あなたは理系女子?イノベーションを起こすための超『理系女子』論

リケジョを超える、ハイブリッドなリケジョ?
総合科学技術•イノベーション会議有識者議員で東北大学名誉教授、レジオン•ドヌール勲章シェバリエ(フランス政府から授与される最高勲章)を受賞された原山優子教授による“あなたは理系女子?”という本があります。


あなたは理系女子? (イノベーションのための理科少年・少女シリーズ)

原山先生は14歳でフランスに渡ってから、その後大学では数学、スイスの大学で教育学、経済学を学び、イノベーションにおける大学の役割を研究することを専門とされている方です。
文系と理系の双方に精通している方で、そういう意味ではハイブリッドなリケジョともいえるのではないでしょうか?

この本では 前半は理系女子へ、又、理系女子を職場に持つ方々、理系女子をどのように育てるのか、ということについて書かれていますが、後半では、自叙伝風にその知識や知恵をどのように実際の人生の中で活用してきたのかということが書かれています。

その中で私が特に共感したのは以下の点です。

•“リケジョ”といっても、先生が経験上感じてきたことは、性差ではなく、むしろ“異なる価値観をもつ人”に対する組織の寛容性が低いこと。

•ロールモデルは必ずいたほうがいいというよりも、あくまでも可能性の判断材料や挑戦の対象であること。

•人とのつながりを大事にする事。

•感じる力を大事にする事。

•イノベイティブな人は文系と理系の精神が同居する人

•高校教育のありかた(大学入試のありかたを含め)を考える。

先生はフランスでバカロレア(高校終了試験)をとってから、フランスの大学で数学、その後、スイスで教育学、経済学と学ぶ国も、研究分野もクロスオーバーしているという“異分子”。日本人は一般的に、”普通でない”ものは苦手ですが、多様な価値観を受け入れるということはそこからイノベーションが始まりうる大事なポイントです。

大学入試のスタイルや高校卒業試験のあり方というのを考えるべき、(高校時代の勉強の仕方を考える)との提言をされていますが、それは今までのような、文系、理系にわけた分類(大学入試も、就職も)から高校時代に、もっと幅広い教育に切り変えてはとの話です。これは先生がヨーロッパ生活が長いということの反映だと思いますが、現状の日本はどちらかというとアメリカに近い形で本来、ヨーロッパの高校時代に学ぶことを大学の1、2年でしているため、アメリカや日本の高校を卒業しても、そのままヨーロッパの大学に入学することは難しいという現実があります。

原山先生はお子さんが3人おられてキャリア的にもずっと、第一線を走っていたわけでもなく、幼子を抱えていた時は家庭を大事にされていました。
人生の中で優先順位をつけつつも、その時にできることを精一杯するような、生き方はこれから研究職を目指したり、小さな子供を抱える方達にとっては参考になることが多いと思います。

とても60歳をこえているとは思えないほどチャーミングな原山先生。
研究職に性差はないといっても、その人柄のかわいさ(! )がやはり人を惹き付けるような気がします。

日本ではイノベーションがおきにくい、といわれますが、イノベーションを起こせる人材をどうやって育成していくのか、という知恵がはいった1冊と言えるのでないでしょうか。

参考記事:
OECDの学習到達度調査 PISA 2012からわかること
理系女子を育てる取り組み

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