すのに苦労したと言います。
大学で数学を勉強してITスペシャリストになった彼女ですが、その後、自分のように目が見えない人のために、尽くす道を選びました。
それは御自身のお子さんが同じ障害を抱えていたということも動機になったようです。視覚障害者の問題というのはちゃんとした教育が受けられなくて、雇用される率が低いということだそう。そしてそれは発展途上国では特にひどく、先進国でも就職率は低いという現実があります。教育をしたくても、視覚障害者にも対応している本や学習教材が圧倒的に不足しているということが背景にあるそうです。出版される本の93%は目の見えない人に対応していないという事実があり、その状況を改善する為に、視覚障害者の為の本を作り、プロモーションして、国際的なデータベースに誰でもアクセスできるように活動をしています。
出版される全ての本が視覚障害者でも読める(聴ける)ようにすることが彼女の目標です。

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国連難民高等弁務官事務所のヨーロッパ支局のディレクターであるヴィンセント・コーチェテル氏は1998年、37歳のときチェチェンにおいて任務中に突然銃をつきつけられ拉致され、317日間監禁された方なのですが、彼はある意味幸運にも生きて戻ってこれた、でも同じような任務についていた同僚の中にはなくなられた方達も多くいるわけです。そして、この人権に関わる活動をされている中で、任務中に怪我をしたり、亡くなる方というのがここ十数年でどんどん増える傾向にあるそうです。
拉致された始めの3日間は車のトランクの中で車から車へと移動させられ、その後地下牢のような真っ暗な場所で、1日2回のスープとパンをもらい、15分のろうそくの明かり、トイレットぺーパーもないところですごし、また数日後に移動したところでは45分の明かりと音楽がもらえ監禁されている時に、彼らの活動に対して感謝の言葉をかけてきた人もいるそう。
”全ての命は重要なのです、それは津波の被害者も、難民も同じなのです”
大変なめにあってもなお正義の為に、人権の為につくす決心をさらに強くしたようです。

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ボストンでは起業家達のピッチをよくきき、問題を解決しようという情熱やパワーを感じるものですが、今回は人の為に命をかけて尽くす人達の話をきいていて実際プロフィット事業でも、ノンプロフィット事業でも、自分の職務、役割、夢に対する情熱、パワー、信念というのは、起業家の持つものと同じような強さを感じましたね。
そしてたぶんとてもシンプルなことですが、どの分野でも成功する人というのは、自分の役割を100%全うする人達なんでしょう。

大学の学長の報酬も上昇中。

アメリカの大学の学費が上がっていますが、学長の報酬もあがっています。

クロニクル・オブ・ハイヤーエデュケーションの調べでは2012年には全米の私立大学のうち36大学の学長の報酬が100万ドルをこえていて、そのうちボストンエリアでは100万ドル以上の報酬を得ていたのはノースイースタン大学の学長、MITの前学長、ボストン大学の学長で3名ほどいます。
大学はノンプロフィットなのですが、すごいですね、やっぱりアメリカ。特にノースイースタン大学の学長は起業教育に力をいれているので、非常にビジネスライクな大学運営をしているのではないでしょうか。日本の国立では一番高額である東大の場合でも、2300万円程度ということです。私立はもう少し高額だとは思いますが。

全米で一番高い報酬をえているのが、ニューヨーク州にあるレンセラー工科大学の学長で710万ドル(12月7日のレートでは8億円超えています!)と言ってもそのうちの590万ドルはリテンションインセンティブ(人材確保の為のボーナスのようなもの)をまとめてもらったということなのですがそれをさしひいても100万ドルはこえています。
マサチューセッツの大学では多くの学長は国の平均である40万ドル以上の報酬を得ています。クロニクル・オブ・ハイヤーエデュケーションの調べでは2012年にはほぼ全米500の大学で学長の報酬が2.5%上昇していますがそのうち、公立校では2012から2013年にかけて5%の上昇。
学長の給料があがることで、そのほかの教職員との格差がうまれていることを懸念する声もあります。

それから高給をえている学長達の任期が長いのも特徴ですね、トップ20人の中に在職期間が10年以上の人達が7人もいます。最長は25年と言うコネチカット州にあるクイニピアック大学の学長です。

関連記事
21世紀の大学の役割-STS フォーラムより-
マサチューセッツ州の学生ローンの実態

学生がハッピーなアメリカの大学はどこ?

ボストンにある一流大学に入るのは大変ですが、入学してからも大変。
勉強することや、チャレンジすることを楽しめる学生達は新たなライバルをみつけさらに、面白がって楽しめるのですが、いざ一流の学校にはいっても、上には上がいた、というストレスやプレッシャーに押しつぶされてしまう学生もいます。

3年前にデイリー・ビーストのランキングでアメリカで最もストレスのある大学として第3位と7位に選ばれていたハーバードとMITが今回は ”学生がハッピーな25大学” というリストでトップ5の中にランクインしました。 (BostInno11月10日)

このランキングは4つのポイントで幸福度を図ります。
大学1年生がそのまま進級する(やめない)割合、経験値、もう一度大学を選べてもまたこの大学を選ぶか、学生ヘルスセンターの数字(学生が、メンタルも含め健康かどうか)

MITではまた高校生に戻っても、またこの大学にきたいと思っている学生が9.2ポイント(10点満点中)、経験に関しては満点ということなのですが、健康面では6.5ポイントとやはり心理的ストレスは大きいようですね。
学生採用時にはストレス耐性のようなものも考慮にいれるといいますが、それを調べるのは正確には難しいでしょう。

健康面に関してのみ、多少ハーバードのほうがいい、といっても6.8ということで、あんまりかわらないような気もします。

デイリービーストの選ぶアメリカで幸福な大学ベスト10

1位 スタンフォード大学
2位 ブラウン大学
3位 MIT
4位 ハーバード大学
5位 ワシントン・アンド・リー大学
6位 ライス大学
7位 南カリフォルニア大学
8位 テキサス大学オースティン校
9位 カリフォルニア大学 ロサンジェルス校
10位 ウィスコンシン大学マディソン校

アメリカの大学では、入学時に専攻をはっきりさせなくてもいいぶん、入ってみて、あ、やっぱり違ったというはずれもありえます。
工学系の大学のほうが、明らかに総合大学よりも目的も絞られている分、目指してくる学生も期待はずれが少ないのかもしれませんね。
それにしても、精神的にストレスはあっても、満足度が高いということはやはり充実した日々がおくれているということでしょう。