入学が難しくなっているボストン大学

ボストン大学は、数あるボストン周辺の大学の中でも学生数約17000人のマンモス大学です。その大学がここ数年、ますます出願者が増え、一方入学受け入れ数が若干減っていることから入学しにくくなっているようです。

ボストンビジネスジャーナルによると出願者の入学率が2010年の時点では58%でしたが、2014年には34.5%にまで下がっています。同時に、受け入れる学生のSAT試験のスコア(満点2400点)も2010年の1911点から1945点にまであがっています。新入生の内訳はマサチューセッツからの学生15%、ニューヨークから12%、カリフォルニアから10%、その他のアメリカから62%、そして約4分の1にあたる23%が外国からの学生です。

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この5年間に学費も15%上がり、寮費を含めると、現在6万ドルかかります。

大学院の学費も学部によって差があるのですが歯科医になる場合、年間67000ドル、医者になる場合の53894ドルより高額ですが、ロースクールの場合は46000ドルとなっています。去年の10月には大学の寄付金は16%も増え、15億ドルを超えました。

大学経営の戦略というのが、大きく2つに焦点を絞っているのがわかります。
一つは外国人を多くうけいれることで、一定額の収入を確保すること、(学校側の奨学金の負担が少ない)もう一つは、財団や卒業生からの寄付金で財政面を安定させること。

レベルの高い学生達を多く教育し、卒業後、母校に寄付という形で多く寄与してくれるような学生達を育てられるか。いくら経済的に成功していたとしても、実際母校愛のようなものがないと、また大学側のファンドレージング力、コミュニケーション能力が高くないとなかなか、多額の寄付を集めるのは難しいです。

アメリカの大学生やその親は自分のいる大学、自分の子供のいる大学を誇りに思っている人達が多いと感じますが、それは、大学側が親も含め、学生たちにも連帯感、仲間意識、この大学でよかったなと感じるように、様々な努力をしているからというのもあると思います。

そのような視点でみると、学生を大量にうけいれつつもレベルをあげているボストン大学の方針は成功しているといえそうです。

大雪はインフラ整備をし直すよいチャンスになり得る?

今年は本当によく雪がふります。すでに観測史上3番目に多い積雪量、記録を塗り替えそうな勢いです。

雪が降っている時よりもむしろ、その後の晴れたときのほうがよっぽど寒いのですよね。。。特に風が強く吹くと体感温度が5度から場合によっては10度近く下がるようです。風をあまくみていると、非常に危険です。

IMG_雪ケンブリッジ

写真をみると道の両脇にある雪の山のようなものなかに車が埋もれているのがわかります。

この雪はボストンの交通機関を麻痺させます。車道もそうですが、予算の都合上、古いシステムを使っていた地下鉄もトラブル続き、学校も休講が続きました。職場にいこうにも足を確保できない人達、また飲食業はかなりの打撃をうけました。

日本でも、ヨーロッパの雪の多い地域でも、雪のために学校がこんなに休講になるというのは珍しいと思うのですが、雪のために歩道が確保できず、歩道を作っても、どかした雪が壁のようになり、視界を遮りそれもまた危険です。これだけの雪がふっても車もウィンタータイヤが義務ずけられているわけでもないので、運転する本人だけでなく、周りも危険です。

不思議なのは、もともと、雪もそれなりにあり、冬も厳しい地域だということはこの数年に始まったことではないはずなのですが、なぜここまで、混乱するのかということです。

予算がない、というのが大きな原因のようですが、ここで感じるのは、アメリカというのは ”公” ということにやはり重きを置かないということでしょうか。インフラや教育、健康保険といったものは誰もが公平に恩恵を享受するべきものだと思うのですが、ある特定の人たちではなく、不特定多数の人が恩恵をうけるものにお金がでないのはとても残念に感じます。同じようなことは道路にもいえて、この雪で道路も穴だらけになっていますが、その穴もその部分だけを修理ということをしていますが、道路を作る時に、はじめから考えて全部きれいにすればいいのにこれも予算の関係なんでしょうか。それでもここの人達のインテリジェンスを使えば、解決策は比較的すぐにでるでしょうに、と思うのですがね。。。

考えれば考えるほど、日本のインフラは本当にすごいなあ、と。しかし日本の問題はこれからそのはりめぐらされたインフラをどのように、いい状態にキープしていけるのかでしょう。

ボストンは2024年のオリンピック開催地に立候補しています。これがインフラ制度の見直しを抜本的に考えるよい機会になるといいと思います。

小麦製品をとらないことは健康的?

以前グルテンアレルギーのある人を日本でアテンドするのに、食事で苦労したことがあります。それまで私も知らなかったのですが、醤油も小麦粉を使っているし(たまり醤油は別)加工食品のいたるところに小麦がはいっています。和食のほうが、大丈夫そう、と思っていたのに、和食も大変でした。

そういう心配はアメリカではあまりしなくていいようで、大手のスーパーにいけばまず、グルテンフリーコーナーの冷凍食品は充実していますし、粉類のところには専用のパン粉やケーキミックスもたくさんあり、本屋には専門のクッキング雑誌、本、レストランのメニューにもグルテンフリーのものは結構あります。しかし、実際小麦アレルギーのある人以上に小麦製品をとらないことが健康にいいと思ってやっている人たちが多いということがコンシューマーリポートの結果でわかりました。1000人以上を対象にしたこの調査では63%の人たちが小麦食品をとらないほうが体調や精神的に良くなると考えているといっています。(ボストングローブ2月15日)

一方、マスジェネラルホスピタルがアレルギーの人以外が以下の理由で小麦粉を避ける理由がないということを述べています。

・ グルテンフリーのほうが栄養価が高いわけではない(むしろ低いかもしれない)
多くのグルテンフリーの食品には葉酸や鉄分は含まれず、かわりに砂糖や油脂が加えられている。
・ 2012年の調査ではパッケージ済みのライスパスタやクラッカーなどからヒ素が検出されている
・ 体重が増えるかもしれない
多くの人が小麦粉をとらないことで痩せると思っているが、多くの場合、追加されている砂糖や油脂の分でカロリー摂取過剰になりやすいと指摘。
・ 値段が高い
ほとんどの製品は倍の値段かそれ以上の値段である。

結局、このグルテンフリーの食のスタイルはある意味ファッションのような要素もあるのかもしれません。

実際、うちの近所にも、健康にすごく気を使っている人がいるのですが、彼女がここ数年小麦製品をとらなくなったらすごく調子がよくなったといっています。病は気から、ではないですが、自分がいいと思ったことをするのが結局、自分の健康状態をいい状態にするのでしょうか。

定年後の生活の質が確保されているのはどの国?グローバル・リタイアメント・インデックス 2015

今年で3年目になる定年後の生活の質を国別に比較したナティクシスグローバルアセットマネージメント社が発表したグローバル・リタイアメント・インデックス (GRI) 2015では、去年に引き続き、1、2位は変わらずスイス、ノルウェーとなっていますが、前年5位だったオーストラリアが3位に上昇、上位10位までの8カ国が(北)ヨーロッパの国(スイス、ノルウェー、アイスランド、オランダ、スウェーデン、デンマーク、オーストリア、ドイツ)になっています。日本はちなみに去年の27位から17位にあげており、アメリカは去年に引き続き19位のままです。

GRIはサブインデックスをもとに、世界150カ国での定年後の生活状況を調べ計算されます。サブインデックスは、以下の4つのポイントです。
・ヘルスインデックス(健康で、質のいいヘルスサービスがうけられるか)
・リタイア後の財政状況(質のいいファイナンシャルサービスがうけられるか,貯蓄をキープできるか)
・生活の質(衛生的で安全な環境で生活ができるか)
・物質的に満たされている状態か(快適な生活がおくれるか)

トップ10に入っている国には3つの特徴があります。それは
・しっかりした財政システムと規制があり、成長している産業経済先進国であること
・公共政策がヘルスケアとその他の社会福祉事業へのアクセスを広く提供している点
・インフラとテクノロジーの分野に相当の公共投資をしていること

日本の場合を考えると、ヘルスインデックスは84%と世界トップにもかかわらず、財政状況が悪い為に(54%)順位を下げている感じです。財政状況を見たときに、高齢化社会になっている点、また国の借金が多いという点も大きくマイナス要素になっています。GDPの240%の借金があることが将来的に定年後の社会福祉政策に大きな影響をおよぼすことが懸念されています。

政府の政策と財政状況が定年後のセキュリティーに直接影響を与えるので、強制的な健康保険や定年後のための貯蓄プログラムのようなものがあることで定年後の安心度がずっと高まりますが、政府の政策、企業、雇用側のスキーム、そして個人の貯蓄力が定年後の安定に寄与するといえます。

総合トップのスイスと比べた時に、スイスの ”生活の質” が91%に対し、日本は75%。これはどういうこと?と思い、中身をよくみると、”生活の質” の中には環境や生態系に関する項目もあるのですが、それがよくないこと、そして”身体的、社会的、精神的幸福度を示す項目(well-being)” がスイスでは97%、日本では77%。ちなみにアメリカは93%、健康状態は日本の方がよさそうですし、健康保険を含め、年金制度等があっても、人々の意識の問題か、幸福だと感じている(もしくは満足している)幸福度が低いというのは、ちょっと気になります。ちなみに、カナダ(GRIは12位)にいたっては幸福度100%です。そして、日本と同じ77%は韓国。(GRIは14位)なんとなく、わかるような。。。

このインデックスランキングはあくまでも、現在その国にいる人たちの幸福度や満足度であるわけで、ランクがいい国にいっても、友人がいないとか、言語ができないとか、文化、食があわないというと必ずしも自分はそこで幸せな定年後の生活がおくれるとは限らないということは前提条件ですが。。。

つららと断熱、まだまだ改善の余地のある住宅建築市場?

今年はボストンでは記録的な積雪量です。あまりの雪の多さに、街中では雪かきをしてもその雪をおくところがなく、歩道を塞ぎ危険な状態になっています。車も普段なら見通しがいいところも雪が高く積まれているせいで見通しが悪く非常に危険です。雪の多さで電車も止まったりしてしまい完全に麻痺状態ですね。。。

でも、そんな中車で走っていると気ずくことがあります。
家という家につららがすごいのです。不思議なことに、古そうに見える家、新しそうに見える家全く関係なく、つららが垂れ下がっています。そして同じ業者がたてたらしき家は新しくてもつららが下がっています。このつらら、先がかなり尖っているので結構あぶなくて、街中ではそのつららを取るためにはしごをかけて、つららを取っている人もいるのですが、これも結構危険です。

IMG_つらら

なぜつららができるのかということですが、これは部屋の中の暖かさが屋根面に漏れ出てしまっている証拠で、その熱で屋根にある雪が溶けてつららになるということで断熱が悪い家ということになります。だいたいみていると、屋根のところからでているので屋根断熱?天井断熱が悪い家が多いということなんでしょう。
今年のようにマイナス10度以下の日々が続き、雪がこれだけ降ると、暖房代金もかなりの金額です。アメリカの家は大きめな家が多いので断熱が悪い家は特に高熱費が異常に高いということになります。3階建てのある知人の邸宅は、断熱工事をする前は冬の高熱費が最高で月に3000ドルもかかったことがある、というほど、このように寒いところでは(暑いところでも)断熱はとても重要になってきます。

新しそうな家でも結構つららがありますね。

新しそうな家でも結構つららがありますね。

さてこれだけ雪が多くて、寒く夏はしかも結構暑くもなるボストンで、これほど断熱が悪い家が多いということは、市場的にかなりポテンシャルがありそうです。日本でも、エアコンや、暖房器具の省エネということはよく考えられている商品が多いように思いますが、家の断熱ということを考えると、雪が多いエリアならともかく、そうでない場合なかなか決断がつかず、最近やっと建てる時に断熱をきちっとするという考え方が徐々に広まってきたのかなあという感じですね。でも冬場だけでなく、夏の暑いのにも効果を発揮するんですけどね。

断熱の分野ではヨーロッパが圧倒的に強いと思いますが、ここと同じく、マイナス10度くらいに冬場なるところでも暖房がいらないような住宅ができています。日本人は基本的に、我慢強いのでしょう。家の中でさえ隙間風で寒く、電気代の節約の為に家で着込んだり、省エネタイプの暖房器具を使うことで、節約しようと思いますが、住環境をトータルで考えたほうが、省エネそして金銭的な節約効果がずっと高くなるという現実があります。