女性の為の独立、起業支援

先日は大学を主としたイノベーションエコノミーの話でしたが、大学発でない場合の起業を支援する仕組みに関してもう一つの例を紹介します。

Center for Women and Enterprise(センターフォーウィーメンアンドエンタープライズ)というマサチューセッツ州に拠点が数カ所とロードアイランドにもあるNPO団体があります。
これは女性の独立支援をする為、スモールビジネスを立ち上げる為に必要な情報や、法規制、ビジネスプランの作り方、資金提供に関して等、独立、起業に必要な情報やコンサルティングを安価に提供している団体です。特別な技術や大きな資金が必要となるような規模の展開をしようとするよりも、小規模の起業をするほうが大多数であることから、大きな規模の起業ではなく、(将来的には大きくなるのかもしれませんが)自分のもっているスキルや、人的ネットワーク等を使って、どのように自分のビジネスをたちあげていくのかという支援を女性にしてくれます。
ウェブで受けられるコースもあるので、遠くに住んでいる人達はそういったコースをうけることもできます。

独立、起業を考えた時、大抵の人は初めから自分は世界を変えるんだ、というような大きな夢を掲げるより、どうやって明日食べていくのか、ということを考えるほうが多いのではないかと思います。現実的に、離婚したとか、シングルマザーが子供を抱えながらも自立していく為にMBAや経済、経営の具体的な知識がなくても、自分が売れると思えるサービスがあればそれをどうやってビジネスにしていくのかということをサポートしてくれるとても現実的なサービスです。

具体的に自分のビジネスに必要な細かい部分に関しても、メンターを紹介してくれたりしてサポートしてくれ、このブログでも紹介したWespireのスーザン・ハントさんといった成功している起業家の方達もボードに名を連ねています。

アメリカ人は何もないところからビジネスを立ち上げるのが上手いといつも思いますが、起業のエコシステムというものが大学を中心とした大規模なものから、地域に根ざした小規模なものまで、裾野が広いことも起業文化を支えていると考えられます。

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高校中退者を減らす為の起業プログラム

先日、BUILDボストンユースビジネスプランコンペティションが開かれました。
このプログラムは、高校生に起業家精神を教える事を通じて、高校を中退せずに卒業して、大学まで進んでもらうことを目的に始まったものです。

BUILDの調べでは、中退してしまう子供達の約54%が高校の一年目(日本の中学3年生)に学校をやめてしまうということです。(アメリカの高校は大抵4年制)
そのような子供たちは勉強にも問題がありますが、それだけでなく家庭環境等にも問題があります。そこでBUILDは高校4年間のプログラムを作り、その中で、ビジネスのやり方(ビジネスプランの作成、マーケティング、商品化、ファイナンス、販売、)を教え、同時に学業のサポートもしていきます。

今年で3年目になるこのコンペ、5つの高校1年生(9年生)チームがテレビ番組の”シャークタンク”のように、地元のビジネスリーダー達の前で、ピッチをしました。
通勤時に持ち運べる枕や、パーツを変えるだけで、カスタマイズできる眼鏡等のアイデアがでましたが、今年賞をもらったのはB-Tiesというネックレス、やヘアクリップになる蝶ネクタイを披露したチームで、1000ドルの賞金を得ました。ビジネスを始めるコストは通常数百ドル程度ですがこのプログラムでは資金を提供されます。まず、9年生でもとのアイデアをもう少し、発展させてビジネスプランを作り、10年生では商品を作り、11年生で販売し、12年生では大学準備に入る為事業を徐々に縮小します。

こういったピッチコンテストはどんどん低年齢化して、高校一年(日本の中学3年生)から参加できるようなプログラムも増えています。
”学ぶ”ということが机の上で、勉強していくだけでなく実際に自分の考えているものを、商品化、販売する経験を若い時にすることで次なる目標につながり、自分にも自信がつくし、やりたいこともはっきり見えてくるようです。

2014年のマスチャレンジスタート!

マサチューセッツのイノベーションポリシーの中で重要な役割を担っているマスチャレンジですが、2014年のプログラム参加社128社がでそろいました。(応募したのは1700社以上)これから4ヶ月間かけて、メンターについたり、ネットワーキングを広げ、起業のエコシステムを学んでいきます。

128社のうち41社はハイテク、37社はライフサイエンス、ヘルスケア関連、クリンテックは10社ということで、なかなかボストンらしいという感じでしょうか。
今年はマスチャレンジも新しいスペースに引っ越して、賞金も当初の150万ドルから、175万ドルにあがり、参加応募社も世界中から増加しています。参加が決まった会社のうち71社は州内から、外国からの参加は30社、うち10社がイスラエル、その次に多いのがメキシコです。イスラエル、メキシコにはマスチャレンジ自体が進出しているので、参加が多いというのは納得です。又、参加国は10カ国、米国内からは17の州からの参加になります。ほぼ四分の一が外国からの参加ということで、国際認知度もかなりあがってきているといえそうです。

4ヶ月後にファイナリストに残り、(ここでファイナリストに残ることができた会社は、会社として存続する率が非常に高いといわれています)賞金を手にすることができるのは、どの会社になるでしょうか。

参加社リスト
http://betaboston.com/news/2014/05/21/masschallenge-names-128-startups-for-2014-program-full-list/

参考記事:
大人の社会科見学  マスチャレンジ

ブランダイス大学が行う3日間のスタートアッププログラム

ボストンにはビジネススクールやビジネスプログラムを提供する大学が多くあります。ブランダイス大学は3年前から3日でスタートアップを立ち上げるコンペティションプログラムを始めました。(Brandeisnow 4月15日)

ブランダイスインターナショナルビジネススクール(IBS)では55時間でビジネスプランを作りピッチをする3 Day Startup (3DS)プログラムを開催しており今年で3度目になります。
このプログラムはビジネス専攻の学生だけでなく、テクノロジーイノベーションマネージメントクラブと共に、異なった分野を勉強する学生を横につなげ, 参加者の起業意欲を高める役割を担っています。

週末をかけて行われるこのコンペは4大陸で行われ、アイデアを実現可能な形におとしこみ、学生をメンター、投資家、能力のある同僚達とつなげていきます。前回までの2回のコンペでは21のスタートアップが誕生しました。

この経験は他の学生達がすることととは全く違う学習経験であり、通常の数ヶ月かかるコースと違い、週末に学生にプレッシャーをかけることで起業家としての筋肉を早くつけることができます。
今年は23人の参加者がチームに別れブレインストーミングをし、ビジネスアイデア、プラン作り、マーケットリサーチを行い、製品のブランディングを考えマスチャレンジへの参加を目標に競いあいました。そしてメンターや教授、投資家や地元の起業家達からフィードバックをもらいました。

教室で習える事も沢山ありますが、外にでて実際にやってみることが重要です。このプログラムの一番重要な側面は、エネルギーの高い環境下によってチームで協力して何かをなし遂げようという雰囲気が促される、ということのようです。

4月4日の金曜の午後から始まったプログラムは日曜の午後に学生や教授、卒業生等の観衆の前、及び、マスチャレンジやベータボストン、ベンチャーキャピタル等の代表の前でビジネスプランをピッチし、1チーム(市民が作る政治ニュースのウェブサイト)が秋からのマスチャレンジのプログラムに申し込むことになりました。

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このプログラム、実は 2008年にテキサス大学で始まり、もともとは学生の団体が提供していたそうですが、現在ではNPOになっています。アメリカ国内だけでなく世界中のいろんな大学が(ヨーロッパ、南米、アジア、アフリカ、ただし日本ではありません)このプログラムを採用しています。短期間でビジネスプランを作り、簡単なマーケティングもしてビジネスの大枠を作るというで、ビジネスモデルのハッカソンという感じでしょうか。
ある意味、短期決戦で、判定がでるので、問題点や修正点を改良して、また他のコンペに出たりすることも可能ですし、ビジネスをどうやって立ち上げるかということが集中的に学べるので非常に効率がいいといえそうです。こういうのを企業側が、テーマを与えて、学生にいろんなビジネスモデルを考えてもらう、コンペをしたら日本でもできそうな気がしますね。企業側としてみれば、採用の幅も広がりそうです。いいアイデアがでれば、企業でプロジェクトとして、採用してくれると学生側も意欲をもって仕事に望めそうです。

中高生に対して行う、起業家精神を養う為の教育

アメリカ人は何もないところから何かを作り出して、お金の流れを作るのが得意だと思うのですが、それはビジネススクールにいかなければ習えない、ということではなく、自分のアイデアがどういうふうにお金になるのか、ということを若いうちから色んな形で学ぶ機会が多いからなのではないかと思います。
若者が学校で学ぶ勉強をもっと産業やコミュニティーとつなげる為に、得に中高生に起業家精神を教える  ユースシティーズYouth CITIESというNPOがあります。起業家精神とは、起業して会社の社長になる為に必要ということだけでなく、慈善団体にいようが、ベンチャーにいようが、大企業にいようが自分が関わっている社会において大きなインパクトのあることをする為には必要なマインドセットになると考えられています。

この団体が行うフラッグシッププログラムは10週間のコースで毎週土曜にどうやってスタートアップを始めるか、地域のリーダーや起業家が個人の経験をシェアして子供たちにどうやってビジネスの機会を認識し、創造していくのかを教えます。学生にとって重要なスキルの一つはどうやってネットワーキングの場所で自分のストーリーを語るかです。
そのユースシティーズがベンチャーカフェ で先日イベントを行いました。

実際のアントレプレナーや大人たちに、自分のビジネスのアイデア、もしくはすでにたちあがっているビジネスの説明をしてまわる機会を子供達に与えました。通常のピッチのように多数の人の前で一方的に話すのではなく、一対一や、数人の大人の前で一通り自分のビジネスの話をしてから、きいている側がどんどん質問をしたり、問題点を指摘もできるので、彼らにも新しいインプットがあり、面白いアイデアかどうかを判断してもらえ、そこでビジネスモデルを改良したり、話をきいてこれは面白いと思った人はボックスの中にいいと思った会社の名刺をいれて、最終的に一番沢山名刺を集めた学生に賞を与えます。

私が話した17歳の男子学生は、アスリートの為の練習パートナーを見つけるサイトを作っています。 Practice gigs
自分がテニスの練習をするのに練習パートナーを見付けるのに苦労していて、その問題を解消するために作ったそうです。
17才で初対面の100人近い人達に自分からアプローチし、話しかけ、自分のビジネスの話をするという機会は普通はまずないでしょうし、又、そういう状況におかれても、積極的に対話ができるようになる為には、訓練も必要です。しかし、それをサポートする大人達がいることは、次世代の起業家をそして、イノベーションをおこす人達を教育するという意味でも大事なことであるという気がしました。