新しいアーバンガーデニングの形、アクアポニックス

2050年には世界の人口は90億人、70%の人々が都市に住むようになり、必要な食料の量は今の倍になるという試算が国連食料農業機関にはあるそうです。

そういう予測のあるなか、都市での農業に将来を見いだして”アクアポニックス” で食料を生産するシステムを作っている、Urban Farmers(アーバンファーマーズ)という会社があります。
アクアポニックスというのは、簡単にいうと水産養殖と水耕栽培をかけあわせたものです。植物を栽培するのに土を使わず、水を使い、綺麗になった水に魚がすみ、魚が自然の肥料を作り出し、植物を育てる為に有効に活用されるという、自然のサイクルを使ったシステムです。このシステムはルーフバルコニーにもおけるようなものや駐車スペースに置く等、いくつかの種類があります。

この会社はもともと大学から派生した研究をもとに、できた会社だそうです。本社はチューリッヒなのですが、チューリッヒは都会といっても、緑も結構多いですし、町の中心から15分も車で走れば、ちょっとした、自家菜園なんてできてしまうスペースはあるので、それほど需要が見込めるのかな?と思ったのですが、実際、できた野菜を大手のスーパーのコーナーにおいてもらったら通常の野菜よりもかなり割高でも、コンセプトに共感してくださる方が結構いて、よく売れたとのことでした。魚のほうも普通に食べられます、ただ淡水魚になりますが。

都会でのガーデニングというのはいろんな形がありますが、土を作る事から始まって、それなりに食べられるものを収穫しようと思うと、結構手間もかかります。アクアポニックスの場合、サイクルができてしまえば、手間がほとんどかからないそうで、夕飯に食べる魚も自分のところで育てたもの、ということが可能になります。
これで、裏庭あたりに鶏でもかって卵も自分のところで作ると、食に関してはほとんど自給自足できてしまいそうです。

ところで、ボストン市の発表によると、マサチューセッツ州での地産地消率というのは全米で一番高いということです。確かに、少し、郊外にいけば、野菜を庭で作っている人、コンポストをしている人達、生協のように、みんなで食品の共同購入をしている人達がいたり、近郊の酪農家がミルクを売りにきたりもします。ここでの問題点は町での農業の商業化ということだそうですが、隣の家の裏庭で、はちや鶏をかいだしたらどうするか、という問題。ここでは基本、近所との話合いという事になるらしいですが確かに、都会で隣が養鶏所のようになっていたら、ちょっと困ることもあります。

そんなに、遠くない将来に都会のマンションの屋根にソーラーパネル、共同で野菜を栽培できるようなシステムが普通にあるようになるでしょうか?

自分の才能や強みは何かを見極める為の適性テスト ーその2ー

以前紹介した本、”さあ、自分の才能に目覚めよう”は、どちらかといえば大人向けで、自分の強みというのを探す事ができましたが、実際その強みの組み合わせで自分がどんな職業にむいているかというのはわかりませんでした。

キャリアカウンセリングの分野で世界で一番使われている性格診断プログラムはマイヤーズブリックス・タイプインディケーターで、毎年約500万人ほど利用しているそうです。これは、認定された有資格者の下で、テストをし、4指標16タイプに性格を分類するものです。(18歳以上が対象)マイヤーズブリックス・タイプインディケーターやスキルスキャン というサイトを使い、カウンセラーは転職等の相談にのるのですが、実際、もう少し若い子達が将来の職業を視野にいれて大学の専攻を選ぶ時に、手軽なものはないのかと探していたところ、起業のコーチングをしている友人がこんなサイトを紹介してくれました。

この Latitude というサイトでは(残念ながら、英語です)15歳以上が対象になっていて、これから大学を選ぶ若い人達に、(もしくは、転職する人や教育を受け直したい人)簡単な計算、語彙のテスト(あまりできなくても、意外に、テスト結果にはそれほど影響しないように思います。。。)や、いわゆるIQテストのように、暗記力や帰納推理,、空間視覚化能力を問うテスト(14項目)をして、自分の興味に関しても聞きデータを集めます。テストでは間に休憩を各自が好きなようにとれますが、ノンストップでやると最短で2時間くらいかかるでしょうか?結果は1日後にウェブ上から確認ができます。

そこではテストした14項目に関して、自分のタイプを分析し、それぞれの得意な点、不得意な点を見つけ出します。そして自分の特性から、ふさわしいと思われる職業を提案してくれて、その職業につくためには、どういう教育(専攻)が必要で、給与がどれくらいになるか、実際に全米でどのくらいその職があるのかも示してくれます。
最後にレポートもでるので、両親や、学校の先生、カウンセラーの先生等と話合いをするのにも適しています。

このプログラムのいい点は、頼めばもちろん、サポートもつきますが、他のプログラムに比べ、結果がわかりやすいことのように思います。自分の興味や得意な部分が職業にどのように、結びつくのかわからない子供達やその父兄に色々な可能性をみせてくれるのではないでしょうか。

Latitudeによると、人の興味の対象やスキルは年をとると変わっても、適性というのは15歳で安定するということです。
実際、アルバイトや仕事をしてみると他のスキルが身に付いたりするので、できる仕事の範囲というのは変わってくるとは思いますが、それでも、特に何もスキルのない高校生でも、これだけの夢が広がっているということがわかるのは楽しいことだし、一つの目安にはなると思います。

関連記事:
自分の才能や強みは何かを見極める為の適性テスト

2014年のマスチャレンジスタート!

マサチューセッツのイノベーションポリシーの中で重要な役割を担っているマスチャレンジですが、2014年のプログラム参加社128社がでそろいました。(応募したのは1700社以上)これから4ヶ月間かけて、メンターについたり、ネットワーキングを広げ、起業のエコシステムを学んでいきます。

128社のうち41社はハイテク、37社はライフサイエンス、ヘルスケア関連、クリンテックは10社ということで、なかなかボストンらしいという感じでしょうか。
今年はマスチャレンジも新しいスペースに引っ越して、賞金も当初の150万ドルから、175万ドルにあがり、参加応募社も世界中から増加しています。参加が決まった会社のうち71社は州内から、外国からの参加は30社、うち10社がイスラエル、その次に多いのがメキシコです。イスラエル、メキシコにはマスチャレンジ自体が進出しているので、参加が多いというのは納得です。又、参加国は10カ国、米国内からは17の州からの参加になります。ほぼ四分の一が外国からの参加ということで、国際認知度もかなりあがってきているといえそうです。

4ヶ月後にファイナリストに残り、(ここでファイナリストに残ることができた会社は、会社として存続する率が非常に高いといわれています)賞金を手にすることができるのは、どの会社になるでしょうか。

参加社リスト
http://betaboston.com/news/2014/05/21/masschallenge-names-128-startups-for-2014-program-full-list/

参考記事:
大人の社会科見学  マスチャレンジ

記憶に残るのは手書き?それとも、コンピューター入力?

現在、大学で、ノートをとる時にラップトップを使っている人の割合がどれだけ多いのかはわかりませんが、今の学生は、キーボードで入力したほうが明らかに早いし、簡単という人も多いのでしょうか。(まあアルファベットで入力ができる米国での授業は特にそうだと思いますが)しかし、多くの研究者は、学習することにおいては手書きでノートをとるほうが、ラップトップでノートをとるより、効果的で記憶に残りやすいといっています。(ボストングローブ5月25日)

先月発表されたサイコロジカルサイエンスによると大学の講義でラップトップ等のコンピュータ機器を使わず、ノートとペンを使ったほうが概念的なことを問われる質問に関しては成績がよくなるということが確認されました。
沢山のノートをとることは有益なのですが、ラップトップでノートを取る人は、情報を処理したり自分の言葉で書き直したりせずに、言葉通りに講義を筆記する傾向にあるそうです。

”ノートをとる”ということには2つの部分があります。まず、ノートを作る、(コード化する)ということ、それを後でチェックするということ(保管の意味)しかし、コード化することが簡単になると、1つ目の学びの機会は失われます。
ようするに、いったことをそのまますごいスピードでラップトップで、入力している時は速記しているという状態で、”考える”というプロセスはそこにはないということです。
一方、手書きだと、言っている事を全て書く事ができないので、受け取った情報を自分で処理する必要があり、それによって記憶も定着しやすいといえるそうです。

20年ほど前に、認知心理学者ロバート·ビョーク氏は、この現象を”望ましい困難”と名づけ、学習することが難しいことが情報を定着させる、と言っていました。そして、2010年には読みにくいフォントで書かれた印字のほうがあとで学生が覚えていることに役立ったという研究結果を発表しています。

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自分はノートとペン派なのですがどっちかというと、入力の早さの問題より、もう少し、五感を刺激することが記憶に残る理由なのかなと漠然と思っていました。機械の入力の場合、視覚に頼る割合が大きいと思うのですが、紙とペン(鉛筆)だと、触感(紙とペンの相性とか、紙質、鉛筆の太さ、ペンのインクのバランス等)とか、書き方も微妙に毎回違ってきたりします。それに、簡単な図解、マークをつけたり、付箋をつけたり、という自由度がまだ手書きのほうがありますし。。。
講義だけでなく、単に”記憶”をしなければいけないとなってくると、自分では益々、手書きでないとどうにも上手くいかないので、手の感覚が覚えているのだとばかり思っていました。

日本語の場合、アルファベット変換で入力しているとそんなに早くうてるのかな?という疑問もあり、速記のようなスピードで入力をする人がどのくらいいるのかは疑問です。(直接日本語入力したほうが明らかに早いらしいですが、それをしている学生もそうはいないと察します。)
もし、日本の大学において、ラップトップを使わずにノートをとることが多いというのであれば、日本語入力がしにくいということが実は、学習においてはいい意味に作用している可能性があるかもしれません。

日本とマサチューセッツ州との関係

アベノミクスの影響か、TPPの件も含め、ここのところ日米間の動きが活発化しており、去年の秋に、マサチューセッツ州のパトリック州知事が日本を訪問して、安倍総理との会談をしました。そして、そのフォローアップとしての日本への貿易投資セミナーイベント がマサチューセッツ州国際貿易投資局主催で行われました。

これには、ボストンの日本総領事館、ニューヨークのジェトロ、在日アメリカ大使館のスタッフも参加し、日米間の状況、市場に今投資するのがいい理由、と言った事を説明しました。(ちなみにマサチューセッツ州というのは大きさでいうと秋田県と岩手県をあわせた位のサイズです。)

パトリック州知事も述べていたのですが、これからの関係というのはどれだけ自分の国が他の国に対してものを売ったのかという金額の問題でなく、どれだけの関係を作ることができたのか、ということが大事だと。そういった意味でもいい関係を保つ為にはフォローが必要、ということを述べられていました。

マサチューセッツ州にとって重要なポイントは以下の3点です。
1 教育
アメリカの中でも優秀な人達、又様々なバックグラウンドのユニークな人達が集まる場所でもある。

近年、マサチューセッツの大学で学ぶ日本人の数がへっているので、これは数値目標をきめて取り組んでみたら、という話もでました。

2 イノベーション
特にボストンはライフサイエンス、バイオテックが強いところ。

イノベーションに関しては日本もマサチューセッツから学べる事がある反面、日本の高齢化社会、平均寿命が高い、という市場は、ボストンのライフサイエンス、バイオテック会社にとっても面白い市場になっています。昨年の知事の日本訪問で、神奈川県が計画している再生医療の為の”京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区” の総司令部となるグローバル・コラボレーションセンター(GCC)と、コラボレートすることになりました。http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f4729/p783171.html

3 インフラ
インフラ整備を通じて民間投資を拡大、パブリック-プライベートパートナーシップで事業の推進をする。
製造業回帰がすすんでいる。とくにITのマニュファクチャリングに注目。

インフラに関しては、超電導リニア新幹線のアメリカへの技術導入の話があり、これが実現すると、ニューヨーク-ボストン間が45分(現在電車で4時間)になります。
インフラに関してはアメリカは市場としてものすごいポテンシャルがありそうですね。

日本の旗をバックに、立たれている姿はなかなかないかも。

日本の旗をバックに、立たれているパトリック州知事の姿、これはなかなかないかも。