3DプリンターはPC並みに普及するのでしょうか?

この夏から秋にかけて、3Dプリンター、4Dプリンター(!)関連の記事が10以上でています。
去年、3Dプリンターってすごいんだって話を聞いた時は、てっきりB to B商品かと思っていたのですが、、、。どうやら本格的にB to C市場に参入しているんですね。遊びには沢山使えそうですが、普通の家だと、3Dプリンターで何を作りましょうか??フィギュアとか?食品サンプルみたいなものとか?

ボストングローブ 11月22日

店頭にPCが並ぶまでは、コンピュータを必要と感じている人は、それほどいなかった。が、今では誰でも持っている。

次は3Dプリンター?

MakeBotというニューヨークに拠点をおく会社はボストンのニューべリー通りに店をだし、消費者が安い3Dプリンターでクリスマスのオーナメントから車のパーツまでオーダーメイドで作ることをみせることで、PCが出た時のような技術革新を起こそうとしている。

”あなたの望む、あなただけのものが作れるんですよ”、とMakerBotのCEOのBre Pettisは言う。

3Dプリンターは、文書作成の為のインクジェット・プリンタに似ている。しかし、インクを噴出させる代わりに、その印字ヘッドは、プラスチックの点を打つ。コンピュータ・ソフトウェアによって導かれて、印字ヘッドはこれらの数100万のプラスチック・ビットを、層にしていき、徐々に固体に作り上げる。

エンジニアや工場は大きな高額な3Dプリンターを20年以上使ってきた。しかし、MakerBotは、高級なPCやテレビくらいの値段である、2200ドルという価格で、シンプルなものを作った。

ボストンは MakerBotにとってはニューヨークマンハッタンに続いて、2店舗目である。ニューヨーク店ではプリンターを売るだけでなく、印刷業務もしている、ステープレスやビスタプリントの3Dバージョンだ。(*日本のキンコーズのような感じ)

ボストンの店でもプリントサービスを近いうちに始める予定だ。
”ボストンは私たちのメイン顧客のいる場所です。ボストンにある寮の部屋に沢山納品しましたよ、ちょうどミニ冷蔵庫の上がいい場所です”

MITメディアラボのスピンオフであるFormlabsは、2月に3300ドルのプリンターを販売する。ケンブリッジのMatter Labsはウェブ上で3Dデザインをユーザーにしてもらうソフトウエアを作り、ボストンのスタートアップである 3-Sparkは組み込み式の電気部品でものを作るプリンターを開発している。

新しいデバイスのプロトタイプをMakerBots の3Dプリンターを使って作っている会社もある。環境保健の研究開発をしている会社では、分子は平面ではわかりずらくても3Dにすれば、手にとってまわすこともできるので分子構造を3Dで作っている。

生まれつき左手の指がない、12歳のLeon McCarthy君はサッカーさえできる、3Dプリンターを借りて作ったカスタムメイドの義手を見せた。

”普通の義手は何十万(円)もしますけど、MakerBot の3Dプリンターなら5ドルくらいでできるかな。”

最近サッカーボールをつかむ時腕をおって、新しいのにつけかえた。そして、今度はもっと人間らしく、拳骨にした時もっと丸くなるようなものを作りたいといっている。

一方、印刷業界のアナリストは3DプリンターはPCのようには人気がでないだろうとみている。

“3Dプリンターのハイプサイクルが今高い(*新技術の登場によって生じる過度の興奮や誇張、そしてそれに続く失望、回復、安定のサイクルで、今非常に期待や興奮度が高いところにある)が、消費者がこれらのものを買って、家で何かを作るということは考えにくい、なぜならターゲット(ディスカウントストア)やウォルマートにいったほうが簡単だし、安いから。でも3Dプリンターは安くデザインして、商品を作りたい趣味のある人や起業家には
人気がでるでしょう。小売店ではそんなに売れないと思いますが、PR効果は抜群で、絶対に話題にはなるでしょう。”

ここまでが要約です。セラミックの物ができる3Dプリンターもあるらしいです。お皿は自分でデザインできて、砂糖でできた寿司とか、3Dプリンターでできたりするのかなあ。
家具とかまでプリンターで できてしまったりすると、なんか変な感じですね、偽物にかこまれているみたいな。。。もうちょっと格好いい妄想ができるといいのですが、無理そうです。(笑)
どらえもんの世界に一歩近ずいた感じがしますね。3Dプリンターの話はまだまだこれから、色々でてきそうです。

起業したい人は大学に行く必要があるのか?

起業するのに大学に行く必要があるのか、そもそもなぜ大学に行く必要があるのか、という問題です。

ボストングローブ 10月10日

MITで行われたイベントでPayPal(オンライン決算システム)の共同創始者Peter Thiel 氏は、起業家にとって大学にいくことはお金の無駄であり、学校をやめてさっさとビジネスを始めたほうがいい、と発言した。

億万長者のPeter Thiel 氏は自分の資産を使って、聡明な若者達に10万ドルを出資し、大学をやめてサンフランシスコにある彼の機関で、革新的なアイデアのために働いてもらう。

Thiel フェローシップは定期的にトップスクールにスカウトにきている。2011年以来、62人のフェローが選ばれその3分の1はニューイングランド地方の人達だ。そこには、MIT, ハーバード、ダートマス大学、そして高校を卒業していない学生も含まれる。Thiel の代理人は1000人の学生がMITと国中から集まるMITのハックイベントにきていた。

Thiel フェローシップ の共同創始者のJonathan Cain 氏は ”一番いい学びは教室に座っている事ではなく、何かをすることで学ぶ事だ”
と、イベントの最初にスピーチした。

のちの、ボストングローブ紙とのインタビューで彼は、“私がいいたいのは、世界を変えるために伝統的な道を通らなくても、いいということです、しなくてはいけないのは、何かを起こす事です。”

Thiel フェローシップ はハックMITのスポンサーでもある。このイベントはMITの学生のグループで組織されて大学が、運営しているわけではない。
MITの広報はThielのプログラムがはいっているということも、グローブ紙がコンタクトするまでしらなかった。

MITの有名なアントレプレナーシップセンターの、スタートアップの世界ではグルでもあるBill Aulet教授はThiel氏のスピーチにあっけにとられた。
”彼らは、これらの教育機関を利用しているのに、そんなものは必要ないというのか。”

Aulet教授は ”Thiel氏はスタンフォードで哲学と法律の学位をもっているのに、他の人には教育が必要ないというのでしょうか。”といい、
MITの事務長のMartin Schmidt氏は、学生は学校にいならがらにして起業家として成功することもできる、とシンプルにコメントした。

”教育と起業は相反関係にあるというわけではありませんよ。MITで教育をうけた起業家が長期的に成功しているのは、現実の世界の機会や問題にもとずいた厳格な教育をうけているからです。”

Thiel氏はシリコンバレーの中だけの有名人ではない、フェイスブックの初めての外部投資家であり、50万ドルの投資を株を売る事で、10億ドルにした。
政治的にも活動をしている。
学歴もあり、母校スタンフォードでスタートアップの授業をしていても、 Thiel 氏は大学の学位の価値に疑問をもっており、“エジュケーションバブル” で学生や親の負債の負担がふえることを懸念している。

”職業訓練をうけても、今時、すごくいい給料がはいるよ、配管工の平均給料って、医者の平均給料と同じくらいだ”
去年 “60 Minutes’’のインタビューで彼は言っている、”みんな、もっとどうして、大学にいくのかについて考えたほうがいいと思う”

フェイスブックもアップルも、マイクロソフトの創始者もみんな大学を卒業していない。

彼は、年間20歳以下の学生20人までをフェローにしている。MIT, ハーバード、そしてダートマスとキャンパスを巡り、ネットワークを使って学生とのミーティングをしている。

フェローシップは学生のグループにビジネスのアイデアの実現の為に2年間で10万ドルを渡す。その間、起業家や、投資家、専門家とともにアイデアを磨いていく。2011年に始まって以来、1ダース以上のスタートアップが事業を興し、その中にはパーキングスペースを探すアプリや、薬を飲み忘れないようにするアプリも含まれる。

ハックMITを手伝っているMITの大学生は、”フェローシップは学生にとっては一つのオプションです、別に彼らのメッセージを支持しているわけではありません。”という。

実際、ハックMITは野心的で意欲のある若者をとらえるのとを引き換えに、30時間プログラムのコードを書き続けるためのコストを負担してくれる50以上のスポンサーマネー、グーグル、ツィッター、ベンチャーキャピタルをひきつけている。

これはThielとMITの初めてのもめ事ではない。2011年の時点でフェローになった学生は二人いた。MIT の入学管理責任者の Matt McGann氏はその二人にお祝いのメッセージを送っている。”2年後に戻ってきても、こなくても、上手くいくといいですね。”

以上が要約です。

大学を批判している割にはわざわざトップ大学から学生をリクルートするというのは、どうなのかな、とは思いますが、個人的には大学行くのと、行かないで、起業するの、どっちもありかな。もし、自分がこれだ、って思うものがはっきりしなければ保険の意味でも大学にいったほうがいいと思います。特に社会を生きる上でまだ人の基準というのが、学位とか資格なのかな、とも思うのですよね、彼だってスタンフォードをでて社会的な信用を得て、もしくは人脈を得て、ビジネスを成功させた、という点があるように思います。でも逆に、有名大学をでたからといってみんな成功するわけでもないので、それだけではたりない。

起業して上手くいかなくてまたMBAを取り直す人もいれば、とりあえず事業を始めてしまって上手くいってしまう人もいる、MBAにいったからといって、起業するわけでもなく、就職活動して、それでも思ったようなポジションをつかめない人もいますし。
ようするに、”起業”という観点からみるならば、大学やMBAというのは実は、始めから起業する力のある人のためのものではなくて、反対に、そこにいけば、誰でもある程度、最低限起業に必要な知識を得る事ができる、ということなのでしょうか。

先日スイスの連邦工科大学の学長が、大学に行きたいという人が増えているが、大学側は受け入れる人数の枠を増やすつもりはない、といっていました。理由は職業訓練制度が機能しているので、みんながそれぞれ自分に見合った職業をみつけるべきである、と。また、大学をでなくても、その道の勉強を続けていく中で、金銭的にもあまりかわらないか、もしくは職業訓練を受けた人のほうが上回る場合もあり得るからだと考えられます。

それにしても、選択肢があるっていうのはいいですよね、自分がやりたいことが明確な場合は。

インキュベーターが支援する新しいホール

ケンブリッジにある、世界で一番スタートアップが集まっているCIC (ケンブリッジ イノベーションセンター)は、MITやマイクロソフト、グーグルのそばにあるインキュベーターで、賃料月に350ドルから事務所を構えられます。そこにVenture Cafeという、起業家同士がお互いに集まったり、意見交換をしあったりできるカフェが入っています。ここでは毎週、木曜にはテーマに沿ったイベントがあり、起業家や投資家も参加して互いに交流し合います。

そのベンチャーカフェが、ウォーターフロントに新しく District Hall というホールを作りました。ここはイベントスペースで、マスチャレンジのようなインキュベータがピッチイベントをしたり、小さな会社がバイヤーの為の商談をするスペースがあったり、イベントスペースとしては約470人ほど収容できます。隣にはレストランも併設、イベントホールの中にはバーもあります。

ボストングローブ紙 11月 4日

ボストンの新しいDistrict Hall(ディストリクト ホール)はいろんな事に使える。イベントスペース、ミーティングスペース、レストラン、そして道場。

いえいえ、ミスターミヤギはきませんけど(*ベスト•キッドの師匠です)
11月23日にはデジタル空手道場が開かれる。ウェブとモバイル開発、コンピュータプログラミングとゲームデザインが学べる。

この一日セッションは27ヵ国でコンピュータークラブを運営している、ノンプロフィット団体のCoderDojoによって行われ、Polaris Partnersというベンチャーキャピタルによって支援されている。10歳〜14歳の子供は無料で参加できる。

今回の講師は、CoderDojo の創設者のJames Wheltonで2年前にアイルランドでコンピュータクラブを始めた。
Whelton氏は CoderDojoの運営するコンピュータクラブをサポートする為に、今年ハローワールド財団を設立して、Polarisは財団の初めてのコーポレートスポンサーになった。

Polaris managingのパートナーは、
”CoderDojoへの投資は、私達みんなの将来に対する投資です。私達の世代がスポーツやアートの世界でしてきたように、新しい世代の起業が技術力で繁栄することを創造してみてください。この、サポートはとても特別なことです。”

という、記事です。

ベンチャーカフェは、起業家同士や、投資家と結びつけたり、スタートアップが活性化するような仕組みを作ったりしています。
このホールができたことで、一般人となかなか交流しにくかった、スタートアップの世界と、一般消費者との距離が縮むような気がします。

日本でも10代の子供たちがプログラミングを習える機会がふえているようですね。色々な事が低年齢から始めないといけなくなっている、というかできるようになっている、ようです。なんでも自分の才能を早くから見極めることができる人ほど、又 好き、と得意な分野の組み合わせを見つけられる人ほど成功のチャンスが増えるのかな、という感じです。親も様々な意味でのサポートが要求されていますね。

未来の社員証は経営の突破口になるのか、それとも職場が監視下におかれるのか?

子供の頃のアメリカのイメージは、カリフォルニアの青い空、海、そして自由の国!
だったのですが、現在のアメリカは国家安全保障の名の下に、どんどん自由を奪われている気がします。そこらじゅうにカメラがあり、ビザはますますややこしくなり、書類は増え、世界のどこにいっても、追いかけてくる...政府だけでなく、企業までこの流れに乗り始めたのでしょうか。

”ソシオメトリー” という考え方(心理学用語集によると、集団内の心理学的構造を数学的に研究する方法のこと)は経営の突破口になるのか、それとも職場の”ビックブラザー”(スターリンがモデルとなっていると言われる、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場する架空の人物)になるのでしょうか?

未来の社員証?の話です。

ボストングローブ紙 11月3日

経営の突破口になるのか、それとも職場の”ビックブラザー” になるのか?

あなたの社員証が出社時間だけでなく、いつけんかをして、今日一日どの部署を訪れたか、どのくらい おしゃべりをしてどの程度 人の話に耳を傾けていたか追跡できるというのは、空想の中の話ではなさそうだ。

ボストンのスタートアップである、Sociometric Solutions(ソシオメトリック ソルーションズ)が開発した、首から下げられる”ソーシャルセンサーバッチ”(会社のIDカードのサイズ)を実際、いくつかの企業が採用している。センサーとワイヤレスのコミュニケーターがすでに小さく、価格もそれほど高くないので, ”まもなく、どの社員証にもセンサーがつく” という、CEOのBen Waber の発言には驚かない。

最近のモデルでは、いつ いすに座っているかとか、いつ歩き回っているか、オフィスのどこにいるかも把握できる。例えば、開発チームは、顧客サービス課の人とは話をしないこともわかる。

カメラがついているわけではない。ソーシャルセンサーバッチには、赤外線のセンサーがついていて、いつあなたが他の人と集まっているかを感知する。会話の内容は録音されないが、あなたがどれだけ 聞くよりも、話をしているか、どれくらい、人の話に割り込んでいるか、を認識し、あなたの声の調子も感知する。

これは、NSA (国家安全保障局)型のマネージメントと、よばれるかもしれない。

しかし、ウェブ上や携帯電話で 会社はすでに、文章、イメージ、レイアウト、を使ってあなたをテストしているのだ、あなたにはこの商品を テレビで売った方がいいのか、アマゾンで売った方がいいのか、それともアンケート調査をした方がいいのか。

それによって、ページをデザインし直すことも可能だ。
だが、オフィスや、実店舗になるとこのような実験は難しい。

例えば、このソーシャルセンサーバッチをつけると、小売業では顧客の為にもっと時間を使う為 に、会社はどうしたら社員が管理的な業務を他の時間にできるかという事を、調べられる。

去年はCubistという抗生物質を製造販売している会社でマーケティング業務に携わる30人の社員に1ヶ月ソーシャルセンサーバッチをつけてもらった。実験により、ランチの時間、社員は会社の外に食べにいくか、オフィス内で食べるかで、あまりお互い、関わりをもっていなかった。だが、会社側は、昼時間にもっと他の部署の人と会話をしてもらいたいと、 思っていた。そこで、カフェテリアを改装して、家具も変え、新しい食べ物の販売機もおいて、状況がかわった。

ソシオメトリックはまた、従業員が扱うEメールの量に関するデータ、誰が誰にメールを出す事が多いのか、というデータも集める。 研究によると、一番成功している人は、一番情報の流れが多かった。

難しいのは、幹部も含め、会社の全ての人にこのバッチを配ることで、コミュニケーションが効果的になるということを理解してもらうことだ。もちろん、だれもがこのビックブラザーバッチが好きとは限らない。

人材コンサルティング会社OrgSpeedの創設者のAlexandra LaMaster氏は
”従業員と雇い主に信頼関係があれば、あなたが部門間でもっと会話が必要だとか、仕事の結果を出す為にやっていることだと、理解があるでしょう。でも、信頼がないと、監視されているだけだと感じます。ある種のカルチャーがある、適切な職場では効果的に使えそうですね。” という。

個人的なデータ、例えば Aさんは今日の午後2時に何をしていたか、という データは提示しない。データは個人の特定はされずにまとめて集計される。

小売店で二人の店員がおしゃべりしている間に、またされないですむという為にはソシオメトリックは大きなビジネスになりうる。

しかし、どっちにしても、ソーシャルセンサーバッチは現場で働いている従業員よりも、上司にうけがいいだろう。

以上が意訳になります。

ようするに、どこの会社にも受け入れられやすいものではないけど、一部の業界では上手く使えばいろんな効率があがるということでしょう。Sociometric Solutions社の意図には反するかもしれませんが、プロジェクト各とか、何かの問題の解決の為とか、目的を限定すると、効果的に使えるかもしれません。

意外と、オフィスシステムを販売するビジネスとか、建築事務所等、事務所の中の人のフローを把握する必要のある、業界にも、役立つかもしれませんね。

全社員に普及となると…そうですね、事務所の中にいる間とかだけなら仕方ないにしても、社内恋愛は難しくなるかもしれません。(笑)

女性起業家が投資家から資金調達をしやすくする為には何が必要か?

週末のボストングローブマガジンでは、マサチューセッツ州にある企業で、CEOが女性の100社の特集をしていました。

起業の世界では、女性の社会進出が日本より進んでいるアメリカでさえも、女性が率いる会社に、ベンチャーキャピタリストが投資する割合は7%しかないそうです。

女性はそもそも、ベンチャーキャピタリストにとって魅力的ではない産業分野で起業する傾向があるにしても、女性が資金調達しにくい理由として、他の要素もあるというリサーチです。

別冊 ボストングローブマガジン 11月3日

投資家としてはもちろん、ビジネスの市場規模とか需要とか、の点を確認するが、会社のリーダーをどのように評価するのか?
ある投資家は、この経営者と朝ご飯、昼ご飯、晩ご飯を一緒に食べたいか、で評価するといい、他の投資家は、朝一番に起きた時に思い浮かべる人かどうか、で判断するという。これは、ファイナンス的なアプローチというより、ソウルメートを見つけるアプローチに近い。その視点でみると、女性の起業家にとってはそれはフェアではない。

ハーバードビジネススクールとウオートンスクールとの共同研究で、わかったのは投資家の前でピッチ(プレゼンテーション)をした時に男性がした時のほうが、女性がした時よりも、40%も投資してもらえる確率が高いということだ。又、投資家は魅力的な男性のプレゼンが好きで、魅力的な女性のプレゼンは, 魅力的でない男女のプレゼンよりも、よくないと思っている。

ベンチャー投資家を批難しているわけではない。投資判断のプロセスは、システマティックで厳格なものであるが、社交的でもあり、とても感情的なものでもあるのだ、そこに偏見がはいりやすい。もちろん投資家もそのことに注意をはらうべきだが、女性の起業家としてもできることがある。

1 制服を着る

私は今までに何百というピッチをみてきたが、男性は着るものにあまりこだわらない。一方女性は(自分も含め)着るものにこだわる。結局男性は仕立てられたスーツをきるか、ボタンダウンのシャツを着て、スキニージーンズをはき、スニーカーをはく。男性は社会のルールにのっとっているので、人々は彼らの話す言葉に集中する。私は女性も、”制服”のようなものを、きるべきである、と提案する。女性の起業家が話す言葉に、集中してもらえるような、ファッションを作ったらどうか。

2  自信のある声で自己主張をはっきりする

クラウドファンディングやオンラインのビデオでのピッチが増えてくるに従い、人が興味をもってみてくれる時間が短くなっている。研究では男性はプレゼンの始めの数分がより自信をもって、プレゼンをしているという結果がある。ボディーランゲージも、自信があるようにみえ、声もパワフルだ。まるで、”私が世界の一番大きな問題を解決する道をみつけました”、といわんばかりだ。一方、女性は控えめで、全てのアイデアを主張しない、”私は問題の一部を解決できます”、というように。

話している時に、手をどこにおくか、何を強調して話すか、そして特にどうやってプレゼンを始めるかにもっと、気をつかうべきだ。

3  自分の仕事の一つであるように、ネットワーク作りをする

実際、ネットワークを作る事は仕事だ。研究結果では女性のほうが男性より、社会的にも職業的にもネットワークが狭い。
研究によると、アカデミックな女性達は同じようなキャリアのある男性に比べて、諮問会議や取締役会にはよばれにくい、これは彼女達が断っているから参加できないわけではなく、そもそも呼ばれないのだ。

自分が職業的に強いつながりがある人からの、紹介を介して投資家とのミーティングにいくこと、そのほうが時間をとってもらえたり、興味をもってもらいやすい。

4  スポーツ観戦をする

投資家が40代の既婚で子供が2人いる男性だとして、どうやって若い女性がその人達と知り合えるのか。
この提案は馬鹿げたことだと思われるかもしれないが、これは実用的な意見だ、スポーツについて話すことを学ぶべきだ。
スポーツについて話すことで社交的な空間を作る事ができ投資家は、あなたが物事をどのように考え、どのように意見を理論だてて話すかを確認することができるのだ。

着るものや、話し方に気をつかったり、スポーツを見たりすることは、ささいなことのように思えるが、私の研究では小さいことが、世界を違ったものにする事を示している。

以上が要約になります。

このリサーチをしたのは、MITのスローンスクール(ビジネススクール)の、起業学の教授である Fiona Murray教授(女性)です。

起業の世界はもともと男性の世界で、そこに女性が入るということは、いやでも自分が女性であることを意識せざるおえない、環境なんだなあ、と思います。実は、性の差を意識しているのはプレゼンしている女性側よりも、それをみている男性側のほうかもしれません。

この教授が指摘している点の一部は、日本の場合は必ずしも合わないのかもしれませんが、
そもそも日本の場合は、男性だろうが、女性だろうが起業をしやすくするという環境を作る事自体が問題なのかもしれません。