高校生向けのedXがスタート!

edX が高校生の為のカリキュラム(26科目ほど)を来月から始めます。

数学やサイエンス、コンピューターサイエンスのイントロダクション的な授業とAP(Advanced Placement Class)テスト対策のコースがメインのようですね。

コースの提供は19の大学や高校から行われるそうですが、こうなった背景には、大学に入学したものの、基礎理解ができていないことで授業についていけない人達がかなりの数いる(例えば大学で行われる物理の授業には高等数学の知識が必要なのに、それが足りない為についていけない)一方、できる学生達はどんどん、高校生でも上級のクラス、例えば大学の単位として認められるAPクラス(テスト)をとったり大学の授業を一部受講したりしている子達がいるという現実があります。学校によってAPクラスがそれほどないところもあるのでedXでAPクラスをとってテスト対策にするということも可能でしょう。実際、高校生くらいになると、例えば数学ができる子、できない子(得意な子、不得意な子)の差はかなり大きくなり、15歳くらいからハーバードの通信クラスをとっている子供達もいるくらいですから、得意なことはどんどんのばそう、というアメリカの考え方からは自然な流れだと言えます。また、先生が授業の一環にこのコースのマテリアルを使うこともありえます。
edXでは現在、300万人もの高校生の年代の学生が登録をしているそうです。

また、数ある大学の中から自分にあった大学をどうみつけ、どうやって大学に申し込みをするのか、大学側の条件や、ファイナンシャルエイドについて教えてくれるコースもあります。今回提供されているコースは高校から大学に行くギャップを埋めるコースと言えるかもしれません。

TED× Cambridge 2014 Fall -目が見えないことが新しい脳力を開花させる-

先日のTEDトークの続きです。
もう一つ、とても印象に残った話は脳神経科学者であるLotfi Merabet博士の話です。

人の人生にネガティブなインパクトを与える病気や障害は何か、とういう質問をしたところ、1番ネガティブなインパクトがあるのは目が見えなくなること、その次にHIVにかかること、癌になること、と続くそうです。

目がみえないというのが一番にくるのは、そうなったらどうなるのか理解できないという恐れからくるものと考えられます。
Lotfi Merabet博士はどのように脳が視力障害に対応するのかを調べています。
実際生まれた時からほとんど、目が見えないエスレフ・アーマガンさんという画家がいるのですが、彼の描く絵が非常にすばらしい、(見た事もないはずなのに、本物と同じくらいにかけている)ことに注目し絵を描いているときの脳の活動を分析したその結果、今まで一度も物を見たことがないにも関わらず、脳の視覚野(人が何かを見ている時に活性化している部分)が活発に活動していていたということがわかったそうです。彼は脳のその部分で、ものを認識しており、脳の中にイメージを作り、そして現実とほぼ同じ色、そして形を表現しています。
目が見えないということで、もう一つの才能を開花させることができるといえるのです。

エスレフ・アーマガン氏の絵

エスレフ・アーマガン氏の絵

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本物を目でみたことがなくても、脳で認識できることで、色も正確に表現しているのですが、生まれてから色を認識したこともないのに、どうして、空を水色で表現できるのか、花を赤や黄色で書けるのか本当に脳の神秘そして、可能性を感じさせる話でした。

さて、今回のTED トークでは7組がスピーチをおえたところで、この7つの話を凝縮したコントを3人のコメディアン(俳優?)が行いました。
それぞれの話の内容の濃いのですが、それだけにもう一度、レビューをしないと、話を忘れてしまうのです。
少々残念だったのは、あまりにも盛りだくさんな内容で、焦点がぼやけてしまった感じがしますね。3〜5組までのほうが、内容が頭に残るので、インパクトももっと強かったように思います。

どこで勉強したかより、何を勉強したかはもっと重要?

いい大学に入れるか入れないかという格差もさることながら、何を勉強したかということによる将来の賃金格差も大きなものになっているようです。(ボストングローブ9月7日)

労働省のデータでは2013年、科学技術関連の分野で働いた場合の賃金が年間平均9万ドル、続いてファイナンス、保険が8万ドルと全産業平均の5万6千ドルを大きく引き離していますが、これから10年後の予測をした場合、賃金伸び率の予測の高い産業は建設業の27.6%、アート、エンターテイメント、レクリエーションの26.2%、そして科学技術関連の20.7%となっています。
アメリカの大学も青田刈りというのがあるのですね、得に今年はマサチューセッツの労働市場は順調で来年春卒業する学生でもう就職が決まっている学生もファイナンスやIT業界によっては大学にかかわらず出始めています。

アメリカ全体の7月の失業率6.2%と比べて、マサチューセッツ州は5.6%。
それでも、その恩恵を受けられるのは、”正しいスキル”を身につけた人達だけのようです。IT関連はまだまだ人材が不足しているのでエントリーレベルの給与は7万5千ドル、
それから金融危機を乗り越え、アナリストや、会計士を探している金融機関も注目をあびています。ソフトウエアのエンジニアやファイナンス関連の職種は、産業をまたがって必要とされる人材になっています。

しかし、移民の多い都市や低賃金所得者が集まる古い産業都市では労働省のデータによると失業率が8%を超えているそうで、製造業の分野ではこの先10年間でさらに給与が9.2%ほど下がるのではと予想されています。高校のみを出た人達の全米での失業率は大卒の失業率の倍、そして高校中退者の場合は大卒の3倍にものぼるそうで、基礎教育の重要さはどこもかわらないといえそうです。

人気があがる州立のマサチューセッツ大学

マサチューセッツ州にはハーバードやMITを始めに、有名な私立大学は沢山あるのですが、アメリカの学費の高騰によって、比較的学費の安い州立大学に人気が集まっており、投資効果という視点で見た時のお得感が人々に受け入れられています。マサチューセッツの州立大学は5校(アマースト校、ボストン校、ローウェル校、ダートマス校、ウースター校) からなっており、それぞれが独自に運営されています。

9月3日のボストングローブによると、この10年間で、マサチューセッツ大学の学生が30%ほど増えているとのこと。ダートマス校は9.5%増えているのに対して、ローウェル校は60%も増えています。実際、ボストンでもローウェル校はオンラインコース、社会人向けのコースの宣伝を雑誌や乗り物でもよくみかけますね。マサチューセッツの公立高校の卒業生の7人に一人はマサチューセッツ大学に行っている計算になります。人気に伴い、入学レベルもあがっています。アマースト校では2013年−14年の学費が州内の学生なら1万3000ドル程度と、3万〜4万ドル近くかかる私立と比べるとずいぶん安く感じるわりには、授業の質が高いこともいい評価につながっているようです。今年の大学1年生は高校でのクラスのトップ5位(平均)までの学生がはいってきています。マサチューセッツの高校のレベルが全米でも高いことを考えるとこの数字はかなりいいといえるのではないでしょうか。

よりよい教育の機会を提供する為にマサチューセッツ大学はこの10年間に30億ドルを、施設、教員等に投資してきたそうでこれが功を奏していると大学側は分析しています。

あなたは理系女子?イノベーションを起こすための超『理系女子』論

リケジョを超える、ハイブリッドなリケジョ?
総合科学技術•イノベーション会議有識者議員で東北大学名誉教授、レジオン•ドヌール勲章シェバリエ(フランス政府から授与される最高勲章)を受賞された原山優子教授による“あなたは理系女子?”という本があります。


あなたは理系女子? (イノベーションのための理科少年・少女シリーズ)

原山先生は14歳でフランスに渡ってから、その後大学では数学、スイスの大学で教育学、経済学を学び、イノベーションにおける大学の役割を研究することを専門とされている方です。
文系と理系の双方に精通している方で、そういう意味ではハイブリッドなリケジョともいえるのではないでしょうか?

この本では 前半は理系女子へ、又、理系女子を職場に持つ方々、理系女子をどのように育てるのか、ということについて書かれていますが、後半では、自叙伝風にその知識や知恵をどのように実際の人生の中で活用してきたのかということが書かれています。

その中で私が特に共感したのは以下の点です。

•“リケジョ”といっても、先生が経験上感じてきたことは、性差ではなく、むしろ“異なる価値観をもつ人”に対する組織の寛容性が低いこと。

•ロールモデルは必ずいたほうがいいというよりも、あくまでも可能性の判断材料や挑戦の対象であること。

•人とのつながりを大事にする事。

•感じる力を大事にする事。

•イノベイティブな人は文系と理系の精神が同居する人

•高校教育のありかた(大学入試のありかたを含め)を考える。

先生はフランスでバカロレア(高校終了試験)をとってから、フランスの大学で数学、その後、スイスで教育学、経済学と学ぶ国も、研究分野もクロスオーバーしているという“異分子”。日本人は一般的に、”普通でない”ものは苦手ですが、多様な価値観を受け入れるということはそこからイノベーションが始まりうる大事なポイントです。

大学入試のスタイルや高校卒業試験のあり方というのを考えるべき、(高校時代の勉強の仕方を考える)との提言をされていますが、それは今までのような、文系、理系にわけた分類(大学入試も、就職も)から高校時代に、もっと幅広い教育に切り変えてはとの話です。これは先生がヨーロッパ生活が長いということの反映だと思いますが、現状の日本はどちらかというとアメリカに近い形で本来、ヨーロッパの高校時代に学ぶことを大学の1、2年でしているため、アメリカや日本の高校を卒業しても、そのままヨーロッパの大学に入学することは難しいという現実があります。

原山先生はお子さんが3人おられてキャリア的にもずっと、第一線を走っていたわけでもなく、幼子を抱えていた時は家庭を大事にされていました。
人生の中で優先順位をつけつつも、その時にできることを精一杯するような、生き方はこれから研究職を目指したり、小さな子供を抱える方達にとっては参考になることが多いと思います。

とても60歳をこえているとは思えないほどチャーミングな原山先生。
研究職に性差はないといっても、その人柄のかわいさ(! )がやはり人を惹き付けるような気がします。

日本ではイノベーションがおきにくい、といわれますが、イノベーションを起こせる人材をどうやって育成していくのか、という知恵がはいった1冊と言えるのでないでしょうか。

参考記事:
OECDの学習到達度調査 PISA 2012からわかること
理系女子を育てる取り組み