大学はファーストジェネレーションの学生の要求を満たす努力をしている

マサチューセッツ州は、全米でも教育レベルがとても高く、また親も子供の教育に対して関心が高いために教育熱心な家庭が多いです。
高等教育の学費の高さはいつもアメリカでは問題になります、というのも、私立大学にいくとなると、年間300〜400万円くらいはかかりますし、それに生活費、交際費と、4年間かけ、リベラルアーツが主である米国教育の場合、(日本の大学もそうですが、)一般大学の文系で4年間勉強しても専門家にはなれません。
職業に直結した教育をうけたいとなると更に大学院に行く必要がでてきて、更に プラス2年。しかも、現在 大学院までの教育の必要性がますます問われています。しかし、4年間の大学教育で経済的に力尽きてしまい、仕事を探しても、それなりの収入の仕事がみつからないケースが増えており、若者の失業率をあげてしまっています。
一方、一時期中国にいってしまった製造業がまた米国に戻り、一部の製造業で人手不足になっていたりします。果たして、工場のラインで働く為に4年生の大学を出る必要があるのか、という問題にもなり、教育システムそのものの見直しがせまられているのでしょうか。

このような現状の中で、教育の機会は平等であるべきという信念のもと、大学がそれでも経済的にめぐまれない学生たちの支援をしているという記事です。

ボストングローブ 9月30日

大学はファーストジェネレーションの学生の要求を満たす努力をしている

要約

家族の中で初めて大学に進学した学生達を ”ファーストジェネレーション” とよぶ。
MITのファーストジェネレーションプロジェクトは、世界でもっとも有名な大学のひとつである、MITとはいったい何であるか を親に説明しなければならなかった、ファーストジェネレーションの学生を 色々な面でサポートするとともに、大学や学生が主催してネットワークイベントやメンター指導などを行なっている。

裕福な家庭の子供達ばかり受け入れているとの批判から、エリート大学では近年収入の低い家庭の学生だったり、ファーストジェネレーションの学生をとることに力をいれている。経済的な多様性があると、学生の個性も際立つ。ある親は子供が家をでていったり、家計を働いて助けないことを怒っていたり、ある学生は親の犠牲の上で学校にきているのに いい成績が残せないことを、恐れている。学部長によれば、欠席届けを一番多くだしにくるのはファーストジェネレーションの学生だという。ある学生は、行きたくても経済的理由からいけない夕食に誘われた時 どうやって断るかを考えていたが、ファーストジェネレーションプロジェクトが主催したオリエンテーションをうけて、自分の気持ちをわかってくれる人達がいることがわかってよかった、という。MITでは16%の新入生の親は4年生の大学をでていない。統計によると、収入が低い家庭の学生の多くがファーストジェネレーションであり、学歴も低い。

低所得家庭とファーストジェネレーションの学生をサポートする取り組みはタフツ大学やノースイースタン大学、スミスカレッジでも行われている。
象徴的なのはホロコーストの犠牲者の息子であり ベネズエラの貧しい家庭環境で育ったRafael Reif氏が去年 MITの学長になったことだ。

学校の外でもファーストジェネレーションを援助する動きがある。例えばゲイツファンデーション(ビルゲイツの財団法人)から補助金をうけたNGOが ”アイ アム ファースト” プロジェクトを展開しようとしている。
現在、生物工学の教授であるLeona Samson教授はイギリスの工場地区で育ち、馬鹿な子だといわれ、15才で高校を退学して, その後なんとか大学にはいったものの一年目に落第しかけた。 彼女は ”自分に対して何も期待をしないいいことは、おこること全てが, 思いもかけないような驚きに満ちていることです。” という。 

ジンバブエからきたFidelis Chimombeは家にはコンピュータもなく、未亡人の母が学費をはらえるように、同じスニーカーだけを3年間はき続け生活費を節約したり、自分も働いて仕送りをしている。彼は去年、うつになったが、母親には言えなかった。今はどうやって自分の国を変えていけるかを 考えている。”僕の子供達は僕がしてきたような、生活はしないでしょう”

以上が要約になります。

いくら成績優秀だとしても、同じエリア、同じ学校、同じ人種ばかりから学生をとるということをしていると、同じようなものしか生まれません。(もちろん管理する側はそのほうが楽だと思いますが。)そこでなるべく違ったものをミックスしてお互いに、刺激しあう環境を作るということが、新しいものを作る原動力になるということですね。
そこがまさしく、アメリカがゼロから何かを作りあげる源なのかな、と感じます。
父親も、兄弟もMITを卒業して、高校の最終学年を飛び級したという学生の隣に、家にコンピュータがなく、生活費を削る為に、3年間同じスニーカーだけをはいているジンバブエからきた学生が机を並べるという状況は、互いに刺激し合わないわけがありません。
教育に関しては国境をこえて支援していくというアメリカの姿勢は、意図的かどうかは別としてアメリカを長期的には外敵から守るという外交的な役割も担っているのかな、とも思います。

Disciplined Entrepreneurship-起業の法則(イントロダクション)

先日会った、ベンチャーキャピタリストにすすめられたのが この本、 

Disciplined Entrepreneurship

です。どうやらまだ日本語に訳されていないようなので、(2013年9月17日現在)ここで簡単に訳して紹介したいと思います。(意訳なので詳細を確認したい方は原文でお読みください。)


Disciplined Entrepreneurship: 24 Steps to a Successful Startup

まず、この本の著者Bill Aulet はMITスローンスクール(MBA)でアントレプレナーシップの講義をしている講師であり、自身がいくつもの会社を興した起業家でもあります。
個々の分野でたくさんのいい本が、(例えばマーケティングや、ビジネスモデル、資金調達等に関して)出版されていますが、全体像を語る本がなく、著者は20年前自分が初めて起業家になった時
この本があればよかった、と思っているそうです。

この本では、どのように市場にうけいれられる

商品

を、作っていくのかということを

24のプロセス

で紹介していきます。

イントロダクション

世間にいる著名な起業家たちに共通していることは、特別な遺伝子があったことではなく、すばらしい商品を作ったということです。
そして、このすばらしい商品を作るというプロセスは教わることができるのです。

いくつかの神話がまかり通っていますが実は、

  • 創業者が一人ではなく起業にたくさんの人がかかわるほど、成功の確率が高くなります。
  • 短期でみれば起業家のカリスマ性は効果的かもしれませんが、長期的にはそうともいえません。それより、まわりと上手くコミュニケーションがとれたり、他の人をリクルートする能力に長けていたり、セールスが上手であることのほうが重要です。
  • 起業家的遺伝子というものが存在すると思っている人がいますが、これは商品のコンセプトを作り、調達するというスキルです。このスキルは学べます。
  • 例えばMITをみると、卒業生が設立した企業の年間売り上げを統合してみると、世界で11番目に大きな経済圏になるそうです。
    なぜ、こんなにMITの卒業生の作る会社の成功率が高いのでしょうか。
    これは特別頭がいい人が集まっているからとか、最先端の技術や、パテントをもっているから、という人たちもいますが、本当の理由は精神的なことと、スキル(技能)の組み合わせなのです。
    まわりに起業する人が多いのでロールモデルもいて、すぐ ”起業ウィルス” に伝染するのです。互いを刺激し合い、学ぶだけでなく、それが個人やグループのアイデンティティになるのです。

    健全な市場においては 2種類の起業のスタイルがあります

  • 中小企業
  • 一人で始め、ローカルな市場で数人の従業員規模で行うもの。例えば家族企業

  • 革新的な企業
  • これはもう少し、リスクが高く、市場もローカルとは限りません。これらの企業は、明確に競争力のある、テクノロジーやサービス、ビジネスモデルをもっています。そしてこの本では自分が得意でよく知っている、革新的な企業の起業に関して取り扱います。

    イノベーションとはなんでしょうか?

    何かを発明しないと革新的なことはできないのでしょうか?イノベーションとは発明を商業化することです。自分達が発明しなくても、アップルやグーグルは他の企業が発明したものを自社を通じ商業化させました。イノベーションはテクノロジーに限ったことではありません。もちろん、テクノロジーがなければ、なりたちませんが、現在のグーグルやアイチューン等はビジネスモデルを革新化させたものです。

    もし、あなたが40歳を超えていて、これから英語を使ってビジネスや起業に関わることを学ぼうと思っているのなら...(その3)

    オンラインコース

    近年オンラインのコースの発達はめざましくMOOCs(massive open online course)で世界各国の有名大学の講義をうけることができます。その他オンラインの学習については他にも詳しくかかれているサイトがあるのでそちらを参考にしてみてください。MOOCs(massive open online course)で検索すると例えばこんなサイトがでてきます。
    この中で私が個人的におすすめなのはTEDでしょうか。

    TEDでは、ビジネス界だけでなくさまざまな分野の人たちの講義、プレゼンがみれます。内容も面白く英語の勉強にもなりますが、それよりありとあらゆるジャンルの話があり、さすがプレゼン大国アメリカ!と、思います。プレゼンテーションの勉強になりますね。アメリカ人って人をその気にさせるのが上手いです。なんかこう、やる気にさせてくれるっていうか、自分もできるって気にさせてくれるって言うか(笑〕

    それからボストンにあるハーバード大学 とMITがもともと共同で作ったオンラインのコース、 edX
    どちらかといえば人文系のハーバードと工学系のMITが一緒に作ったことであらゆる分野の勉強をカバーしようという感じですね。ハーバードの有名教授の講義もきけますし、日本の京都大学や世界の他の大学のコースもとれます。
    edXでハーバードの授業をオンライン受講したのですが、講義をビデオで聞いてみると、英語の字幕がでるので英語の勉強には本当に適していると思います。聞き取れなくても字幕を見て、単語がわからなければ、その場で調べることもできます。

    オンライン学習のいいところは、場所と時間にとらわれないところでしょうか。わからなくても何度も繰りかえし見ることもできます。
    難点は、一方的で、人と触れ合うことが難しいことですね。人脈を作ることが目的の一つならば、実際に現地に足を運び、時間をかけ、人と一緒に何かをしたほうがいいでしょう。オンラインがいくら便利といっても、他人と一緒に何かを成し遂げることは特別な経験になります。

    お勧めプラン

  • 休暇を利用
  • サバティカル(長期間勤続者に対して付与される長期休暇)を利用
  • 企業の講習、研修として認めてもらう
  • この3つのうち、どれかが可能なら、理想的なのは
    普段は無料オンラインコースを、英語の勉強をかねて受講、又自分の興味のある分野の原書〔英語〕を読んでおく。
    まとまった時間が取れるときに現地にきて1週間~3ヶ月程度のコースに参加する

    というのが、現実的かもしれません。
    例1)ハイブリッドの3ヶ月コースをとり、始めの2ヶ月は日本からオンラインで参加し、最後の1ヶ月は現地にくる

    例2)ハーバードエクステンションの1月コースをとる。
    これは普段は3ヶ月くらいかけてやるものを、1月の1ヶ月間でおわらせられるようなカリキュラムになっています。

    短期間のコースは物事の深堀はできなくても、トレンドを知ることができます。特にボストン周辺の大学というのは大変国際色が豊かなので、世界の最新情報が早く集まります。参加者同士と話すだけでも、色々な業界の問題点やそれにどう対処しているか、トレンド等がわかったりします。

    ビジネスコースをとる最大のメリット

    ビジネス関連のコースは特にグループワークをさせられるので国際社会でのチームプレーを学びます。私個人的にはやはりリアルに空気を感じることができるというのは大事な点です。実際に会って、飲みにいったり、ディスカッションをしたりすることで、人との距離感がずっと縮まるからです。そういう理由でハイブリッドのコースというのはおもしろいです。いつもはネット上で触れ合ってた人をリアルにみると、結構感動します(笑)

    教育事情はどんどん変化します。また更なる新しいおすすめ情報が入り次第アップしますね。

    国の起業支援

    少し時間がたってしまったのですが、たまたま 米ボストンに創業支援センター設立へ=韓国長官
    という記事〔8月9日付)をみつけました。先日のピッチイベントでも投資家の方がいっておられたのですが、”今世界中の国がボストンに注目している。それは、スタートアップ企業のサポート体制〔資金や様々なサービス)、環境が整っているからだ” と。

    春にはスイスからの企業が20社、ロシアからの企業も数十社、視察や企業教育のためにきています。ドイツ、フランスをはじめ世界各国がスタートアップ企業を支援する仕組みを国をあげて、作ろうとしているのです。どういうことかというと、ボストンには前述したように大学の研究機関が集中しています。MITやHarvard 等の技術を使い、資金はベンチャーキャピタルから集め、(例えば韓国系の会社であっても、アメリカに所在していれば、ようするに言い換えればアメリカで税金を払うことになるならばということでしょうか、ベンチャーは投資します)ボストンから世界市場を狙うということです。その為に、国をあげて今各国がサポート体制を作ろうと動いているのです。日本はどうでしょうか。日本には世界に誇れる技術がたくさんあると思いますがそれを世界とつなげる仕組みはあるでしょうか? すでに10年以上も前からそういった仕組み作りを国をあげて、行っている国があります。

    スイス科学技術領事館SWISSNEXについては次回に詳しくお話させていただきます。

    もし、あなたが40歳を超えていて、これから英語を使ってビジネスや起業に関わることを学ぼうと思っているのなら...(その2)

    いわゆる経済大学として有名な大学にBABSON COLLEGE(バブソン カレッジ)という大学があります。この学校は世界に数あるMBAプログラムの中でも特にエンタープレナーシップの分野では全米ナンバーワンを誇っています。

    日本ではトヨタの社長である豊田章男氏がMBAをとった学校としても知られています。オフィシャルではありませんが、バブソンのMBAプログラムついて日本語で詳しく書かれているサイト をみつけたのではっておきます。

    ここの特徴は通常のMBAや学部教育に加え、企業やNPO法人、その他団体等の要望にあったオーダーメイドのカリキュラムを作ってくれるプログラムがある、ということでしょうか。
    もちろん、キャンパスで学ぶものもあれば、遠隔地からオンラインで学べることもできるようです。
    http://www.babson.edu/executive-education/non-degree-programs/Pages/custom-programs.aspx

    又、Non Degree Program(正式な卒業証書の発行はない)にはなりますが、4日間の起業のためのブートキャンプ があります。このキャンプは、参加者が寄宿舎にとまり、寝食をともにすることで内容の濃い4日間がすごせるというものです。仲間同士の連帯感やこの先のビジネスを一緒にやっていくようなチャンスに恵まれるかもしれません。特に、これからしたいと思っているビジネスがある場合、具体的なプランをこのカキャンプで作ることもできるでしょうし、問題点もはっきりすることでしょう。

    現地にこられない人たちのためにあるのがアントレプレナーシップ101です。これはオンラインのコースになります。

    それから個人的におもしろそうだとおもったのはスモールビジネスを買う  というコースです 

    又、その他バブソンには エグゼクティブ用のプログラム  が充実しています。

    40代以降でビジネスや起業に関してさらに英語で深堀をしたい方というのは、かなり明確な目的意識があると思います。そういう方に適しているのがこの学校だといえるでしょう。

    **ちなみにここもNon Degree Programに関しては英語の語学証明が必要はないようです。