ロシアがボストンの会社からテクノロジーを盗もうとしている?

今朝のボストングローブの一面、まるで1970年代の冷戦状態に戻ったように、ロシアの投資会社がボストンエリアにある会社のハイテク技術を盗んで自国の軍隊に引き渡そうとしているというFBIからの警告がのっていました。(Beta Boston 4月8日)
確定的な証拠がないって、書きながらこういうニュースが新聞の一面にでるって、かなり政治色が強い感じがしますが・・

FBIのボストン事務所は、もしマサチューセッツやシリコンバレーにあるロシア資本のベンチャーキャピタルから資金提供をうけてテック関連企業で起業家達が活動している場合、彼らがしらないうちに産業スパイに引き込まれる可能性を示唆して警告をしています。

特に、何かが起こったという証拠はなくても中国と似たように、ロシアも知的財産権に関しては甘く、ここ数10年間にわたる中国企業による知的財産権の侵害による経験からの警告だとFBIは言っています。何か起こる前に釘をさしておこうというスタンスだそうです。

実際、どのロシアのベンチャーキャピタルかを、名指ししていないまでもボストンに事務所をおく RVCと、シリコンバレーに拠点をおき、マサチューセッツにあるいくつかの会社に投資しているロスサノ( RUSNANO) という2社に対しての警告でしょうか。 ロスサノ はここ4年間に12億ドルもアメリカの会社に投資をしてきています、この警告に対し、CEOはエイプリルフールのジョークかと思った、という反応。

RVCはボストンのスタートアップシーンで活躍しており、マスチャレンジのプログラムにも投資してきました。このような曖昧な警告はロシアからくる投資関連の会社に対して警戒心を抱かせると言っています。
ロスサノはボストン周辺では6000万ドルほどの投資を再生可能燃料やバイオテック分野でしています。去年の9月にはスコルコボ財団(メドヴェージェフ首相が設立)、RVC, ロスサノはボストンとシリコンバレーで政府、ビジネス関係者を招いてロシアイノベーションウィークを開催して2国間のビジネスの関係を促進させています。

この警告に関してはクリミアの件がある前の2月にすでに動いていてたということで、3月には米国商務省は、防衛関連製品および軍事用途にもなる「デュアルユース」の技術のロシアへの輸出用の新しいライセンスを禁止しました。FBIの警告はプーチン大統領に近い経済界のリーダーに対する制裁をすることでロシアに対する圧力をあげるものとしてとらえられています。

FBIは去年スコルコボ財団がロシアの防衛請負業社とかわした契約を問題視しており、財団のアメリカでのパートナーの研究結果がロシア軍にいくことを警戒しています。
そして、地元の会社や大学にこれらの海外投資家からのアプローチには近ずかないようにいっているのです。

スコルコボ財団はMITと協力してスコルテックという工科大学院をモスクワ近郊に作りました。しかし、FBIは財団はデュアルユースの技術にアクセスするロシアの政府の手段となりうる、と警戒しています。
MITは教育、リサーチ、起業のプログラムの設立を援助しスコルテックは2012年の秋に初めての学生を受け入れました。MITはアメリカの輸出制限法を遵守しており、主にこのプログラムの目的はその国での起業を促進させる為にあるとしています。

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ロシアは綺麗なお金かどうかは別にしても金銭的に大きく投資ができる環境にあり、ボストンのイノベーションシーンの仕組みをどん欲に取り込もうという動きが大学機関のレベルからも聞こえるのは確かです。しかし、これはロシアに限ったことではなく、イスラエル、中国、韓国、ヨーロッパや南米の国もこの動きを加速させています。(日本が静かなようでこれはこれで心配ですが。。。)今まで、グッドウィルで動いていた活動にまで規制がかかり、法的にも金銭的にもややこしくならないといいのですが。

スタートアップがベンチャーキャピタリストを探すのは恋人を探すようなもの

ボストンには沢山のスタートアップがありますが、特にソーシャルメディア系の場合、ボストンで資金調達をするのは難しいようで、例えば、Facebook, Evernote,やDropboxのようにボストンで立ち上げても、資金調達できずカリフォルニアに移動する会社が多いです。モバイル系のスタートアップのCo Everywhereの資金調達に関しての話が1月5日 ボストングローブにありました。

Co Everywhereは資金を集める為に地元のベンチャーの200もの会合に参加しましたが、誰も”NO”ともいわないかわりに、”Yes“とも言ってくれない、“次に会う時は会社の役員も一緒に。”と、いわれるのですが、大抵その後上手くいかなくなってしまうそうです。実際、200もの投資家に会う前にあきらめてしまう会社が多いのですが、彼らは違いました。もともとは2012年にBlock Avenueという名前でスタートし、アメリカの情報とレビュー(レストランから学校まであらゆる範囲の)を集めることをゴールとしていました。ところが当初、資金提供してくれていたエンジェル達は、いったい人々がどのくらいそのサイトを見るのか懐疑的でした。そこで、彼らは方向転換します。アメリカの街角で聞かれる、会話やおすすめの店や写真(フェイスブックやツイッター、インスタグラムからの情報)を見せるアプリを作ることにしました。

ウェレズリーにあるベンチャーキャピタルの会社は毎年1000ほどの投資機会があってもそのうち投資するのは3〜4のスタートアップ、ほとんどの場合、 ”断る理由を探している” そうです。結局、そのマッチングはデートをして、互いに気に入る人を見つけるようなもので、会う人が見つかるまでデート続けるか、あきらめるか。。。結局、Co Everywhereは去年の秋に、600万ドルの融資をうけることができ、今後2年間に、数百万のスマホにアプリをいれてもらえるように頑張ることになりました。

実際、100以上のピッチを投資家の前でしなければならないことは起業家にとっては現実であるようですが、それでもいままでにいくつもの企業を立ち上げてきたボストンLEDライトカンパニーのTom Pincince氏は “起業家はビジョンを信じ、それが現実になると他の人たちが納得するまで働きかけることができる人です、そうでなかったら、沢山のイノベーションは起こらなかったでしょう。”

この、アメリカ人の ”ノーといわない、文化” 、私には非常に意外でした。私も、アメリカにきてから、本当にアメリカ人って ”ノー” といわない、とびっくりしているのですが、これはボストン人だから?それとも西海岸の人達は違うのでしょうか?
地元の人いわく、”我々はノーといわずに済むように、会話を続けることを学ぶんだ” ってまるで、日本人のよう?っていうか、今時、日本でも結構ちゃんとノーといえる、状況が増えてるように思うのですが。。。特に、イエス、ノーがはっきりしているヨーロッパからくると、ノーといわないからいいのかと思っていると、そんな事は全然なかった、という失敗が私にもあります。最近は、すぐに ”Yes” と言ってもらえない時はいい兆候ではない、と判断するようになりましたが。

とにかく、”Yes”といってもらえるまで、探し続ける、普通の神経なら、自分が間違っているのではないか、と思いますよね。自分を100%以上信じていないと無理です。
さあ、投資家をみつけるのと、生涯の伴侶を見つけるのと、どちらが難しいのでしょう?
ちなみに “独身アラフォー女性は果たして10年後に結婚できているのか?” という記事にある平成22年の国勢調査のデータによると、過去10年の統計からは、独身アラフォー女性が10年後に結婚している確率は1%未満らしいです。。。うーん、なんか悩ましいですね。

参考記事:ベンチャーキャピタリストとピッチイベント

2014年はソフトウエア、ウェブ関連のIPOが目白押し

2013年はバイオテックの一年でボストンのバイオテック関連の企業10社がIPOをしました。
今年はソフトウエア、ウェブ関連のIPOが続きそうです。少なくとも、ボストンエリアの12のソフトウエア、ウェブ関連の会社がIPO予定です。
その中には、ホームグッズ販売の Wayfair LLC、ペットケアと在宅介護のCare.com Inc、アーバンストリートウエアをうるeコマースのKarmaloop Inc.等があります。

また、ボストンの会社以外でもクラウドサービスのDropbox、オンラインの不動産会社 Redfin、モバイルのソフトウエア会社 Good Technology,、モバイル決済のSquare、中国のeコマースアリババグループと、大きなIPOが控えています。

スタートアップへの評価と投資家の関心が急上昇していますがこれはまるで1999年のアメリカのITバブルを思い起こさせる状況のようです。

女性起業家が投資家から資金調達をしやすくする為には何が必要か?

週末のボストングローブマガジンでは、マサチューセッツ州にある企業で、CEOが女性の100社の特集をしていました。

起業の世界では、女性の社会進出が日本より進んでいるアメリカでさえも、女性が率いる会社に、ベンチャーキャピタリストが投資する割合は7%しかないそうです。

女性はそもそも、ベンチャーキャピタリストにとって魅力的ではない産業分野で起業する傾向があるにしても、女性が資金調達しにくい理由として、他の要素もあるというリサーチです。

別冊 ボストングローブマガジン 11月3日

投資家としてはもちろん、ビジネスの市場規模とか需要とか、の点を確認するが、会社のリーダーをどのように評価するのか?
ある投資家は、この経営者と朝ご飯、昼ご飯、晩ご飯を一緒に食べたいか、で評価するといい、他の投資家は、朝一番に起きた時に思い浮かべる人かどうか、で判断するという。これは、ファイナンス的なアプローチというより、ソウルメートを見つけるアプローチに近い。その視点でみると、女性の起業家にとってはそれはフェアではない。

ハーバードビジネススクールとウオートンスクールとの共同研究で、わかったのは投資家の前でピッチ(プレゼンテーション)をした時に男性がした時のほうが、女性がした時よりも、40%も投資してもらえる確率が高いということだ。又、投資家は魅力的な男性のプレゼンが好きで、魅力的な女性のプレゼンは, 魅力的でない男女のプレゼンよりも、よくないと思っている。

ベンチャー投資家を批難しているわけではない。投資判断のプロセスは、システマティックで厳格なものであるが、社交的でもあり、とても感情的なものでもあるのだ、そこに偏見がはいりやすい。もちろん投資家もそのことに注意をはらうべきだが、女性の起業家としてもできることがある。

1 制服を着る

私は今までに何百というピッチをみてきたが、男性は着るものにあまりこだわらない。一方女性は(自分も含め)着るものにこだわる。結局男性は仕立てられたスーツをきるか、ボタンダウンのシャツを着て、スキニージーンズをはき、スニーカーをはく。男性は社会のルールにのっとっているので、人々は彼らの話す言葉に集中する。私は女性も、”制服”のようなものを、きるべきである、と提案する。女性の起業家が話す言葉に、集中してもらえるような、ファッションを作ったらどうか。

2  自信のある声で自己主張をはっきりする

クラウドファンディングやオンラインのビデオでのピッチが増えてくるに従い、人が興味をもってみてくれる時間が短くなっている。研究では男性はプレゼンの始めの数分がより自信をもって、プレゼンをしているという結果がある。ボディーランゲージも、自信があるようにみえ、声もパワフルだ。まるで、”私が世界の一番大きな問題を解決する道をみつけました”、といわんばかりだ。一方、女性は控えめで、全てのアイデアを主張しない、”私は問題の一部を解決できます”、というように。

話している時に、手をどこにおくか、何を強調して話すか、そして特にどうやってプレゼンを始めるかにもっと、気をつかうべきだ。

3  自分の仕事の一つであるように、ネットワーク作りをする

実際、ネットワークを作る事は仕事だ。研究結果では女性のほうが男性より、社会的にも職業的にもネットワークが狭い。
研究によると、アカデミックな女性達は同じようなキャリアのある男性に比べて、諮問会議や取締役会にはよばれにくい、これは彼女達が断っているから参加できないわけではなく、そもそも呼ばれないのだ。

自分が職業的に強いつながりがある人からの、紹介を介して投資家とのミーティングにいくこと、そのほうが時間をとってもらえたり、興味をもってもらいやすい。

4  スポーツ観戦をする

投資家が40代の既婚で子供が2人いる男性だとして、どうやって若い女性がその人達と知り合えるのか。
この提案は馬鹿げたことだと思われるかもしれないが、これは実用的な意見だ、スポーツについて話すことを学ぶべきだ。
スポーツについて話すことで社交的な空間を作る事ができ投資家は、あなたが物事をどのように考え、どのように意見を理論だてて話すかを確認することができるのだ。

着るものや、話し方に気をつかったり、スポーツを見たりすることは、ささいなことのように思えるが、私の研究では小さいことが、世界を違ったものにする事を示している。

以上が要約になります。

このリサーチをしたのは、MITのスローンスクール(ビジネススクール)の、起業学の教授である Fiona Murray教授(女性)です。

起業の世界はもともと男性の世界で、そこに女性が入るということは、いやでも自分が女性であることを意識せざるおえない、環境なんだなあ、と思います。実は、性の差を意識しているのはプレゼンしている女性側よりも、それをみている男性側のほうかもしれません。

この教授が指摘している点の一部は、日本の場合は必ずしも合わないのかもしれませんが、
そもそも日本の場合は、男性だろうが、女性だろうが起業をしやすくするという環境を作る事自体が問題なのかもしれません。

バイオテク(生物工学)関連のスタートアップは2億6600万ドルを獲得

バイオテク産業は投資額が大きく、なかなか黒字になりにくいので、長期的な投資が必要といわれていますが、それでもボストンがバイオテク世界でのハブになれるということは、ボストンの投資家の層が厚いということがいえそうです。

ボストングローブ紙 10月18日

バイオテク関連のスタートアップは2億6600万ドルを獲得

株式市場の上昇といくつかの株式会社のデビューが成功して、投資家は今年の第3四半期の間に、ボストン地域で2億5000万ドル以上をバイオテク関連のスタートアップに注ぎこんだ。

トンプソン・ロイターからのデータによると、前四半期はここ10年で最低レベルだったが、今期はボストン地域のバイオテク関連株のIPOが非常に成功し2億6600万ドルの投資の波がきた。

投資家の製薬会社への興味を惹き付けた エナンタ ファーマシューティカルズ社 ブルーバードバイオ社、.アジオス・ファーマシューティカルズを含む、マサチューセッツ州でのIPOに続いて、9月下旬には ファンデーション・メディシン社は1株 18ドルで発行され、1億600万ドル集め、木曜日には、1株34.88ドルで引けた。

ライフサイエンスとソフトウエアのスタートアップに投資するケンブリッジにあるアトラスベンチャーのJeff Fagnan氏は ”今、バイオテクは急成長しており、関心をひきつけています.” という。プライスウオーターハウスクーパーズのマネーツリーレポートによると、アトラスベンチャーはここのところ最も活発な地元のベンチャーで、四半期の間およそ25のスタートアップに投資している。そしてその大半はボストンにある。

ニューイングランド地方での第三四半期のベンチャーの投資額は7%上がり8億7000万ドルになり、全米規模では11%アップして77億ドルになっている。

全国的に、ソフトウェア スタートアップへの投資額は35億6000万ドルに達しているが、それは10年前の急成長しているインターネットブームの頃のレベルには至らない。それでも ボストンで、ソフトウエア関連では、期間の間取引の最大多数を占めた。
ボストンエリアのソフトウェア企業では、ただ一つ、ウェルズリーの、携帯支払い会社Paydiant社だけが前述のマネーツリーリポートが発表する地域の10の大きな取引としてリストされており、投資額は2050万ドルだった。

ソフトウェア スタートアップへの投資額が落ちている理由は、資本集約的なバイオテクノロジーや医療機器の会社に比べて、少ない資本でスタートできる点である。投資会社アトラス社のFagnan氏は 沢山の会社は数百万ドルでスタートできるから、これから投資の平均値はさがっていくだろうとみている。

以上が要約になります。
ソフトウエア関連産業はコストがあまりかからず、また場所も問わないで起業できるので安く、早く世界に浸透しやすいメリットがあります。そのソフトウエアの特有性をうまく使った、バイオ関連産業が発達してくると、収益が早くあがる仕組みができるかもしれません。