バイオ産業のカタリスト、投資家でもある女性起業家の話(2)

バイオ産業のカタリスト、投資家でもある女性起業家の話(1)からの続きです。

ーところで、ヨーロッパの女性のほうが自然に働きながら子育てをしているのを感じるのですがどう思いますか?ご自身は、二人のお子さんを育てながらスタートアップも2つ立ち上げ、大変忙しいと思うのですが。

確かに、ヨーロッパでも子育てしながら働くのは普通なんですが、別に外で働かなくても、周りの人はその人の人生を尊重します。
でもここでは、お金を持ってくる人が尊敬されますね。だから、子供が小さくて働けないとか、他の理由で家にいる人が何かを逃してしまったという気持ちになるのかもしれません。それから、ここでは女性達が何かを怖がっているのを感じますね。。。アメリカではデイケアやサポートするインフラは充実していると思いますが、競争社会ですし、プレッシャーもあります。
だから私のいる会社では子供を育てる親達は、9時から5時までとかフィックスでなくフレキシブルに働けるようにしています、シングルファーザーもいますし。すると面白いことに3倍くらいはハードに働くようになったんですよ。

私は、ビジネスを作り上げていくのが好きなので、お金をあげるから頼むからうちにいてくれ、といわれても断りますけど。
でも、子供がいて本当によかったと思いますよ。大抵のいいアイデアは子供達と一緒に何かをしている時に得ます。自分の周りにも、キャリアの為に子供を断念している人がいますが、大事なものを逃していると思いますね。

私は一人目を生んで、6週間目で仕事にもどり、2人目の時は3ヶ月後にスタートアップを立ち上げました。確かに子供にはお金がかかりますけど、やはりそれも優先順位の問題なんです。あとは、いいベビーシッターがいることも重要です。

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これまでに自分の道を進んでいる幸せな女性の起業家達と話してきて思うのは上手くやっている人達は、自分のしていることが楽しくて、本当にしたいことをしているということ。そして、誰かが損をするような、ビジネスをしないというのが、基本にあると思います。彼女も話していましたが、バイオの世界では非常に倫理観というものをとわれます。投資というとROIをまず第一に考えるはずですが、彼女が求めている世界は、患者中心の世界、患者にイノベーションをもたらす、 ということがゴールなのだと。治療の結果がでない為に、患者のために追加投資をしないケースもありますが、それでも色々なものに投資していけば、どれかが回収されるのでロングランでみる必要があるとのこと。投資家というのも数字の背景にある何に投資するのか、ということを見極めることがますます問われてきそうです。

私生活をみれば彼女もやはり優先順位が一番高いのは”子供”だといっていますが、ヨーロッパの女性は何かに依存する傾向はあまりないように思います。自分の人生だから、他人から見た自分の評価というのもあまり気にしないし、その人がそれで幸福ならそれでいいんじゃないの?で終わってしまう。アメリカでは“イメージ”というものをすごく大事にすると彼女もいっていましたが、他人の目を気にしすぎる事が、彼女の話していた“女性達が何かを怖がっている”事につながるのかもしれません。

バイオ産業のカタリスト、投資家でもある女性起業家の話(1)

今回はバイオ関連のシリアルアントレプレナーでもあり、投資家でもあるクリスティーネ•ブント(Christine Bunt)さんに話をきくことができました。最近彼女の属する会社の一つである、バイオのベンチャーキャピタル( 20/20 HealthCare Partners LLC)が彼女のリードでスイスの製薬会社ロッシュと提携しました。この提携では、中小企業やスタートアップに投資をする上で戦略的な位置に立つ事になるロッシュは、投資した先の企業の所有権は主張をしないという点(ボードに口をださない)が特徴的だということです。投資家目線で見た時に、投資先からリターンがあるのかという点が最大のポイントになるのですが、彼女は、イノベーションをいかに患者にもたらすことができるか、という事を一番に考えています。彼女の役割は、投資家目線で、投資するスタートアップを探し、また起業家目線で、よりいい、薬や治療を患者が受けられる為にどうやってイノベーションを患者にもたらすかということを考える起業家をサポートし、双方をつなぐ役割をしています。

常に患者の人生の質を高める為に、いかに製薬業界でイノベーションを起こせるか、ということを、目標に定めて活動してきたブントさん。私生活では、2人の子供を抱えてどのようにキャリアを歩んできたのでしょうか?

ードイツの大学を卒業していますよね?もともとは研究員ですか?

ええ、私はドイツで生物化学、免疫化学を勉強しました。その後スイスの製薬会社のロッシュに8年ほど勤務しました。もともとは研究者として診断事業部にいたのですが、その後、MBAをとるために、退職しようとしたら、会社側から、これからはビジネスがわかる研究者が必要だからといわれ、会社に席を残したまま、フランスのINSEADでMBAをとりその後はロッシュで製薬の開発や販売に携わるようになりました。
いい時期にいい場所にいたんですよ。

ーいい時期にいい場所にいた、とおっしゃいましたが、どうしてそういう流れになったのでしょう?その決め手は?

人生の選択をする時に最終的に判断するのは直感です。大学をでて一番始めの就職先を決める時に、一般企業にいくか、マックスプランク研究所(ドイツを代表する学術研究機関)にはいるか選択肢があったのですが、周りの人はみな研究所にいけといいました。若かったし、その時は給料というのは、判断基準にはなりませんでしたね。その選択をするときの基準は自分が何を目指しているのかという点で、私の場合は日々新しい研究成果や、治療法、薬が生まれますがそういったイノベーションを患者にもたらしたい、ということでした。そこで、皆の反対を押し切ってロッシュにいったのです。

ーアメリカにきたのは?
アメリカにきたのは自分の為ではなく、夫の仕事の関係でした。夫がニュージャージーで仕事をみつけ、それについてきました。小さい子供を抱えていましたが、すぐにMerck研究所で仕事がみつかり、7年ほどはMerckにいました。それから、自分でスタートアップを始めたのです。

ーMBAではビジネスを立ち上げることを学びましたか?
いえいえ!
私はINSEADというフランスのビジネススクールでファイナンスのMBAをとりましたが、実際小さなスタートアップでどうやって収入がないのにビジネスを始めるか,資金調達や、チームを作るのかということは、スタートアップで経験して学びました。

スタートアップは失敗するものです、失敗して学ぶことが大切なのです。とくに私の関わるバイオビジネスは非常にたくさんの資金が必要です。アメリカは得に、ベンチャーキャピタルが多いし、ビジネスはしやすい環境にあります。
(続く…)

アメリカの大学の高い学費はどこに消えるのか?

アメリカの大学で困っているのは学費が高いといっている学生とその親だけでなく、低賃金と、不安定な労働条件で働かなくてはいけない非常勤の大学教員も同じようです。最近、非常勤の教員の弱い立場を訴える記事が目につくようになりました。
高額の学費はどこにいってしまうのでしょうか?

1980年代に政府による高等教育のための補助金が削減された時にアメリカの大学でも非常勤の教員の割合が非常に増えたそうなのですが、その後、景気が悪くなり学生数が減りました。経済がよくなっても、非常勤教員を使うメリットが大きいことを認識した大学側は、有名な教授に対しては高額を支払い、終身雇用も約束し、大学運営を一般企業のようにしていきました。そして 教育内容よりも、ランキングをあげることや、ファンドレージング(資金を集めるにも費用がかかります)、施設建設に力を注いだ結果、1985年に比べ高等教育の費用が5倍にもなってしまったのです。

しわ寄せは、学生と非常勤講師にきたというのが現状のようです。ある非常勤教員は5つの大学で11クラスを受け持ち、毎日10時間ほど仕事をしますが、収入を時給で換算すると、11.50ドルほどだそうで高学歴のワーキングプア状態になってしまっています。
それでも、博士号をとる人の数はどんどん増えています。(仕事によっては博士号が必要なものもあるので、皆が大学に残るとは限りませんが)

一方学生側からみれば、将来的にみた大学へいくことのメリットはまだあり、より多くの人が大学に行こうとしています。まだまだ、学生数が増えるということを前提に考えれば、大学経営はなんとか成り立つのでしょうが、もし、経済状況の悪化で、大学の費用が払えない人が増えたり、学生が減ると、大学の閉鎖もありえます。(実際、学生が集められなくて、閉鎖する小さなカレッジもでてきています。)そういうわけで、アメリカの大学も外国からの学生を獲得するのに力をいれています。

しかし、教育機関である大学の経営を一般企業のような倫理で運営していいのか、ということも問われているようです。


ハーバードのスタジアム

性別 博士号取得者数

性別 博士号取得者数

新しいアーバンガーデニングの形、アクアポニックス

2050年には世界の人口は90億人、70%の人々が都市に住むようになり、必要な食料の量は今の倍になるという試算が国連食料農業機関にはあるそうです。

そういう予測のあるなか、都市での農業に将来を見いだして”アクアポニックス” で食料を生産するシステムを作っている、Urban Farmers(アーバンファーマーズ)という会社があります。
アクアポニックスというのは、簡単にいうと水産養殖と水耕栽培をかけあわせたものです。植物を栽培するのに土を使わず、水を使い、綺麗になった水に魚がすみ、魚が自然の肥料を作り出し、植物を育てる為に有効に活用されるという、自然のサイクルを使ったシステムです。このシステムはルーフバルコニーにもおけるようなものや駐車スペースに置く等、いくつかの種類があります。

この会社はもともと大学から派生した研究をもとに、できた会社だそうです。本社はチューリッヒなのですが、チューリッヒは都会といっても、緑も結構多いですし、町の中心から15分も車で走れば、ちょっとした、自家菜園なんてできてしまうスペースはあるので、それほど需要が見込めるのかな?と思ったのですが、実際、できた野菜を大手のスーパーのコーナーにおいてもらったら通常の野菜よりもかなり割高でも、コンセプトに共感してくださる方が結構いて、よく売れたとのことでした。魚のほうも普通に食べられます、ただ淡水魚になりますが。

都会でのガーデニングというのはいろんな形がありますが、土を作る事から始まって、それなりに食べられるものを収穫しようと思うと、結構手間もかかります。アクアポニックスの場合、サイクルができてしまえば、手間がほとんどかからないそうで、夕飯に食べる魚も自分のところで育てたもの、ということが可能になります。
これで、裏庭あたりに鶏でもかって卵も自分のところで作ると、食に関してはほとんど自給自足できてしまいそうです。

ところで、ボストン市の発表によると、マサチューセッツ州での地産地消率というのは全米で一番高いということです。確かに、少し、郊外にいけば、野菜を庭で作っている人、コンポストをしている人達、生協のように、みんなで食品の共同購入をしている人達がいたり、近郊の酪農家がミルクを売りにきたりもします。ここでの問題点は町での農業の商業化ということだそうですが、隣の家の裏庭で、はちや鶏をかいだしたらどうするか、という問題。ここでは基本、近所との話合いという事になるらしいですが確かに、都会で隣が養鶏所のようになっていたら、ちょっと困ることもあります。

そんなに、遠くない将来に都会のマンションの屋根にソーラーパネル、共同で野菜を栽培できるようなシステムが普通にあるようになるでしょうか?

自分の才能や強みは何かを見極める為の適性テスト ーその2ー

以前紹介した本、”さあ、自分の才能に目覚めよう”は、どちらかといえば大人向けで、自分の強みというのを探す事ができましたが、実際その強みの組み合わせで自分がどんな職業にむいているかというのはわかりませんでした。

キャリアカウンセリングの分野で世界で一番使われている性格診断プログラムはマイヤーズブリックス・タイプインディケーターで、毎年約500万人ほど利用しているそうです。これは、認定された有資格者の下で、テストをし、4指標16タイプに性格を分類するものです。(18歳以上が対象)マイヤーズブリックス・タイプインディケーターやスキルスキャン というサイトを使い、カウンセラーは転職等の相談にのるのですが、実際、もう少し若い子達が将来の職業を視野にいれて大学の専攻を選ぶ時に、手軽なものはないのかと探していたところ、起業のコーチングをしている友人がこんなサイトを紹介してくれました。

この You science(Latitudeより変更) というサイトでは(残念ながら、英語です)15歳以上が対象になっていて、これから大学を選ぶ若い人達に、(もしくは、転職する人や教育を受け直したい人)簡単な計算、語彙のテスト(あまりできなくても、意外に、テスト結果にはそれほど影響しないように思います。。。)や、いわゆるIQテストのように、暗記力や帰納推理,、空間視覚化能力を問うテスト(14項目)をして、自分の興味に関しても聞きデータを集めます。テストでは間に休憩を各自が好きなようにとれますが、ノンストップでやると最短で2時間くらいかかるでしょうか?結果は1日後にウェブ上から確認ができます。

そこではテストした14項目に関して、自分のタイプを分析し、それぞれの得意な点、不得意な点を見つけ出します。そして自分の特性から、ふさわしいと思われる職業を提案してくれて、その職業につくためには、どういう教育(専攻)が必要で、給与がどれくらいになるか、実際に全米でどのくらいその職があるのかも示してくれます。
最後にレポートもでるので、両親や、学校の先生、カウンセラーの先生等と話合いをするのにも適しています。

このプログラムのいい点は、頼めばもちろん、サポートもつきますが、他のプログラムに比べ、結果がわかりやすいことのように思います。自分の興味や得意な部分が職業にどのように、結びつくのかわからない子供達やその父兄に色々な可能性をみせてくれるのではないでしょうか。

(Latitude)You scienceによると、人の興味の対象やスキルは年をとると変わっても、適性というのは15歳で安定するということです。
実際、アルバイトや仕事をしてみると他のスキルが身に付いたりするので、できる仕事の範囲というのは変わってくるとは思いますが、それでも、特に何もスキルのない高校生でも、これだけの夢が広がっているということがわかるのは楽しいことだし、一つの目安にはなると思います。

(2014/05/29/での情報になりますので詳細は随時ホームページより更新ください)

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