大学が特色を出すために力をいれていること

ボストン市内及び、その周辺には60もの大学があるといいますが、それぞれに特色があり学生を惹きつける理由や、大学側が学生を選択する基準というのは学校によって違います。

都会の大学がいいのか郊外がいいのか、勉強重視か、スポーツ重視か、企業とのパイプが太くインターンシッププログラムのような実務的なプログラムが充実しているか、就職率はどうか、外国との連携に強いか、ダイバーシティについてはどうか等、判断基準は学生によっても色々違いがありますが、外から得られる情報と実際に学生や学校の人と話したり、自分の目でみると全然違うものが見えてくることも多々あることに驚かされます。

アメリカの大学は、学生を獲得するために企業がセールスに使うようなプロモーションビデオに、実際の学生を使ったカレッジ ツアーと様々な情報を提供してくれるわけですが、最近の傾向として、次の2点は多くの学生が望み、また大学が力を入れているように感じます。

・ 学生にできるだけ、大学にいる間にインターンシップや実践的な教育の機会を提供する 
・ 外国での経験を積んでもらう

インターンシッププログラムの中には6カ月間に渡るもので、単位の代わりになるものもあり、卒業後そのインターン先に就職する学生が5割を超えるプログラムもあります。
しかし、アメリカの場合、インターンシップにしても海外経験にしても、休暇を利用した数週間程度のものが多いように思います。これは学部生の時は広く浅く、というアメリカの大学の特性なのでしょうか?ヨーロッパの場合は学士をとって大学院に進む前に半年から数年かけて、インターンシップ及び、海外生活をする学生が多いです。計画的にやると数週間の場合より、かなり充実したものになる可能性が高いのですが、短期にあれもこれもみるというわけではなく、どっしりと一つのことに力を注ぐわけで明確にこれがしたいという意思がないと、とりあえずやってみる、というのにはハードルは高いかもしれませんね。

長期のインターンシップの場合、企業がインターン用に組んだプログラムを学生が受動的に取り組むというわけではなく、意欲のある自発的に動ける学生を企業側も望んでいることが多いです。
若者の就職や、インターンシップの場合、親のコネが影響力を与えるというのはどこの世界も同じようですが、採用担当者は、やはり、いくら親に頼まれても、学生のプロフィールが合わない場合はうまくいかない場合が多いといいます。

それから、アメリカで外国語を学ぶというのはとても難しいです。だから数週間でも外国に滞在して外国語、及びその文化に触れるというのは学生にとっては貴重な体験になるでしょう。

ボストン大学

ボストン大学

大学間の資金の格差がますます鮮明に。

ムーディーズが資金豊富な私立大学トップ20と公立大学20校を調べたところ、リッチな大学のトップ10が全米の大学の保有する資金合計の3分の1を占めているということを発表しました。 
私立で一番はやはりハーバード大学で428億ドル、その後にスタンフォード、イエール、プリンストンと続きます。公立ではテキサス大学の367億ドル、カリフォルニア大学とミシガン大学の順になっています。

リーマンショックで大学も痛手を負いましたがその後の、トップ大学ではリカバリーがよく逆に学校間の差がさらに大きくなったといいます。リッチな大学はさらにリッチになり、これからますます資金の集まらない学校は存続するのは厳しくなるのではないかといいます。この40の大学のうち60%は昨年寄付金をうけていますが、エリート大学は卒業生たちが裕福である場合が多いということや彼らが寄付先を探しているということもがあり、資金提供単位も大きく、億単位で募金が集まります。そのような人たちが募金をする場合は、誰にでも、どこにでも募金するということではなく”投資” する感覚に近いようです。一度の気まぐれな寄付というより、関係性を重視した寄付、寄付することにどんな意味があるのか、ということを考えて寄付することで、結果提供されたほうもさらに富む、という循環になるようです。

大抵の私立校では収入の75%は授業費等の学生からの資金でまかなっているのに対し、トップ20校は15%しか学生からの支払いに頼っていないという現実があります。
寄付金が多額にはいる場合は収入の低い学生たちに奨学金をだすことができ、そうすることで学生も偏った層からだけではなく多方面の人材を集めることができます。また資金を運営するためのファンドマネージャーに対しても、しっかり支払うことができるので、資金はますます増えるということになるようです。

公立の大学も今後ますます公的な予算が削られる方向にあるので、公的予算に頼ることなく私的なファンドからの資金提供及び、ファンドレージングが望まれています。

価値を作ることができなければ、淘汰されてしまうというのは教育といえども、産業と化して自由競争原理が働いているアメリカの大学の中では十分ありうる話です。

これだけ大学間に差ができてしまうのは、みんなが1つの成功パターンをもとめ大学を目指していることが一つの理由のような気がします、もし成功パターンの選択肢がいくつもあれば、みんながそこを目指さなくても、自分にあった学問の世界なり、研究の世界なり、職業の世界なりが描けるように思うのですが。

ドイツ人学生が語るアメリカの学校とドイツの学校での勉強の仕方の違い

先日、教育学の専門家の方と話していた時のこと。
その方がドイツ人の高校生の留学生を短期間預かった時に、アメリカの高校の勉強の仕方とドイツの勉強の仕方の違いをきいたところ、アメリカは量をこなしてパターンをどんどん覚えて問題をそれにあてはめて解いていく感じで、例えればいかに適切な公式を適切な時に使うか、ということを練習させられるけど、ドイツの場合どうやってその公式そのものを導きだすのか、ということに重点を置く感じだと答えた、といいます。

ドイツの高校の成績は日々の宿題や課題の評価やどれだけ授業に参加して発言しているか、の比重が大きく、ペーパーテストの評価はそれほど大きくはありません。テストも暗記すれば解ける問題ではなく、習った知識をどうやってつなげ合わせていくのかが問われます。そして、発言力も日々問われ、アメリカの学校の授業で一言も発言しなくてもペーパーテストの成績がよければ全体の成績にはそれほど響きませんがドイツでは口を聞かなければ確実に成績は下がります。私も、何年もドイツ人の留学生の受け入れをしてきましたが、ドイツの学校のほうがプレゼンテーションの練習をさせられる、と意外な発言もききました。(アメリカはプレゼン大国だと思っているのですけどね。。。)ディベートチームにでも入らない限りは普段の授業で発表をさせられる機会というのは多くないのかもしれません。

個人的には基礎教育ではパターンを覚えて、知識を増やすというのは重要だと思っていますが、高校、大学のレベルで応用力をどれくらいつけられるのかというのが後々の違いを大きくしていくのかと感じます。

日本人は枠組みやしくみができたらそれを完璧にこなしていくのは得意です。
しかし、パターンからはずれてしまった時の対応は苦手なのかと感じます。現実社会ではパターン外のことをどう処理するのかということが問題で、その点がまさに機械ではなく、人の価値が問われる部分のように思います。

日本社会は失敗に対してはあまり寛容ではないですが、そうするとリスクもとれなくなって身動きができなくなってしまいます。しかし、何事もやってみなければ、前には進みません。トライアンドエラーを学校生活の中で、もっと体験することができると行動することが怖くなくなるように思うのですが。。。

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学校生活が楽しければGPAはよくなる?

アメリカ人は基本的にほめ上手だと思います。
特に子供達に対してはいいところをみつけ、とてもほめてくれることで、子供は自信がつくし、ますますそこを伸ばそうとするでしょう。

もちろん褒められて嫌な気になることは少なく、喜びや、幸福感を感じることも多いと思いますがその幸福度が成績とどういう関係があるのかということをハーバードの教育学大学院が小学校から高校卒業するまでの学生を対象に調べました。(ハーバード教育学大学院 3月26日)

幸福度とモチベーション、そして成績の関係を調べたところ、幸福感は全学年の学生の学習意欲を高め、賞をもらったりといった外的要因は3年生くらいまでは幸福感に影響力があるといいます。学生は幸福感を感じたりポジティブな気持ちがあると学ぼうという気になる,と答えています。

幸福かどうかが4年生から12年生までの学生のGPAにプラスに影響を及ぼしており、それは学校の校風が好きだったり先生や友達との関係がうまくいっていれば学校生活が楽しいということにつながりそれがGPAをあげるということです。GPAは1年単位の成績を平均したものなので、長期的な人間関係が成績に影響してきます。しかし、これがSATのような一回できまる統一試験のスコアとはどういう関係があるかは定かではありません。

学校側が学生の幸せと成果をサポートしたいなら学生と先生が協力的な関係を結ぶことで先生達を信頼して大丈夫という安心感を持ってもらうことが必要なようです。

学校の勉強があまり得意でなくても、友達に会いたいからとか部活のために学校に行くというのは昔からよくありますが、おおらかな近所のおばちゃんは楽しいっていって学校にいってくれるだけで、いいのよ〜っていっていましたが、それもまんざら嘘ではないということのようですね。

増え始めるシニア向けの大学講座

平均寿命が延びたことで、いかに健康に長生きするのかということが重要になってきていますが、それと同時に、元気な高齢者が増えて、60歳過ぎの人の為の様々な市場というのも、活性化しています。
35歳をすぎると転職が難しくなるという話がある一方、50代になって新しいキャリアを始める人、60代をすぎてからコンピュータにチャレンジしたり、定年してから起業したりと、人生設計の個人差というのがますます大きくなっているように思います。

定年前に準備を始めて、早期退職して新しいキャリアを歩むという人たちも増えています。アメリカの大学でも、50歳代、60歳代の教育市場というポテンシャルに注目し始めた話がボストングローブの4月3日にありました。アメリカのコミュニティカレッジというのは地域に根ざした、2年制の短期大学で比較的学費もかからないことから、ここで2年学習してから4年生の大学に編入する若者達も結構いるのですが、そんなアメリカコミュニティカレッジ連盟が50歳以上を対象とした、コースを提供し始めました。もし、オバマ大統領が提唱しているように、コミュニテイカレッジの学費が無料化されると、一気に人が集まる可能性もあります。
現状では生涯学習ということでMOOCSや一部の大学では、単位や学位を必要としない人たちには無料でコースの受講ができるようなものもありますが、なんらかの資格や学位をとって、新たなキャリアやビジネスチャンスを目指す人も増えています。

ヨーロッパでも、40歳過ぎて新しいキャリアをしていたり、60歳過ぎた女性が高齢者対象のジムクラスの先生になった例をみてきましたが、そういった例をみていると、受け入れ側もあまり年齢を気にしていないということと、必要なのはスキルだけではなく、その後それをどう市場に売り込むかという能力もかなり必要になるような感じがします。

ハーバード大学は2009年より、アドバンストリーダーシップイニシアチブという、定年後を見据えた50代、60代の人たちがNPOの分野でリーダーシップを発揮できるようにするための育成プログラムを提供しています。スタンフォード大学も似た様なプログラムを提供していますが、62000ドル(ほぼ700万円)かかるということで、なかなか誰もが取れるコースではなさそうですね。。。