日本とマサチューセッツ州との関係

アベノミクスの影響か、TPPの件も含め、ここのところ日米間の動きが活発化しており、去年の秋に、マサチューセッツ州のパトリック州知事が日本を訪問して、安倍総理との会談をしました。そして、そのフォローアップとしての日本への貿易投資セミナーイベント がマサチューセッツ州国際貿易投資局主催で行われました。

これには、ボストンの日本総領事館、ニューヨークのジェトロ、在日アメリカ大使館のスタッフも参加し、日米間の状況、市場に今投資するのがいい理由、と言った事を説明しました。(ちなみにマサチューセッツ州というのは大きさでいうと秋田県と岩手県をあわせた位のサイズです。)

パトリック州知事も述べていたのですが、これからの関係というのはどれだけ自分の国が他の国に対してものを売ったのかという金額の問題でなく、どれだけの関係を作ることができたのか、ということが大事だと。そういった意味でもいい関係を保つ為にはフォローが必要、ということを述べられていました。

マサチューセッツ州にとって重要なポイントは以下の3点です。
1 教育
アメリカの中でも優秀な人達、又様々なバックグラウンドのユニークな人達が集まる場所でもある。

近年、マサチューセッツの大学で学ぶ日本人の数がへっているので、これは数値目標をきめて取り組んでみたら、という話もでました。

2 イノベーション
特にボストンはライフサイエンス、バイオテックが強いところ。

イノベーションに関しては日本もマサチューセッツから学べる事がある反面、日本の高齢化社会、平均寿命が高い、という市場は、ボストンのライフサイエンス、バイオテック会社にとっても面白い市場になっています。昨年の知事の日本訪問で、神奈川県が計画している再生医療の為の”京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区” の総司令部となるグローバル・コラボレーションセンター(GCC)と、コラボレートすることになりました。http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f4729/p783171.html

3 インフラ
インフラ整備を通じて民間投資を拡大、パブリック-プライベートパートナーシップで事業の推進をする。
製造業回帰がすすんでいる。とくにITのマニュファクチャリングに注目。

インフラに関しては、超電導リニア新幹線のアメリカへの技術導入の話があり、これが実現すると、ニューヨーク-ボストン間が45分(現在電車で4時間)になります。
インフラに関してはアメリカは市場としてものすごいポテンシャルがありそうですね。

日本の旗をバックに、立たれている姿はなかなかないかも。

日本の旗をバックに、立たれているパトリック州知事の姿、これはなかなかないかも。

カナダのアクセラレータプログラム

ボストンはアメリカ東海岸でのイノベーションの中心地だけあり、世界各国が様々な形で自国の企業がアメリカに進出することをサポートしています。ベンチャーキャピタルを自国に取り込む為に、企業の為のイベントを開催したり、国がサポートする起業を促進するセミナーも盛んです。

先日、カナダの総領事館主催で、48時間のアクセラレーターイベントが行われました。
カナダのアクセラレータプログラムは6週間のプログラムで年に3回ほど行われます。長い研修期間になるので、参加者は、途中本国に戻ったりするということもあるそうですが、そのうち今回のような48時間のイベントは年に2回ほどあり、その中で、ベンチャーキャピタルの話を聞いたり、ボストンでの同業他社の様子を調べたり、ピッチコンペをしたり、メンターグループとの話し合い等が行われます。

今回のピッチコンペはテック、ライフサイエンス、エンジニアリング等の企業約25社が各5分程度のピッチをし、見ている方は、内容の評価をしていきます。

カナダはもちろんアメリカの隣国になるので、人も資本も行き来が盛んだと思いますが、それでも参加者、及び、ギャラリーの人達も雰囲気が違って面白かったですね。
アメリカのピッチイベントは、どっちかというと、”ショー”の要素が強い感じで、参加者も見ている方もラフな感じの人が多いですが、カナダの場合、もう少しシリアスというか。。。今回は見ている側が9割方、スーツにネクタイの男性。投資家関連が多かったのかもしれませんが、それでもカジュアルな人がほとんどいなかったのには驚きました。お互い真剣勝負ということでしょうか。

5分のピッチで、投資家がみているのはビジネスのお金の流れという以上に、”誰が”この会社、チームを引っ張っていくのか、という部分です。これは人に投資をするという要素が強いからのように思います。5分のピッチで自分の準備してきた文章を読む、ということはアメリカ人の場合はあり得ないわけで、自分を表現する最大の見せ所になります。その点は、アメリカ人はみせるのが上手な人が多く、このアクセラレータプログラムではピッチをする、(自分を売り込む)ということも勉強する要素の一つになります。

最近目につくのは、国がこのようなプログラムを全面的にサポートする事が増えているということ。世界各国が、自国の企業がここで資金調達や、具体的なノウハウが学べるようにそしてまた、企業の進出をサポートする イベントが増えています。注目すべきは、このようなプログラムに参加した3年後にどのくらいの会社が生き残っているのか、ということで、国によってはその割合が80%を超えるところもあります。マスチャレンジのファイナリストに残った企業が生き残る確率というのもかなり高いと言われているので、生き残り率の高い、プログラムを提供できるかどうかで、プログラム自体の成功が決まりそうです。

大学(院)で勉強した外国人を労働市場に取り込みイノベーションを進めるマサチューセッツ州の取り組み

優秀な外国人(学生)を国内市場に取り込んで、イノベーションを促進させるために州が動きだしました。(bostinnoの4月10日)

マサチューセッツ州では外国人の学生が大学を卒業した後に、ビザの理由で国内での就職をあきらめざる終えないケースが多く学生と企業双方にとってマイナスになっているという事実を重くみて、パトリック州知事はスタートアップで働く外国人学生に特別のレジデントプログラムを提供しようとしています。
新しいビザにより、外国人の学生が自分のビジネスを始めたり、事業を大きくしていくことができるようにする、これは実際、マスチャレンジ等で賞金を得ても、ビザの問題で滞在期間や行動が制限されてきた人達にとって朗報であり、益々、外国から起業を目指す人がきやすい環境をつくることになります。

また、マサチューセッツ州では競合禁止条項(競合会社にすぐに転職することを禁止できる)が認められていることで、企業間の人の行き来がスムーズにいかないということが指摘されています。カリフォルニア州では競合禁止条項に法的効力はなくマサチューセッツとしてはこのルールを撤廃することで、人的な動きを活発化させ競争力をあげようという、動きがでてきました。
得に若い企業はこの条項に反対であり、州としてもこれを廃止することで会社はよりよいカルチャーを作る必要がでてきて、いい従業員を会社にとどめる為に報酬を用意することになりポジティブで持続可能なモデルができると考えています。が、昔からある企業ではこの方向に反対しています。

その他、パトリック州知事のすすめる経済発展のための計画には、以下のような点も含まれます。
投資額のサイズに関わらず、新しい雇用を作り出すイノベイティブな会社へのインセンティブを広げる
インターンシップ、メンタープログラムを拡張して、学生に経験とネットワーキングの機会を提供
学生のSTEM分野(サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング)への興味をふやすために官民共同の取り組みを体系化する
観光産業関連の税収入を増やすように 国際マーケティングの強化
州のベンチャーキャピタル投資の資本構成を変える、
等々の政策を押し進め、イノベーションエコノミーを活性化する動きが加速するような環境作りを進めています。

参考記事:
ボストンで学ぶ外国人学生の増加と問題点

移民をサポートする団体が行うファンドレージングファッションショー

アジアアメリカ市民協会(Asian American Civic Association)という団体があります。この団体は1967年に設立されて、もともとはアジアからアメリカにくる低所得者層の移民をサポートする団体として発足しました。

この団体は、一般の英語のクラスや職業訓練のクラスを提供していますが、その他にNext STEPSというプログラムを提供しています。これは18歳以上であれば年齢制限がなく言語能力が十分でなくても、これからアメリカで長く生活するつもりで、大学に行ったり、就職したい人たちに語学教育を提供したり、職業訓練を実施し、自立をサポートしていくプログラムです。特徴なのは誰でも申し込める(観光ビザや学生ビザではだめですが)こと、そして、ここでの教育をおえ、大学にいったり、就職したりしても2年間は彼らをフォローして上手く生活しているかとか、問題はないかケアをしてくれます。また公的機関をふくめ、多種のファンドが資金を提供しているので、英語のクラスもほぼ無料で受けられます。
次世代の移民を育てるために、公共機関や、移民としてアメリカに入ってきて、成功した人々が次の世代を支えているのです。
この団体に来る人たちも、もともとは中国系が多かったそうなのですが、最近は世界中からくる移民のサポートするようになり、たまたま私があった人たちはモロッコやコロンビア、中国、東欧と、国際色が豊かな学生達でしたが、(一部の方々は30歳以上?と思われる人もいました)それを、日本人の方がまとめていました。

ニーマンマーカス

ニーマンマーカス

その団体がファンドレージングの為に、高級デパートのニーマンマーカスのフロアを借りて、ファッションショーを開催しました。
ファンドレージングというのはアメリカ人がもっとも得意とすることの一つだと思いますが、今回もやっぱり上手いなあ、と思いましたね。デパートの会場を一部屋借り切るとかではなく、普段は人が通るようなスペースに普通にイスをならべて、簡単なランウェーを作り、(まあ、アメリカのデパートはスペースが十分あるからできるというのもありますし、日本だと消防法の問題がありますが)そこを、ビックスポンサーの代表者や、移民で成功している財政界の人達がモデルになってニーマンマーカスで売っているこの春夏のコレクションをきて歩いていくのです。観客は250人から300人ほどいたでしょうか?ブランドのファッションショーのような、キラビやかさはあまりないにしても、リアルクローズのよさ、身近な人がちょっと変身する様をみて、なんとなく、自分も頑張ればできる?的な空気もあり、おばさま、おじさま方の購買意欲をそそる感じがしましたね。一方、上記のプログラムで来ていた学生にとってみれば、モデルをやっている人たちは成功した移民、ああなるように頑張ろうという感じになるのでしょうか。見る方も参加する方も、楽しめるイベントになったようです。

近年、移民受け入れに関しては難しい立場に立たされている国が多いですが、すでに高い能力を携えている人を移民として受け入れるだけでなく、移民としてやってきた人を育て、ともに自分の国を作っていこうという受け入れ側のスタンスもないと、難しいように思います。

スポンサーモデル

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地元セレブモデル

地元セレブモデル

ロンドンのアイシティ構想にいくつかのアイデアを

ボストングローブ紙 9月23日

意訳

ロンドンに、ケンブリッジ市にあるケンダールスクエアのような場所を作る構想(アイシティ構想)があり、2018年に完成予定である。そのアイシティ構想のディレクターである、Gibbs氏(ギッブス氏)はボストン周辺のイノベーション地区の状況を調べそこからアイシティ構想に使えるアイデアを収集した。アイシティができあがると約9万3千平米のスペースにはオフィス、巨大なデータセンター、ラフバラー大学(Loughborough Uni)大学院の研究センターがはいることになっている。

ギッブス氏がボストンで気にいっていることは、大学、スタートアップ、企業が全て非常に近くに集まっていることである。アイシティも似たような感じになる予定であるが、ブリティッシュテレコムがスタートアップが多くいる中に出張所を出すことに興味をもっている。ギッブス氏曰く、”目の前でパラダイムシフトがおこっています。大企業がスタートアップのような小さなもののそばになるべく近ずこうとしているのです。” 

ギッブス氏によると、アイシティはシリコンバレーのような ”技術的” な場所というよりは、もっと ”創造的”(クリエイティブ)な場所になる予定である。

以上が意訳になります。

補足として、
ケンダールスクエアというのは
マサチューセッツ州 ケンブリッジ市にありやグーグル、マイクロソフト、ノバルティス等、現代を代表するITやライフサイエンスの企業とMITやハーバード大学等の研究所、そしてケンブリッジイノベーションセンターのようなインキュベーターが直接結びついたボストンエリアの知の心臓部です。 このような枠組みを作る支援というのが本来国の支援ということでしょうか。ギッブス氏がいうように、ケンブリッジの魅力は上記の3つの分野がそばにあり、相互に深く協力しあっている点だと思います。

小さい会社のほうが、フレキシブルですし、感度がするどかったりするので、大企業も学ぶ事が実は多いのでしょう。小さい企業は失敗を恐れない勇気はありますが、本当は少々の失敗をしても大丈夫なのは大企業のような気がします。。。

アイシティに関しては
http://www.icitylondon.com
を御参照ください。

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