今年のブログを振り返って その2

...先日の『今年のブログを振り返って その1』からの続きです。

ー理系女子を育てる取り組みー
サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング分野(STEM分野)において、民間で成功している取り組み例をとりあげました。このNPOサイエンスクラブ フォー ガールズを立ち上げたのも、理系の母親達です。そして理系女子(お母さん?)代表のような原山先生による、ーあなたは理系女子?イノベーションを起こすための超『理系女子』論ーも紹介しました。母は強し!

ー増加するアメリカの大学中退者ー
一流の大学に行けないならいかないほうがいい、という意見もききますが、大学のレベルが高いほど、卒業する率が高いという現実を考えると、やはり、何が自分にあっているのかということを真剣に考えて大学選びをしたほうがいいということになります。

ー様々な差別をどうのりこえる?ー
日本で生活していると、それほど差別ということを感じませんが、外国にいると色々な ”差”というか” 違い” を感じます。これは自分がこれからも外国で住み続ける上で、重要だと、思っているポイントです。

それから『40歳以上の英語でビジネス勉強法 のシリーズ』である、
ーもし、あなたが40歳を超えていて、これから英語を使ってビジネスや起業に関わることを学ぼうと思っているのなら...ー
このシリーズはブログを始めてすぐにかいたエントリーでしたが、いまだにアクセスが多いです。勉強はいくつになっても始められるものですよね。

さて1年を振り返りましたが、全体としてはやはり教育、大学関連の話にアクセスが多かったのかなあ、という感じでした。教育はとても大きいテーマです。
来年もまた、色々な話がお伝えできるといいな、と思っています、よろしくお願いします。

edX(大規模オンライン公開講座)で学んでいるのはどんな人たち?

ハーバード大学とMITが開発したedX(MOOCs、大規模オンライン公開講座)は160ほどの講座を提供しています。登録しているのは200万人、196カ国の人々ですが、そのコースの受講者、一番多いのはアメリカ人(60万人)で、2番目に多いのがインド人であるという 記事(The times of India) がありました
受講者のうち60万人はアメリカ人、25万人….インド人、8万人….イギリス人、ブラジル人、6万人….中国人
年齢は高校生が5%、18〜25歳が40%、25歳以上は55%、コースをとっている人の平均年齢は26歳

ちなみにインド人の中で一番人気のコースがハーバードの教授によるコンピューターサイエンス入門、2番目がMITの教授によるサーキットとエレクトロニクス、そして公衆衛生になるそうです、さすがITに強いインド人。しかも彼らは英語がよくできるのでMOOCsの利点としてある、一流の教授の授業を場所を問わず、無料でうけられるということを、金銭的な理由で大学に行けない人達も享受できます。

コースは通常4〜12週なのですが、終了率の低さがよく指摘されます。実際は6%程度の人しか、コースを終了して修了書をえることがないそうです。しかし、コースをとっている人の80%以上はすでに学士号をもっているということがペンシルバニア大学の調査からわかりました。要するに資格を得るために受講している人は多くないということです。

ノンプロフィットのedXの場合、コースが無料ということがコースを終了する率を逆に落としている一因でもあるように思いますが、逆にそれを利点ととらえ日本人の場合なら、大人の英語学習ツールとして興味のある分野を趣味的に勉強したり、TOEFLの練習の為とか、自習だけでなく学校の英語の先生にも活用してもらいたいと思いますね。

参考記事:
MOOCsは役に立つのか?

必ずしも比例しない語学力とコミュニケーション力-外国語でコミュニケーション力をあげる為には-

先日英語の能力が非常に高いのに、コミュニケーションが上手くとれないことで、とても残念な結果になっている日本人の方がいてどうしたら、外国語でコミュニケーション力をあげられるのかを考えてみました。

年齢に関係なく、学生でも、海外にある日系企業に勤める方でもそうなのですが、学生の場合はクラスで発言ができないことで、いい成績がとれない、企業からの派遣の場合、社内のコミュニケーションが上手くいかないことで、仕事がうまく回らないという実害がおこってしまいます。(問題は、当事者がそれに気づいていない、もしくは問題として認識していないことが多いということですが。。。)

自分も若い頃は語学力をあげれば、コミュニケーション能力もあがるのだろうと、必死に語学を勉強した時期もありますが、必ずしも語学力の高さとコミュニケーション能力の高さが比例しないことに気づきました。確かに、ある程度のレベルまでは、比例していくのですが、そこからは、語学力とはあまり、関係なくなってきます。では、どこに問題があるのでしょう? 色々な外国人とやり取りをしてきて、この人、語学力はそんなに高くないのに、どうして、こんなに周りと上手く付き合いができるのだろうか?と自分なりに気づいたことをまとめてみました。

原因
まず、コミュニケーションとは何か、ということです。 調べると沢山の解釈がありますが、ここでは簡単に定義してみます。コミュニケーションとはラテン語のcommunicatioに由来しており、わかちあうことを意味しているそうです。分かち合う為には簡単にいえば、互いに理解しあう、相手を理解し、自分も理解してもらうという事が必要です。
ところが一般的に、日本人は自分を言葉で相手に理解してもらおうとすることが苦手なのではないか、と思うのです。
その原因として 、色々な立場の方が様々な意見をおっしゃっていますが、私が感じるのは 日本に住む人はほとんど、日本人であり、地域による文化的背景が違ったり、方言があったりしても、基本的にみんなが日本語を話すという事があると思います。(法務局によると平成22年の外国人登録者数は人口の1.67%というデータがあります。 )日本人は言葉で自分を理解してもらうように努力するより、 相手の雰囲気とか、態度とかで状況を察したり、察してもらうということが、期待されるという点が多いように思います。特に、ある程度の年齢まで日本で育つと、そういう習慣が身についてしまいます。

”空気を読む”というのは、相手のことを思いやるという見地からするとすばらしいことだと思いますが、文化的背景、違う言語を話す人達にそれを期待するのは難しい、外国人を相手にする場合は、自分の常識は相手の常識ではないし、それくらいわかっているだろうというのはあり得ないわけです。上手く説明できないし、言っても理解してもらえないという気持ちがますます、コミュニケーションをとりにくくさせてしまっているように思えるのです。

コミュニケーション能力が高い人の特徴
そんな中、初対面でも、この人コミュニケーション能力高いなあ、と思う人は以下の特徴があるように思います。

1 相手の話をきくのが上手い
話を聞くのが上手い人は、相手の話を聞く時に、適切な質問ができます。(往々にして、その質問は自分が聞かれたい質問だったりするのですが。)それによって、相手が何を望んでいるのかをひきだすことができたり、相手が話したい人なのか、聞きたい人なのかを見分けられたり、自分との共通点や、共感、理解できる部分をみつけることができます。

2 自分を他者に理解してもらう努力をしている
相手の話に対して、自分の意見や経験を分ちあうことで自分を理解してもらい、また自分が役に立てるようなことがあれば、アドバイスをしたり、人を紹介したり します。又、自分を理解してもらうために、自分はこういう者、もしくはこういうことをしているということを明確に、そして実はすごく複雑なことをしていたとしても誰にでもわかるシンプルな言葉で簡単に語ります。

よく知らない人とでも外国語でコミュニケーションが上手くとれるようになるコツ
• 相手に興味を持つこと
当たり前のような気がしますが、相手に自分を知ってもらいたい時ほど、相手に対して興味をもって、接する事だと思います。

• 話の細部を理解するより、話の流れと重要なポイントをつかむ。
話していて、ポイントになるような言葉やよくわからない話でもキーワードになるような言葉をひろってリピートしたり、確認します。すると、大体、相手はもう一度それに関して詳しく話してくれます。

• 自分と相手の中で共通点、共感できる部分を見つける。
仕事、学校、趣味、友人関係、住んでいる場所、家族等何かしら共通するものや、共感できる経験等をみつけると相手との距離感が縮み、話が一気に進みます。

•Yes, Noでおわってしまう質問をされたとしても、 それで終わらせずに、話を少し膨らませる。
例えば、何かを頼まれたり、きかれたりして結論的にはNOであっても、代替案、もしくは他の解決策を提案する。

• 特に、これから付き合いが続くような関係である場合、もしくは付き合いたい場合には後日必ず2、3行でいいのでメールをいれておき、定期的にコンタクトをするようにする。

結論
こう考えると、意外と日本語での人付き合いでも同じような気がしないでしょうか?他の言語でコミュニケーション力をあげるよりもまず、日本語ではそれができているのか考えてみた方がよさそうです。(長期的な関係でのコミュニケーション力となると、これだけの要素だけでは足りないと思いますが。)
これが外国語になると、ますますややこしいということになれば、自分の得意分野を作るといいのではないでしょうか。自分の興味のある分野とか趣味の分野の講座をMOOCSでとってみたり、TEDをきいてみたり、その分野の言葉を重点的に覚えて、得意分野を作っておくと、役に立つと思います。極端にいえば、外国語が苦手でも、一芸に秀でていればそれで自己表現ってできてしまうのですよね。歌や音楽、その他作品とかで自分を理解してもらえるっていうのは素敵だと思います。

参考記事
もし、あなたが40歳を超えていて、これから英語を使ってビジネスや起業に関わることを学ぼうと思っているのなら...(その3)

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MOOCs(大規模公開オンライン講座)受講後の転職・就職成功率

MOOCsは特に海外から、勉強するにはとても便利なツールだと思われるのですが、それで実際、仕事を探すとなると、難しい、ということが判明したそうです。(12月16日、2013 The Chronicle of Higher Education)メジャーなところでいえば、Coursera, edX, and Udacityは、どこも優秀な成績をとった学生と、雇用主をつなげようと模索しています。実験的に、edXはMOOCsで勉強した優秀なコンピュータサイエンス専攻の学生868人と、グーグルや、アマゾン、SAPのようなテクノロジー会社とマッチングさせようとしました。ほとんどの学生は米国外からの学生で、そのうち多数がすでにプロフェッショナルとして働いている人達です。しかし、868人のうち、インタビューにいきついたのはたった3人、採用は誰もされませんでした。この実験が失敗に終わった為、edXでは職業紹介プログラムの中止、現在、edXは収益を生み出す他の方法を探しています。

MOOCsは役に立つのか?という記事でも、以前紹介しているのですが、実際には企業は何を勉強したかより、何ができるか、に重きをおくということ、上記の例では、候補者がほとんど外国人であるということや、人事担当者がまだ従来の教育システムでの修了証書を重視する、というのも大きい点らしいです。なんといっても、2012年にスタートしたばかりです。

それより、MOOCsは英語が学びたい日本人にとってはとても有効なツールだと思います。就職につながる資格、という意味ではまだ難しいにしても、無料のコースで自分の興味のある分野を時間をかけて、繰り返しみれば、確実に英語のリスニング力はアップしますし、クイズがでたり、事前に、資料を読んだりすることで、読解力もつきます。”話す力” という意味では、英語以前に日本語で何がいいたいのか、完結にまとめる力をつけてからでしょうか。日本語で自分の意見を完結にまとめられなかったら、外国語ではますます無理です。もし、話す機会を作りたいようならば、参加型のオンラインコースをとると、発言する機会も増えます。

”起業家”の定義とは?

Worthless, Impossible and Stupid(意味がなく、あり得なくて、馬鹿げている)というこの夏に出版された本の著者、ダニエル アイゼンバーグ氏のケンブリッジイノベーションセンターで開かれたサイン会をかねたトークショーにいってきました。
アイゼンバーグ教授は、バブソンカレッジのバブソン・アントレプレナーシップ・エコシステム・プロジェクトのディレクターをしています。

彼はイスラエル人ですが、ハーバード大学で心理学の博士号をとった後、イスラエルで、起業について学び、イスラエルのハイテク関連のスタートアップを始め日本やその他、多数の国にまたがる仕事をしてきました。

この本では、世界中の起業家の事例が沢山でてくるので、読み物として、おもしろいです。私は起業するとは自分の人生を探求していくことなのかな、という気がすごくしましたね。この本にでてくるどの起業家も、まっすぐ平坦な道をいっているわけではなく、どの人も困難にぶつかったり、ぎりぎりのところを歩いていたりします。読んでいるほうは、なんて激しい人生だろう、と思いますがきっと、当人達はやりたいことを追求しているだけなんだろうとも思います。

まず、彼は起業家精神とは 他の人が認識できない、もしくは見逃している需要と供給のギャップを見いだし、そこから ”驚異的な価値” を創造し、それに見合うリターンを受け取るということ、を前提にしています。だから、個人事業や中小企業のオーナーは必ずしもそれにあてはまらない(場合が多い)ということを主張しています。スケールを大きくして、金銭的なリターンをあげられなければ、起業家とはいえないそうです。(このあたりの点は、トークショーにきていた、人の中でも意見が分かれました。)自分の商品、サービスに金銭的な価値がついて始めて、価値を創造しているといえる、と彼は主張します。

本の前半では、起業家の3つの神話のうそ、について書いてあります。
• 起業家はイノベーターでなければならない。

• 起業家は専門家でなければならない

• 起業家は若くなければならない。

これらに対して、そうではない事例をあげて、反論しています。

大抵どの起業家も、みんなに反対された事業を起こしています。というのも、みんながいいといったものには手をださないからです。みんなに馬鹿げてる、とかあり得ないといわれても、自分を信じて、周りをまきこんでなんとか、やってしまうから、普通の神経の人は起業家にはなれない、というわけです。

そして、もちろん、失敗もたくさんあります。ハーバードビジネススクールのビジネスプランの賞をとったビジネスでさえ、上手くいかないこともある例をあげています。

今回のトークショーでは、30人近くの人がいたでしょうか、著者が一方的に話すというより、観客のだす、質問に答えるという形をとったので関係性が一気に縮まって面白かったです。若者の起業に対しては非常に懐疑的でしたね、特に、若者の起業がすばらしい事だらけ的なメディアの報道には、辟易されていました。が、それに対して真っ向から挑んでいる若者もいたりして、非常にエキサイティングでした。

あと、彼が見なしているレベルの”起業”というのは、自分のしていることを100%以上愛せないと、とてもできることではないな、と思いました。まさに自分自身の人生を120%生き抜くというか。。。どこか、大衆に対する共感力が高い、成功する芸術家的な香り、それと同時に、緻密さのようなものも感じました。アイデアやビジョンはとてつもなく、大きく夢見ていると感じられても、階段を丁寧に少しずつ、一歩ずつ確認して上っていくような。。。

又、どの話にも共通していると気ずいたのは、リーダーシップを発揮して、チームを作る力です。
リーダーシップは起業家でなくても、どの分野の世界でも発揮できるものですが、逆に起業家はリーダーでなければいけないようですね。リーダーシップをとるには、才能も必要なんじゃないかなあ、と思って調べてみると、実際、”最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと”という本で、リーダーには才能が必要だとのべられています。どんな、才能が必要かは、是非本を参照してみてください。

又日本人として、実業家、社会起業家の杤迫 篤昌(とちさこ あつまさ)氏の例が選ばれていて、銀行口座をもたない出稼ぎ移民の送金を手助けをする金融機関を立ち上げたことを紹介していました。彼は、三菱東京UFJ銀行(もと東京銀行)のバンカーで27年勤めてから起業された方です。日本人だけど、南米の人達の役に立つような起業をされました。普及させたいとの思いから、”支援”という形でなく、あえて、ビジネスという形をとった例です。

海外勤務が長くて、これから早期退職でもして、第二の人生を始めようか、と思われている方の起業の参考に、なるかもしれません。

本によると、起業する年齢の平均は男性40歳、女性41歳、そしてそのうち23%は55〜64歳のベイビーブーマーなんだそうです。そして、彼もトークショーの中で色々な条件の整う40代以降の起業をすすめていました。

結局、自分の好きなビジネスを追求して、あとから振り返ってみたら起業家になっていた、ということなのかもしれませんね。今までにない新たな市場を創造したい、と思っている方は、読んでみて損はないと思います。

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Worthless, Impossible and Stupid: How Contrarian Entrepreneurs Create and Capture Extraordinary Value