大学にいくことだけが選択肢なのか?

大学をでたほうが、生涯賃金が高くなるとわかっていても、アメリカの大学の費用がこれだけ高いと、学費を払う親達も大学の意味というものを改めて考えさせられているようです。ここ最近、高等教育やその学費に関する様々な切り口の新聞記事が増えています。オンラインで学位がとれるコースも多様化しています(余談ですが、バークリー音楽院もこの秋から学士号がとれるオンラインコースを提供することになりました。)高等教育というものが、”ビジネス”になってしまっているということを多くの人が感じています。大学をでたほうがリターンがいいといってもそれだけが選択肢なのでしょうか。一方、若者の失業率は高いのに、企業では十分なスキルのある人材を確保できないというギャップも生じています。
週末の新聞は高等教育に関する特集で、(ボストングローブ5月11日)面白い数字が並んでいました。

69%

必要なスキルをもったスタッフを雇うことが難しいといっているマサチーセッツ州の雇用者の割合

15.8%

アメリカの18歳から29歳の失業率(全人口の失業率を見た時の倍の数字)

250億ドル

若者の失業によって未回収になっている税金や政府からの援助金の額

1/3

ブルッキングス研究所による、2020年までに4年生の大学の学位が必要な仕事の割合。2/3以上の仕事は高卒に多少の教育とトレーニングをすればできる仕事

1対441

マサチューセッツ州でのガイダンスカウンセラー(注)と学生の割合。推奨されている割合の倍以上の学生を一人のカウンセラーが受け持っている。

350

職業訓練制度を取入れているドイツの産業数。企業は安い賃金で労働者を得て見習い期間が終わればいい人材をそのまま保持する、もしくはよく教育された人材を労働市場に送りだす(この制度に税金は投入されない)

8%

ドイツの若者の失業率。ちなみにEU全体での若者(15〜24歳)の失業率の平均は23%

512%

サウスキャロライナ州でのヘルスケア、エネルギー、観光分野での州がイニシアティブをとって2007年以来行っている見習い制度への参加者の伸び率

2/3

スイスで職業訓練制度を行っている若者の割合。この後に更に、教育を重ねて、学士をとらなくてもビジネススクールや、大学院にいく事も可能。

***

教育と仕事のミスマッチが、少なくなれば失業率も減るだろう、ということなのですが、高卒と大卒の、給料格差がものすごくあるままだと、結局、みんな無理してでも大学に行こうとするでしょう。でももし、それほど違わない額の給料がもらえたら?
職業訓練というのは、日本だと、大工さんとか、車の整備士とか、パン屋さんとか?“職人”というイメージがあるのかもしれませんが、職業訓練では例えば一般事務職、デパートの店員、バイヤーや銀行業務もそうですし、(銀行の受付、クラークはもちろんのこと、トレーダーも大学出てない人達は結構います)学校の先生等といった職業も訓練で学べる職業です。実際、上記にあるように、2/3以上の仕事は高卒に多少のトレーニングをすればできる、というのはこの職業訓練があればできるということでしょう。残りの1/3は例えば医者、獣医、薬学系、研究員、弁護士、管理職、等、専門の高等教育が必要な分野になってきます。実際、その道のエキスパートになって、(場合によっては起業をして)職業によっては大卒よりも稼ぐ人達もいるので、大学をでたから必ずしも、生涯賃金が上とも限らないわけです。

ともかく、様々な矛盾があるために、現状の教育制度を変える時期に入ってきているという事なのだと思います。

(注)ガイダンスカウンセラー:高校で進路相談にのってくれる、カウンセラーで、どういう科目をとったらいいかとか、大学の進路相談を受け持つ

参考記事
失業率を改善させる可能性のある職業訓練制度

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