スタートアップに資金を提供するようにNPOに寄付をする団体-SheGives-

アメリカにいると、いろんな場所で寄付をする機会があります。それはチャリティーイベントであったり、電話での寄付のお願いであったり、ダイレクトメールであったり、同窓会の寄付だったり、近所の子供が学校での行事の為にお金を集めにきたり、色々です。最近はクラウドファンディングの認知度もあがってきていますし、寄付をする側だけでなく、集める側にも、なりえるわけですが、寄付ということが、特別な人が、特別な時にする事ではないというのはいい事だと思います。

2012年のGiving USAのデータによると、全米での寄付金合計額、3160億ドルのうち個人からが72%、企業から6%、そして、内訳は宗教に32%、教育分野に13%わたっています。人は自分が価値が見いだせるもの、そして信じているものに寄付をする傾向にあり、年収が高いから沢山寄付するとは限らないそうです。

そんな中、ボストンで成功している女性の起業家達が地元のNPOをサポートする為に、去年SheGivesという団体をたちあげました。(ボストングローブ 2月24日)SheGivesは個人投資家や起業家、友人達からこの5ヶ月で23万5千ドルを集め、8つの社会的なミッションの為に活動しているNPOに資金を提供する予定だそうです。8つのNPOの中には以前にこのブログでも紹介したScience Club for Girls(理系女子を育てるプログラムを提供)やその他、アートセラピーを行うRaw Art WorksCollege Bound Dorchesterという高校生の為に大学進学を手伝う団体等があります。

去年この団体を立ち上げたボストンヘッジファンドのパートナーでもあるバーネットさんは、多くの女性達は、もっと慈善団体に寄付したくても忙しいので、どの団体が価値があることをしているのか調べる暇がないということを知りました。そこでSheGivesがデューディリジェンス(多面的な企業調査)を行い、メンバー制にして現在約100人のメンバーがいるそうです。メンバーは2年間は毎年1000ドル〜2500ドル寄付しなければなりません。(もちろんもっと寄付したければ、それでもかまわないそうですが。)

寄付をする相手は誰でもいいわけではない、得に成功した人ほど、どこに使うかということはシビアになるようです。自分たちが寄付する団体は、社会に本当に貢献しているのか、世の中に必要とされているのか、ということを考えると、NPOでも、一般企業でも同じといえそうです。
そして、SheGivesを立ち上げたバーネットさんは “寄付することで違った意味のリターンをえることができる” といっています。それは、自分たちが気にかけている分野において状況を変えようとして頑張っている人達や団体に自分も貢献できると感じること、だそうです。

以前紹介した、“ハッピーマネー、賢く使う科学”という本で、他人に投資することで人は幸福を感じる、とありましたが、まさにその幸福感が彼女達のリターンだといえそうです。

関連記事:
理系女子を育てる取り組み
お金で幸福が買えるらしいことが判明-ハッピーマネー、賢く使う科学-

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コオロギの炒飯はいかがでしょう?

虫を食べるというのは、日本でも地域によっては、昔からある習慣ですが、最近はアメリカでもそういう商品開発を、よくきくようになりましたね。
国連によると、2050年までに世界の人口は90億人になり、みんなのおなかを満たす為の十分な原料が確保できなくなるとの報告があり、虫が解決策になると提案もされています。今年の、春に行われたボストンでの、ソーシャルエンタープレナーシップ賞を受賞した学生のグループも、発展途上国で虫を使って、食のビジネスをおこすというアイデアでした。

虫を使った食品を提供する、スタートアップの話です。

ボストングローブ 11月25日

ケンブリッジの3人の女性、D’Asaroさん、Wangさん 、Natowさんが立ち上げた Six Foodsは虫を扱うだけでなく、食べる。

人に昆虫を食べさせることは、気が重い仕事だが、
”人の受け取り方って、かわるものですよ。昔はロブスターは囚人が食べるものだったし、生の魚を食べるなんていや、とかみんな思っていたけど、いまではどっちもごちそうでしょ。”

Six Foodsは 主にスナックフードから始めるつもりである。“ミルワーム(ゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫)って, とても風味が豊かで軽食としてあっていると思う”
とD’Asaroさんはいう。

彼女はスタートアップコミュニティ用の集合住宅に住んでいる。そこで定期的に毎週みんなが集まる食卓に虫の料理を持っていくと反応がいい。
ある時、ミルワームのタコスをイベント用に用意して、共有の冷蔵庫に事前にいれておき、いざ、みんなにだそうと冷蔵庫をあけたら、すでにちょっとしか残っていなかったということがあった。

芋虫のサルサや、ミルワームのタコス、コオロギのジンジャーブレッド、コオロギの炒飯も作る。でも、虫を使って料理するのは簡単ではない。

“僕にとっては本当に難しいよ、だってエビとかロブスターみたいには反応しないんだから。”とSofra Bakery のシェフ、Geoff Lukaはいう。彼はSix Foodsのメンターとして、レシピを作るのと、ビジネスのアイデアについてサポートをしている。

特に ”産地直送” と、”持続可能性“ がキャッチフレーズになりつつある今の社会で、虫を食べるという議論で戦うことは難しい。
“1頭の牛に与えるえさと同じ分量で、虫からは12倍の肉を摂取できるんです。たとえ、1%の肉の需要を減らしたとしても、ものすごいインパクトになりますよ。”

以上が要訳になります。

ミルワームの写真をのせようと思ったのですが、ちょっと気分が悪くなってしまったので、どんなものか詳しく知りたい方はウェブで検索してみてください。(笑)

参考記事
コオロギバーのオーナーはテクノロジー会社のレシピを使う

”世界トイレの日” にむけて考える、社会起業のあり方

社会起業家を目指している話を最近、自分のまわりでもよく耳にするようになりました。
偶然図書館でみつけたRotarian というロータリー財団が出している雑誌に、成功した社会起業の話がのっていたので紹介します。

40歳になるまでに16のビジネスオーナーになった Jack Sim氏はトイレについては人は話をしないということに気ずきます。2001年に世界トイレ機関をつくり、今年国連は11月19日を ”世界トイレの日” とする事に決め、正式な国連オブザーバーになりました。

Sim氏はミスター•トイレとしても知られており、以下はこの6月のポルトガルのリスボンでの世界水サミットでのインタービューの記事です。

The Rotarian11月号

以下 Rは雑誌Rotarian
R:  トイレのタブーを打ち破るのにユーモアを使っていますが、どうやってこのアプローチを思いついたのでしょう?

SIM: 一度人を笑わせれば、みんな あなたの話をきくようになります。
もう一人うまくやった人がいますよ、タイのミスター•コンドームです。彼も笑いからコンドームを普及させました、私もトイレで同じ事をしたのです。
誰だってトイレについて、怖い話があるでしょう、旅行での話かもしれないし、子供の話かもしれないけど。自然にすれば、みんな話すようになりますよ。

R:  ローターリーの人達は、人々が公衆衛生について話すようにする為に何ができると思いますか?

SIM: 100年以上も前、ロータリーの最初のプロジェクトの一つは公共のトイレを作ることでした。ロータリーのメンバーはこのことを知っているべきですよ。ロータリーの人々が水や公衆衛生のことをしようとすると、少なくとも85%の人が水に焦点をあてます。しかし、人々がもしそのまま汚水を川に排出していたら、水は綺麗ではありません。正しい公衆衛生の知識がないことで病気になれば、貧しい人たちの生活の質を改善することはできません。薮の中で、トイレをしなければならない状況は、女性にとっては危険でもあります。

R:  公衆衛生を、人々の行動を変える事で、そしてトイレを使ってもらうという角度からアプローチしていますね、私たちも考え方を変えないといけませんか?

SIM: この活動を初めてすぐの頃、中国の貧しい地区の学校にトイレを作るために訪れました。校長や子供達はとても喜び、私達も満足して帰りました。
一年後、またその学校を訪ねたら、校長先生がオフィスをトイレの中に移動して、子供達は相変わらず外で、トイレをしていました。そこで、校長先生にどうしてこんなことをしているのですか、とたずねると、トイレがすごくきれいで、自分のオフィスよりずっといいからだといいます。
このプロフェクトは完全に失敗でした。あなたがしたくて、何かを人に与えるというのは適切ではなく、彼らが欲しいのでなければなりません。寄付した、たくさんのトイレは人々がどうやって維持するか、掃除するかがわからない為に結局、倉庫や台所、になったりしていました。どうして、家にトイレが必要なのかわからないのです、だって何百年も外で用をすませてきたのですから。

R:  どうかえたら いいのでしょうか?

SIM: トイレを魅力あるものにするのです、トイレを携帯電話のようにステータスシンボルにするのです。スラムにいる子供達でさえ、トイレはなくても携帯電話をもっています。

市場原理を取り入れることが一番、 持続可能なやり方だと思いますよ。ただ トイレを設置して使ってくれるといいな、と思っているのではなく、トイレを作る工場を作り、現地の女性がトイレを売れるように訓練して、売った金額に見合った収入を得られるようにすれば、収入、起業家精神、そして正しい公衆衛生の知識も伝達できます。その後はあなたの投資が、なくても事業は拡大するでしょう。

R:  どういうモデルですか?

SIM: サニショップ工場(世界トイレ機関が作ったソーシャルフランチャイズモデル)を始めるにあたって2000ドルかかり、そしてセールスレディーを訓練します。このシステムで誰もが利益を得る事ができ、資金を提供した人もその場所にもどって確認する必要もありません。事実、5、6年後に戻った時、その地方のどの家にもトイレがあるのに驚くでしょう。

R:  世界トイレの日を祝うにあたってアドバイスはありますか?

SIM: プレスカンファレンスをひらいてもいいし、ツイートしてもいいし、フェイスブックにのせてもいいし、音楽作ってもいいし、、、コストはかかりません。公衆衛生の重要性を知ってもらい、トイレのことをだれもが話せるようにするのです。私達は人生で3年分はトイレで過ごすのですから。

以上が要約です。

ロータリーという特殊な雑誌からの記事ですが、それでも社会起業家を目指している方には共通する問題があるように思います。
日本でも貧しいエリアに学校を建てようというプロジェクトで、建物は建てたけど、あとでいったら子供が誰も学校にきてないとか、間違った使われ方をしていたとかの話をききます。結局、自分たちのエゴで寄付をしてはあまり意味がないということでしょうか。

資本があれば、、、という話は聞きますが、それ以上に続けられる仕組みを作る重要性、というのはどんな形の経営でも同じなんですね。

世界の問題をボストンから解決しようーソーシャルアントレプレナーシップ

ボストンのいいところは、アメリカの中でもかなりインターナショナルなところです。ハーバードやMITを始め、沢山の大学があり、エンジニア、学生、研究関係者が沢山いるという理由もあり、私が住んでいる地元の小学校で通っている生徒の国籍を数えてみたら、20カ国近かったと言う事を聞いたことがあります。そういうわけで、国際問題を解決するような、ソーシャルアントレプレナーシップの考え方も自然とでてくるのでしょう。

そんなボストンで、世界的な研究をサポートしようという集まりがありました。

ボストングローブ紙 11月4日

先週マサチューセッツ州立大学で行われたIDEAS Boston conferenceでは、3Dプリンターの話から、シーフードを守れ、まで 幅広いアイデアが集まった。

プレゼンターはSeeding Labs(使われなくなった実験室の機器を集めて、発展途上国に贈ることをしている)の創設者、Nina Dudnick やBounce Imaging (兵士や警察官が危険地域に行く時に使える、野球ボールサイズのカメラを作っている)の創設者のFrancisco Aguilarだ。

去年は Seeding Labs はケニヤより6人の科学者をよんだ。そのうちの一人の化学者である Mildred Nawiriは西アフリカにある土着の野菜がどうやってがんを予防するのかを研究している。

Nina Dudnickはその野菜はアメリカでは育たないので、研究はアメリカではできない事を指摘した。
でも、この研究は最新の機器がなければ、続けられない。Seeding Labsがサポートする前は西洋の化学者が1800年代に使った技術を使っていた。

”このような才能を持っている人はどこにでもいるので、がんのような問題は国境をこえて取り組むべき問題です。”

一方 Bounce Imagingは エクスプローラーと呼ばれる野球のボールのようなカメラを作り、兵士が行けないような危険地域にそのボールを 投げいれると内蔵された6つのカメラが何百ものイメージ写真をとってくれる。そして、その写真をつなぎ合わせて360度の景色がわかるようにするソフトウエアもある。
マイクもついているし、危険な化学物質を見つけるセンサーもとりつけられる。
似たような機器はすでにあるが、発展途上国にとってはもちろんのこと、地元の警察にとっても高すぎるし、操作も難しい。

Bounce Imagingのゴールはその球体状の機器を約700ドルで提供できるようにする事だ。警察署が沢山購入したとしても高すぎないように。

ボストンマラソンを走って社会起業家になろう その2

日本では2011年に行われた本栖湖ファンドレイジングマラソンが一番始めのファンドレイジングマラソンのようですが、2012年には、京都大学の山中伸弥教授が自らiPS細胞の研究資金への寄付を集めのためにファンドレイジングマラソンに参加して1000万ほど集めたそうです。

ファンドレイジングというのはアメリカ人にとっては日常のことです。例えばインタビューをしたAnneさんは、”子供の時、遠足に行く前に資金を集める為に近所の家から家へ歩いてお金を集めたのを思い出してみて”、と私にいうのですが、東京で育った私はそういうことをした記憶がなく、逆に ”えー!そんなことしたの!” という感じでした。

公立学校で使っている、コンピューター機器類や、教育のサポートの費用もファンドレーザー達が担っている部分があります。
裕福な家庭の子供達が通う学校の場合、子供への教育資金が集まりやすいために充実した、コンピュータルーム、図書室、備品類があり、結局それがますます、教育格差を生んでしまうことにもつながるのかなあ、と感じますが。

2007年、初めて走った時の写真

2007年、初めて走った時の写真

彼女が走る決意をしたことで、
” 自分も参加したい、っていいだした友人が何人もでてきてね、自分がやっていることは、まさに人と人を結びつける事なんです。今回Dana Faber の名の元に走る人は約400人。ボストンマラソンの日までに私は全員と知り合いになるつもりよ。だって私達って本当は、一つにつながっているんだから。”

” みんなの気持ちを背負って、他の人ができないことを私がするの。”と目をきらきらさせて語る彼女、本当にこちらも、ものすごいポジティブなパワーをもらいました。

社会の問題を解決する為に、Dana Faberという傘の元に集まり、自分が走る事で資金を集める、一人一人はりっぱな社会起業家だと思います。

一つの目標に向かって、ボストン人が同じ夢をみる、Patriots day(愛国者の日)
次回のボストンマラソンは

2014年 4月21日  

インタビューに応じてくださったAnne Ghayourさん

インタビューに応じてくださったAnne Ghayourさん

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