Disciplined Entrepreneurship-起業の法則 (1.市場の細分化)

Bill Aulet 著 Disciplined Entrepreneurship-起業の法則 (意訳)

起業したいという人は3つのタイプにわけられます。

アイデアがある

テクノロジーがある

情熱がある

情熱があってもアイデアやテクノロジーがない場合、自分のもっている経験や知識、技能を検証してみましょう。そして顧客が困っていることをみつけ、自分が持っている能力やスキル、技術でそれを解決するのです。

起業するためには世の中の誰かの役に立つことで、自分が得意で、これから先もやっていきたいことをみつけ、それをチームで実行します。そのためにはまず、だれが顧客なのかをみつけます。

Step1市場の細分化(マーケットセグメンテーション)

ビジネスをする上で最も大切なのは 商品を買ってくださる顧客です。
スタートアップ会社は資源が限られているので顧客中心のアプローチをするべきです。今までにない市場をつくりだすのが成功の秘訣です。

市場の細分化の仕方
まずブレインストーミングをします。可能性のある産業をとりだし、その産業の中でだれがこの商品(サービス)が必要かリストアップします。この時、エンドユーザーに焦点をあててください。この段階ではたくさんの可能性を見出してください。
次に、ブレインストーミングでだしたリストを6~12くらいまでに狭めていきます。この時以下の点に注意してください。

このターゲット層は経済的に余裕があるか
ターゲットに直接売れるか
その商品を買うべき理由があるのか
その商品をパートナーの助けをかりれば、今日、納品できるのか?
強力な競争相手がいるか
この市場で勝てば、他の市場に入れる可能性があるのか

次に第1次市場調査を行ないます。
すでに存在する市場調査レポートがどこかにあるならば、もうその市場に入るのは遅いでしょう。
顧客になる可能性のある企業や人を調査をします。そこで現状の問題点を引き出すのです。
顧客と話す時は以下の点に注意してください。
まず、あなたには今顧客が望んでいることに対する回答がないこと。
顧客はあなたのために回答を用意していないこと。
顧客と話すと時にはセールスではなくあくまでも質問、調査です。

市場調査には少なくとも数週間はかけてください。

Disciplined Entrepreneurship-起業の法則(イントロダクション)

先日会った、ベンチャーキャピタリストにすすめられたのが この本、 

Disciplined Entrepreneurship

です。どうやらまだ日本語に訳されていないようなので、(2013年9月17日現在)ここで簡単に訳して紹介したいと思います。(意訳なので詳細を確認したい方は原文でお読みください。)


Disciplined Entrepreneurship: 24 Steps to a Successful Startup

まず、この本の著者Bill Aulet はMITスローンスクール(MBA)でアントレプレナーシップの講義をしている講師であり、自身がいくつもの会社を興した起業家でもあります。
個々の分野でたくさんのいい本が、(例えばマーケティングや、ビジネスモデル、資金調達等に関して)出版されていますが、全体像を語る本がなく、著者は20年前自分が初めて起業家になった時
この本があればよかった、と思っているそうです。

この本では、どのように市場にうけいれられる

商品

を、作っていくのかということを

24のプロセス

で紹介していきます。

イントロダクション

世間にいる著名な起業家たちに共通していることは、特別な遺伝子があったことではなく、すばらしい商品を作ったということです。
そして、このすばらしい商品を作るというプロセスは教わることができるのです。

いくつかの神話がまかり通っていますが実は、

  • 創業者が一人ではなく起業にたくさんの人がかかわるほど、成功の確率が高くなります。
  • 短期でみれば起業家のカリスマ性は効果的かもしれませんが、長期的にはそうともいえません。それより、まわりと上手くコミュニケーションがとれたり、他の人をリクルートする能力に長けていたり、セールスが上手であることのほうが重要です。
  • 起業家的遺伝子というものが存在すると思っている人がいますが、これは商品のコンセプトを作り、調達するというスキルです。このスキルは学べます。
  • 例えばMITをみると、卒業生が設立した企業の年間売り上げを統合してみると、世界で11番目に大きな経済圏になるそうです。
    なぜ、こんなにMITの卒業生の作る会社の成功率が高いのでしょうか。
    これは特別頭がいい人が集まっているからとか、最先端の技術や、パテントをもっているから、という人たちもいますが、本当の理由は精神的なことと、スキル(技能)の組み合わせなのです。
    まわりに起業する人が多いのでロールモデルもいて、すぐ ”起業ウィルス” に伝染するのです。互いを刺激し合い、学ぶだけでなく、それが個人やグループのアイデンティティになるのです。

    健全な市場においては 2種類の起業のスタイルがあります

  • 中小企業
  • 一人で始め、ローカルな市場で数人の従業員規模で行うもの。例えば家族企業

  • 革新的な企業
  • これはもう少し、リスクが高く、市場もローカルとは限りません。これらの企業は、明確に競争力のある、テクノロジーやサービス、ビジネスモデルをもっています。そしてこの本では自分が得意でよく知っている、革新的な企業の起業に関して取り扱います。

    イノベーションとはなんでしょうか?

    何かを発明しないと革新的なことはできないのでしょうか?イノベーションとは発明を商業化することです。自分達が発明しなくても、アップルやグーグルは他の企業が発明したものを自社を通じ商業化させました。イノベーションはテクノロジーに限ったことではありません。もちろん、テクノロジーがなければ、なりたちませんが、現在のグーグルやアイチューン等はビジネスモデルを革新化させたものです。

    スイス科学領事館 swissnex(スイスネックス) モデル

    先日の韓国の記事にあるように、国をあげての創業支援という考え方が広まってきていますが、その実例としてスイス科学領事館SWISSNEXについて説明します。

    スイス外務省によると、“スイスの科学分野における領事館と称される“スイスネックス”は、“研究開発、技術革新の分野において、国際競争力を持つ国・スイス”を世界に広める役割を担い、連邦内務省管轄下の連邦教育・研究事務局、および、連邦外務省との共同で行っている。”とありますが、具体的には何をしているかというと、スイスの高等教育〔大学、大学院レベル〕や科学技術の分野の研究、企業を海外に紹介したり、スイスのベンチャー企業の教育や、その他の企業の外国進出を手伝ったり(企業、産業を当該国と結びつけたり、スイス企業の進出を促すようなプラットフォームを作っています。)主に科学技術関連のイベントを多く開催することで、スイス人、企業を現地のコミュニティーと結びつける活動を多く行っているのです。また、スイスに進出したい外国企業のお手伝いもしています。日本でいうとJetroを思いうかべる方もいると思いますが、もう少しオープンな科学技術ベースの交流をはかる専門領事館です。特にボストンはライフサイエンスのハブということで、たくさんのスイス研究者も勉強にきています。

  • swissnexのユニークな点
  • 領事館、という国がバックにある機関にもかかわらず、民間資本も半分以上は入っている点です。例えば一つのプロジェクトを行う場合、1/3は国家予算から出し、残りの2/3は民間や、他のファンドから資金を調達します。それにより、領事館運営が経済性のある活動になるのです。当然、各プロジェクトの経済効果ということも、考えられるようになりますし、そこが一般の公共機関の活動とは大きく異なることだと思われます。特にアメリカのようにソーシャルネットワークが非常に重要視される場所ではこのような開かれたスタイルというのは効果的なようです。

    世界にあるSWISSNEXは今のところ、ボストン、サンフランシスコ、上海、シンガポール、バンガロール、ブラジル、にありますが今後, 他の国にも増えていきそうです。
    このモデルは大変上手くいっているようで、世界各国が似たようなモデルの構築に急いでいます。

    あれ?なぜ東京にはないの?と思いますが、領事館の設置条件が大使館のないところ、だそうです。(そのかわり東京には大使館に科学技術部が、あります。)

    もし、あなたが40歳を超えていて、これから英語を使ってビジネスや起業に関わることを学ぼうと思っているのなら...(その3)

    オンラインコース

    近年オンラインのコースの発達はめざましくMOOCs(massive open online course)で世界各国の有名大学の講義をうけることができます。その他オンラインの学習については他にも詳しくかかれているサイトがあるのでそちらを参考にしてみてください。MOOCs(massive open online course)で検索すると例えばこんなサイトがでてきます。
    この中で私が個人的におすすめなのはTEDでしょうか。

    TEDでは、ビジネス界だけでなくさまざまな分野の人たちの講義、プレゼンがみれます。内容も面白く英語の勉強にもなりますが、それよりありとあらゆるジャンルの話があり、さすがプレゼン大国アメリカ!と、思います。プレゼンテーションの勉強になりますね。アメリカ人って人をその気にさせるのが上手いです。なんかこう、やる気にさせてくれるっていうか、自分もできるって気にさせてくれるって言うか(笑〕

    それからボストンにあるハーバード大学 とMITがもともと共同で作ったオンラインのコース、 edX
    どちらかといえば人文系のハーバードと工学系のMITが一緒に作ったことであらゆる分野の勉強をカバーしようという感じですね。ハーバードの有名教授の講義もきけますし、日本の京都大学や世界の他の大学のコースもとれます。
    edXでハーバードの授業をオンライン受講したのですが、講義をビデオで聞いてみると、英語の字幕がでるので英語の勉強には本当に適していると思います。聞き取れなくても字幕を見て、単語がわからなければ、その場で調べることもできます。

    オンライン学習のいいところは、場所と時間にとらわれないところでしょうか。わからなくても何度も繰りかえし見ることもできます。
    難点は、一方的で、人と触れ合うことが難しいことですね。人脈を作ることが目的の一つならば、実際に現地に足を運び、時間をかけ、人と一緒に何かをしたほうがいいでしょう。オンラインがいくら便利といっても、他人と一緒に何かを成し遂げることは特別な経験になります。

    お勧めプラン

  • 休暇を利用
  • サバティカル(長期間勤続者に対して付与される長期休暇)を利用
  • 企業の講習、研修として認めてもらう
  • この3つのうち、どれかが可能なら、理想的なのは
    普段は無料オンラインコースを、英語の勉強をかねて受講、又自分の興味のある分野の原書〔英語〕を読んでおく。
    まとまった時間が取れるときに現地にきて1週間~3ヶ月程度のコースに参加する

    というのが、現実的かもしれません。
    例1)ハイブリッドの3ヶ月コースをとり、始めの2ヶ月は日本からオンラインで参加し、最後の1ヶ月は現地にくる

    例2)ハーバードエクステンションの1月コースをとる。
    これは普段は3ヶ月くらいかけてやるものを、1月の1ヶ月間でおわらせられるようなカリキュラムになっています。

    短期間のコースは物事の深堀はできなくても、トレンドを知ることができます。特にボストン周辺の大学というのは大変国際色が豊かなので、世界の最新情報が早く集まります。参加者同士と話すだけでも、色々な業界の問題点やそれにどう対処しているか、トレンド等がわかったりします。

    ビジネスコースをとる最大のメリット

    ビジネス関連のコースは特にグループワークをさせられるので国際社会でのチームプレーを学びます。私個人的にはやはりリアルに空気を感じることができるというのは大事な点です。実際に会って、飲みにいったり、ディスカッションをしたりすることで、人との距離感がずっと縮まるからです。そういう理由でハイブリッドのコースというのはおもしろいです。いつもはネット上で触れ合ってた人をリアルにみると、結構感動します(笑)

    教育事情はどんどん変化します。また更なる新しいおすすめ情報が入り次第アップしますね。

    国の起業支援

    少し時間がたってしまったのですが、たまたま 米ボストンに創業支援センター設立へ=韓国長官
    という記事〔8月9日付)をみつけました。先日のピッチイベントでも投資家の方がいっておられたのですが、”今世界中の国がボストンに注目している。それは、スタートアップ企業のサポート体制〔資金や様々なサービス)、環境が整っているからだ” と。

    春にはスイスからの企業が20社、ロシアからの企業も数十社、視察や企業教育のためにきています。ドイツ、フランスをはじめ世界各国がスタートアップ企業を支援する仕組みを国をあげて、作ろうとしているのです。どういうことかというと、ボストンには前述したように大学の研究機関が集中しています。MITやHarvard 等の技術を使い、資金はベンチャーキャピタルから集め、(例えば韓国系の会社であっても、アメリカに所在していれば、ようするに言い換えればアメリカで税金を払うことになるならばということでしょうか、ベンチャーは投資します)ボストンから世界市場を狙うということです。その為に、国をあげて今各国がサポート体制を作ろうと動いているのです。日本はどうでしょうか。日本には世界に誇れる技術がたくさんあると思いますがそれを世界とつなげる仕組みはあるでしょうか? すでに10年以上も前からそういった仕組み作りを国をあげて、行っている国があります。

    スイス科学技術領事館SWISSNEXについては次回に詳しくお話させていただきます。