小児科医が考えるメディアとのつきあい方

小児科で ”子供の寝室にテレビをおかないでください、もちろん両親の部屋にもです”、といわれたことがありましたが、今時テレビじゃなくて、ラップトップとかiPadのことじゃないの?と思った覚えがあります。タブレットのいいところでもあり、悪いところでもあるのが、持ち運びができること。それらのものと、一緒に成長している、今の子供たち、子供の問題以前に 親のほうのコントロールが問われるところです。教育現場にも浸透しているIT機器、使用加減というのはどの程度が適切ラインなのでしょうか。

米国小児学会が指針を発表しました。

USA Today 10月28日

テレビやスマートフォン、コンピュータやタブレット、そしてあらゆるソーシャルメディアが、アメリカの子供やティーンエージャーに大きな影響をもたらしているのに、たくさんの家庭では子供のメディア使用について規制をしていない。しかし、子供たちの健全な育成のためにもその方針を変えるべきだ、と国で一番大きな小児科医団体が忠告している。

10月28日付けで米国小児学会は、親がメディア使用計画を作り、その中でメディア使用は量の観点からだけでなく、質やメディアの使用場所、食事中やベッドタイムでのルールをきめること、そして、寝室にメディア機器をおかないように奨励する方針を発表した。この団体は全てのエンターテイメントスクリーンの使用一日2時間未満にすること、2歳未満にはスクリーンメディアの使用を推奨しない提言をしている。

ノンプロフィット団体のコモンセンスメディア による最近の調査によると、8歳以下の子供達72%がなんらかのモバイル機器(ゲームをしたり、ビデオを見たり、アプリを使ったり)を使った事があり、そのうち、17%がほぼ毎日使っている。

ニューメキシコ大学の小児科Strasburger教授は ”沢山の親が子供のメディア使用について無知であり、どうやって適切にコントロールしていくのがいいのかわかっていないというのが心配です。子供達は学校にいる時間より、他の活動時間よりメディアと長く過ごします。メディアが学校や親よりも子供達に何かを教えることの主体になりつつあることについてもっと議論されるべきです。両親や小児科医、学校、研究機関、エンターテイメントや広告産業、政府と、ともにこの問題についてもっと取り組むべきです。連邦政府は今ほどインターネットや携帯電話が普及する前の1982年以来、子供とメディアについてのレポートをかいていません。”

調査結果によると、
• 平均的な8歳から10歳の子供達は、一日8時間はあらゆる種類のメディアとともに過ごす。
  それ以上の年の子供達は11時間以上にもなる。

• テレビを子供の部屋におけば、子供はテレビをもっと見る。71%の子供達は(ティーンエージャーを含め)テレビを寝室にもっている
  50%は部屋にビデオゲームがある。

• 84%のティーンエージャーとほとんどの子供達が常にオンラインにいる。12歳から17歳の75%が携帯電話をもち88%はテキストメッセージを
  使っ ている。

メディアの過度の使用は肥満、睡眠不足、学校での問題、素行問題を引き起こす関連性が指摘されてきた。
しかし、重要なポジティブな面もある。メディアは学術的なものや、人種や民族に対する寛容性であったり、対人関係に関して教えるのにも役立つ。

Strasburger教授は “メディアはいいものでもあり、悪いものでもあります。非常にいいものもあるので、年齢にあったものを探す事と、ティーンエージャーが不適切なものにアクセスするのを制限することです。それにしても、親は子供達がメディアの津波に直面していることを認識すべきです。”

コモンセンスメディアのJim Steyer氏は、新しいデジタル機器は、持ち運びができ、子供たちのメディア使用をコントロールをするのを更にむずかしくしているという。

米国小児学会がうちだした方針の中で、他に推奨していることは、

親には:
• 子供達が選ばれた健康的なメディアをみるということを学べるように、メディアの効果的な使い方をモデル化しましょう。
 子供達と一緒にテレビや映画、ビデオをみることで子供達のメディア教育に積極的に関わって、重要な家族の価値について話し合いましょう
• 子供達がどのメディアを使い、アクセスしているか、どのウエブサイトやソーシャルメディアを使っているのかも含めて, 監視してください

小児科医に対して:
•  子供の健康診断の時、子供がどのくらいメディアを使っているか、また寝室にデレビやインターネットが接続されているかどうか聞いてみてください
•  肥満や喫煙、攻撃性が高かったり、学校での問題がある子供の詳細なメディアの使用履歴を調べてみてください。

以上要約です。

確かに、バギーにのってiPadしている子供、レストランの子供いすの上でiPadしている子供をみかけます。一昔前はこれがDSだったのですが。。。今では大人のほうが収拾がつかなくなっているのかなあという気がしますが。
それにしても一日2時間の使用って、学校で使うだけで、へたしたらそれくらいいってしまいそうです。家に帰ってきて、更に調べものをしたら、時間切れ。。。

クラウドファンディングで学費を稼ぐ

クラウドファンディングで色々なものが資金調達できるようになっていますが、個人的な学費まで調達できるとなると、本当に困っている人達にとっては朗報かもしれません。相当いろんな使い方が生まれそうです。
それにしてもアメリカの学費は高い!!!

ボストングローブ紙 11月13日

数週間前、Alexis-Brianna Felix さんはボストン大学を卒業できないんではないかと、心配になっていた。ブロンクスの貧しい地域で育った19歳の彼女は、来学期の為の学費を払うことができそうになかった。

そこで彼女はスタートアップビジネスがやるような、クラウドファンディングで学費を集め始め、ウェブサイトで家族や友達、知らない人にまで、学費を支援してもらう事にした。

“もし、私を援助してくださるのなら、寄付というより投資と考えてください。”と彼女は GoFundMe.comのサイトでいっている。
”私に投資してくださるなら、私は間違いなく成功します。がっかりは、させません。”

寄付は、大抵 一口10ドルとか25ドルとかの金額だが、募集を始めると、どんどん集まってきて、27時間後にはすぐに目標の5000ドルまで到達し、順調にいけば 家族の中で学位をとれる初めての人になれる。

現在、クラウドファンディングというのは、スタートアップに投資したり、災害や病気から立ち直るための援助資金等、を調達する方法として人気がでている。大学の学費の高騰により、インターネット上の資金集めは、研究費や留学費用、学費を捻出する為に役立っている。

しかし、クラウドファンディングにも費用がかかる、ウェブサイトによれば寄付金毎に5%の手数料が差し引かれる。
カレッジ学費の専門家によると、このように学費を集めるのはまだ珍しいというが、これからのトレンドになりそうだ。

クラウドファンディングは、Alexis-Brianna Felix さんにとっては最後の手段であった。
ボストン大学は年間 58530ドル(1ドル百円とすれば、年間約580万円!)学費がかかる。ファイナルシャルエイドや連邦ローンを差し引いても更に10000ドルを調達しなければならないのだ。

そんな時に、他の大学の学生が留学費用を募っているツイートをみて、親友に相談してみた。
友人は ”チャリティーでなく、私への投資ということを訴えてみたら?” といった。

Horace Mann Schoolという、彼女が成績が優秀で、また資金を援助してもらえた為に入れた名門のボーディングスクールでの友達、高校とボストン大学の同窓生、それから知らない人からも資金が集まった。入金された5ドルにはメッセージがついていて ”私たちはお互いに知り合いではありませんが、あなたの勇気、粘り強さと忍耐に心動かされました” というメッセージがついていた。
25日後には彼女は、募金件数 203、総額8856ドルを手にした。

この投資を回収できる自信が彼女にはある。”私は手に入れる機会を最大限に生かして、一生懸命働きます。”

広報と社会学を学んでいる彼女は、春にはボストンのスタートアップで広報のインターンシップが決まっている。

多くの高校時代の友達は高校も卒業できず、姉は資金がつきて大学を中退した。
今、彼女は、学費を出す為に自分達の貯金箱を空にしてくれた、自分の5歳と11歳の妹達を励ますことができると思っている。
”彼らが大学に行く時はお金に困らないように、私はちゃんと成功していないと!”

以上が意訳になります。

日本の大学別・生涯給料ランキングというのは時々発表されますが、アメリカのものも学費と比べた表でみてみたい、ROIはどうなのか、と思って調べてみると、ありました。
大学に行ってモトがとれるか - 大学っていい投資?

もちろん、給料だけが全てでないにしても、学生ローンを抱えたまま、何年も失業というのは本当に困ります。。。
日本でも同じようなランキングを見た時に、もしかしたら、進路を考え直すという選択肢もでてくるのかもしれません。

子離れができない親、問題になる ”スノープラウ ペアレンツ”

タイガーマムに、ヘリコプターペアレンツ、モンスターペアレンツ(といっても、この表現は日本のもののようですが)に、今度は ”スノープラウペアレンツ(除雪車のような親)”の登場です。過保護な親や、子離れできない親で困っているのは日本だけではないようです。

ヘリコプターペアレンツはここ数年、過保護の親のことをいっていましたが、”スノープラウ ペアレンツ”とはどうやら、除雪車のように、子供が生きて行く上でおこるであろう、障害物を取り除いていく親のことを指すようです。障害物には、挑戦していくべきものであったり、一生懸命やらなければのりこえられないであろうことも、含まれるようです。これは、子供が成功するということにフォーカスをあて、失敗しないようにする という概念が背後にあります。ヘリコプテターペアレンツが子供に何かあっては大変という、恐れから、過保護になるのに対し、スノープラウ ペアレンツは子供の人生がよりスムースに進むように手助けをしていくという違いによるもの、だそうです。

ボストングローブ紙 11月9日

”スノープラウ ペアレンツ” は、大学のキャンパスでも問題になっている。

ボストン大学ではある学生の父親が、娘がとった成績が気に食わなくて、教授や学部長に文句をいいにいった。ボストンカレッジでは親が子供の寮のルームメイトの文句をいいにくる。シモンズカレッジでは、騒音、フードアレルギーやグルテンフリーのダイエットのこと、サラダバーの種類について注文をつけてくる親がいる。
シモンズカレッジは、”もちろん、こういうことは 全ての学生の親がしている、ということではありません。ただ、以前よりずっと、学生の生活に親が口出しをするようになってきているのです” という。

子供が小さいうちから、勉強や社会活動に過度に手と口をだしてきた 悪名高き ”ヘリコプターペアレンツ” と呼ばれた人達が、子供達が 大学にいくと今度は、その先の道が更にスムースにいくように ”スノープラウ ペアレンツ” になっているのだ。
新学期が始まって数ヶ月は子供も親も新しい生活になじまなければならないが、大抵は11月の末頃までにはおちつくのが、最近なかなか子供を手放さない親がふえている。
“そういう親は 子供達の能力を発達させたり、プライドを感じさせたりするチャンスを奪っているということを理解すべきです。”と、マリーワシントン大学 の心理学の教授、Holly Schiffrin 教授はいう。教授は、親が学生と24時間連絡がとれなかった場合、警察に連絡したり、夏のアルバイトの面接に母親が同席したり(その子は採用されなかった)という例を耳にしている。

ボストン周辺でいくつものレストランを経営しているGreen さんは、息子や娘の仕事の面接に母親が一緒にきて、黙っている学生の隣でしゃべっているという、事を何度か経験している。”息子は話す事ができるのか?どうやって、顧客や他の従業員とコミュニケーションをとるつもりなんだろうか?”

心理学の教授、Holly Schiffrinによると、人が幸福になる為には3つの要素が必要だという。
それは、自立していると感じること、自分には才能や、能力があると感じること、他人との関係を築きそれを維持できること。
ところが研究によると、親が過度に干渉する子供にはその3つに悪い影響がでている。”親は子供の手助けをしていると思っているようですが、子供は失敗してもいいのです。”

大学生は大人になる過程の時期である。
学生の中には、災難とか、不幸な出来事に遭遇したことがなく、それに対してどうしていいかもわからない、人達がいる。だから小さな事でも大きな人生の危機になってしまう。そういう生徒はティーカップのようで、壊れやすい。

そして、テクノロジーの発達が親と子を、いつも連絡がとれるようにしてしまった。大学1、2年生は毎日平均2回は親と連絡をしている、そしてそのうち4分の3の学生はそれでいいと思っている。中には一日に7、8回大学生の子供と連絡をとる親がいるが、それは子供の為でなく、親の為になっている。”親は、子供から必要とされていると感じることが必要なのです”

大学では学生に対するオリエンテーションとは別に、親に対してオリエンテーションを行っている。内容は、子供達は何を期待しているか、そして、親はどうやって子供をサポートするのが一番いいのかということだ。
両親の中には、子供は自立するべきだといって、突然接触を絶ってしまう人もいるが、これも適切ではない。
”大学に入る時には、自立できるように、だんだん責任をとれるようにしていくべきなのです。”

ボストン大学のジャーナリズムの教授は ”学生に関する情報は親には知らせないという、かなり厳しいポリシーがあります。私達の関係は学生に寄り添ったものなのです。” という。

ボストンカレッジでは学生が時々親を友達のように見ているという話をきく。”その状況は理解できます。が、友たちだけではいけません。親は子供をサポートしないといけないし、彼らが選択をする為に、十分な情報を持っているかの確認をしなければいけません。失敗をする機会も与えるべきだし、将来的にもっと大きな問題に対処しなければいけないことを考えると、準備ができていなければ困りますよ。”

中学校での教育にiPadはどれだけ大切?

マサチューセッツ州にあるMedfield中学校で 8年生(中学2年生)が新学期に購入する、備品リストの中に iPadを入れたという話です。一部の父兄や、教育者からはiPadのような、高額な電子機器は学校で使うものなので、学校の費用で用意すべきであるという、異論がでているとのことです。

中学校のレベルでは、テクノロジー教育はどのくらい必要なのでしょうか?

ボストングローブ紙 11月3日

新学期が始まる前に、ノートある? 鉛筆もった? もしMedfield中学の8年生ならiPad を忘れないでね。

去年試験的に、iPad を使った授業を取り入れ、評判がとてもよかったが、全員がテクノロジーにアクセスする為の予算が学校にはなかったことから、学校側が親にiPad の購入を打診した。テクノロジーが学生にとってスポーツシューズやリュックサックと同じように取り入れられる時代になり、このような高価な電子機器が学校の備品として、教科書のように配られるべきなのか、それとも家庭側が用意するべきなのか、の疑問があがる。校長先生によると、”父兄達に、このことを話すと、父兄達は圧倒的に支持することを表明してくれたのです。” 

Wellesley(ボストン市郊外)においても、5年生が授業に使う為に、iPadの購入が検討されたが、結局 学校側のファンドから支払われる事になった。州のガイドラインではこれらの電子機器は数年にわたり使われるべきものなので、学校側が用意するべきといっているが、でもガイドラインでは学生にこれらの機器を買う事を奨励してもいいとある。しかし、経済的に購入が難しい家庭もあるのでその子供たちには学校側で去年試験的に用意したiPadを使っていいことになった。州政府の小学校と中学校を管轄している委員によると、”マサチューセッツにある他の学校が家庭でiPadを買うようにいったかどうかは知りませんが、州としては革新的なことを押さえ込む気はありませんが、子供たちが公正で、また平等に機会を与えられるべきであると思っています。”

Medfield中学の学校連盟のボードメンバーで6年生と8年生の子供がいるKimさんは“私は、子供たちがiPadを毎日学校で使っている、ということに感心しているの。これはすばらしいものよ。学校の教材は全てiPadにあるの。これを使わない先生がいると、子供ががっかりするわ”

一方、数百ドルもするコンピューター機器を、学校で使う為に子供に与えるなんてクレイジーだ、と憤る6年生の父親もいる。“テクノロジーはものすごい勢いで変化していくんだ。ここ、1、2年でもっと新しいものがでてくるぞ”
今年買った機器は3年間は使う事になっているが、来年の8年生もまたiPadを買うのかどうかはまだ決まっていない。

先生としては、肯定的にとらえている。”IPad があることで、授業中にどんなことができるかを見る事ができるといういい点があります。”
Medfieldは比較的裕福なエリアで、親も学校や教育をサポートしてくれるという、恵まれた環境にある。

2000人の生徒のうち、800人がランチ代がただになったり、減額を申請しているFramingham高校の校長先生にしてみれば、自分は親にそんなことを訊こうなんて、思った事もないという。100人ほどの生徒は授業が始まる前に図書館が開くのをまって、そこでコンピュータを使おうとしている。学校は今年400台の高価ではないラップトップを買い子供達がもっとテクノロジーにアクセスできるように、取り組んでいる。

いくつかの学校では、学生個人所有の機械を学校に持ち込むようにいっている。そこでは、自分がもっている機械が、どの機種でもいいのでそれを使うようにしている。

全ての学生が iPadのように同じ機器を使う場合は、それらの機器は大抵、学校から支払われている。ある地区では、毎年決まった量の機械を買い替えしている。

Medfield中学校の校長先生は、“私達は多量の紙の消費や教科書の印刷代をおさえています。テクノロジーは高価な物というより, 実際普及していて文字通り、必要なものなのです。”

以上が意訳になります。

コンピュータ機器を使い始める時期の低年齢化というのをすごく感じますが、これだけ、スマートフォンや、ラップトップ、その他ITテクノロジーが発達してしまうと、それを止めることよりも、むしろそれとどうやってつきあっていくかという、ITリテラシーの問題がさけて通れない議論になってくると思います。そこで、困っているのはむしろ、ベテランの先生なのかもしれません。

現実高校レベルでは、宿題はインターネットがないとできない、教科書もオンラインで購読可能、提出物は当然 ワードで仕上げた文書、今はまだ選択の余地がある物もありますが、そのうち全てをオンラインでやる時期がくるのかなあ、という気がします。

ただ、なんでもテクノロジーで解決できるかといえば、そうともいえず、以前バイリンガルの子供に日本語を教えていた先生が、
”学校では絶対辞書(本)をひかせます。どうしてか わかりませんが、電子機器で言葉を調べている子供よりも、辞書をひいて言葉を調べてきた子供達のほうが、確実に日本語の能力がのびるのです。” とおっしゃっていました。

今の子供たちが親になる時代には、学校には手ぶらでいくようになってしまうのでしょうか。

大学による、生き残りをかけた起業教育

日本にも沢山の大学があり、その中で、生き残りをかけて その学校の特徴をどうやってだしていくのか、大学も真剣に ”経営” ということを意識しなければならなくなってきました。
マサチューセッツ州だけで、100以上の大学があるといわれていますが、近年学生数が少ないリベラルアーツカレッジが経営難に陥っています。そんな中、学生数 約1400人のリベラルアーツカレッジである、ハンプシャーカレッジの新たな試みの話です。

ボストングローブ紙 11月1日

のんびりした学校が起業家を刺激する

先週、ハンプシャーカレッジは在校生か、最近卒業した卒業生が起業する為の 100万ドルの支援ファンドを設立したと発表した。
起業家とイノベーションの為の ”シードファンド(事業を始める為の元資金)” と呼ばれ、大学は20万ドルをこれから5年間、成功する確率の高いアイデアに分配する予定だ。

この100万ドルの資金はベンチャーキャピタリストで,、ハンプシャーカレッジの卒業生でもあるMichael Vlock氏と、 彼の妻のKaren Prizker(アメリカでも有数の資産家であるシカゴのPrizker家の出身)によって贈られた。この資金をどこからの干渉もうけることなく、自分たちの夢の実現にむけて使ってほしいといっている。

アメリカ国内のリベラルアーツカレッジは近年、カリキュラムにアントレプレナーシップ論や、その文化、補助金を出したり、夏のインターンシップ等を取り入れる努力をしている。

ハンプシャーカレッジのケースはまだ計画段階で、これからどのようにして、資金提供をするスタートアップを選ぶかをきめていかなければならない。12月までに希望者は書類を提出し、2月に選考があり、3月に最終的に賞が与えられるだろう。まだ はっきりはしないが、だいたい1〜4社くらいに資金提供できればいいと Vlock氏は思っている。

この学校には先攻というものはなく、自分で集中して勉強したいことを選択するようになっている。
”ハンプシャーカレッジはすでに 起業家的学生をサポートするようにデザインされているのです。” と、現役の学生はいう。

実際、2012年で 雑誌 フォーブスの最も ”起業家精神のある大学” の20位にランクインしている。卒業生の中には、Stonyfield Farm Yogurtの創業者や、オーガニックの肉を売るApplegate Farmsのオーナーもいる。Vlock氏によると、学生の理想は社会の問題を解決するノンプロフィット団体を設立することかもしれないが、彼は社会に還元できる、利益を追求したビジネスを望んでいる。
“次のFacebookみたいなものを立ち上げるような人が現れないかな?”

大学の起業センターの立ち上げにかかわったWong氏は、何か具体的な形になるもので 世の中を変える必要があると思う学生に資金が提供されると信じている。多分野にまたがった学びを通じて、ハンプシャーカレッジの学生は、ビジネスのみを先攻してきた学生より、広い視野で物事をとらえ、新しいアプローチで物事を解決するだろう、とWong氏はいう。

”リベラルアーツカレッジでは、アントレプレナーシップというのはビジネススクールとは違った意味でとらえられるんです。やり方も違います、といっても、我々はピザ屋を始めるつもりはないですよ。”

以上が意訳になります。

アメリカでは卒業生が母校に対してこのような大きな資金提供を、寄付もしくは基金として支払うことがよくあります。
大抵は、奨学金だったり、学校施設を維持するため、また人件費に支払われるのだと思いますが、このように明確に”起業資金”と明記することで、高等教育機関の意義が少しかわるのかもしれません。

このような背景には、アメリカ国内のリベラルアーツカレッジが抱える問題も見え隠れします。少数で、教授と学生の距離が近く、勉強や社会生活を営むには整った環境であり、一流の大学院にいくには一部のリベラルアーツの大学を出た方が確実とさえいわれていますが、一方、学生数が少ないために、卒業生からの寄付が非常に重要になっており、二極化が明確になりつつあります。極端に言えば、いろんな意味で成功している卒業生が必要なのです。

この調子でいくと、起業学という学位がとれる日がくるのでしょうか?
実際、ビジネスは学校でいすに座っているだけでなく、実践して、失敗を重ねて学ぶものでもあります。週2日学校で、3日は自分のビジネスの為に働くとか?

そういう意味でも、マスチャレンジは起業の学校だといえますね。
Hampshire College
http://www.hampshire.edu/