日本人経営学者が教える、『世界の経営学者はいま何を考えているのか』

最近読んだ本に
『世界の経営学者はいま何を考えているのか』
という本があります。


世界の経営学者はいま何を考えているのか ― 知られざるビジネスの知のフロンティア

この本を書いているのは アメリカのビジネススクールで活躍されている数少ない日本人経営学者の方(入山 章栄氏)です。(*この方は現在早稲田大学ビジネススクール准教授になられました。)
ビジネススクールや経営学の教授になるには実務が必須なのかと思っていたらそれ以上に大事なのは様々な事象や意思決定を科学的に分析し(研究)検証する事、すなわち論文を書く事だった、というまあ学術的に考えれば当たり前といえば当たり前のことを今更気ずかされた本です。
ハーバードビジネススクールに修士4つ、博士2つもっている教授がいるのですが、なぜ、その必要があるのかわかりました。。。

結局、論文を書くということはあくまでも、過去のデータから見た統計であり、それを読んだ人は今後もこうなるであろう、ということを思うわけですがこの本にもあるように、実際の成功例というのはデータからはみ出しているもので、平均値をとることがこの先も正しい選択なのか、ということを考えさせられます。どの部分をデータでとって、どの部分を経験値や勘で決断していくのかという組み合わせが、競争力の背後にあるような気がしました。だから、何度も立ち上げ何度も失敗した多くの実務家にとっては、経験値と、勘や信念、哲学というものを重視する傾向にあるのではないでしょうかね。。。

この本では、例えば、イノベーションを生みだすにはどうしたらいいのか、ソーシャルキャピタルの話、国際起業家の話、リアルオプションの話、経営学は役に立つのか等、いくつか面白いトピックが浅く広く取り上げられています。

その中で自分が気になったトピックを2つ紹介します。

まず、なぜ国際起業家が増えているのか、ということですが、そもそもアントレプレナーは地域に集積するものですが(ボストンやシリコンバレー)その理由としては、以下の2点があります。

• 知識は飛ばない
経営資源、人的つながり、知識、情報は集中していたほうが得やすいということがあります。

• ベンチャーキャピタルも飛ばない
スタートアップとベンチャーの距離は平均94km
(ただし、これも平均値であり、もちろん、日本から外国に投資するベンチャーというのもあります)

アントレプレナーは集積する傾向にあるのに現状、ビジネスは広範囲にわたり、ローカルとグローバルが同時に進行しています。

それが可能になったのはインターネット等の発達というのもありますが、超国家コミュニティというものの出現というのもあげられます。すなわち、アメリカで学んだ人達が自分の国に戻って今度は自分の国からアメリカとの新しい関係を構築していくということで、両国間での頭脳の循環を作っているのです。

それからもう一つ、日本人は集団主義的な国民とのイメージがありますがホフステッド指数(国民性を数値化したもの)でみるとそうともいえないということ。(他のアジアの国と比べると日本人のほうが個人主義的な傾向が強い)日本人(韓国人、中国人)は自分のグループや仲間を信用はしても、そのグループの外の人はなかなか信用しないということ。

これ、イベントや、普通の軽いパーティとか見ていてもそう思います。招待する方も、他に知り合いのいない人を呼ぶのは難いし、知り合いをグループ単位で呼んでも、グループ同士がほぼ交わりませんね。ほっておいて、自分から話かける人達は非常に少ない、下手したら、ちゃんと紹介しても、紹介者がいなくなったらもう会話終わりみたいな。。。

そういうわけで、ビジネス上で海外企業と信頼関係を上手く構築できない可能性があるのは個人主義のアメリカ人ではなく、日本人かもとの指摘があります。

間違った思い込みを経営学が科学的に証明していければ経営学は役にたつといえると思いますが、人の行動や、意思決定というものを、どこまで科学的に説明できるのか、ということが経営学の今後の課題ということでしょうか。

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