脳トレアプリって本当に効くの?

脳トレのアプリは日本だけだと思っていたら、アメリカでもベビーブーマーに人気の高い商品だそうで、色々な商品があるらしいですが、専門家の間では、それが本当に有効なのかどうかは懐疑的でした。アメリカ国立老化研究所による全米2800人を対象にした実験についての結果、ある種の脳トレによる、効果というのは10年後まで、有効ということを1月13日のボストングローブでみつけました。

この実験では74歳の人たちを3つのグループにわけて、毎日60〜70分の脳トレー二ングプログラムを5、6週間うけてもらいました。

市場に出回っている大抵の脳トレはコンピュータ(機械)で行うものですが、この実験では
1つ目のグループには紙と鉛筆を使用し、文字と数字のパターンを使った推理問題にとりくんでもらいました。
2つ目のグループはコンピュータゲームでどんどん移り変わっていくスクリーン上で素早くイメージを区別するという能力をトレーニングしました。(情報解析のスピードをあげるためのトーレニング)
3つ目は記憶のトレーニング

1のプログラムを受けた人たちのうち、74%の人たちは10年たっても、能力は衰えていませんでした。
2つめのコンピューターゲームをした人たちの71%は10年後も同等レベル、しかし、記憶のトーレニングに関しては、専門家にもどうしてか理由はわからないのですが、トレーニングしても、しなくても結果は一緒、という結論でした。
又、この実験の参加者のうち60%は10年後も、買い物をしたり、お金のことを取り扱ったり、食事の準備をする事といった毎日の事に問題を感じていないそうです。

この実験で行われたテストの一つ、情報処理のスピードをあげるテストをPosit Scienceという会社が買い、プログラミングし直したバージョンを作りました。サイトでは無料のトライアルができるようです。(英語の練習にもなるかもしれません!)

この結果は痴呆にならないということではなく、脳トレには痴呆になりにくくする効果がある、ことが実証されたということになります。
寿命がのびて、早くリタイヤされた人が、健康なのに、頭がぼけてしまうと、周りも大変、という事もあるのでしょう。
実際に困るのは、認知能力や、情報処理能力が衰える事で、自立した生活が行えなくなり、介護費もかかるという点らしいです。

結果をみると、クロスワードパズルとか、数独というのは脳トレには最適なのでしょうね。鉛筆と紙を使うという部分がポイントです。ということは、数学の先生は頭がぼけないでしょうね。そのうち、デイケアセンターが塾のように、なってきたりして。。。

理系女子を育てる取り組み

オバマ大統領も、子供の教育、とりわけ、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング分野(STEM分野)を重視していて、それを教える先生達を養成することも重要だとしています。国全体でこれらの分野にかかわる人材が不足しているというのです。

changetheequation によると8年生(中学2年生)の数学を教える教員のうち31%しか、また、サイエンスでは48%しかそれぞれの科目を専門として勉強をしてきていません。小学校では2012年のデータによると1週間で2.6時間しか、サイエンスの授業時間はなく、1994年の2.9%よりも減ってしまっています。この問題を解消する為に、イノベーションを起こすための教育をする、という目標をオバマ政権は掲げています。

一方、2008年のマサチューセッツ州のSAT試験(大学進学適性試験)データからのレポートによると、22.5%の高校生がSTEM分野に関して大学で習おうとしているとのこと。
そういう状況の中で、理系女子を育てる為に頑張っている、サイエンスクラブ フォー ガールズというNPO 団体がボストンにはあります。STEM分野に関しては、得に女子に対するサポートが少なく、そこに特化した団体です。

これは、12年生まで(高校卒業まで)の女子を対象に、支援する団体であり、理系の女子をサポートしようとティーンエージャーの娘達をもつ母親が1994年にたちあげたグループでしたが、どんどん支援の輪が広がって 現在では小学生から科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学に興味のある女子達を育てるために様々なプログラムでサポートしています。

この団体、現在では1000人以上もの卒業生をだしており、支援もどんどん広がっています。小学校では、サイエンスって何?という事から始まり、高学年ではクラブのようになっていて、それぞれのクラブ、例えば、航空工学、なら企業からメンターがきて、そのメンターのもとに、色々勉強したり、作品を作ったりして、高校2、3年では企業によっては、夏休みにインターンシップをさせてくれるところや、大学のワークショップにも参加できるようなプログラムもあります。

スポンサーがすごいですね、IBM、マイクロソフトやノバルティス等のビッグカンパニー15社の他に、様々なイベントを通じファンドレージングで資金調達やボランティアを募集しています。
その道の専門家が、メンターとなってサポートしてくれるので、実際の企業での話もきけるでしょうし、将来の職業も具体的に想像できそうでアメリカではこういった、企業が直接教育に関わるようなプログラムが多いですね。スポンサーといってもお金を出す以上に、人をだしてくれれば、学校のクラブとは違って、もっと実践的なものになります。実際、このプログラムをとった高校3年生に去年会ったのですが、自分の興味のある分野のスペシャリストから指導をうけられて、わくわくするし、夏のインターンシップもすごい楽しかった、と興奮気味に話してくれました。ロケットサイエンティストになりたい彼女、彼女のやっている事は、私には技術的にはさっぱり、わかりませんが、楽しそうな顔!それを見るだけでも、こちらも幸せな気持ちになりました。

日本でも、定年退職した方々や、早期退職した方々が、こういった学校ではカバーしきれない分野を企業とつなげて支援をしてくださるといいのに、と思いますが、どうでしょう?

子供への金融教育の必要性

アメリカでは16歳から車の免許がとれ(18歳で軍隊、21歳でお酒、なんか不思議な順番です)その頃から、18歳にかけては車を買うとか、その為の保険を払ったり、大学への学費の事を考えたり、バイトや、もしくは就職してまとまった金額を手に入れたりして、お金との付き合いが本格的に始まってきます。

1月5日のボストングローブには、全米26大学でシカゴのNGO、MoneyThink によって提供されている金融リテラシーのコースをバブソンカレッジの学生が昨年9月から所得の低い若者に対して行っているという記事がありました。

収入を得ること、それを管理する事、ジョッブインタビューのレッスンやクレジットカードの責任もった使い方、その他のファイナンシャルスキルを教えます。
基本は、当たり前のことですが、入った金額以上のものは使えない、ということです。(どこかの国にも耳の痛い話のようですが)

教えをうける、子供達だけではなく、教える方の学生にとってもとてもいい経験で勉強になるとのこと、実際、人に教えるまで車を所有した時に年間どのくらいのコストがかかるのかしらなかったという大学生もいます。教える大学生も、自らお金に関する、問題に直面して、それをなんらかの形で克服した人が望まれます、例えば、貯金をしてバイクを買ったとかでもいいのですが。

実際に講義をしてみると、ばかばかしいことや、好きでもない映画にお金を払っていないで、お金をもっとためておけばよかった、という意見もきかれます。

授業がおわる毎に生徒達は10ドルのおこずかいをもらえますが(!)それでも半分以上の子供達は、最初の授業にでたきりで、戻ってきません。ということは残った子供たちはお金以上の魅力があるからその授業をとっているといえそうです。

日本では、子供におこずかいをあげたら、おこずかい帳を作り、自分で管理していくというのが、子供にとっての最初の金融教育なのかな、という感じですが、中には、子供の時から、普通に商売をしている子もいるでしょうし、まとまった金額を渡されて、運用させてもらえる機会のある若者もいたり、学費を自分で稼いでいる人達もいます。

個人的に感じるのは、お金との関わり方というのが、親のお金に対する態度というものにとても影響されるということです。親がどういう風にお金を稼いでいるのか、もしくは使っているか、節約しているか、で子供のお金に対する価値観が決まるような気がします。
“ヤバイ経済学” という本によると、子育てで大切なのは親が子供に何をするかではなく、親自身がどうあるか、ということ。
子供の金融教育を考える時、まず親から、ということかもしれません。


ヤバい経済学 [増補改訂版]

MOOCs(大規模公開オンライン講座)受講後の転職・就職成功率

MOOCsは特に海外から、勉強するにはとても便利なツールだと思われるのですが、それで実際、仕事を探すとなると、難しい、ということが判明したそうです。(12月16日、2013 The Chronicle of Higher Education)メジャーなところでいえば、Coursera, edX, and Udacityは、どこも優秀な成績をとった学生と、雇用主をつなげようと模索しています。実験的に、edXはMOOCsで勉強した優秀なコンピュータサイエンス専攻の学生868人と、グーグルや、アマゾン、SAPのようなテクノロジー会社とマッチングさせようとしました。ほとんどの学生は米国外からの学生で、そのうち多数がすでにプロフェッショナルとして働いている人達です。しかし、868人のうち、インタビューにいきついたのはたった3人、採用は誰もされませんでした。この実験が失敗に終わった為、edXでは職業紹介プログラムの中止、現在、edXは収益を生み出す他の方法を探しています。

MOOCsは役に立つのか?という記事でも、以前紹介しているのですが、実際には企業は何を勉強したかより、何ができるか、に重きをおくということ、上記の例では、候補者がほとんど外国人であるということや、人事担当者がまだ従来の教育システムでの修了証書を重視する、というのも大きい点らしいです。なんといっても、2012年にスタートしたばかりです。

それより、MOOCsは英語が学びたい日本人にとってはとても有効なツールだと思います。就職につながる資格、という意味ではまだ難しいにしても、無料のコースで自分の興味のある分野を時間をかけて、繰り返しみれば、確実に英語のリスニング力はアップしますし、クイズがでたり、事前に、資料を読んだりすることで、読解力もつきます。”話す力” という意味では、英語以前に日本語で何がいいたいのか、完結にまとめる力をつけてからでしょうか。日本語で自分の意見を完結にまとめられなかったら、外国語ではますます無理です。もし、話す機会を作りたいようならば、参加型のオンラインコースをとると、発言する機会も増えます。

学校の成績があがっても論理的思考能力、問題解決能力が向上するとは限らない

2013年の12月11日に発表されたMIT Newsによると、MITの神経科学者がハーバード大学と、ブラウン大学の協力によって、ボストンにいる8年生(中学2年生)1400人を対象に調べたところ、一般的な学力をはかる、(一般知識の深さ・広さ、語彙力、言語・数字利用の理由付け能力)テストの点数が上がっても、流動的知性(それまでの知識に関係ない、新しい課題に対する論理的思考能力と問題解決能力)はあがらないということを発表しました。

最初の疑問は、社会、経済的に恵まれていない地域の子供達が大学に行くのを効果的に支援している学校は、子供達の成績を上げることで、流動的知性も向上させているのか、ということでした。
調査によってわかったのは、学校教育は一般的な学力をあげるためにデザインされており、成績をあげることは流動的知性をあげることにはならないということでした。そして、一生懸命勉強して、いい学生でいたとしても、流動的知性はただでは手に入らないという事実です。

流動的知性が学生のアカデミックなパフォーマンスを予測することを多くの調査結果が示していますが、そのような技術はあまりはっきりと教えられません。もちろん、知識を増やしていくことはとても重要ですが、研究者は、この調査結果によって教育政策担当者が流動的知性も強化することを考慮してくれるといいと、望んでいます。

いくつかの研究では、記憶力や集中力を高めたり、実行機能、帰納的推論(観察や実験から推論すること)に焦点をあてた教育的プログラムが流動的知性をあげるということを発見していますが、これに関してはまだどのプログラムが常に効果的なのかがははっきりしません。

この研究対象の学生は現在10年生(高校1年生)になっており、これからの学校での成績それから、どんな結果に発展するのか追跡調査をする予定だそうですが、又新たに、高校3年生を対象に、全米標準テストと流動的知性が大学入学と卒業 にどんな影響を及ぼすのかを調べていく予定だそうです。

アメリカの学校は日本よりは、考える教育、答えのない問題を議論する、ということがなされているように思うのですが、それでもこれまで以上に流動的知性を強化するということを研究者が薦めているというのは、それが将来的に職業、収入に与える影響が大きいと推測されるからでしょう。

普通の学力テストの結果でも学生の将来的な学術的な達成度、大人になった時の仕事、とその収入について予測できるようですが、私達は経験上、学生の時の成績が良かった人が必ずしも将来大成功をおさめるわけでもないということを知っています。では、逆に学生の時、全く勉強しなかった人がみんな、大成功をおさめているかといえば、これまたそういうわけではなく、知識をつけるということは、大きな失敗をしない為に、結局自分を守る事につながるのかな、と思います。