今年の卒業生の抱える学生ローン残高は過去最高

卒業シーズンになりました。
やっと大学(院)を卒業したと思ったらローンの支払いです。ボストングローブの5月15日の記事によると今年卒業した学生は、平均して35000ドルの借金を抱えているということで今までで一番借金を抱えているそうです。

そして今年の卒業生の71%が借金を抱えていますが、20年前は大抵の学生は借金はなかったということ。そして問題は、大抵のローンは±10年〜返済するように計算されていますが、20〜30年と返済延長できるものもあるそうで、そうなってくると返済時期と自分の子供が大学にいくのとかさなってしまうということもあり得る話になってしまいます。
それどころか、車、結婚、家、と人生ではある程度の予算が必要になる時期があり、学生ローンで人生設計が狂う可能性もあるわけですね。

日本でも医学部はお金がかかりますが、メディカルスクールの場合は去年の卒業生の借金の中間値が18万ドルですが、新米の医者では25万ドル以上の謝金を抱えてスタートする人達もいるそう。ところが、レジデントとして働き始めた場合の収入は5万1千ドル程度ということで、はやり、一人前になるには時間がかかりますね。。。

さて、学生からみたら高い学費、学校側はなんとかいい生徒を取得するのに必死、その結果、奨学金のいらないフルで支払ってくれる外国人が好まれるとなってくるとこのビジネスモデルはいったいこの先どうなるのでしょうかね?

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学生ローン問題ー自分に借金があることを自覚していない大学生達ー

アメリカの高校の最終学年にいる生徒は年があけると大学進学の為にそろそろ願書を出す季節なのですが、年内にアーリーアクションやアーリーディシジョンといって、通常の願書提出よりも早く出せる仕組みがあります。どうしてもここがいいという志望校がはっきりしている場合、それで願書を出す子供達も多いのですが、早くに願書を出した子達がそろそろ合格通知を受け取り始めました。来年の秋に入学する学校が今の時期にもうわかることになります。学生達からしてみれば、クリスマスプレゼントをもらうようなものですが、早いですね本当に。卒業する6月まであと半年、気持ち的に余裕をもって高校生活をすごせるということになります。

ところが、いざ大学生活が始まっても、ワシントンポスト12月14日によると大学一年生のほとんどが自分がどのくらいの借金を背負っているのか正確に把握していないといいます。連邦学生ローンを借りている大学1年生の28%が連邦ローンを借りているという自覚がなく、さらに14%は自分たちが何らかの借金を背負っているということさえわかっていないとのこと。2011年〜12年に行われた高等教育学生助成金調査によると、51%の学生は負債を過少評価し、25%は過大評価しているといいます。

18歳ですでに借金の心配をしなければいけないというのはなかなか大変なことですよね。。。
実際、親が学費を支払う場合、借金がどれくらいなのかということをシリアスに考えない学生達もいるでしょうし、それに大学を卒業した後にどれくらいの年収が得られるのかといったことまで考えていない場合も多いでしょう。もっとも、高給だと思っていた職業がそうでもなかったということもあるでしょうが。。。
日本では大学から、一人暮らしをする学生も増えます。逆に、アメリカのように寮生活をしないことで、経済観念もつくのかもしれませんね。

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クラウドファンディングで学費を稼ぐ

クラウドファンディングで色々なものが資金調達できるようになっていますが、個人的な学費まで調達できるとなると、本当に困っている人達にとっては朗報かもしれません。相当いろんな使い方が生まれそうです。
それにしてもアメリカの学費は高い!!!

ボストングローブ紙 11月13日

数週間前、Alexis-Brianna Felix さんはボストン大学を卒業できないんではないかと、心配になっていた。ブロンクスの貧しい地域で育った19歳の彼女は、来学期の為の学費を払うことができそうになかった。

そこで彼女はスタートアップビジネスがやるような、クラウドファンディングで学費を集め始め、ウェブサイトで家族や友達、知らない人にまで、学費を支援してもらう事にした。

“もし、私を援助してくださるのなら、寄付というより投資と考えてください。”と彼女は GoFundMe.comのサイトでいっている。
”私に投資してくださるなら、私は間違いなく成功します。がっかりは、させません。”

寄付は、大抵 一口10ドルとか25ドルとかの金額だが、募集を始めると、どんどん集まってきて、27時間後にはすぐに目標の5000ドルまで到達し、順調にいけば 家族の中で学位をとれる初めての人になれる。

現在、クラウドファンディングというのは、スタートアップに投資したり、災害や病気から立ち直るための援助資金等、を調達する方法として人気がでている。大学の学費の高騰により、インターネット上の資金集めは、研究費や留学費用、学費を捻出する為に役立っている。

しかし、クラウドファンディングにも費用がかかる、ウェブサイトによれば寄付金毎に5%の手数料が差し引かれる。
カレッジ学費の専門家によると、このように学費を集めるのはまだ珍しいというが、これからのトレンドになりそうだ。

クラウドファンディングは、Alexis-Brianna Felix さんにとっては最後の手段であった。
ボストン大学は年間 58530ドル(1ドル百円とすれば、年間約580万円!)学費がかかる。ファイナルシャルエイドや連邦ローンを差し引いても更に10000ドルを調達しなければならないのだ。

そんな時に、他の大学の学生が留学費用を募っているツイートをみて、親友に相談してみた。
友人は ”チャリティーでなく、私への投資ということを訴えてみたら?” といった。

Horace Mann Schoolという、彼女が成績が優秀で、また資金を援助してもらえた為に入れた名門のボーディングスクールでの友達、高校とボストン大学の同窓生、それから知らない人からも資金が集まった。入金された5ドルにはメッセージがついていて ”私たちはお互いに知り合いではありませんが、あなたの勇気、粘り強さと忍耐に心動かされました” というメッセージがついていた。
25日後には彼女は、募金件数 203、総額8856ドルを手にした。

この投資を回収できる自信が彼女にはある。”私は手に入れる機会を最大限に生かして、一生懸命働きます。”

広報と社会学を学んでいる彼女は、春にはボストンのスタートアップで広報のインターンシップが決まっている。

多くの高校時代の友達は高校も卒業できず、姉は資金がつきて大学を中退した。
今、彼女は、学費を出す為に自分達の貯金箱を空にしてくれた、自分の5歳と11歳の妹達を励ますことができると思っている。
”彼らが大学に行く時はお金に困らないように、私はちゃんと成功していないと!”

以上が意訳になります。

日本の大学別・生涯給料ランキングというのは時々発表されますが、アメリカのものも学費と比べた表でみてみたい、ROIはどうなのか、と思って調べてみると、ありました。
大学に行ってモトがとれるか - 大学っていい投資?

もちろん、給料だけが全てでないにしても、学生ローンを抱えたまま、何年も失業というのは本当に困ります。。。
日本でも同じようなランキングを見た時に、もしかしたら、進路を考え直すという選択肢もでてくるのかもしれません。

ハーバード大学が低所得者の学生の受け入れを増やそうとしている

エリート大学が、批難をかわすための策という話もありますが、現実的にはアメリカでは、ほとんどの学生がファイナンシャルエイドのサポートを受けると言われています。

大学はファーストジェネレーションの学生の要求を満たす努力をしている
  
という記事でもありましたが、実際ダイバーシティを大切に思っているアメリカの大学にとってはいろんな人にチャンスを与えることは大切なことです。特にエリート校に入学する日本人の割合が減っているので、これから大学選びを検討している方にはチャンスがあるかもしれません。

ファイナンシャルエイドに関する詳しい情報はこちら
**ただし、日本にいる日本人が申請する場合は、特別なものでないと、難しいかもしれませんが、文部科学省などでも、エイドをだしているようです。

ボストングローブ紙 10月25日

ハーバード大学と他のエリート大学が長年低所得層の学生の受け入れを積極的に行ってこなかったことへの批難から、キャンペーンを展開しファイナンシャルエイドについてソーシャルメディアやビデオ等の方法で高校性を対象にアピールすることにした。沢山の学生やその家族は、発表されている学費をみて、申し込みをあきらめてしまうが、みんなはどんなファイナンシャルエイドがあって、それがどんなに学費を削減してくれるかをしらないのだ。非常にいい大学に、ほとんどただで通えるということさえありえるのに。

“沢山の優秀な学生が特に経済的な理由から、レベルを落とした学校にったり、大学への進学をあきらめたりしています。ハーバードではすでに毎年、140の都市や市町村に、該当する学生や両親や学校のガイダンスと会うために手紙を送っているが、ウェブサイトでは入学案内と、ファイナンシャルエイドの説明は別になっているのでわかりにくい。新しいキャンペーンはテキストメッセージやフェイスブックなどのソシャールネットワークを使うことで生徒が応募しやすくなる。まず第一の目的は低所得者層の大学卒業率をあげるということである。ハーバードによるここ数年のデータによると、裕福なエリアに住む優秀な高校四年生(最終学年)のうち、78%が全米の238の優秀な大学に、入学しているのに比べ、低所得者層住む地域の優秀な高校四年生は三分の一しか入学できていない。また、高校生は、自宅のそばにある卒業率が高くて、サポート体制がしっかりしている、大学を検討する傾向にあるという。

コーネル大学の研究所の教授のEhrenberg氏はハーバード大学等の取り組みを歓迎している、なぜならファイナンシャルエイドをよく知っている学生ほど、レベルの高い大学を選ぶからだ。しかし情報だけでは問題は解決しない。
裕福な、ハーバードやイエール、プリンストン大学はもっと低所得層の学生を受け入れられるが、財政的に厳しい他の大学は、授業料をあげなければ、低所得層の学生を受け入れられない。

以上が、意訳になります。

アメリカには、相当数の大学があり、大学間の競争がますます激しくなってもいます。日本の大学もそうですが、大学間の競争が国内だけにととどまらず、国際競争になっています。それを考えると、これから淘汰される、大学も増えていくことが想定されます。日本の学生もそれを念頭に、大学選びは世界に目を向けていくことが新しいチャンスをつかむことにつながる可能性が高いように思います。

連邦学生ローン、18年ぶりの高い割合での債務不履行

秋は新学期なので、先日の記事にも書いた、高等教育の学費の高さというのが、メデイアをさわがせるのですが、今回は連邦学生ローン(公的なローン)が18年ぶりに高い割合で債務不履行に陥っているという話です。といっても、毎年のように問題になるのに、改善の兆しがみえないばかりか、ますます格差が広がるような感じがしています。

9月8日発行のボストングローブマガジンによると、2005年の一人あたりの平均の学生ローン負債額が17233ドル(約170万円)だったのに対して2012年には27253ドル(約270万)になっています。一つの要因には一部の私立大学はブランド化がすすみ、オリンピック競技場も顔負けなスポーツ施設や, 学生食堂もレストランなみのメニューを取り揃えるなどのことをしていることがあげられています。学費を下げる為にオンラインのコースの提案もなされていますが、実際、大学に行く人のほとんどが様々な形の学生ローンや奨学金のお世話になっているという現実があります。

ボストングローブ紙 10月1日

連邦学生ローン、18年ぶりの高い割合での債務不履行

要約

7人に1人は連邦学生ローンの債務不履行に陥っているという事実は、この景気がよくないときに卒業生達にとって学費の支払いがどれだけ大変なのかを示している。債務不履行(デフォルト)の割合は14.7%と1995年以来、一番高い。

ワシントンのヤングインビンシブルという18歳から34歳までの若者をターゲットとしているNGOで政策担当と研究所長をしているRory Osullivan氏によると、このデフォルトの増え方は借り手の痛みを表しているという。 ”借り手にとっては財政的危機状況です。” デフォルトはクレジットカード会社の評価と将来的に借金をすることを難しくする。米国の、学生ローンの総額は、政府系のローンと民間のローンを合わせると、1兆2000億ドルにものぼる。この総額は住宅ローン以外のその他の消費者金融の負債総額を超える。

**ヤングインビンシブル というのは18歳から34歳までの若者の声が政府の政策に反映するように働きかけているNGOです。