これから世界でますます重要になるかもしれない職種

5月31日のボストングローブでは、大卒か、高卒かの生涯賃金の違い(約1億円)よりも、大学で何を専攻しかたによる生涯賃金の差(約3.4億円)のほうがずっと大きいというデータがのっていました。

2013年の大学学士号取得者のエントリーレベルでの年収の中間値はSTEM分野を専攻した場合、43000ドル、一方、アートやリベラルアーツ、人文科学系を専攻した場合は29000ドル、これが、ミッド・キャリア層においては、一番が石油工学出身者で136000ドル、ということですがこれが10年後、20年後にはどうなっているのでしょうか。

前から気になっていたのですが、アメリカ、ヨーロッパを行き来することが多い中気ずいたことを一つ。
EU圏を含め、ヨーロッパにはたくさん国と言語がありそれぞれコミュニケーションをとらないといけない、そしてその手段として英語は当然ながら有効なのですが、現実は各国に行った時、現地の言葉が理解できないと困ることが多々有ります。
そんな背景があってか、ヨーロッパの中では文字で説明するのではなく、グラフィックが多いように思います。ところがこれがアメリカだと結構いたるところに文字でかいてありますよね。
例えば、No turn on red (信号が赤のときは右に曲がってはいけない)って初めて見たとき、え??赤だから当たり前でしょう、と思ったのですが、実は信号が赤でも他に車がきていなければ曲がってもいいのですよね。

no turn on red

Right Lane must turn right(右レーンは右折のみ)これも道の上に矢印が書いてあるのにわざわざ、文字でかいてある。
right lane must turn right
車で走りながら、至るところにある表示を読むのも大変です。

一方、ヨーロッパの場合EU内だけでも、言語が多すぎる、全ての場所に全ての言語で書くわけにいきません。そこでできるだけ、誰もが理解する絵で表示されていることが多いように思います。
例えば、IKEAの家具の組み立て図。これは誰が見てもわかるように文字はほとんど使われていません。

それからスキー場でみかけたグラフィック。8人横に並んでね、ということなのですが、これがアメリカや日本ならきっとリフトの管理会社の人がいてちゃんと横に並ばせるんだろうなあとも思います。

8人のりのスキーリフト

8人のりのスキーリフト

さて、グローバル化に伴い人の行き来がますます活発になるほど、この誰にでもわかりやすい表示というのが大切になってくるのではないでしょうか。
そう考えると、デザイナー(とくにグラフックデザイン)はこれからも着実に需要が増えるのではないかと思う分野です。
たとえ英語を習うのが苦手とか、言語が苦手だとしてもデザインというあらたな世界共通言語で勝負することができます。

東京でもオリンピックにむけて至るところで文字表示をするより、誰にでもわかるサイン表示をするというのはどうでしょうか。

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TEDxCambridge2015 Springに参加したイノベーティブな会社色々

TEDxはオーガナイザーが誰かによってかなり、雰囲気が違ったものになると思うのですが、ケンブリッジのTEDxではトークショーが始まる2時間前から、イノベーションラボと題して、イノベーティブな企業がブースを出して商品、サービスの紹介や飲食等のサンプル品の展示、販売を行います。イノベーションラボではフォーチュン500の会社だけでなくスタートアップのサービスや商品も紹介します。

今回は、フィリップスやi robot のような企業からテスラや3Dプリンター系の旬の企業、そして、MITのエンジニア達がはじめたメンズのシャツや靴下等のウエアを販売する、Ministry of supplyもありました。
男性は、シーズンごとに流行を追うというより、気に入った製品を長く使いたい、デザイン以上に機能も重視する、という傾向にありますよね。このブランドは最新のNASA等のテクノロジーを使って、デザインはシンプルで、飽きがこないけど、アイロンが必要ないシャツや、臭わない(?)靴下など、シンプルベーシック機能性の高いコレクションを展開をしています。

また、タコの足からインスピレーションをえた、ロボットアームを開発した、 Soft Roboticsもありました。
このロボットアームはとても柔らかく、動きにも柔軟性があるので、従来つかむのが難しいとされた球体のものや、柔らかいものでも、しっかりとつかむことができます。

そして、サステナブルビジネスとでもいいましょうか、以前、ブログでも紹介した、サステナブルな生活習慣を推奨するwe spireや、家庭内で誰でも野菜が作れるアクアポニックスのシステムを販売する Groveまで、ボストン発の元気な企業がブースをだしました。食関連のサステナブルビジネスは、ここのところ大変認知度があがり、これからまだ伸びてくる分野なのかな、という気がします。去年、紹介したチューリッヒのアクアポニックスの会社も今年ボストンのベンチャー企業から支援を受けましたし、世界的にも、農業の新しい形が模索されている感じがします。

MITのエンジニアの学生(当時)が立ち上げたGroveはその動機として現在の農業のあり方、食のあり方に疑問を呈したところから始まります。何千キロもかかるところからくる大量の化学肥料や農薬をつかった野菜や、水の問題等に疑問をなげかけ、もっとそれぞれが個々の家庭で食べるものを作ることができれば、ずっとサステナブルで、健康的なものが食べられるのに、ということが背景にあったそう。
私も自宅の小さなスペースで、ハーブや野菜を育ててきましたが、都会ではなかなか、スペース的に大きく色々作るのは難しいです。家具のような感覚で、食べ物が育てられるスペースを確保するとインテリアの一部のようになって素敵かも。

Grove

Grove

というわけで、ロボットアームやi robotの掃除機から、サステナブルなアプリまでイノベーティブなものが分野を問わず出揃った楽しいブースでした。

関連記事:
新しいアーバンガーデニングの形、アクアポニックス
サステナブル(環境に優しく持続可能)な生活を目指しているスタートアップWeSpire

病気に対する治療法がこれから変わっていくーTEDx Cambridge 2015 Spring よりー

TEDxケンブリッジspring が先週行われました。今回のトークは7人でオペラ歌手に、スポーツランナー、ナーサリースクールの運営者、ニューロナノテクノロジスト、ケミカルエンジニアと非常に広分野にわたり、理論よりも現実的に前線で問題解決にあたっている人たちが多かったように思います。ボストンでは世界の最先端の研究をしている人たちが多いせいか、研究者や教授クラスの方たちの話も多いのですが、分野が広かったためか、きいているほうも時間があっという間にすぎました。

その中で、今回自分の印象に残った話はマイクロバイオーム(細菌叢(さいきんそう))という人が本来もっているバクテリアを使って、新しいタイプの治療薬を作ろうとしている会社、ボストンにあるバイオ系のベンチャー企業、ベダンタ・バイオサイエンシズ(Vedanta Biosciences)の共同設立者で、同社のCOOでもあるBernat Olle氏の話でしょうか。

彼は、抗生物質を使うことなく、人が本来持っている最強の軍隊ー体内のバクテリアであるマイクロバイオームーを最大に生かし、病気を治療していくという方法で治療薬を作ろうとしています。
これにはアメリカでは抗生物質を使いすぎている、ということが背景にあるそうです。
抗生物質の良い点は、速攻性があるということだそうですが、強い薬を使うほどのその後のリバウンドもあります。
抗生物質は異物だけでなく、いい細菌も傷つけてしまうとデメリットもあります。
そこで、人が本来もっている免疫の力を使おうというわけですが、腸内細菌叢の分野では第一人者である慶應大学教授の本田賢也先生の研究を使い製品化をすすめているとのことで、ボストンで日本人研究者の研究が製品化されつつあるということに確実にグローバル化の波を感じますね。。。

日本でも近年、なんでも抗生物質をだすことに対して問題があるという認識が広がりつつあるのではないでしょうか。
今までの西洋の薬のあり方は、共存ではなく攻撃、破壊。いなくなるまでやっつける。
これはガンの治療や他の病気の治療のあり方にも大きく影響するのかなあ、と。抗がん剤で正常な細胞も傷つけるのではなく、環境と同じで自然に持っているものの力を最大限に引きださせる、サステナブルな考え方がこれからの医療の主流になってくれることを願いますね。

ted cambridge

スマホの浸透により、金魚より集中力がかける人達が続出中。

インスタグラムにスナップチャットと10代の子供達は常に誰かにつながっている状態になっていますが、ピューリサーチセンターの調べではアメリカの13〜17歳までの88%がモバイルデバイスへのアクセスがあり、73%がスマホをもっているといいます。学校の中では使用禁止とか、通じなくなっているところもありますが、現状では親との連絡や課外活動のために規制をゆるめているところもあります。
ロンドン・スクールオブエコノミクスの調査によると、学校で携帯を禁止しているところのほうが子供達の成績がいいとの結果があります。
これは携帯がやはり集中力をそぐからといえそうです。
デイリーテレグラフの6月16日の記事には実際モバイル機器の使用が浸透することで人の集中力が明らかに悪くなっているとのリポートがあります。

カナダで参加者2000人を対象に脳波を調べた調査によると、2000年には人の注意力が持続する時間(集中力の持続する時間)は平均12秒だったのに、携帯機器が社会に浸透するにつれその時間が8秒になってしまったということ。金魚でさえ9秒集中していられるという恐ろしい結果がでました。(ちなみに金魚って12日前にあった出来事を覚えているそうです)
っていうか8秒って、短くないですか?? 

一方、マイクロソフトによって行われた調査によると人のマルチタスク能力は改善しているとのことで、一つのことには集中しないかわりに同時にいろんなことができる能力が改善されれてるといいます。

要するに、テレビを見ながら膝の上にはタブレットがあって、同時に電話をしているみたいな?だけどどれにも集中していないっていうことでしょうか。それとも、それぞれの機器を扱っている際に8秒ずつ集中しているとか。子供だけでなく大人でも常に携帯でメッセージをうちながらほかの人と話している人もいますものね。

IT教育が必要なのは確かなのですが、こういった機器の使い方を含めたリテラシーも教育してほしいものです。

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スマホ依存から抜け出したい人にオススメなアプリ

ピッチコンペってこんな感じ。

ボストンエリアでは、しょっちゅういろんなところでピッチコンペティションをやっています。

スイス科学領事館が企画し、マスチャレンジ、ベンチャーラボが参加してハルトビジネススクールで行われたピッチコンぺをみてきました。
ベンチャーラボは毎年スイスのスタートアップ企業を20社ばかり選抜し、10日ほどかけてボストン、ニューヨークで研修を行います。ビジネススクールでコーチングをうけたり、ネットーワキングイベント、各種セミナーをうけ、アメリカのアントレプレナーシップ、ビジネスのやり方を学び、このイベントにも参加します。
ベンチャーラボのメンバーが参加するピッチコンぺはセッティングをかえて毎年行われるのですが、今回はハルトビジネススクールやマスチャレンジからの参加もあり、以前ブログでも紹介したPavlok もコンテストに参加していました。やはり、アメリカ勢はピッチがうまいですねー!

なんと今回は日本でもIPOを果たしているヒューマン・メタボローム・テクノロジーズも参加していました!こういうピッチフェスで日本の会社が(日本人が)参加しているのをみることはとても少ないので、嬉しい驚きです。ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは本社は山形にあり、慶応大学からスピンオフした世界に誇れるオンリーワンテクノロジーを売りにしているバイオベンチャーです。

さて今回は、メドテック、バイオテック、エンジニアリング、IT/ソフトウェアと分かれてまず一次コンペをして、各分野から選ばれた代表がファイナルに進み、ファイナルでは、事前に知らされなかったお題、

”なぜあなたが、このスタートアップを率いるべきなのだと思いますか?”

について5分考える時間が与えられ、その後、指名された人が1分間でピッチをします。
通常の1分間で自社について述べるピッチより、その場でテーマを与えられて話すピッチのほうがより、その人らしさがでてみている方は面白いですが、自分がもしそこにたっていると考えると。。。やっぱり相当自分に対する自信とやっていることに確信がないと無理かも。

自分の服をレンタルできるRedress

自分の服をレンタルできるRedress

こういうピッチフェストでいつも思うのですが、B to B のビジネスとB to Cのビジネスでは一般人と専門家のジャッジの理解度は全然違うだろうなということ。特に一次審査は専門性の高いものより、誰にでも受けのいいものが選ばれる傾向にあるので、製品やサービスの中身が濃くても伝わらないということが多々あります。すでにビジネスとして軌道にのっているものが、大衆うけするとも限りません。地に足がつきつつ、夢をみさせてくれるようなものが好まれるとでもいいましょうか。。。
まあもっとも難しいビジネスをいかに誰にでもわかるように簡単にいうかがピッチの意味でもありますが。

ファイナルでは、観衆とは別にシリアルアントレプレナーや専門家からなる特別なジャッジ3人が、勝者を選びましたが、今回はどちらもDDG というヘルスケアリサーチのマーケティング会社が選ばれました。賞はスイス行きの飛行機チケット。
メドテック、バイオテック関連のスタートアップが多いのもボストンならではという感じがしますね。

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