インキュベーターが支援する新しいホール

ケンブリッジにある、世界で一番スタートアップが集まっているCIC (ケンブリッジ イノベーションセンター)は、MITやマイクロソフト、グーグルのそばにあるインキュベーターで、賃料月に350ドルから事務所を構えられます。そこにVenture Cafeという、起業家同士がお互いに集まったり、意見交換をしあったりできるカフェが入っています。ここでは毎週、木曜にはテーマに沿ったイベントがあり、起業家や投資家も参加して互いに交流し合います。

そのベンチャーカフェが、ウォーターフロントに新しく District Hall というホールを作りました。ここはイベントスペースで、マスチャレンジのようなインキュベータがピッチイベントをしたり、小さな会社がバイヤーの為の商談をするスペースがあったり、イベントスペースとしては約470人ほど収容できます。隣にはレストランも併設、イベントホールの中にはバーもあります。

ボストングローブ紙 11月 4日

ボストンの新しいDistrict Hall(ディストリクト ホール)はいろんな事に使える。イベントスペース、ミーティングスペース、レストラン、そして道場。

いえいえ、ミスターミヤギはきませんけど(*ベスト•キッドの師匠です)
11月23日にはデジタル空手道場が開かれる。ウェブとモバイル開発、コンピュータプログラミングとゲームデザインが学べる。

この一日セッションは27ヵ国でコンピュータークラブを運営している、ノンプロフィット団体のCoderDojoによって行われ、Polaris Partnersというベンチャーキャピタルによって支援されている。10歳〜14歳の子供は無料で参加できる。

今回の講師は、CoderDojo の創設者のJames Wheltonで2年前にアイルランドでコンピュータクラブを始めた。
Whelton氏は CoderDojoの運営するコンピュータクラブをサポートする為に、今年ハローワールド財団を設立して、Polarisは財団の初めてのコーポレートスポンサーになった。

Polaris managingのパートナーは、
”CoderDojoへの投資は、私達みんなの将来に対する投資です。私達の世代がスポーツやアートの世界でしてきたように、新しい世代の起業が技術力で繁栄することを創造してみてください。この、サポートはとても特別なことです。”

という、記事です。

ベンチャーカフェは、起業家同士や、投資家と結びつけたり、スタートアップが活性化するような仕組みを作ったりしています。
このホールができたことで、一般人となかなか交流しにくかった、スタートアップの世界と、一般消費者との距離が縮むような気がします。

日本でも10代の子供たちがプログラミングを習える機会がふえているようですね。色々な事が低年齢から始めないといけなくなっている、というかできるようになっている、ようです。なんでも自分の才能を早くから見極めることができる人ほど、又 好き、と得意な分野の組み合わせを見つけられる人ほど成功のチャンスが増えるのかな、という感じです。親も様々な意味でのサポートが要求されていますね。

子離れができない親、問題になる ”スノープラウ ペアレンツ”

タイガーマムに、ヘリコプターペアレンツ、モンスターペアレンツ(といっても、この表現は日本のもののようですが)に、今度は ”スノープラウペアレンツ(除雪車のような親)”の登場です。過保護な親や、子離れできない親で困っているのは日本だけではないようです。

ヘリコプターペアレンツはここ数年、過保護の親のことをいっていましたが、”スノープラウ ペアレンツ”とはどうやら、除雪車のように、子供が生きて行く上でおこるであろう、障害物を取り除いていく親のことを指すようです。障害物には、挑戦していくべきものであったり、一生懸命やらなければのりこえられないであろうことも、含まれるようです。これは、子供が成功するということにフォーカスをあて、失敗しないようにする という概念が背後にあります。ヘリコプテターペアレンツが子供に何かあっては大変という、恐れから、過保護になるのに対し、スノープラウ ペアレンツは子供の人生がよりスムースに進むように手助けをしていくという違いによるもの、だそうです。

ボストングローブ紙 11月9日

”スノープラウ ペアレンツ” は、大学のキャンパスでも問題になっている。

ボストン大学ではある学生の父親が、娘がとった成績が気に食わなくて、教授や学部長に文句をいいにいった。ボストンカレッジでは親が子供の寮のルームメイトの文句をいいにくる。シモンズカレッジでは、騒音、フードアレルギーやグルテンフリーのダイエットのこと、サラダバーの種類について注文をつけてくる親がいる。
シモンズカレッジは、”もちろん、こういうことは 全ての学生の親がしている、ということではありません。ただ、以前よりずっと、学生の生活に親が口出しをするようになってきているのです” という。

子供が小さいうちから、勉強や社会活動に過度に手と口をだしてきた 悪名高き ”ヘリコプターペアレンツ” と呼ばれた人達が、子供達が 大学にいくと今度は、その先の道が更にスムースにいくように ”スノープラウ ペアレンツ” になっているのだ。
新学期が始まって数ヶ月は子供も親も新しい生活になじまなければならないが、大抵は11月の末頃までにはおちつくのが、最近なかなか子供を手放さない親がふえている。
“そういう親は 子供達の能力を発達させたり、プライドを感じさせたりするチャンスを奪っているということを理解すべきです。”と、マリーワシントン大学 の心理学の教授、Holly Schiffrin 教授はいう。教授は、親が学生と24時間連絡がとれなかった場合、警察に連絡したり、夏のアルバイトの面接に母親が同席したり(その子は採用されなかった)という例を耳にしている。

ボストン周辺でいくつものレストランを経営しているGreen さんは、息子や娘の仕事の面接に母親が一緒にきて、黙っている学生の隣でしゃべっているという、事を何度か経験している。”息子は話す事ができるのか?どうやって、顧客や他の従業員とコミュニケーションをとるつもりなんだろうか?”

心理学の教授、Holly Schiffrinによると、人が幸福になる為には3つの要素が必要だという。
それは、自立していると感じること、自分には才能や、能力があると感じること、他人との関係を築きそれを維持できること。
ところが研究によると、親が過度に干渉する子供にはその3つに悪い影響がでている。”親は子供の手助けをしていると思っているようですが、子供は失敗してもいいのです。”

大学生は大人になる過程の時期である。
学生の中には、災難とか、不幸な出来事に遭遇したことがなく、それに対してどうしていいかもわからない、人達がいる。だから小さな事でも大きな人生の危機になってしまう。そういう生徒はティーカップのようで、壊れやすい。

そして、テクノロジーの発達が親と子を、いつも連絡がとれるようにしてしまった。大学1、2年生は毎日平均2回は親と連絡をしている、そしてそのうち4分の3の学生はそれでいいと思っている。中には一日に7、8回大学生の子供と連絡をとる親がいるが、それは子供の為でなく、親の為になっている。”親は、子供から必要とされていると感じることが必要なのです”

大学では学生に対するオリエンテーションとは別に、親に対してオリエンテーションを行っている。内容は、子供達は何を期待しているか、そして、親はどうやって子供をサポートするのが一番いいのかということだ。
両親の中には、子供は自立するべきだといって、突然接触を絶ってしまう人もいるが、これも適切ではない。
”大学に入る時には、自立できるように、だんだん責任をとれるようにしていくべきなのです。”

ボストン大学のジャーナリズムの教授は ”学生に関する情報は親には知らせないという、かなり厳しいポリシーがあります。私達の関係は学生に寄り添ったものなのです。” という。

ボストンカレッジでは学生が時々親を友達のように見ているという話をきく。”その状況は理解できます。が、友たちだけではいけません。親は子供をサポートしないといけないし、彼らが選択をする為に、十分な情報を持っているかの確認をしなければいけません。失敗をする機会も与えるべきだし、将来的にもっと大きな問題に対処しなければいけないことを考えると、準備ができていなければ困りますよ。”

日本人にとって一番大切なものは?

アメリカにきて、最近よく思うのはここは本当に ”お金”というものを中心に事が動いているんだなということです。
アメリカで成功する、ということはどれだけ沢山の ”お金” を作ったかであり、投資家も、結局もっとお金を手にいれるために相手に投資して。。。

”お金” を手に入れるために、お金を払うという感じでしょうか。

その事を先日、スイス人のグループと話していて、スイス人の実業家が ”それが資本主義というものだよ、どこも一緒さ”、といいます。それに対してもう一人のスイス人が ”いや、そうかな?スイス人にとって一番大切なものは ”安心” だよ” と。

それをきいて、他のスイス人達も確かにそうだ、と納得。銀行も、どれだけ自分たちの資産を守ってくれるか、ヨーロッパの大国に囲まれた小国が、他の国から攻め込まれない為にどうやって 身を守るのか、外交に関しても自分たちの国をどれだけ、外敵から守れるか、どうしたら 自分たちが ”安心” して暮らしていけるのかということを考えるようです。 

“安心” を手に入れるためにお金を払っている感じ?

では日本人にとってはどうでしょう?

これは私の個人的な感覚なので、もちろん個人差はあると思われますが、日本人にとって、大切なことは ”調和” なのかな、と思います。(昔から和の文化といわれているように。)今、日本国内にいると、それほど感じないかもしれませんが、外国にいると日本は、まだ ”調和” を重んじる国だと感じます。本来は、自然との調和であり、自分の属する社会との調和でありました。でもそれは、実はとても大事なことで、というか、これからもっと大事になるような気さえするのです。自分をおさえるとか、その場の空気をあわせる為にする保守的な調和ではなく、コミュニケーション力をあげることで周りとの調和をはかる、前向きで積極的な調和とでもいいましょうか。沢山の人に受け入れられるものは、個性が強いとしてもやはりそれなりに、まわりとの調和がとれていると思います。前向きな調和をとることができる人が今後ますます、リーダーシップをとることができるのではないでしょうか?

日本人は ”調和” の為にお金を払う? 人間関係を円滑にまわす為に、日本人はお金を結構使っていますよね、実際。

新規事業を起こす時や、新しいビジネスを始める時はチームを組め、といわれますが、チームで働くのは日本人にとっては結構当たり前で得意なんではないでしょうか、特に日本人同士の場合は。団体で行動する為には、周りをみて自分の立ち位置を決めたり、他人を気ずかう気持ちや感謝の気持ちをもったり、自分をわかってもらう為のコミュにケーション力が必要です。要するに、周りと積極的に調和をしていかないと、上手くいきません。そうやって、たくさんの人を巻き込むことができれば、ずっと大きな事業ができる気がします。
今後は、日本人同士だけでなく、外国人も含めて調和していく必要があると思いますが。もちろん、政治的にも。。。

みなさんにとって、重要なことはなんでしょう?

世界の問題をボストンから解決しようーソーシャルアントレプレナーシップ

ボストンのいいところは、アメリカの中でもかなりインターナショナルなところです。ハーバードやMITを始め、沢山の大学があり、エンジニア、学生、研究関係者が沢山いるという理由もあり、私が住んでいる地元の小学校で通っている生徒の国籍を数えてみたら、20カ国近かったと言う事を聞いたことがあります。そういうわけで、国際問題を解決するような、ソーシャルアントレプレナーシップの考え方も自然とでてくるのでしょう。

そんなボストンで、世界的な研究をサポートしようという集まりがありました。

ボストングローブ紙 11月4日

先週マサチューセッツ州立大学で行われたIDEAS Boston conferenceでは、3Dプリンターの話から、シーフードを守れ、まで 幅広いアイデアが集まった。

プレゼンターはSeeding Labs(使われなくなった実験室の機器を集めて、発展途上国に贈ることをしている)の創設者、Nina Dudnick やBounce Imaging (兵士や警察官が危険地域に行く時に使える、野球ボールサイズのカメラを作っている)の創設者のFrancisco Aguilarだ。

去年は Seeding Labs はケニヤより6人の科学者をよんだ。そのうちの一人の化学者である Mildred Nawiriは西アフリカにある土着の野菜がどうやってがんを予防するのかを研究している。

Nina Dudnickはその野菜はアメリカでは育たないので、研究はアメリカではできない事を指摘した。
でも、この研究は最新の機器がなければ、続けられない。Seeding Labsがサポートする前は西洋の化学者が1800年代に使った技術を使っていた。

”このような才能を持っている人はどこにでもいるので、がんのような問題は国境をこえて取り組むべき問題です。”

一方 Bounce Imagingは エクスプローラーと呼ばれる野球のボールのようなカメラを作り、兵士が行けないような危険地域にそのボールを 投げいれると内蔵された6つのカメラが何百ものイメージ写真をとってくれる。そして、その写真をつなぎ合わせて360度の景色がわかるようにするソフトウエアもある。
マイクもついているし、危険な化学物質を見つけるセンサーもとりつけられる。
似たような機器はすでにあるが、発展途上国にとってはもちろんのこと、地元の警察にとっても高すぎるし、操作も難しい。

Bounce Imagingのゴールはその球体状の機器を約700ドルで提供できるようにする事だ。警察署が沢山購入したとしても高すぎないように。

翻訳会社の提案する新しい働き方

クラウドソーシングを使った翻訳会社 Lionbridge Technologies (ライオンブリッジ テクノロジー)の話です。
Katie Johnstonというリポーターが Lionbridge のCEO  Rory Cowanにこの ”新しいタイプの働き方” がどうやって この会社を 年間4億7千5百万ドルもの売り上げを誇る会社にしたのか、をインタビューしました。

ボストングローブ紙 11月3日 

WalthamにあるLionbridge Technologies (ライオンブリッジ テクノロジー)は 早い時期にクラウドソーシングを導入し、ウェブサイトや、検索エンジンのテストの翻訳を行う 世界中に散らばっている10万人の翻訳者と、マイクロソフトやポルシェ等を含む800社のクライアントをつなぐ世界的なネットワークを形成した。
大抵の翻訳者はパートタイムで働いている。子育で、家にいる会計士から、日本にいるモバイルテスターまで様々だ。

ーどうやってLionbridge Technologiesは 始まったのですか?

始めは従来からある翻訳業務からでした。アメリカにはそんなにたくさん語学スキルがある人がいないので、世界中の翻訳者とつながることから始めました。言語は常に変化しているので、翻訳者はその国にいる必要があります。

ービジネスを始めた1996年はまだ ”クラウド” という考えはなかったですよね、この技術の進歩がどのようにビジネスをかえましたか?

どの国にも社員がいて、もしくは派遣をしていました。例えば、ナイジェリアには8つの言語があります。誰かをラゴスに向かわせ人を雇い、その人が2カ国語できるということを確認しなければなりませんでしたが、今ではインターネットのおかげでわざわざ行く必要もなくなりました。

ーLionbridge は世界中の仕事をする為にクラウドソーシングのコンセプトを使っていますね。仕事をどうやってしているのでしょうか?

あなたがどこかの国の会社でウェブサイトをもっていて、それを15カ国語に翻訳したいとします。
まず、それを英語に直し、私たちのクラウド上にのせます。世界中にいる翻訳者たちがそのサイトにはいり、翻訳し、それを私たちが顧客のウェブサイトに戻します。みんながひとつのアプリケーションにつながって一緒に働くのです。

ー仕事のサイズはどのくらいですか?

だいたい2〜3年の契約で年間1000万ドルくらいでしょうか。
ゲーム会社だと、20言語くらいウェブサイトがあり、ビデオやフォーラム、ニュース等もあります。常に情報が変化しているので同時に20〜30の言語に翻訳されています。

ー会った事もない人達を管理するのは変な感じがしませんか?

従業員と手をつないでいる感じといいましょうか。
翻訳者と私たちは、雇い主と従業員というよりも、相互に関わり合う関係にあります。
それは、もっとフレキシブルな形ですね。

ーグローバル社会になって、この会社はどのくらい成長したと思いますか?

どんなビジネスをしていても、規模の経済を考えれば、売り上げの半分はアメリカ国外からでしょう。
クラウドモデルでは、全てを同時進行することができます。私達は顧客の商品のリリースサイクルを劇的に短縮しました。グローバル化が進んだ社会において、世界中に同時に商品を発表しなければなりませんから。

ーLionbridgeの外部委託者がしている仕事の中にはもともと、御社の従業員がやっていたものもありました。もっと仕事を外部に委託することに後ろめたさを感じませんか?

それは通常の技術革新でしょう。それは、人々がどうやって、いつ働くかの選択肢をもっと与えるように、なると思いますよ。
私達は仕事を沢山の人にしてもらおうとしています。

ーそうですね、いままで雇用の機会がなかった人達に仕事してもらっていますね。
インドの地方にいる人達に、今までできなかったような、世界規模の仕事をしてもらっています。

ーでも、私はこのビジネスモデルを心配してます、とても孤独ですし、職場にたくさん友達がいるわけでもありません。

フェイスブックやスカイプのインパクトを考えてみてください。テクノロジーはものすごい勢いで変化し、人々は違った価値観をもっています。16、7歳の子供たちは新しい世代で、ソーシャルメディアと ともに育っています。 彼らは私達が感じるような、孤独感は感じないでしょう。

以上が意訳になります。

私はもともと翻訳者ではないのですが 毎日のようにこうやって翻訳をしていると、翻訳の世界は、将来的にもっと効率がいいものが出てきそうな気がします。ただ、日本語ーゲルマン系の言語の機械翻訳というのはまだまだ、難しいだろうなあとも思います。
機械翻訳でもこれが 英語ードイツ語とかなら、そんなにひどい翻訳にはならないのですが。。。やはり、日本語とアルファベット文字の言葉というのは、根本的に考え方が違うんでしょうね。

クラウドにより、沢山の業務が在宅でできるようになった一方、米ヤフーのように、在宅業務禁止令がでたりと、結局人がやる仕事はどこかで、顔を合わせたコミュ二ケーションがあったほうが、結局生産性があがるのでしょうか。