ハーバード大学が低所得者の学生の受け入れを増やそうとしている

エリート大学が、批難をかわすための策という話もありますが、現実的にはアメリカでは、ほとんどの学生がファイナンシャルエイドのサポートを受けると言われています。

大学はファーストジェネレーションの学生の要求を満たす努力をしている
  
という記事でもありましたが、実際ダイバーシティを大切に思っているアメリカの大学にとってはいろんな人にチャンスを与えることは大切なことです。特にエリート校に入学する日本人の割合が減っているので、これから大学選びを検討している方にはチャンスがあるかもしれません。

ファイナンシャルエイドに関する詳しい情報はこちら
**ただし、日本にいる日本人が申請する場合は、特別なものでないと、難しいかもしれませんが、文部科学省などでも、エイドをだしているようです。

ボストングローブ紙 10月25日

ハーバード大学と他のエリート大学が長年低所得層の学生の受け入れを積極的に行ってこなかったことへの批難から、キャンペーンを展開しファイナンシャルエイドについてソーシャルメディアやビデオ等の方法で高校性を対象にアピールすることにした。沢山の学生やその家族は、発表されている学費をみて、申し込みをあきらめてしまうが、みんなはどんなファイナンシャルエイドがあって、それがどんなに学費を削減してくれるかをしらないのだ。非常にいい大学に、ほとんどただで通えるということさえありえるのに。

“沢山の優秀な学生が特に経済的な理由から、レベルを落とした学校にったり、大学への進学をあきらめたりしています。ハーバードではすでに毎年、140の都市や市町村に、該当する学生や両親や学校のガイダンスと会うために手紙を送っているが、ウェブサイトでは入学案内と、ファイナンシャルエイドの説明は別になっているのでわかりにくい。新しいキャンペーンはテキストメッセージやフェイスブックなどのソシャールネットワークを使うことで生徒が応募しやすくなる。まず第一の目的は低所得者層の大学卒業率をあげるということである。ハーバードによるここ数年のデータによると、裕福なエリアに住む優秀な高校四年生(最終学年)のうち、78%が全米の238の優秀な大学に、入学しているのに比べ、低所得者層住む地域の優秀な高校四年生は三分の一しか入学できていない。また、高校生は、自宅のそばにある卒業率が高くて、サポート体制がしっかりしている、大学を検討する傾向にあるという。

コーネル大学の研究所の教授のEhrenberg氏はハーバード大学等の取り組みを歓迎している、なぜならファイナンシャルエイドをよく知っている学生ほど、レベルの高い大学を選ぶからだ。しかし情報だけでは問題は解決しない。
裕福な、ハーバードやイエール、プリンストン大学はもっと低所得層の学生を受け入れられるが、財政的に厳しい他の大学は、授業料をあげなければ、低所得層の学生を受け入れられない。

以上が、意訳になります。

アメリカには、相当数の大学があり、大学間の競争がますます激しくなってもいます。日本の大学もそうですが、大学間の競争が国内だけにととどまらず、国際競争になっています。それを考えると、これから淘汰される、大学も増えていくことが想定されます。日本の学生もそれを念頭に、大学選びは世界に目を向けていくことが新しいチャンスをつかむことにつながる可能性が高いように思います。

貧富の差がますます拡大?

読売新聞の10月20日の記事で

シリコンバレー、貧富の差拡大…米の縮図に


http://www.yomiuri.co.jp/net/news0/world/20131020-OYT1T00235.htm
という記事がありました。

シリコンバレーとボストンはとても似ているポジションなので、この現象は気になります。
正直、ボストンでも同じような状況がおきているのではないのか、と気になっていたのです。
というのも、もちろん退役軍人の方が路上で生活のための募金を募っているのに出くわすのはもう普通になっているのですが、それだけではなく若者も、どういう理由かわかりませんが高校を卒業できず、ふらふらしているという話も時々ききますし、実際そういう子達を見たことがあるからです。
ビジネススクールをでてMBAをとってもなかなか仕事がみつからない人さえも目にします。(というか、そもそもMBAをとった人は起業すればいいのに、と思うのですが。。)

ケンブリッジに住んでいる友人は子供たちを私立学校に通わせる事にした理由を、子供達の家庭間の経済格差がありすぎることを一つにあげており、その中でも経済的に困っている人達の割合が非常に多いと言っていました。
高校でも教科書は支給されても(レンタルですが)計算機は指定のものを買わなければいけなく、その計算機を買えない家庭の為にレンタルサポートしている学校もあります。
公立学校は日本でも貧富の差があり、それはある程度は仕方がないことかと思いますし、それがかえって、子供たちにとってプラスに働く事もあると思うのですがアメリカの場合、国籍などのバッググラウンドも多種多様な分、違いも日本以上に大きくなり、理解できる範囲を超えてしまうのかもしれません。

結局、教育の差が経済的な差になり、今まではなんとか大学を出ればそこそこの仕事につける可能性が高かったのに、学卒だけでは成り立たなくなっている、という現実があります。それは、4年生の大学をでたところで、具体的なスキルが身につかない場合が多く、大学院をでてやっと専門的な勉強ができるというしくみになってしまっているからでしょう。実際、学卒や高卒でもいい仕事にめぐまれてきた場合、学歴が必ずしも全てにはなりませんが、学歴がボトムラインをサポートしているということはあります。就職して初めて、自分に合った仕事に巡り会ったり、また やっぱり向いていないという結論に達した場合、また新しく勉強し直すというチャンスがここにはそれでも、あるとは思います。
実際は、どんどん多くの人達が大学院やMBAをめざすということになり、ますます金銭的な負担が増えています。

MOOCsは役に立つのか?

このブログでも以前紹介したMOOCs(Massive Open Online Course)ですが、英語等を学んだり自習するのに使うにはとても適していると思いますが、実際履歴書に書いて、仕事をみつけるのにプラスになるのだろうか、という話です。

ボストングローブ紙 10月6日

MOOCsは害にならないが、役に立つのか?


現代はどこでも学べる社会である。
インターネットに接続できれば世界のトップの大学のコースをただで受講できたりする。

MOOCs(Massive Open Online Course)は受講者に単位を与えたり、修了書や学位も出す。でもこのオンラインで受講したハーバード大学やスタンフォード大学のコースが仕事を見つけるのに役立つのだろうか?

2002年にMITがオンライン上で32のコースを提供し始めた。2003年には雑誌Wiredは、オンラインでただで受講したホーチミンの学生の記事を書いている。昨年、MITとハーバードは一緒にedXという、ノンプロフィットのオンライン大学を作った。今ではカナダのMcGill大学やジョージタウン大学、コーネル大学、カリフォルニア工科大学、ウェルズリー大学等が参加している。MOOCsを受講した人たちはそのことを履歴書やリンクトインに書いており、人事担当者やリクルーターはMOOCsを受講した人は技術や知識をアップグレードしようとしていることを認める。

マサチューセッツ州立病院の人事部長はもし、仕事が特別な学位を必要としている場合はこのようなオンラインのコースでは十分ではない、と述べている。Point Bという人材派遣会社のリクルート担当は ”自分たちの技術や知識をアップデートしたり、新しい技術を身につけたりすることはいいことだとらえています” 

ボストンのオンライン保険会社のエンジニアのリクルート担当は ”MOOCsを受講した人がインタービューの時に、受講したコースがとても効果的だと証明できれば非常にプラスだと思います。” それからリクルーターがもし”ソーシャル メディア マーケティング”といったキーワード検索すれば、リンクトインにのせた履歴書が該当する可能性が高い との指摘もあった。オンラインのコースをとるよりも、実際に学校に通うコースをとることのほうを重視する、という意見もある。

Gray Chynoweth of Dyn という会社では、従業員にMOOCsを受講するように推奨している。”MOOCsを受講した人を雇用する前に、今いる従業員に受講してもらいどういう結果がでるかを調べたい” そうである。 沢山の人は、MOOCsであろうとMBAであろうと、卒業証書の重要性が下がっていて、逆にポートフォリオが重要になっている、という。ポートフォーリオとは何か?それは、あなたの経験や能力をオンライン上で、またはコンピュータ上で示すもの、例えばデザインだったり、ソフトウエアだったり、自身が作った携帯のアプリであったり、セールスの時に使ったプレゼンテーションだったりする。
ボストンのデザインとイノベーションの会社であるOne Mighty Roarの Apollo Sinkevicius氏 は ”人を雇う時に学歴は10%以下しか考慮しません。ポートフォリオと今までしてきた仕事を重点的にみます”という。
25年間リクルーターとして従事しているCatalyst Recruting 社のSummit氏は ”今日、仕事を得るときに重要なのは、今までいい会社で働いてきたか、と何をそこでしてきたのかということです。私達は会社にとって価値を早く作ってくれる人を必要としています。その為に、それができるという証拠が必要なのです。” MOOCsはすばらしいものである。だが、そこで一番の学生であったとしても、会社はあなたが何を創造できるか を知りたいのである。

以上が要約になります。
アメリカで大成功している企業家は大学を卒業していない人も多くいます。それほど、学校で学ぶセオリーというものが必ずしも、現実社会では通じないという現れだと思います。

人としてどういった能力が必要かは、する仕事の内容によっても違います。一部の仕事はコミュニケーション力であったり、デザイン力であったり、交渉力であったり、するので、必ずしもMOOCsでカバーでできない範囲もあるでしょう。

大人の学びは履歴書に書くことも一つの理由ですが、もう一つは楽しみという要素も大きいのかな、と思います。
仕事に役立つだけが学びの全てではないのかな?とも。そういう意味でも大学が様々なコースを提供してくれるのは人生を豊かにしてくれるという意味では楽しいことではないでしょうか。逆に考えて、金銭的な欲がないではじめたことが、将来的に他の収入の道を開くことになるかもしれません。

高校生に金融教育

能力主義社会のアメリカは社会的に認められてしまうと年齢は関係なく、多額の金銭をうけとる可能性があります。よくきくのがスポーツ選手で特にバスケットボール選手では
個人破産になる人の割合が多いというのが昨年の新聞記事にもありました。スポーツの世界では得に若い時に、多額の金銭をうけとっても、選手寿命も短いので気ずいたときには、年収ゼロになってしまう場合も。それでも生活のスタイルを変えることができず、自己破産に向かうようです。一般人でもクレジットカード社会のアメリカは、個人破産が多いので若いうちから、金融リテラシーというものを教えるということが重要になるようです。銀行がスポンサーになり金融に関する認識をあげるイベントが開催された話です。

ボストングローブ紙 10月6日

金融リテラシーについて高校生に質問

マサチューセッツ銀行協会はマサチューセッツ州の学校での金融教育に力をいれようとしている。前回の金融危機(リーマンショック)の時に住宅の買い手も投資家も間違った判断をしたことから経済政策者達が金融リテラシーについての重要性をといている。ボストンの連邦準備理事会(FRB)は “ 収入やライフスタイルにあわない、高額のローンや抵当からは自ら身を守る事ができるはずです ”といっている。”Common Cents”と 題したこのクイズショーでは50人の学生に信用調査や複利のしくみについてきいた。
ほとんどの学生はよくわかっていたが、一つだけほとんど全ての学生が間違った問題がある。それは、いくつになったら大学生が自分がサインするクレジットカードを取得できるか、という質問だ。大抵の学生は18歳と答えたが、正解は21歳である。

マサチューセッツ銀行協会は3年間の金融リテラシーについてのパイロットプログラムを支援しており、現在10の高校で実験的に実施しているが将来的には全てのマサチューセッツの高校で実施したいと考えている。このクイズショーは全てのマサチューセッツの学校とローカルのケーブルテレビでみることができるようになる予定だ。ショーでは特別ゲストとして、アメリカンフットボール選手だったJoe Andruzziが自身が初めてプロの選手として契約書にサインしたときにおこった問題について語った。彼は、”沢山の若いスポーツ選手は金融知識が全くないので、あるとき突然に高額な金銭を手にすると、それが人生の破滅をもたらすこともあるんだ” と語った。このクイズショーに参加した学生は、”このような金融知識は将来どのような分野に進学または就職しようと、日常生活で必要な知識です” とのべた。

連邦学生ローン、18年ぶりの高い割合での債務不履行

秋は新学期なので、先日の記事にも書いた、高等教育の学費の高さというのが、メデイアをさわがせるのですが、今回は連邦学生ローン(公的なローン)が18年ぶりに高い割合で債務不履行に陥っているという話です。といっても、毎年のように問題になるのに、改善の兆しがみえないばかりか、ますます格差が広がるような感じがしています。

9月8日発行のボストングローブマガジンによると、2005年の一人あたりの平均の学生ローン負債額が17233ドル(約170万円)だったのに対して2012年には27253ドル(約270万)になっています。一つの要因には一部の私立大学はブランド化がすすみ、オリンピック競技場も顔負けなスポーツ施設や, 学生食堂もレストランなみのメニューを取り揃えるなどのことをしていることがあげられています。学費を下げる為にオンラインのコースの提案もなされていますが、実際、大学に行く人のほとんどが様々な形の学生ローンや奨学金のお世話になっているという現実があります。

ボストングローブ紙 10月1日

連邦学生ローン、18年ぶりの高い割合での債務不履行

要約

7人に1人は連邦学生ローンの債務不履行に陥っているという事実は、この景気がよくないときに卒業生達にとって学費の支払いがどれだけ大変なのかを示している。債務不履行(デフォルト)の割合は14.7%と1995年以来、一番高い。

ワシントンのヤングインビンシブルという18歳から34歳までの若者をターゲットとしているNGOで政策担当と研究所長をしているRory Osullivan氏によると、このデフォルトの増え方は借り手の痛みを表しているという。 ”借り手にとっては財政的危機状況です。” デフォルトはクレジットカード会社の評価と将来的に借金をすることを難しくする。米国の、学生ローンの総額は、政府系のローンと民間のローンを合わせると、1兆2000億ドルにものぼる。この総額は住宅ローン以外のその他の消費者金融の負債総額を超える。

**ヤングインビンシブル というのは18歳から34歳までの若者の声が政府の政策に反映するように働きかけているNGOです。