21世紀の大学の役割-STS フォーラムより-

毎年10月に京都で開かれる、 STSフォーラム(サイエンス•テクノロジー•イン•ソサエティ)という国際会議があります。
これは前安倍内閣において財務大臣も勤めた尾身幸次氏が創設した『科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STS フォーラム)』であり、今年で第11回目になるのですが、経済色が強い、WEF(世界経済フォーラム、ダボス会議)に比べ、科学技術色が強く、世界のその分野のリーダー達が集まる非常に中身の濃い国際会議です。科学技術の分野にいない一般的な日本人の中ではあまり認知度が高くないような気がするのですが、この会議、世界の科学技術の分野で日本が世界の方向性をリードすることに一役かっている非常に重要な会議だと思われます。

会議の中では、色々なテーマについて(エネルギー、環境、人口、資源,IT問題、教育等)討論されるのですが、その一つが『21世紀の大学の役割について』というものでした。
ファシリテータはハーバード大学応用物理学部の学部長、スピーカーはノースイースタン大学の学長、下村文部科学大臣、ドイツ連邦教育研究省事務次官、名古屋大学学長です。
それぞれの国、大学の立場によって状況が違うということがあるものの、教育というものが情報を得ることと、得た情報を使って何かしらの結果をだしていくという2つの柱からなる中で、特にそのアウトプットの部分にこれからいかに重きをおいていくのか、ということはどの国でも共通した認識だったような気がします。

日本の場合外国にでる学生数、外国から日本に入ってくる学生数を2020年までに倍にする計画があるとのこと。
ノースイースタンは大学からの起業を重視していて、失敗するなら早くして、又すぐにスタートしたほうがいい、と産業界を非常に意識した教育を進めている感じです。(余談ですが学長は2011年マサチューセッツ州内では一番高額である300万ドルというサラリーをもらっているほどですから、ビジネス色が強いのかもしれません)
アメリカの問題は、大学の費用が高すぎる、ということが質問者からでたのですが、ハーバードでは実際は8割の人がファイナンシャルエイドをもらっているとのこと、それに対して
ドイツでは国立大学の学費はほぼただ(ドイツ人の場合)ですが、それでも生活が苦しい場合、奨学金が月600ユーロ程度もらえる可能性があるということ。又、大学に行かなくても職業訓練制度が充実しているという特徴もあります。それぞれの国での教育の位置付けの違いというのを明確に感じますね。

日本の場合、日本に学びにくる学生を増やすというのはとてもいい政策だと思います。
というのも、アメリカでも現在40代くらいまでの人だと、学校で日本語が学べたとか、学校以外でも日本語を選択したとか、日本との取引が多かったり、日本のテクノロジーを勉強する為に日本に行ったという話をよくきき、日本びいきの人達というのがいるのですが、その下の層になると、漫画やアニメ、ゲーム世代が日本カルチャーが好きで、日本に興味をもっていても、実際ビジネスという話になると中国の方を向いている感じがします。ボストン周辺の学校でも現在、中高生が中国語を学べる機会はものすごく多いのに、日本語が学べる機会は減ってしまっています。将来的に日本を理解してくれるファンを増やす為には日本に来てもらうということはとても重要な事だと思いますね。

stsforum edu

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