ソーシャルメディアで広告をすることは、無意味??

様々な企業がソーシャルメディアでの、広告やその使い方に注目をしていますが、20minutenによると、こんなリサーチが発表されました。

ドイツ市場ではソーシャルメディアで広告をすることはほとんど、消費者の行動に影響を与えないという結果が発表されました。リサーチをしたのはドイツのコンサルティング会社Roland Berger(ローランドベルガー)でしたが、アメリカのギャラップ社がアメリカ市場でも同じような結果をだしています。
消費者は、購買決定を広告でするのではなく、(広告で決めるのは1%程度の人)6%の人はソーシャルメディア上の他の情報からするといいます。
この数字は産業によっても異なるそうで、レストランやメディアの分野によっては10%程度にあがるそうです。
しかし、消費者行動には口コミというのが20%と、高い影響力をもっています。

理由は明快で、大抵の人はソーシャルメディア上では友人や家族とつながりたいと思っていて、(ギャラップ社の調査によるとその割合は94%)そこに企業が入り込む余地が少ないので、逆にそこに無理矢理ビジネスのことがはいってくると逆効果になり得るそうです。

ソーシャルメディア上の広告というのは企業が思っているほど、功をなしてはいないようです。

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あくまでもソーシャルメディアは、コミュニケーションツールの一つということでしょうか。その会社の製品がどう思われているのか、その会社のイメージはどうか、どういうタイプの消費者が自社製品を買っているのか、といったようなことを調べるには消費者と直接つながれるソーシャルメディアはやはり、意味があるように思います。

それでも人はやはりリアルで会ったほうがインパクトが強い。
よく知らない人とソーシャルメディアでつながったとしても、信頼がそう簡単には築けないという事は、変わらないでしょう。

大学のお金を運営するファンドマネージャーに支払う報酬はどのくらい?

ハーバード大学のファンドは300億ドル以上ありますが、この巨大なファンドの運営をしているのはハーバード大学の完全持株子会社として1974年に設立されたハーバード マネージメントカンパニーです。8月28日のボストングローブによると、1969年度の卒業生達が、この会社のファンドマネージャー達に対する報酬が高すぎるというクレームを学長あてに書いたとの記事がありました。

世界で一番大きな大学ファンドを管理するマネージャーのうち報酬の高い順に5人の報酬額を合わせると、2009年には2520万ドル(1ドル104円で換算すると26億円程度,
一人あたり、5〜6億円程度)だったのに、2013年には2880万ドルになりました。その間2011年には財政危機の影響をうけて1800万ドルになっています。
これに対し、ハーバードの同窓生達はファンドマネージャーに支払いすぎだといっています。サンフランシスコにあるCharles A. Skorina & Co.という投資運営会社によると実際、2008年からの5年間でみるとパフォーマンスは年率1.7%にしかなっていず、(しかし、2009年からの5年間だと、11〜12%になるとのこと)アイビーリーグのうちで一番パフォーマンスが悪いです。ちなみにコロンビア大学はアイビーリーグの中では一番運用率がよく6.8%だそうです。

金額という絶対数でみれば、高いと思いますが、割合でみると、どうなんでしょうか。最も、通常の銀行のように純粋に利益を追求する機関と違って大学のお金を預かるということで、寄付をした方からすれば、ファンドマネージャのためにそんなに使うのなら、学生の為に使ってほしいと願うのは当然ともいえますが。。。

どの5年間をとるかでもリターン率がずいぶん違うようですが、それでも去年のリターンは11.3%で(イエール大は12.5%)マサチューセッツのペンションファンドは12.7%、という数字をみると、日本の大学の状況とはずいぶん違うようです。

2010年の文部科学省の資料、によると、私立大学でもっとも組入れられている商品は預貯金(82.0%)であり、次いで国内公共債(66.2%)、以下元本リスクのない仕組債(51.1%)、国内民間債(39.6%)、元本リスクのある仕組債(25.9%)、公社債投資信託(18.7%)と続きます。ちなみに、例えば東京三菱UFJ銀行に大口定期で1年預けても0.025%しかつきません。日本の大学の金融資産ベースの運用利回りは1〜4%と、いうことを考えると、10%という数字は大きな数字に見えます。
日本の大学では自家運用が中心という特徴がありますが、ハーバードマネージメントカンパニーは外部のマネージメント会社、ヘッジファンドにも一部委託して運用を行うことで、逆にコストを減らしているとの事です。

ファンドを増やすためには、寄付金を増やすか、リターン率をあげるか、支出を減らすしかありません。この中で、”増やす” ということに関しては、アメリカから学べることが多そうです。

ハーバードは一度に得る寄付金の額も非常に多い事で有名ですが、去年1億2500万ドル寄付金を提供した(2009年にも1億2500万ドルを寄付)スイスの起業家Hansjorg Wyss氏の言葉を思い出しました。
彼いわく ”寄付や投資をする所をいつも探しているんだけどね、合理的にやれば、結局、財産はいつも増えてしまうんだよ”

参考記事:
ハーバード大学の資産運用

あなたは理系女子?イノベーションを起こすための超『理系女子』論

リケジョを超える、ハイブリッドなリケジョ?
総合科学技術•イノベーション会議有識者議員で東北大学名誉教授、レジオン•ドヌール勲章シェバリエ(フランス政府から授与される最高勲章)を受賞された原山優子教授による“あなたは理系女子?”という本があります。


あなたは理系女子? (イノベーションのための理科少年・少女シリーズ)

原山先生は14歳でフランスに渡ってから、その後大学では数学、スイスの大学で教育学、経済学を学び、イノベーションにおける大学の役割を研究することを専門とされている方です。
文系と理系の双方に精通している方で、そういう意味ではハイブリッドなリケジョともいえるのではないでしょうか?

この本では 前半は理系女子へ、又、理系女子を職場に持つ方々、理系女子をどのように育てるのか、ということについて書かれていますが、後半では、自叙伝風にその知識や知恵をどのように実際の人生の中で活用してきたのかということが書かれています。

その中で私が特に共感したのは以下の点です。

•“リケジョ”といっても、先生が経験上感じてきたことは、性差ではなく、むしろ“異なる価値観をもつ人”に対する組織の寛容性が低いこと。

•ロールモデルは必ずいたほうがいいというよりも、あくまでも可能性の判断材料や挑戦の対象であること。

•人とのつながりを大事にする事。

•感じる力を大事にする事。

•イノベイティブな人は文系と理系の精神が同居する人

•高校教育のありかた(大学入試のありかたを含め)を考える。

先生はフランスでバカロレア(高校終了試験)をとってから、フランスの大学で数学、その後、スイスで教育学、経済学と学ぶ国も、研究分野もクロスオーバーしているという“異分子”。日本人は一般的に、”普通でない”ものは苦手ですが、多様な価値観を受け入れるということはそこからイノベーションが始まりうる大事なポイントです。

大学入試のスタイルや高校卒業試験のあり方というのを考えるべき、(高校時代の勉強の仕方を考える)との提言をされていますが、それは今までのような、文系、理系にわけた分類(大学入試も、就職も)から高校時代に、もっと幅広い教育に切り変えてはとの話です。これは先生がヨーロッパ生活が長いということの反映だと思いますが、現状の日本はどちらかというとアメリカに近い形で本来、ヨーロッパの高校時代に学ぶことを大学の1、2年でしているため、アメリカや日本の高校を卒業しても、そのままヨーロッパの大学に入学することは難しいという現実があります。

原山先生はお子さんが3人おられてキャリア的にもずっと、第一線を走っていたわけでもなく、幼子を抱えていた時は家庭を大事にされていました。
人生の中で優先順位をつけつつも、その時にできることを精一杯するような、生き方はこれから研究職を目指したり、小さな子供を抱える方達にとっては参考になることが多いと思います。

とても60歳をこえているとは思えないほどチャーミングな原山先生。
研究職に性差はないといっても、その人柄のかわいさ(! )がやはり人を惹き付けるような気がします。

日本ではイノベーションがおきにくい、といわれますが、イノベーションを起こせる人材をどうやって育成していくのか、という知恵がはいった1冊と言えるのでないでしょうか。

参考記事:
OECDの学習到達度調査 PISA 2012からわかること
理系女子を育てる取り組み

チアで人材育成を目指す、CHEERMAX代表 IKUさんの話

アメリカの高校でかわいい子はチアリーダーというイメージがあるのですが、チアは実は、一歩間違えればとても危険なスポーツです。しかし、そのチアやダンスを通じて個々の運動能力や思考能力を高め、社会との協調性、国際性など、国際プログラムを展開することによってこれから世界を舞台に活躍する人間が一人でも多く育てばと願い頑張っている、 CHEERMAX代表 Ikuさんを紹介します。

Ikuさんは小、中学校をアメリカ(カリフォルニア)で過ごし、高校時代に日本に戻ってきました。高校で、チアリーディング部に所属してからずっと、チアやダンスを続けています。
現在好きなことを仕事にしている彼女、どうやってその流れを作ってきたのでしょうか。

Q:大学では何を勉強して、その後はどういう仕事をしたのでしょう?

青山学院大学の英文科を卒業してから、ナイキに就職しました。大学時代に小林克也さんの事務所でバイトもしていたので通訳も含め、”話す仕事”をするチャンスはありましたが、どうにもしっくりいかず、考え抜いた末、ナイキというメーカーがブランドとして好きだから、という理由できめました。エアロビクスの指導もできたので、その自分を最大限に評価してくれ、仕事を任せてもらえたことは非常によかった。マーケティングの担当で、仕事に面白みを感じていましたが、一方で知識が足りないのも感じました。そこでもっと勉強したくて青山学院大学の国際政治経済学部でMBAのコースをとりました。そして、その後、アディダスジャパンの立ち上げに伴い、メンバーを募集していたので、転職しました。ナイキにいる時は、感覚や経験値でやっていたことが、MBAのおかげでアディダスでは、知識も伴って、具体的に戦略がたてることができました。

Q:チアをずっと続けているわけですが、その動機はなんでしょう?

学生の時に、ダイエットから拒食症になった友人を真近にみて、ダイエットでなく、女性に運動をして健康的にやせてもらう為にはどうしたらいいのかと考えるようになりました。
とりあえず、格好から、素敵なファッションから入るのではいいのではないか、またチアというのも一つの鍵になるのではという視点からチアやダンスでネットワークを作ることをしています。
アディダスにいる時にスポーツウエアをスポーツ売り場にでなく、ファッション系の百貨店にファッションブランドとしておいてもらい、トップエンドのファッション雑誌でプロモーションをしました。その後のマラソンブームやファションとスポーツウエアの融合ということに少なからずの貢献ができたかと思います。

Q:CHEERMAXはどうやって作ったのですか?

大学の時にいたチームを社会人になってから離れ、93年には自分のチームCHEERMAXを立ち上げました。始めは友人4人で始め、自分達が踊ったり、大会にでたりしていたのですが、学生時代からダンスをやっていた関係で多くの関係者が出番をオファーしてくれて、だんだんメンバーも増えていきました。ちなみに指導を始めたきっかけは先輩のピンチヒッターで、はいったことですね。

Q:今はどんな仕事をしていますか?

アディダス在職中から、USAジャパン(アメリカ西海岸のチアリーディングスポーツエンターテイメント普及団体)の顧問的な役割を果たしていました。一時期は専門で経営企画などをしていたことでたくさんのことを経験し、学びました。現在はチアスクールの運営、指導員の派遣や幼稚園のアフタースクールプログラム等への講師の派遣といったところでしょうか。

Q:将来の展望は?

自分達のスタジオをもつことですね。スポーツ留学を斡旋したり、指導者の育成にも力を入れていきたいと思っています。

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彼女の決断力、それはどこからくるのですか?との問いに、”カン”との答え。”昔から、カンが強いのですが、信じる気持ちが強いんですよね”、と笑う彼女。
にこやかな笑顔の裏に、とてもシャープな、無駄のない感じがしました。時代の流れを読む、カンは元々もっている才能が、経験によって更に磨かれシャープなものになったのでしょう。
現在は250人ほどの生徒をかかえるCHEERMAXですが、ダンサーとしてだけでなく、人材を育てるほうになりつつある彼女。優れたマーケターとしての彼女が今度は更なるトレンドを作ってくれそうな感じがしました。

大学に行かないという選択からどのようなキャリアパスが描けるのか。

職業訓練校というのはアメリカでもイメージ的に、勉強が苦手な子がいくところという感じが一部にはあるようなのですが、そのようなイメージのせいかどうかわかりませんが、せっかく技術が身についても、それが本当に企業が求める技術かどうかもわからない、企業も人を探しにこない、ところが企業側は、能力のある人が足りない、と嘆く事になっているという現実があります。教育と、産業界の(経済界の)ミスマッチを解消する為にどうしたらいいのか。

大学にいくというキャリアパスのほうが、職業訓練校にいくよりもいい、ということではなく、どちらも違ったいい点があり、将来的にはどちらを選んでも同じくらいの収入のチャンスがあるということにならないと魅力的な選択肢にはなりません。クロニクル•オブ•ハイヤーエジュケーションの7月9日によると、マサチューセッツ州を含め全米10州がこの教育と産業界のミスマッチを埋める為に取り組みを始めています。

2012年より全米で8州の高校が最終学年を職業訓練の年として、主に市場で人手が足りないと言われているIT関連、ヘルスケア、製造業の分野で仕事をしながら学校にいくというプログラムに参加し始めを始め、それが現在10州にまで広がっています。
アメリカ人は4年制の大学の学位をとることに重きをおいていますが25歳までに大学卒の学位をとっているのは三分の一以下の若者だそうで、職業に焦点をあてた教育や訓練という選択肢をもっと考えるべきとの意見があります。

現実問題として、企業が採用する際に、高卒では能力的にたりない、一方、博士号の資格があっても、必要としている以上の能力があったりと、企業側がどのような人材を求めているのか、ということを含めて、職業訓練なり、インターンシップができると、双方のギャップが減っていくと考えられています。
高校卒業後にそのまま大学に行かなくてもいいキャリアパスができると、社会人教育として、その後大学にいったり、別の専門教育をうけたりするという選択肢もうまれるので多様な人生の可能性も生まれるでしょう。

関連記事: 大学にいくことだけが選択肢なのか?