髪の毛を切って、ファンドレイジングをしよう

ボストン市近郊にある、グラニットテレコミュニケーションズという会社が、社員の髪の毛を切る事で220万ドル(2億円強!)の資金を集め、ダナファーバー癌研究所に寄付をしたという話がありました。(ボストングローブ 3月4日)
ダナファーバーがん研究所はボストンにあり、アメリカ国立癌研究所指定癌センターの一つで国際的にも有名な施設です。

グラニットテレコミュニケーションズという会社には1200人以上の従業員がいますが、そのうち約430人の従業員が髪をきり、それぞれが、支払った金額がダナファーバー癌研究所に寄付されました。5000ドル払った人もいたそうで、癌で苦しむ人たちが周りにいる人ほど、寄付金もあがる傾向にあったようです。

4月にはボストンマラソンが開催されますが、(以前の記事にも書きましたが)、ダナファーバーはボストンマラソンでもファンドレイジングイベントを行っています。ボストンマラソンを走ることで、お金を集めるのです。自分の身の回りに癌で苦しんでいる人がいるけれど、自分には何もできない、という気持ちがある人は、そばに癌研究の為に資金を集めて走ってくれる人がいると、そのことに感謝して、お金をだします。そうやって、色々な人々の気持ちを集め一人一人のランナーが、100万円ずつ集めると400人走れば、4億円の資金になるのです。

ファンドレイジングが成功するには、ストーリーやコンセプトに共感できるか、という点や、自分が寄付することで社会の問題を解決することに役立つのか、という点が大事だと思います。

参考記事:
ボストンマラソンを走って社会起業家になろう その1

ボストンマラソンを走って社会起業家になろう その2

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政治活動のためのインキュベータ

ボストンにはビジネスを、加速させるための仕組みとして様々な種類のインキュベータ(新事業支援施設)があります。インキュベータというと、普通はテック系の共有オフィスを思い浮かべますが、共有キッチンや共有ラボまで実は色々の種類のものがあります。
そして今度は政治的なインキュベータの話です。(ボストングローブ3月3日)

Blue Lab.というスペースは(まだ1部屋)、政治のキャンペーンのために、まるでテック系のインキュベータのように候補者達が場所と資源を共有することで、コストをカットし、効率をはかることを目的にできました。背景にあるのは、政治のキャンペーンというのが、昔から変わっていないということで、現在のテクノロジーやSNSをもっととりいれて、変えていこうとの考えからだそうです。

まだはじめて10ヶ月しかたっていないこのビジネスは民主党の活動家でありエドワードケネディの広報秘書官だったスコット • ファーソン、キャンペーンマネージメント会社をやっているショーン • シンクレア、上院多数党院内総務のキャンペーンマネージャだったハリーライドによって立ち上げられました。
Blue Lab.は民主党の選挙キャンペーンのコンサルタントがチームになって、選挙戦を支えるというしくみですが、個別にコンサルタントと契約するのではなく、パッケージにすることによってより効率よく、コストも減らせるというしくみになるようです。
費用にはパンフレットやビデオ撮影、色々調べる事を手伝う学生の費用、もし候補者が自分の事務所がなければ、Liberty Square (ファーソン氏の会社)のオフィスを使って、ミーティングができます。
政治キャンペーンの為のインキュベータをニュージャージに作ろうという計画もでているそうです。

インキュベータという考え方が様々な分野で広がりつつあります。コストの意味でも節約できますが、情報を共有したり、孤独感がないということも大きな利点であるようです。
もっとも、秘密が多い業界にはむかないかもしれませんが。

スマホを使ってますます便利になる配車、送迎サービス

サンフランシスコに本社がある、Uber(ウーバー)というスマホで配車できるハイヤーサービスがあります。東京ではタクシーがたくさん走っているので、道で車を捕まえたければすぐ捕まりますが、アメリカで少し郊外にいってしまえば、タクシーは普通には走っていません。そんな中、スマートフォンのアプリを使ってハイヤーを呼べば、今自分のいる位置から何分以内に車がきてくれるかわかり、運転手の評価も確認、金額も事前にわかり、支払いもカードから自動で引き落とせるので、チップを計算することもなく、目的地についたら、おりればいいだけ。乗った後にドライバーを評価するので、ドライバーも親切です。アメリカでは便利なサービスだけあり、2011年にボストンでスタートして以来、着実に広がっています。

ところがこのサービスでは、運転手は既存のタクシー業界が義務づける規制の外で、マサチューセッツ州のリムジン商業許可を得た運転手が運転していますが、犯罪歴等の確認ということも含めタクシー業界の規制の範疇ではありません。その事に対して、運転手に十分な訓練をさせるといった、タクシー業界が義務化しているルールをみたさなければ安全は担保できないという批判がでています。(ボストングローブ3月1日)
昨年に、リムジン許可を受けている運転手による暴行事件があり、その後運転手の監督、規制をもっと厳しくしようという運動が起こっていることがその背景にはあります。
一方、Uber側では性犯罪者はドライバーになれない事も含め身元調査、アルコールやドラッグを摂取したら運転禁止する規制も、もうけており、業界の中では一番厳しい規制があると自負しています。一方、訴訟等も含め(運転手が起こした殺傷事件で訴えられたり、運転手に対する支払いのことでもめている)問題も抱えているという現状もあります。

Uber ファウンダーの驚異の失敗歴という記事を読むと、この起業家はUberをたちあげるまでに壮絶な経験をしているのですが、今のところ、ボストンのタクシー業界の逆風をうけながらも、市長の支持もうけ、ボストン内でのマーケットを確実に増やしつつあります。東京でも去年の秋からサービスが開始されたようですが、タクシーの台数規制の方向にある中、ハイヤー市場のパイを広げるのか、それともタクシーの市場でのパイを奪いあう事になるのか。

個人的にUberを何度か使っているのですが、確かに普通の流しのタクシーを使うより、車は綺麗だし、運転手も丁寧な気がします。というか、評価とかも事前にわかるということは他の人が信頼して乗れたんだから大丈夫、みたいな安心感はあります。日本の場合、都会には今の所、タクシーは十分すぎるほどあるし、アメリカでの違いほど、タクシーとハイヤーの差がないような気がするので、サービスで勝負するなら、Uberでは英語が通じます、とかいうなら、差別化できそうですが。。。

ギャップイヤーで兵役にいく?

高校を卒業してからいわゆるギャップイヤーをとった学生のほうが大学にいっていい成績をとったり、その後のキャリアも自信をもって進んでいけるという傾向があるそうです。が、現実にはギャップイヤーをとる学生はアメリカの高校生のうち2%以下であり、金銭的に余裕のある家庭の子供達しかできないという状況です。

そこでタフツ大学は大学に入る前の1年間学生に国内外でミリタリーサービスや、社会奉仕をする機会をあたえるTufts 1+4 というプログラムを2015年から始めることになりました。(ボストングローブ3月1日)

これは財政的に厳しいNPO団体にとっても、無償で働いてくれる若者がいるとありがたいし、若者にとっては意味のある経験を得られるというウィンーウィンな関係になるとみています。そして、学校が始まる頃には、他の生徒達は全く知り合いがいない中、学校生活をスタートするわけですが、このプログラムに参加した学生は既にちゃんとした友人関係ができた上で学校生活がスタートできるいう利点があります。

25歳になるまでに、全ての若者が、大学の協力で何らかの形でノンプロフィットの団体で社会奉仕をしたり、兵役を義務化するべきだという動きがあり、大小様々な大学で、取り組みが始まっているようです。

アメリカの高校では、卒業単位として公共の奉仕を義務ずけられているところがありますが、 ”社会にボランティアとして奉仕すること” は、卒業してどんな仕事を選んだとしても、一生続いていくべきこと、ということを理解してほしいというのが、タフツの目的でもあるそうです。

関連記事:
人気もあるが、費用もかかるギャップイヤー

習慣を変える事で学生ローンの負債を減らすサイト

アメリカでの大学の学費がますますあがり、せっかくがんばって大学をでても今度は借金を返す心配をしなければならないという問題が残ります。学費の高さと、学生ローンの問題は新聞紙面を度々騒がせますが、その学生ローンを早く返すためのプログラムの紹介がありました。(ボストングローブ2月26日)

ひとつは、ボストンにあるSimpleTuition(シンプルトゥイション)という学生ローンの比較、ファイナンシャルエイドの情報サイトを運営する会社の子会社である、SmarterBucks (スマーターバックス)が提供するプログラム。

このプログラムに参加して、ステープルズやウォルマート、ジェイクルー等の提携企業で買い物をするとキャッシュバックがもらえ、そのままローンの返済に支払われます。また、アンケートをしたり、体験記事をかいたりすることでもキャッシュバックをもらったり、使わなくなった電化製品、本等を売る事もできます。

このプログラムに参加している、企業は学生が買い物をすると〜10%を紹介料としてプログラムに支払うのですが、そのうち半分をプログラム側が学生にキャッシュバックするというしくみだそうです。
このプログラムには現在13万5千人がメンバーになっていますが、そのうち15%ほどしか定期的に利用していず、毎月のローンに追加で支払われる額は25ドル〜30ドルということです。それでも、1万5千ドルを10年ローンで借りている場合、(金利6.8%!)毎月30ドル多く返してしていれば23ヶ月早く完済し、4120ドルの節約になるそうです。

もう一つはサンフランシスコのSaveUp(セイブ・アップ)というサイトです。ユーザーの習慣をよりいいものに変えることを目的にしています。
ユーザーは、銀行口座、ローン口座等とリンクさせて、貯蓄をしたり、借金をへらしたりして、個人の財政状態がよくなれば、ポイントをもらえるしくみです。そのポイントで宝くじのようなゲームに参加でき、賞金として100ドルのビザカード、航空券、学生ローンが返済できる5万ドル、住宅ローンを完済できる200万ドルの賞金があたる可能性さえあるそうです。

どちらのプログラムも自分たちの財政状況に定期的に向き合うということを目的にしていますが、SaveUpの場合、そこに楽しみの要素をとりいれることで20%のメンバーが毎日、ログインするそうです。メンバーは年収5万ドルから10万ドルの若者達で2011年に会社がはじまってから今までにまだ誰も200万ドルを手に入れていません。みんな、その金額があたるとは思っていないようですが、自分の財政状況と定期的に向き合う事自体に意味があると思っています。

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これもある種の金融教育ですね。
サインアップをしても、習慣として、使ってもらうようになるのが、難しいということをSmarterBucks の人が言っています。毎月貯蓄するというのも同じことで、生活習慣をかえないと、難しいといえそうです。自分なら毎月、借金がへっているのをみて、今月はxxドル得しました、なんて書いてあると、ゲームのように、来月はもっと頑張ろう!とか、思ってしまいそうですが。。。
一ヶ月数十ドルの差なんて、一見少ないと思いますが、毎月ちょっとでも借金がへっていくと、将来的には利子がずいぶん変わるので意味がある事だと思いますね。
SaveUpのように、銀行口座とリンクさせるとなると、セキュリティはどうなのか、心配ですが。。。